土屋ケアカレッジの教頭を務める魯山さんが社名の書かれた看板の前でほほ笑む様子

約4割が未経験。株式会社土屋の“未経験・無資格・育児中”でも活躍できる理由とは

未経験・無資格からチャレンジできる職場や、多くの女性が活躍する企業を紹介する本企画。今回は、重度訪問介護のパイオニアである「株式会社土屋」に、介護業界の未来を担う同社の取り組みや、働きやすい環境づくりへの姿勢などをインタビューしました。

さまざまな障害福祉サービス事業を展開している株式会社土屋。47都道府県に拠点を持つ「ホームケア土屋」では、重度障がいのある方や要介護の高齢者、医療的ケアが必要な子どもへの訪問介護を行っています。また介護資格の取得に特化したスクール「土屋ケアカレッジ」を運営し、業界未経験者を介護のプロフェッショナルに育成しています。

今回は、そんな同社での働き方や仕事の魅力について、執行役員兼委員会推進室副室長の澤田さん、訪問看護部門の田邊さん、研修部門の魯山さんにお話を聞かせていただきました。

本日お話を伺った方
株式会社土屋の澤田さんが立ってこちらを向いている様子

株式会社土屋
執行役員兼委員会推進室副室長

澤田さん

土屋ケアカレッジの管理部長を務める魯山さんがデスクでPCの画面を見て笑っている様子

土屋ケアカレッジ
管理部長

魯山さん

訪問看護ナーシングプラス土屋のマネージャーを務める田邊さん

訪問看護ナーシングプラス土屋
マネージャー

田邊さん

新メンバーの約4割が未経験。年齢・経験問わず活躍できる「株式会社土屋」

株式会社土屋の魯山さんと「あぐり工房土屋」のスタッフの皆さん

編集部

介護の現場には、さまざまな資格を持つ人が働いていると思います。株式会社土屋が運営する「ホームケア土屋」では重度訪問介護を実施しているということで特に専門的な資格も必要だそうですが、実際どのような方が働いていらっしゃるのでしょうか?

澤田さん

弊社の介護スタッフはみな資格保有者ばかりですが、未経験で入社するスタッフは多いです。

直近1年で入社したスタッフのうち、「介護業界にはいたけれど重度訪問介護は初めて」という重度訪問介護の未経験者が約4割、「介護業界で働くこと自体初めて」という未経験者や無資格者は36名もいます。

また、年齢層が幅広く、20代から60代の様々な年齢のスタッフが活躍しています。「50代で未経験だけど、新しい仕事に挑戦したい」と入社したスタッフもいます。

専門的な介護資格も取得可能。未経験からでも戦力になれる充実の研修制度

株式会社土屋の研修風景
▲研修風景

編集部

未経験で入社した後は、どのようにスキルアップをしていくのでしょうか?

澤田さん

未経験者は、弊社が運営する「土屋ケアカレッジ」で資格を取得したり研修を受けたりした後で現場に出ます。

全くの未経験で入社した場合、2024年4月より、介護事業所で働く場合は”認知症介護基礎研修”が義務化され、デイサービスなどでも無資格で働くことができなくなりました。この認知症介護基礎研修を免除できる代表的な資格が「介護職員初任者研修」以上の介護資格となりますので、「介護職員初任者研修」を受講することで、介護スタッフとして働くために必要な資格を取得できます。

また、重度訪問介護に従事する場合は、介護業界の経験者であっても必ず土屋ケアカレッジで「重度訪問介護従事者養成研修統合課程」を受けます。これは重度訪問介護のサービスを提供するために必要な資格取得のための研修ですが、約5割の都道府県で実施されていないという現状があります。(※参考:土屋総研のプレスリリース「障害者介護の資格取得プロセスの格差」

まだ取得している人が少ない資格だからこそ貴重なスキルになりますし、正しい知識を持って業務にあたるからこそ安心感もあります。

また、弊社の研修はオンラインとオフラインのハイブリッド型で実施しているので、とても受講しやすくなっています。(一部地域によりオフラインのみ)最短3日間で、医療ケアである喀痰吸引や経管栄養などの実技を学び、重度訪問介護で働くための資格が取得できるのが、大きな強みです。

キャリアアップを目指すスタッフには、そのほかの資格取得も積極的に勧めています。

株式会社土屋の研修風景
▲研修風景

編集部

まったくの未経験でも、そして「重度訪問介護」が初めてでも、すぐに戦力になれる体制が整っているのですね。

田邊さんは土屋ケアカレッジで実地研修を指導されているそうですね。指導において大切にされていることがあれば教えてください。

田邊さん

研修を受ける方がどのようなポイントを難しく感じるのか、普段どのような視点で介護業務をしているのかを知り、研修を受ける側の立場に立った指導ができるようにしています。

私は看護師なので喀痰吸引や経管栄養の手技は身につけていましたが、研修を受ける側の視点を知るために3号研修を受講しました。現在の実地研修で指導をする際には、介護職の方々の視点や学習過程を理解できたことがとても役立っています。

研修後も先輩が現場へ同行。スタッフが孤独を感じないためのフォローあり

編集部

未経験で入社したスタッフへのフォローなどはあるのでしょうか?

澤田さん

資格を取得した後でも、未経験者には先輩が現場に同行し、ノウハウを教えられる環境を整えています。また、ご利用者様のお宅では新人と協力し合いつながりを強めるなど、日ごろからコミュニケーションをしっかりとれるようにしています。

重度訪問介護というのは、ご利用者のお宅に1人で伺って支援をする仕事ですので、孤独になる時間がたくさんあるんですよね。ですから、スタッフ同士で関わる機会をつくり、新しいスタッフを孤独にさせないようチームが一丸となってフォローをしています。

編集部

会社としてはどのようなフォローをされていますか?

澤田さん

仕事をしていると、様々な壁にぶつかる瞬間がありますが、そのようなときは、会社としてスタッフ一人ひとりの声に耳を傾けています。ご利用者の声を聞くことはもちろん重要ですが、スタッフの声にも同様に向き合っています。

女性が8割。株式会社土屋の女性が活躍しやすい職場環境

土屋ケアカレッジの管理部長を務める魯山さんがデスクでPCの画面を見て笑っている様子
▲重度訪問介護は未経験で入社した魯山さん。現在は土屋ケアカレッジの管理部長を務めている。

編集部

介護の現場では女性が多い印象がありますが、重度訪問介護を提供する御社も同じでしょうか?

澤田さん

そうですね、弊社でも女性の割合が多いです。当社の社員数は約2,200人ですが、その約6割が女性スタッフです。ただ、上位職の女性の割合でみると、現在はまだ少ないため、仕事と家庭の両立ができるように取り組み、今後は男女比率が半々になるよう目指しています。

編集部

土屋では未経験で入社される方が多いですが、未経験から管理職など、キャリアアップされた女性社員もいらっしゃいますか?

魯山さん

私は重度訪問介護は未経験で入社し、管理職などを経験しています。

グループホームに1年だけ勤めた経験はあるものの、その後は長らく介護業界からは離れ、重度訪問介護は未経験でした。土屋には介護スタッフとして入社しましたが、その後、管理者や広域マネージャーの経験を積んで、現在は土屋ケアカレッジの管理部長を務めています。

編集部

キャリアアップが実現できた要因は何だとお考えですか?

魯山さん

目の前の出来事だけでなく、広い視野を持っていたことが大きいと思います。

事業所の管理者を任されている期間は、その役職の仕事をするだけでなく、上司から勧められた会社全体の委員会活動やイベントに参加する機会が多くありました。そのような場で会社の方向性を知り、現場での出来事や対応が、最終的には会社が掲げているミッションの実現や事業の拡大につながっていることを実感できるようになりました。

もし、当時の私が事業所管理者の業務だけに集中する毎日を過ごしていたら、目の前の出来事や現場のトラブルへの対応に精一杯で、今のように様々な角度から、物事を考えられなかったと思います。

現在の私の部下たちにも、私がしてきたような経験や取り組みに参加してもらえるよう、積極的に声掛けをしています。

育休1ヶ月目の給与を全額保証。“取得しづらさ”を生まない対策も

編集部

女性が働きやすい職場環境づくりについて、御社独自の取り組みがあれば教えてください。

澤田さん

入社1年以上の常勤スタッフを対象に、育休の最初の1ヶ月間の給与を全額保証しています(2023年から開始)。多くのスタッフに利用して欲しいため会社から常に声掛けをしていて、2023年は10名がこの制度を利用しました。

2024年は全体で21名が育休を取得しており、そのうち4名がこの制度を利用しました(2024年9月時点)。弊社では男女問わず育休取得を推奨しており、弊社の代表自ら「男性の育休取得100%も目指す」と宣言しています。

編集部

1ヶ月の給与保証だけでなく、育休が取得しやすくなるよう会社からも働きかけをしているのですね。

魯山さん

はい、土屋には「ご利用者のQOL(生活の質)、スタッフの満足度、組織レベル」の3つの向上を目指す委員会活動があります。

育休取得に関する情報を全社員に周知し「取得しづらい」という雰囲気が生まれないようにするため社内報の制作もしており、「しっかり休んで、しっかり戻ってきてほしい」という会社の姿勢を明確にしています。

編集部

実際に現場で見ていても、この会社の思いは浸透していると感じますか?

田邊さん

一般的に、看護・介護業界では育休の取得がやや難しい雰囲気があることは否めません。しかし、当社では育休を取得しているスタッフがたくさんいて、各拠点のオフィスマネージャーや同僚たちが協力したりフォローしています。

妊娠中や育休前後の体調管理、現場調整なども柔軟に対応していますので、安心して働けるのではないかと思います。

家庭との両立に奮闘するスタッフ多数。お互いに協力する体制が根付く

PCに向かって座っている訪問看護ナーシングプラス土屋の田邊さんが同僚と楽しく話している様子

編集部

普段の職場環境でも女性視点から見た「働きやすさ」を感じることはありますか?

魯山さん

現場では、育児や家族の介護と仕事を両立しているスタッフがとても多いです。多くのスタッフが家庭と仕事の両立で日々奮闘しており、みんな支え合っています。

田邊さん

基本的に、みんな優しくてフレンドリーですね。意地悪なことをいう人はいません。柔らかい雰囲気で仕事ができています。

編集部

似たような境遇のスタッフが多く、支え合う雰囲気なんですね。

澤田さん

はい、当社が理念の中に掲げている「つながりあいささえあう場の創造」が実現していて、スタッフ全員がつながり合い、お互いに支え合っている実感が常にあります。これは当社の大きな強みだと思います。

例えば、誰かが落ち込んで元気がないと感じたら、自然とみんなで声を掛け合い「大丈夫?」と気遣っています。当社には様々な事業部門がありますが、部門の垣根を越えて声を掛け合える雰囲気があり、スタッフ同士のつながりの強さを感じます。

株式会社土屋が求める人材は、柔軟な対応ができる人

株式会社土屋の澤田さんが立ってこちらを向いている様子
▲介護の仕事の大切さややりがい、採用のポイントについて語ってくれた澤田さん

編集部

土屋で活躍できるのはどのような方でしょうか。

澤田さん

未経験でも無資格でも問題ありません。様々なことに柔軟に対応できる人が長く働け、ご利用者からも感謝され、活躍できると思います。私自身も未経験・無資格でこの業界に入りましたが、先入観がなく柔軟に対応できる人材が非常に重要だと感じています。

編集部

最後に、御社に興味を持ち始めた方々へ、メッセージをお願いします。

澤田さん

介護を大変な仕事だと敬遠する方も多いですが、非常にやりがいのある仕事だと知ってほしいです。仕事を通じて、自己成長の機会や新しい学びを得ることができます。

また、土屋でなら様々な資格を取得することも可能です。若い世代から年配の方まで、年齢に関係なく同じように経験を積み、学んでいけます。将来的にも、介護の仕事はますます必要とされていくでしょう。私たちは、この仕事の魅力や価値をもっと多くの人に知ってもらえるよう、積極的に発信していきたいと考えています。

介護の仕事は、人々の生活を支え、社会に大きく貢献できる素晴らしい職業です。未経験の方々にも、ぜひこの魅力的な分野にチャレンジしていただきたいと思います。

編集部

土屋さんでの介護の仕事は、未経験・無資格からチャレンジでき、重度障がいのある方の暮らしを支えていける、やりがいの大きなものだと分かりました。本日はありがとうございました。

株式会社土屋の基本情報

住所 岡山県井原市井原町192-2
久安セントラルビル2F
事業内容
  • 障害福祉サービス事業及び地域生活支援事業
  • 介護保険法に基づく居宅サービス事業
  • 訪問看護事業
  • 研修事業
  • シンクタンク
  • 出版事業
設立 2020年8月19日
公式ページ https://tcy.co.jp/
採用ページ https://tcy.co.jp/recruit/
募集職種 介護職