ミライのお仕事『注目企業へのインタビュー』企画。今回は、トピー工業株式会社にインタビューしました。この記事では、転職を検討されている方に向けて、同社で働く魅力をご紹介します。
トピー工業株式会社は、鉄鋼・自動車部品・建設機械用足回り部品などの製造を手掛ける歴史ある企業です。近年は製造現場のDXを積極的に推進しており、20代の若手エンジニアが中心となって、AIやOCR(自動画像認識)などの先端技術の導入に取り組んでいます。また、時代に先駆けてリサイクルやサステナビリティに関わる事業を展開しており、SDGsやカーボンニュートラルへの貢献を実感できる環境が整っているのも特徴です。
今回は、トピー工業株式会社の若手エンジニアの活躍と育成について、技術部 部長の宮下 敏さんと人事部 ES向上室 室長の里村 悦子さんにお話を聞かせていただきました。
エンジニア活躍の理由:開発への挑戦&部署異動で力を伸ばせる環境
▲オフィスに展示してあるホイール&グッドデザイン賞を受賞した「TACoil®」
編集部
トピー工業株式会社にはエンジニアが新しい分野に挑戦できる環境が整っていると伺いました。具体的な「挑戦」の事例をご紹介いただけますか?
宮下さん
一例として、2023年のジャパンモビリティショー(旧東京モーターショー)へ出展した新製品の開発プロジェクトがあります。この製品開発のためのプロジェクトは社内公募で参加メンバーを募り、手を挙げた7~8名の社員で取り組みました。
リーダーは50代ですが、メンバーは30代~40代の社員が中心です。部署としてはホイール部門からの参加者が多く、加えて事業開発戦略センターやグループ会社からも参加者がおり、部署や組織の垣根を越えた編成になりました。
プロジェクトの内容としては、車のホイールの新しい技術開発に取り組みました。ホイールの回転時にひずみが発生する特性を活用し、特殊なゲージを装着することで発電を可能にする技術です。
この技術は、発生させた電気とセンサー技術を融合させ、TPMS(タイヤ空気圧監視システム)の電池レス化や、ホイールやタイヤの異常をドライバーに知らせるなど、環境保護や事故抑制の実現に向けた様々な応用が可能になります。実際に、国内外の大手自動車メーカーやタイヤメーカーから大きな反響をいただき、現在は実用化に向けて開発を進めているところです。
編集部
御社のエンジニア職ならではの魅力はどのようなところにありますか?
宮下さん
一つは、SDGsといった社会課題への貢献を強く実感できることだと思います。当社の事業はリサイクルやサステナビリティの分野で重要な役割を担っているため、社員一人一人の働きが社会課題の解決につながってきます。
例えば創業時から続く、鉄スクラップから鋼材を製造する電気炉事業があるのですが、これは今で言うサステナビリティやカーボンニュートラルに関わる事業です。要するに、SDGsという言葉が一般的になる遥か前からSDGsに関わるビジネスを続けてきた会社なんです。ですから、社会貢献に意欲的な方にとって、非常にチャレンジしがいのある会社だと自信を持って言えますね。
里村さん
SDGsの観点で言うと、全社員に「eco検定」の受験を義務付けるなど、環境に関するリテラシーの向上に力を入れています。これまでも実践してきた環境への取り組みですが、社会からの注目が高まる中で、今後はより一層力を入れていく方針です。
エンジニアのキャリアパス:5年に1回ほどの部署異動により新たな知見も
編集部
エンジニアのキャリアパスについて、特徴がございましたらお聞かせください。
里村さん
技術系社員の場合、適性を見極めることを目的として、入社後10~15年の間に2~3か所程度の部署異動を行っています。事業部内での異動もありますし、事業部をまたぐケースもあります。
例えば、製造プロセスの上流工程から下流工程への異動では、それまで気づかなかった上流工程の課題が下流工程の視点から見えてくるなど、新しい気づきを得られることも大きなメリットになっています。
また、年に1回「自己申告制度」を設けており、社員が自身の将来のキャリアプランや希望する部署、やりたい仕事について意見を表明できる機会を設けています。
編集部
御社は海外での事業展開もされていますが、海外赴任の機会も得られるのでしょうか。
里村さん
はい。海外赴任も重要なキャリア形成の機会となっています。例えば国内では役職のない20代の若手社員でも、海外では現地スタッフへの指示や指導を担うマネジメントの立場を経験できるなど、活躍の幅が広がります。
なかには20代でアメリカに赴任し、3~4年の経験を積んだあとで日本に戻り、さらに50代で再び3~4年赴任するケースもあるなど、様々なキャリアが存在していますね。
若手が活躍する組織:20代社員が中心となりDX化を推進
編集部
御社は若手社員の育成にも注力されているそうですね。若手社員の方々が活躍されている部署や、具体的な事例についてご紹介いただけますでしょうか。
宮下さん
現在、当社では工場のスマート化、つまり省力化や自動化を積極的に進めています。当社には、社会に新たな価値をもたらすことに挑戦する事業開発センターという部署があり、そこでも若手社員が中心となって取り組みを推進しています。
また、最近ではAIやOCRなどの先端技術の活用面でも若手の活躍がみられますね。例えば、自動計測器の導入にあたって計測のアルゴリズムを考案したり、機械の設定を行ったりする業務のほか、現場への実装時には現場スタッフとのコミュニケーションを通じて問題点の洗い出しを行うなどの役割を担っています。
編集部
そういった技術は、どのように習得されるのでしょうか。
宮下さん
業務で活用している技術やスキルは、ほとんどが入社後に習得したものです。もちろん理系大学出身で基礎的な素養がある社員も多いのですが、当社は装置産業という特性上、実際の業務に必要なスキルのほとんどは入社後の学びで身につけていきます。
成長支援:丁寧なOJT・階層別研修などの制度あり
編集部
続いて、若手の成長を支援するための制度について教えてください。入社後はどのような指導を受けられるのでしょうか。
里村さん
中途入社の方は、配属先でのOJTが中心となります。ご自身のバックグラウンドを活かしながら、当社の仕事に馴染んでいただきます。
宮下さん
私も含めて中途入社組の社員は多いのですが、当社は独自の製造技術を持っているため、中途入社ですぐに即戦力になることは難しい面もあります。スムーズな業務習得のため、丁寧なOJTを実施しています。
里村さん
新卒向けには最初の4カ月間、「トピー塾」と呼ばれる研修を実施しています。国内4ヶ所ある製造所のいずれかで実際の製造ラインを経験し、製造業としてモノづくりの基礎を培ってもらいます。その後、事務系の総合職は各部門でのOJTで学び、技術職は2年目末まで専門的な技術研修とOJTを並行して行って3年目での独り立ちを目指します。
編集部
社内の技術や知識については、具体的にどのような方法で学べるのでしょうか。
宮下さん
当社の技術やノウハウをまとめた資料で体系的に学ぶことができます。資料には各階層で修得すべき知識が明確に定められていて、社員は当社の独自技術やデータにまつわる知識を段階的に積み上げていきます。
里村さん
最近ではeラーニングを活用したDX人材の育成にも注力しており、様々な階層でDX教育に取り組んでいます。具体的には、全社員向けのリテラシー教育から始まり、データを扱う上で必要なセキュリティの知識も含め、幅広い内容を学べる構成になっています。必要であれば、より専門的なスキル習得にも進んでもらっています。
現場のニーズが高い「Power BI」などのBIツールについては、eラーニングでの基礎知識の習得後、ワークショップを通じて実務で活用できるスキルを身につけられる研修も設計しています。eラーニングは単に動画を視聴するだけでなく、理解度テストに合格することを修了条件としています。
宮下さん
私が最近受講したeラーニングのコースでは、10時間以上の学習時間が必要でした。DXの必要性から実践的な知識まで、しっかりと学べる内容になっていましたね。
里村さん
また、語学教育にも力を入れていて、総合職の社員は年1回、必ずTOEICを受験することになっています。
編集部
ほかにも、特徴的な研修制度があればご紹介ください。
里村さん
当社は資格等級制度を採用しており、昇格に応じて求められる役割や仕事のレベルが変わります。そのため、各階層で求められる役割に対して、自分の力をどうやって伸ばし発揮していけるかを上長との対話や階層別研修を通して考えていきます。
階層別研修は新卒・中途に関係なく平等に機会が提供されており、技術系・事務系に関わらず、ビジネスの基礎を中心とした内容になっていますね。分野別の専門研修というよりも、各階層に必要なビジネススキルの習得に重点を置いている形です。座学が中心ですが、グループディスカッションやワークショップも多く取り入れています。
例えば、幹部社員の一つ手前のC3クラスでは、職場のリーダーとしての役割を担うようになります。そのため、C3クラスの研修では自分の担当業務だけでなく部門全体を見渡して課題を見出し、あるべき姿を考え、その中で自分に期待される役割や必要なスキルについて深く考える機会を設けています。
社風:社員の面倒見の良さ+チャレンジを応援する風土
▲インタビューに応じてくださった里村さん(左)と宮下さん(右)
編集部
御社の社風、カルチャーの特徴について伺えますか?
里村さん
トピー工業株式会社の特徴として、「社員同士の面倒見の良さ」が挙げられます。特にチャレンジを応援する風土が根付いており、新しいアイデアや改善提案を否定せずに、まずはしっかりと話を聞く文化がありますね。実現可能、と判断された場合は積極的に挑戦を後押しし、さらなる検討が必要な場合も上司が親身になって相談に乗ってくれます。
編集部
チャレンジした成果を発表できる機会もあるそうですね。
宮下さん
各事業部単位で、年度末にその年度の取り組みを発表する場を設けています。一人15分程度の持ち時間で、30~40人ほどが発表を行い、丸2日かけて実施する形です。この発表会を通じてその年の業務の棚卸しができ、さらに分野横断的に各管理職から質問を受けることで、次年度の業務目標も明確になっていきます。
過去には、入社10年目くらいの社員が、H形鋼の新しいサイズ開発に関するプロジェクトについて発表しました。1年間かけて現場との対話や先輩からの指導を受けながら進めた製造プロセスの改善内容や、達成できた成果、さらには生産性向上など次年度の課題についても報告していましたね。
ちなみに、この発表機会は優秀な人材を経営陣にアピールする意味も兼ねています。新卒・中途に関係なく、そうした機会で経営陣の目に留まった社員は早い段階からキャリアアップのチャンスが広がっていきます。
トピー工業株式会社からのメッセージ
編集部
最後に、御社が求める人材像も含め、転職希望者へのメッセージをいただけますでしょうか。
里村さん
トピー工業株式会社における採用では、「チャレンジ」「主体性」「コミュニケーション」を重視しており、特に「チャレンジ」を最も大切にしています。急速に変化する現代だからこそ、新しいことに躊躇せず第一歩を踏み出せる人材を求めています。
また、当社は様々なバックグラウンドを持つ社員が活躍しているダイバーシティな職場です。業界を問わずチャレンジしたい、当社でやりたいことがあると感じていただけた方には、ぜひ応募していただけたら嬉しいです。
編集部
本日はありがとうございました!
編集後記
この記事のまとめ
若手エンジニアの活躍 |
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教育・育成制度 |
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キャリア形成 |
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社風・カルチャー |
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求める人材像 |
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トピー工業株式会社の基本情報
企業名 | トピー工業株式会社 |
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住所 | 東京都品川区大崎1-2-2 アートヴィレッジ大崎セントラルタワー |
事業内容 |
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設立 | 1921年10月 |
公式ページ | https://www.topy.co.jp/ja/index.html |
採用ページ | https://www.topy.co.jp/ja/recruit.html |
募集職種 | 拠点ごとに異なる |