注目企業の躍進の秘密や新しい働き方などについて、企業にインタビューをしていく本企画。今回は、「靴下屋」や「Tabio」「TabioMEN」などの靴下専門店を展開するほか、靴下の製造、卸も行うタビオ株式会社にお話を伺いました。
「靴下屋」などの靴下専門店を展開するタビオ株式会社
タビオ株式会社は、「靴下業界の良心たれ」という創業者の想いのもと1968年に創業した、靴下の製造、卸、小売を行う企業です。長年に渡り「Made in Japan」のこだわりを守り続け、高品質でファッション性に富んだ靴下は、幅広い層に支持を得ています。
現在は、イギリスやフランス、中国にも靴下専門店を展開するほか、オンラインとオフラインの垣根をなくした「OMO型店舗」をオープンするなど、堅調に事業を展開しています。
会社名 | タビオ株式会社 |
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住所 | 大阪市浪速区難波中二丁目10番70号なんばパークス内パークスタワー16F |
事業内容 | 靴下の企画・製造・卸・小売・フランチャイズ チェーン(靴下屋)の展開・直営店(靴下屋・ショセット・Tabio・TabioMEN)の展開 |
設立 | 1977年3月(創業は1968年3月) |
公式ページ | https://tabio.com/jp/corporate/ |
働き方 | テレワーク勤務、時差出勤制度、時短勤務制度 |
今回は、テレワークや時差出勤などを活用した働き方や、入社から数年で管理職も任される若手社員の活躍の理由などについて、タビオ株式会社の春日さんと長﨑さんにお話を伺いました。
「靴下といえばタビオ」を目指し、高品質な理想の靴下を追求
編集部
まずは読者の方に向けて、タビオさんの事業内容について簡単にご説明をお願いします。
春日さん
タビオは、靴下の企画や製造、卸、小売を行う会社です。20代・30代の方や女性の方に多くご利用いただいている「靴下屋」が一番広く知っていただいているブランドかと思います。そのほかにも、百貨店で「Tabio」、スポーツをされてる方向けに「TABIO SPORTS」、男性向けに「TabioMEN」などを展開しています。
編集部
サイトで靴下へのこだわりなどが記載されていますが、改めて思いやこだわりについてお伺いできますか?
春日さん
最終的には「靴下といえばタビオ」と言っていただけるような、世界中の方に愛される靴下を作っていきたい、という思いが強くあります。
「靴下は消耗品」という捉え方が一般的だと思います。ですが、タビオでは「Made in Japan」にこだわり、品質や履き心地、シルエットなどを研究し、理想の靴下を追求しています。そして、高い技術と品質を詰め込んだ靴下を、良心的な価格で販売して、たくさんの方に愛していただき、繰り返し履いていただけることを目指しています。
編集部
その強い思いとこだわりのもと作られている靴下だからこそ、国内外の幅広い層の方に好評を得られているのですね。
テレワークや時差出勤が可能なタビオでは、育児との両立も可能
▲オンライン会議中の様子。
編集部
タビオさんの、社員の皆さんのワークライフバランスを実現するための制度や環境についてお伺いしたいと思います。
長﨑さん
タビオでは、時差出勤制度やテレワーク勤務を実施しております。事前に上長の了承を得る必要がありますが、それぞれの事情や生活に合わせた労働ができるような環境になっています。
制度自体は以前から用意されていたのですが、実際に使うには気が引けてしまう部分がありました。2020年頃からの生活様式の変化に伴い、テレワークも一般化したこともあって、社員の中に制度活用が浸透しましたので、以前よりもさらに働きやすい環境になりました。
編集部
それぞれの生活に合わせて働くことができるとのことですが、具体的にどのような働き方をされているのかご紹介いただけますか?
長﨑さん
たとえば私は、子供に対してちゃんと対応できるように、時差出勤と時短勤務を併用して働いています。朝は子供を送り出してから出勤したいので、時差出勤制度で出勤時間を30分遅くしています。また、保育園のお迎えに行くために、時短勤務を活用して早い時間に上がっています。
あと、行事などで一時間だけ学校に行かなければならないときは、テレワーク勤務にして、お昼休憩の時間を使って学校に行くこともあります。お昼と時間が合わない場合は、休憩時間をずらしてもらったり、上長に相談して子どもの用事に合わせて勤務できるようにしてもらっています。
編集部
勤務時間をフレキシブルに調整して、育児や家庭のタスクを消化できるようにすることで、仕事との両立をはかっているのですね。
タビオでは育休からの復帰率がほぼ100%!
編集部
育休については取得率や育休後の復帰率などはいかがでしょうか?
長﨑さん
妊娠された方のほとんどは、出産に向けて産休・育休を取得されています。そして、育児休暇から復帰もほぼ100%ですね。役職についている方が育休を取るケースももちろんあり、戻ってきた後も同じ役職で復帰する環境があります。
男性育休も制度として用意してあります。実際に取得されている方はまだいませんが、複数の方から男性の育児休暇について問い合わせも来ています。
タビオでは残業月10時間以内がほとんど、有給も取りやすい
編集部
お仕事と育児との両立についてお話しいただきました。次に、残業や有休についてお伺いしたいと思うのですが、月の残業時間はどれほどでしょうか?
春日さん
部署によっては業務が多い時期は残業している傾向がありますが、基本的に少ないと思います。
毎月、残業時間に関する資料を作成するのですが、月10時間残業以内の方がほとんどです。実際、私も毎月10時間未満の残業時間です。
編集部
残業は1日30分程度ということですね。有給は取得しやすい雰囲気なのでしょうか?
長﨑さん
有給休暇については、非常に取りやすい雰囲気の会社だと思います。もちろん繁忙期は調整が必要ですが、みなさん周りの協力を得ながら取りたいときに取れていると感じています。
有給休暇を年5日取得しなければならないと法律で決められてからは、人事としては「取ってください!」と、有給を取得されていない方にアピールしています。会社の雰囲気と人事の取り組みも相まって、社員の意識の中に、「有給休暇はいつでも取れるし、むしろ取らなければならないものだ」という印象がつけられていて、自由に取得されているように思います。
編集部
自由に有給を取得できる雰囲気がありながらも、なかなかタイミングなどが合わずに有給を取れない方もいらっしゃるとは思いますが、そこで人事の方の働きかけもあると、より取得しやすくなりますよね。
全年代が活躍するタビオ。若手による海外事業の立ち上げも
編集部
タビオさんでは若手社員の方も多くご活躍されているそうですね。ご活躍されている方の事例やその理由などをお聞かせいただけますか?
春日さん
タビオは社員みんなが若い会社というわけではなく、50代の方や再雇用された60代の方もいるような会社です。そのなかで20代、30代ながらに活躍してる者はたくさんおります。
特にご紹介したいうちの一人が、現在、海外部で課長を務めている30代半ばの女性社員です。彼女が入社してから海外部の中国事業を本格的に立ち上げ、今では彼女が事業の中心になって中国国内に28店鋪を展開しています。
結婚・出産も経験されて、育児休暇から戻ってきてからはすぐに以前と同じように働かれています。ほとんど出張というようなスケジュールの月もあるようでしたが、100%の力でお仕事されています。
長﨑さん
彼女が入社する前から海外展開は始まっていて、ヨーロッパには店舗があったものの、アジア地域には店舗がなかったんです。中国事業も立ち上がっていなかったのですが、将来的な事業展開は考えていました。
彼女は中国の方なのですが、入社前から日本語に長けており、入社してすぐ中国事業にトライし始めました。そして、数年前にいよいよ事業が形になり、現在では5人の部下とともに、どんどんと事業拡大をしている段階です。
編集部
中国28店舗の立ち上げの責任者といった形ですね。その方がこれだけの活躍をされている秘訣はなんでしょうか?
春日さん
本人のやる気はもちろんですが、あまり物怖じせずにどんどんチャレンジしていこうと取り組めるところが大きいです。
「若いから」「女性だから」「子供がいるから」と、言い訳しだしたら何もできないものです。彼女は積極的に物事に取り組み、上の立場の人間も含めて周囲を巻き込んで進めようとする推進力があります。
だから若いからできない、女性だからできないことはなく、やる気と根性があれば周りも理解してくれますし、活躍できる土壌がある会社だと思います。
タビオではチャレンジして結果を残せば昇進できる環境がある
編集部
ほかにもご活躍されている方の事例があればご紹介いただけますか?
春日さん
はい、スポーツ営業部で活躍されてる若手社員がおり、彼は中途採用で入ってきてまだ3年ほどですが、既に課長に昇進しています。
スポーツ営業部は3〜4人程度の少数精鋭の部で、取引先も売上もどんどん増えております。
取引先の店舗にこまめに臨店したり、彼が主催となって勉強会を開催したりして、店舗のファンを増やしていると感じます。また、いろいろな企画書を作ったり、SNSで発信をしたりと多角的な挑戦をされており、それが結果に繋がっているのだと思います。
タビオで若手が活躍できる理由は「上司が責任を取る」という本気の後押し
編集部
海外部の方もスポーツ営業部の方も、ご本人が一生懸命やられている部分があると思うんですけれども、会社としても若い方に任せようという雰囲気があるんでしょうか?
春日さん
若手のうちから活躍している方はいますが、誰でも活躍できるわけではないと思います。もちろん本人のやる気やモチベーション、能力も関係はしてきますが、それだけではありません。
スポーツ事業で結果を出してる若手社員の上司に、なぜ結果を出せるのか尋ねてみたところ、「上の立場の者が本気で責任を取ろうと思うかどうかだ」と申していました。これ、上司から話すのは恥ずかしいし、自慢話みたいになるから言いたくないって言われていたんですけれど(笑)。
確かに結果を出しているのはその若手社員自身です。ただ、結果を出すには挑戦しなければならず、若いうちは挑戦による失敗も多くなりますよね。その失敗に対して上の者が責任を取ろうと思うかどうかが重要です。
「任せるよ」「俺が何とかするから」と言われて挑戦したのに、失敗したときのフォローやケアがなければ、再びチャレンジしようとは思えないですよね。上が本気で部下のミスをフォローしたり、責任を取ろうと思ってるかどうかは下も見ていて感じるものです。上の本気や思いを感じて、ようやく下は本気で挑戦できるのだと思います。
だから若手だけが頑張っているわけではなく、まず上が本気で部下の挑戦や成長を支援しようとしているんです。上司の本気がちゃんと部下に伝わり、元々高いパフォーマンスをさらに高く発揮できることで結果がでているのだと感じています。
編集部
上司の方がきっちりサポートしながら、任せて挑戦させてあげる環境を作っていらっしゃるから、若手の方がのびのびと活躍することができているのですね。
アットホームさが魅力のタビオ。上司に対しても「さん」付けで呼ぶカルチャー
編集部
では次に、タビオさんの会社の雰囲気や社員さんの様子についてお聞かせいただけますか?
春日さん
タビオは、非常にアットホームで、みんなが仲良しな雰囲気があると思います。風通しも非常によく、社長と専務以外は役員ですら「さん」付けで呼んでいます。上司に対していろいろな事を相談しやすい環境が一つの特徴です。
▲タビオ株式会社のオフィス内はフリーアドレスとなっており、社員同士の交流も活発
テレワーク勤務が始まってからは、オフィス内もフリーアドレスになっていて、自由な空気感があります。仕事ではそれほど関わりがない方が隣に座っていることも珍しくはなく、普段から部署を超えた関わり合いがあります。会社内、仕事上で仲良くしているのはもちろん、プライベートでも社員同士が仲良くしているようですね。
タビオは社長と社員の距離が近く、プライベートでの交流も盛ん
編集部
プライベートでの交流はどんなことをされているのでしょうか?
春日さん
みんなで車を出して、釣りに行くという話をよく聞きます。特に社内サークルがあるというわけではないのですが、同じ趣味を持つ同士が一緒に好きなことをしたり、家族を連れてきて家族ぐるみの付き合いをしています。
ほかにも音楽活動をしたり、休日にホームパーティーを開いてずっと飲んで話したりしている方もいます。また、社員と社長(代表取締役社長の越智さん)も仲がよく、夜にオンラインゲームをすることもあると聞いています。
長﨑さん
昨今、社員同士の飲み会などのイベントは敬遠されがちだと思います。社員同士あまり深く付き合わなかったり、プライベートはプライベートと切り分けられていたりする企業さんも少なくないと思います。
弊社もそうした部分はありますが、そんな中でも有志で集まって、釣りやサッカー、音楽など、趣味が合うメンバーと一緒に遊んだり、飲みに行ったりと、社外での交流を比較的している会社だと感じています。
編集部
会社として部活動やイベントなどを実施していなくとも、社員さん同士が有志で集まって遊びに行ったり、飲み会をしたりと本当に仲が良いということが伝わってきました。
自社商品を愛するタビオが求めているのは「推進力」のある人材
編集部
それでは最後に、この記事をご覧になってタビオさんに興味を持たれた方に向けて、メッセージをお願いします。
春日さん
タビオの社員はみんな自社商品が好きです。弊社の商品は、品質が良くデザイン性もあり、トレンドを押さえた商品からスタンダードな商品まで幅広く取り揃えております。
自社商品は社内販売で、安く購入できますので、普段から身につけている者も多いですし、家族や友人などに靴下をプレゼントする者もおります。私も親戚によくプレゼントするのですが、「待ってたよ」と言われるぐらい弊社の靴下を期待されますし、とても喜ばれるんです。
タビオでは知人や親戚に自慢できるような商品を作っているのだということは、ぜひお伝えしたいです。
長﨑さん
タビオの特徴として、意志がある者にはチャンスを与えようというカルチャーがあります。ですので、やる気や意志のある若手社員はどんどん活躍していける風土があります。それは、そうした人材を採用担当が選考して、きちんと採用できているという土壌があるからこそです。
自発的に物事を考えられて、推進力があり、かつ失敗を恐れずにどんどん時代に合わせてチャレンジしていけるような人材を求めています。ですので、こうした気質のある方に当社の扉をノックしていただけるとありがたいです。
編集部
社員のみなさんが自社の靴下のことが好きで、こだわりを持って作り続けられているからこそ、幅広い層の方や世界にまでタビオさんの靴下が届けられているのですね。
そして、若手社員の方が積極的に挑戦できるような環境や、上司の方との関係性があってこそ、入社数年でも管理職になれるような事例が作られているのだと感じました。周りを巻き込みながら物事を進めたい、新しいことに挑戦していきたいという思いがある方にはフィットするのではないかと思います。
本日はありがとうございました。
■取材協力
タビオ株式会社:https://tabio.com/jp/corporate/
採用ページ:https://tabio.com/jp/corporate/recruit/