ミライのお仕事『注目企業へのインタビュー』企画。今回は、テンアライド株式会社にインタビューしました。この記事では、転職を検討されている方に向けて、同社で働く魅力をご紹介します。
テンアライドは1969年に設立された総合フードサービス企業で、主に居酒屋や和食レストランを展開しています。特に「てんぐ大ホール」「神田屋」「和食れすとらん天狗」などのブランドで知られており、全国に約100店舗を展開。酒問屋から派生した強みを活かし、幅広い酒類や質の高い料理を提供することにこだわりを持っています。
組織運営としては、各店長が自立した運営を行える「エンパワーメント体制」を推進していることが大きな特徴です。また、近年は新店舗や新業態のお店を20代の社員に任せるケースが増えており、若手の活躍機会・成長機会が豊富にある環境となっています。
今回は、テンアライド株式会社の若手活躍事例や組織の特徴について、常務取締役 管理本部長の芳澤さん、人事チーム 課長の池上さんにお話を聞かせていただきました。
テンアライドの若手活躍:20代で店長に就任する社員も!
編集部
テンアライドでは若手社員の育成に力を入れているそうですね。まずは具体的な活躍事例について教えていただけますか?
芳澤さん
最近は若手に店長を任せるケースが増えており、例えば目黒にある新店舗の店長にも20代の若手社員が就任しています。
実は、以前は年功序列的な考え方が強く、特に新店舗や業態変更した店舗においては経験を積んだベテラン社員が店長を務める傾向がありました。ただ、近年はやる気と実力があれば年齢に関係なくどんどん任せていく方針に切り替えています。
これには、コロナ禍で中間層の店長が減少し、ベテランと若手が多数を占めるという構図になったことも背景にあります。そのため、若手に成長の機会を積極的に与えて成長を促す取り組みを行っているんです。
編集部
例えば25歳くらいの第二新卒の方が中途入社された場合、どのくらいの期間で店長になれるのでしょうか?
芳澤さん
早い方であれば、2~3年程度で店長に就任していますね。入社後は意欲に応じて早期キャリアアップが叶う環境を整えています。
なお、飲食店経験があり、早期の店長・副店長昇格が見込める方を対象に、入社当初から役職手当として最大7万円を支給する「チャレンジ制度」も設けています。また、見事早期昇格に成功した際には、お祝い金として最大20万円も支給しており、大変好評です。
店長のすぐ上が社長。自身のアイデアを店舗運営に活かせる
編集部
テンアライドにおいて、若手店長の裁量や自由度はどの程度ありますか?
芳澤さん
当社では上からの指示を待つのではなく、自ら考えて動くことを促しているため、大きな裁量権や自由度があります。また、店長の上司にあたるのは社長だけですので、例えばメニューについての提案なども、直接社長に意見を述べることが可能です。
経営陣は店長との対話を重視し、現場の声を大切にしていることから、提案があれば柔軟に受け入れる体制が整っています。実際、店長のアイデアによって翌日にマニュアルが変更されたり、新しい通達が出たりしていますね。
さらに月1回は店長と社長が一緒に担当地区を回ったり、社長主催の会議に参加したりと、経営トップと関わる機会が非常に多いことも特徴的です。チャレンジや活躍を望む方にとって、非常に良い環境だと考えています。
編集部
そのような環境ができるまでには、どんな経緯があったのでしょうか。
芳澤さん
コロナ禍の以前までは、各店舗の上に事業部長を配置して統括するような体制を採用していましたが、これだと優秀な人材が事業部長の陰に隠れて可視化できないという課題がありました。
そこで事業部長制を廃止し、店長たちがリーダーシップを発揮して各店舗を運営する「エンパワーメント体制」に移行しました。これにより社員個人のモチベーションも上がりましたし、組織としても現場レベルで優秀な人材を見出しやすいので、キャリアアップもしやすくなっているんです。
充実した研修制度&周囲の面倒見の良さがスピーディーな成長を促す
▲店長研修の一環で受けられる調理講習の様子
編集部
若手社員向けの教育制度やサポート体制についてはいかがでしょうか。
池上さん
外食未経験で入社される方も多いほか、アルバイト経験があっても正社員としての仕事は大きく異なるため、充実した研修制度を整備しています。具体的には、入社後研修として接客・調理の基本研修や施設見学、副店長マネジメント教育などがあり、安心してスタートすることが可能です。
また、副店長に就任する際には数値管理教育や食材管理、店長マネジメント教育などの研修を経て店長へとステップアップできる仕組みです。
先輩社員の「教えたがり」な姿勢も若手の成長をサポートしていると感じますね。面倒見が良い社員が多く、時にはおせっかいなほど丁寧に指導してくれます。一つ質問すると十個もアドバイスをもらえるようなイメージですね。
編集部
先輩社員と交流できる機会は多いのでしょうか?
池上さん
地区での会議の後などに交流会を開き、先輩社員が「こういう経験があった」「こうやって乗り越えてきた」といったアドバイスをしているようです。その後も「最近どう?」と電話をしたり、店舗へ立ち寄って声をかけたりと、若手社員のことを何かと気にかけてフォローしている先輩社員が多いですね。
以前は事業部長がこうしたサポートを行っていましたが、現在は周囲の仲間たちが互いに支え合い、共に成長していく文化が根付いています。ときには社長や常務が社員の相談に乗っていて、経営陣全体に従業員を大切にする姿勢があるんです。実は、社長は全店長の名前や顔はもちろん、趣味まで把握しているんですよ。
なお、ここにいる芳澤は人事部長を兼務していることもあり、半年に1回を目安に可能な限り全社員と面談を行っています。管理本部長として多忙な中でも、社員が悩んでいると聞けば自分の仕事を後回しにしてでも駆けつけています。
芳澤さん
当社は組織の規模が比較的小さいこともあり、社長を含めた経営陣と社員の距離が近く、アットホームな雰囲気があります。私自身も、会社から大切にされてきた経験があるからこそ「社員を大切にしたい」という想いで接しています。
テンアライドの組織:社員・アルバイトともに外国籍人材が多く活躍
▲テンアライドでは外国籍の社員・アルバイトが多数活躍している
編集部
御社では外国籍の人材も多く活躍されていると伺いました。具体的にどのくらいの方が働かれているのでしょうか。
芳澤さん
2025年3月時点では、正社員で約30名の外国籍スタッフが在籍しており、国籍は5か国に及びます。アルバイトスタッフに関しても、在籍している約3分の1の600人弱が外国籍の方です。
編集部
外国籍の方は、入社後にどのようなプロセスで実務に入られるのでしょうか?
芳澤さん
まずは、「てんぐ大ホール 上野駅前店」内にあるグローバル人財センターでトレーニングを受けていただきます。この店舗の店長であるベトナム出身の社員と3名のスタッフが外国籍スタッフへのトレーニングや翻訳サポートを行っており、単なる業務マニュアルの理解だけでなく、企業文化や接客の基本まで丁寧に指導しています。
もちろんマニュアルや通達は多言語に対応していますが、それだけではカバーできない部分をしっかりと教育するためにグローバル人財センターを設けました。例えば接客におけるモラルや店舗のルール、ファーストオーダーからおすすめまでの一連の業務については、センターでの研修後に「てんぐ大ホール 上野駅前店」で実践することによって身につけてもらっている形です。
▲グローバル人財センターでの教育風景
芳澤さん
なお、グローバル人財センターでの研修を受けた外国籍社員の定着率は98%と非常に高くなっています。また、研修後は各店舗に配属されますが、困ったことがあるとセンターのスタッフに相談する外国籍社員が多く、心の拠り所としても機能し続けていると感じます。
池上さん
実は、2017年に人財開発室(現:グローバル人財センター)を設立した当初は言語の壁や文化の違いによるさまざまな課題があったのですが、ベトナム人社員を通訳兼教育トレーナーとして起用したことでスムーズに解決できるようになったんです。その結果、外国籍スタッフの数は着実に増え、彼らが長く安心して働ける職場環境もしっかりと整ってきています。
働きやすさが口コミで伝わり外国籍人材が増加。交流が活発で定着率も高い
▲社員同士がサッカーで交流。コミュニケーションが活発な点も定着率の高さにつながっている
編集部
採用面では、外国籍の方に対して特別な枠を設けているのでしょうか?
池上さん
いいえ、特別な採用枠は設けていません。グローバル人財センターの評判が口コミで広がり、自然と応募が増えている状況ですね。
特に充実したサポート体制を高く評価していただいており、日本語学校や専門学校から紹介していただくケースも多いです。
編集部
他に、どのような点が外国籍の方の定着に繋がっているとお考えですか?
芳澤さん
国籍ごとのコミュニティ形成をサポートしていることでしょうか。同じ国籍の仲間がいることで安心感が生まれるんですよね。
また、当社は労働組合の活動も活発で、休日にはサッカーなどのスポーツイベントを通じて他の社員との交流を深められます。このように仕事以外のところで楽しみを見つけやすいことも、定着率の高さに繋がっている印象です。
テンアライドの事業:社員が自信を持って勧める「本物の品質」が強み
編集部
テンアライドの事業展開について、特徴的な点をお聞かせいただけますか?
芳澤さん
当社は長年、居酒屋業態の先駆者として事業を展開してきましたが、コロナを機に大きな転換期を迎えました。それまでは年配のサラリーマン層がメインターゲットでしたが、若年層や女性層へとターゲットを広げ、新しい業態開発にシフトしています。
具体的には、食材や品質へのこだわりは変えずに、打ち出し方や業態を革新したんです。例えば繁華街への店舗展開に力を入れたところ、若い世代からの認知度が上がり、「よく利用している店だからここで働きたい」といった声をいただけるようになりました。
▲若い世代が気軽に訪れられるよう、店舗の外観・内観にも工夫が光る
編集部
事業を行ううえで、大切にされていることを教えてください。
池上さん
当社の根幹にあるのは「本物の品質にこだわり、お客様に嘘のない商品を提供したい」という想いです。この企業姿勢は会社設立以来、一貫して続いており、私たち従業員を大切にしてくれていることにも繋がっていると感じます。
会社が良質な食材を仕入れ、その価値をしっかりと従業員に教育してくれる。だからこそ、私たち社員は商品の価値や美味しさを自信を持ってお客様におすすめできるのです。
そういった会社の考え方や姿勢に共感している社員が多く、この点も長く安心して働ける理由のひとつだと思いますね。
テンアライドの採用方針:コミュニケーション能力を重視
編集部
テンアライドは店長候補の採用に注力されていますが、選考時に特に重視されているポイントはありますか?
芳澤さん
私たちは「こういう人でなければならない」という固定観念は持っていません。むしろ、その人固有の個性や良さを見出すことを重視しており、100人いれば100通りの店長がいて良いと考えています。
ただし、唯一重視しているのがコミュニケーション能力です。店舗運営において、お客様との関係はもちろんですが、従業員との関係性が特に重要になってきます。その他のスキルは教育を通じていくらでも身につけることができるため、人と接することが好きな方、コミュニケーションを大切にできる方にぜひお越しいただきたいですね。
また、当社では中途で上位職を採用するのではなく、会社に入っていただいて育成していくというスタンスを取っていることから、店長職に限らず様々なポジションで活躍できる方を求めています。店長からスタートして、その後さまざまな部門で活躍していただけるような長期的なキャリア形成が可能です。
ちなみに、中途採用の場合は面接を2回実施しており、私は最終面接を担当しています。その際にコミュニケーション能力も含め、当社の店長業務とのマッチングを検討させていただいております。
編集部
御社における店長のお仕事のやりがいについて教えてください。
池上さん
お客様の笑顔を見られることや、売上が上がる喜び、アルバイトスタッフが成長していく姿を見られることでしょうか。
また、真の「仲間」ができることもやりがいに繋がっていると感じます。店長たちに「なぜこの会社に長く勤めているのか」「会社の良いところは何か」と聞くと、必ず人間関係のことを挙げるんですよね。仲間との絆を大切にしている文化が根付いている証だと思います。
メッセージ:店長職に限らず、様々なポジションで活躍できる方を歓迎
編集部
最後に、テンアライドへの転職を検討されている方々にメッセージをお願いします。
池上さん
当社には、実際に入社していただかないとわからない魅力が本当にたくさんあります。この記事でお伝えした内容はすべて事実であり、私たちの企業の本質です。55年という長い歴史があり、その中で多くの社員が長期間働いているのには必ず理由があります。
面接では良い面も課題も含めて、すべてを正直にお話ししておりますので、ぜひその真摯な姿勢を実際に見ていただければと思います。
芳澤さん
当社の企業理念は『食を通して「驚き」と「感動」を』です。現在約100店舗を展開していますが、今後さらなる出店を目指すとともに、食を中心とした事業の多角化も進めていきます。例えば、自社工場を活用した外販やOEM(※)、輸出事業、人材関連事業など、様々な可能性を探っています。
(※)OEM(Original Equipment Manufacturer):他社のブランド名で販売される製品を製造すること
もちろん飲食店の運営が中心ではありますが、会社として活躍できるフィールドをどんどん広げていく方針です。多様な可能性に興味をお持ちの方々からのご応募をお待ちしています。
編集部
本日はありがとうございました!
編集後記
テンアライド株式会社の働き方のまとめ
企業概要 |
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若手の活躍 |
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求める人材 |
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将来展望 |
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テンアライド株式会社の基本情報
企業名 | テンアライド株式会社 |
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住所 | 東京都目黒区鷹番2-16-18 Kビル4F |
事業内容 | 総合フードサービス業 (旬鮮酒場天狗・テング酒場・和食れすとらん天狗・ミートキッチンlog50・神田屋・てんぐ大ホールの企画運営及び食品等小売業) |
設立 | 1969年12月 |
公式ページ | https://www.teng.co.jp/ |
採用ページ | https://www.teng.co.jp/recruit.html |
募集職種 | 店長候補 |