若手メンバーやエンジニアがいきいきと活躍している企業にインタビューをする本企画。今回は、特にゲーム業界でのキャリア構築に興味がある方に向けて、株式会社トイロジックにいろいろなお話を伺いました。
家庭用ゲームやPC用ゲーム、スマートフォン用ゲームを企画・開発・販売する同社は、「NieR Replicant ver.1.22474487139...」(販売元:(株)スクウェア・エニックス)やニンテンドー3DS版「ドラゴンクエストXI 過ぎ去りし時を求めて」(販売元:(株)スクウェア・エニックス)など数多くの大型タイトルの開発に携わるほか、「Warlander」(販売元:(株)トイロジック)など最新プラットフォームに向けたオリジナルの作品を続々と世に送り出しています。
受託開発・自社開発の両方を手掛けていることに加え、内製エンジン「Toylo Engine(トイロエンジン)」をベースにした開発も可能であることなど、エンジニアにとって幅広いスキルを身に付けられることも魅力です。
今回は、株式会社トイロジックの開発部企画課マネージャーのKさん、開発部プログラム課のIさん、開発部プログラム課のHさん、人事担当のTさんにお話を聞かせていただきました。
ゲーム業界ではレアケース!20代で大型タイトルのディレクターに
▲ビッグタイトルの受託開発の経験を活かしつつ、自社オリジナルタイトルの開発にも力を入れている。
左上:新感覚アワパーティシューター「FOAMSTARS」(販売元:(株)スクウェア・エニックス)
左下:アクションRPG「NieR Replicant ver.1.22474487139...」(販売元:(株)スクウェア・エニックス)
右上:対戦型オンラインファンタジーアクション「Warlander」(販売元:(株)トイロジック)
右下:マルチプレイアクション「Happy Wars」(販売元:(株)トイロジック)
編集部
本日はよろしくお願いいたします。現在、開発部企画課でマネージャーをされているKさんは、いつ頃トイロジックに入社されたのでしょうか。
Kさん
私は2014年に大学を卒業後、22歳で新卒として入社しました。現在は、株式会社スクウェア・エニックスと共に開発に携わった新感覚アワパーティシューター「FOAMSTARS」(2024年2月リリース)の開発ディレクターなどを務めています。
編集部
若手ながら、すでに大型タイトルの開発ディレクターとして活躍しているんですね。
Kさん
トイロジックは社員の平均年齢33歳と若いこともあり、20代でパートリーダーになることはよくあります。大型タイトルの開発を担う企業としては珍しいのですが、20代でディレクターになることも可能です。
なお、一つ上のI先輩は、20代半ばで当社のオリジナルIPである「Happy Wars」の総括ディレクターを担当して、20代後半で「NieR」(※)の開発ディレクターになっていました。20代で新規IPを含めたディレクターになれるのはゲーム業界としてはかなり珍しいケースなので、トイロジックで働く上での魅力的なポイントだと思っています。
(※)アクションRPG「NieR Replicant ver.1.22474487139...」
編集部
Kさんご自身も、新卒で入社されてすぐに活躍できるようになったんですか。
Kさん
私は新人研修の後、当社のオリジナルIPである「Happy Wars」の運営プランナーを担当しました。新卒1年目の後半からは運営ディレクターに任命されまして、計画を含めた運営全体の総括を任せてもらいました。その後、「FOAMSTARS」の開発ディレクターを任せてもらったんです。
新卒当時から「Happy Warsをこういうタイトルにしていきたい」、「やり方を変えたい」と積極的に言っていたので、挑戦できる裁量を与えてもらえたのだと思います。経験が浅いからと否定されることはなく、若手でもチャンスがあります。
編集部
会社として、若手にも上位の業務を任せる方針があるんですね。
Kさん
社長をはじめリーダー層がしっかり社員ひとりひとりのことを見てくださっていて、社員の意欲や性格・能力、特性に合わせたアサインを検討してくれるので、若いうちから活躍できる会社だと思います。
定期面談で先輩に相談可能、先輩・後輩の壁がなく「ゲーム仲間」的な関係性
編集部
Kさんは、新人のときに積極的に意見を出していたということですが、若手が上司や先輩に対して、「こういうことをしたい」と話し合える場があるんですか。
Kさん
定期的に面談があります。3ヶ月に1回の定期面談と、直属の上長と話せるカジュアル面談も毎月あるので、今後のキャリアの歩み方も話せますし、直近で困っていることも相談できます。上長に話したことが、さらに上のポジションの方に共有されることもあるので、希望を伝えるチャンスはいっぱいあります。
面談以外にも、社員同士の距離がかなり近いこともトイロジックの特徴だと思います。日頃の雑談で「こういう仕事がしたいんだよね」と話したことが「じゃあ、彼にこのプロジェクトを任せようかな」という展開につながることもよくあります。
編集部
社員数100人以上の大所帯ながら、社内のコミュニケーションが活発なんですね。
Kさん
一般的な会社では、ディレクターは威厳のある、どちらかというと気軽に話しかけづらいポジションだと思うんですけど、トイロジックではそういった壁はないですね。
私自身もディレクターではありますが、休憩時間や仕事の後に新人たちも一緒にトレーディングカードゲームで遊んでいます(笑)。実際に、会社が休みの日もアプリで通信しながら一緒にゲームをしているメンバーも多いです。社員同士で和気あいあいと趣味が共有できる会社だと思います。
編集部
人間関係が濃くて「仲間感」がある点も、トイロジックさんで若手が活躍できる理由のひとつかもしれないですね。
Kさん
そうですね。社員同士の立場がすごくフラットなので、発言をする際に新人かベテランかは関係ありません。新卒1~2年目のメンバーとディレクターが真剣に議論することも当然ありますし、みんなでゲームを良くするための意見を積極的に出し合っています。
逆に、先輩の発言だからという理由だけで尊重されることも一切なく、重要なのは制作するゲームにとって有用なアイディアかどうかです。
実際に、「FOAMSTARS」でも若手メンバーの意見が数多く採用されています。採用してもらえるからこそ、「もっと意見を言うぞ」という気持ちになりますよね。
編集部
先輩のフラットな姿勢が、若手の意欲をうまく引き出しているんですね。
Kさん
個人的に、普段会社で過ごしていて「嫌な人だな」と感じるような態度をとる社員は一切いません。みんなでゲームをしたり、趣味を共有したりできますし、社長からも「サバゲ―をやるからどう?」というお誘いがあったりするので、仕事仲間だけど趣味も共有できる仲間という感覚です。もちろん、そういったことが苦手なメンバーを無理に誘うといったこともありません。
距離感の近いメンバーで安心して仕事をしているから、若手もベテランも「一緒に面白いゲームを作るぞ」という共通マインドが作りやすいのかもしれないですね。
▲株式会社トイロジックのオフィス
新入社員だけで1本のiOSゲームを作り上げる研修で、開発スキルを実践的に修得
編集部
新卒でも転職でも、入社後にゲーム開発者として活躍するためには技術の習得が大変だと思うのですが、トイロジックさんには特殊な研修制度があるのでしょうか。
Kさん
新卒メンバーを対象に、入社してすぐに「iPhone用ゲーム開発研修」というものを実施します。これは、完全に実践形式で、1本のiOSのゲームを作り上げてリリースするという内容です。「どういうゲームを作る?」という話し合いからスタートして、制作過程でのトラブルにも自分たちで対処します。
もちろん先輩もサポートに付きますが、この研修では基本的に新人が中心となってゲーム開発を行うんです。新人だけの開発環境で、意見を率直にぶつけ合うスタイルを身に付けられるので、後に現場に行ってからも自分の意見をちゃんと伝えられるようになります。技術面でも、積極的な開発スタイルを修得するためにも、有意義な研修だと思います。
編集部
新入社員だけのチームで1本のゲームを作り上げるとは、トイロジックさんならではですね。
Kさん
私が入社したときも同じ研修を行いました。4月に入社した社員が開発したゲームが、8月にはApp Storeからリリースされるため、自分たちだけで作り上げて世に出したという達成感があります。
編集部
新人さん以外の社員の皆さんに対しても、スキルアップをするための研修制度はありますか。
Kさん
初めてアサインされるパートの方向けに実践研修があります。新人やベテランに関係なく、例えば「今まではアクション系の開発をやってきましたが、今回初めてUIをやります」という場合はUI向けの実践研修が行われます。
初めての分野を担当するときに「こういうところに気をつけて、こういう流れでやっていくといいよ」と社内のノウハウを引き継いだ上で取り組めるところは強みかなと思っています。
内製の「Toylo Engine(トイロエンジン)」がスピーディーな開発環境の鍵
編集部
開発部プログラム課のエンジンチームで、エンジニアとして机を並べて働くHさんとIさんにお話を伺いたいと思います。エンジニアの業務の中で、トイロジックさんの特徴だと感じる部分はどこでしょうか。
Hさん
まず、「Toylo Engine(トイロエンジン)」という内製エンジンがあることは特徴的だと思いますね。また、対戦・協力型のオンラインアクションゲームを自社開発できるネットワークのノウハウがあることも、同様に大きな点だと感じています。
Toylo Engineは、全てを自社で作っているゲームエンジンなのですが、PCやPlayStation®5、Xbox Series X|Sなど主要なコンソール機に対応しています。自社製ネットワークライブラリとあわせて、Warlanderといったオンラインのマルチプレイタイトルの開発などに使われています。
編集部
社内に内製エンジンがあることで、どういった利点がありますか。
Hさん
やはり、社内体制の構築に強みがあります。ゲーム側の開発陣とエンジンチームとの距離が非常に近いので、すぐ相談でき、改善もスピーディーです。何か問題が起きたときにも状況の把握や調査のスピードもかなり早いので、全体的にフットワークが軽くなることが利点だと考えています。
Iさん
内製エンジンは拡張性の高さに大きなメリットがあると実感しています。汎用エンジンの場合は、まずエンジンの内部実装を調べないと改造できないので時間がかかりますが、内製エンジンであれば開発を迅速にサポートできます。
100人規模で戦うゲームを開発、社内で試行錯誤を重ねてリリース
編集部
今までToylo Engineを使って関わったプロジェクトで、印象に残っているものは何ですか。
Hさん
私はグラフィックスプログラム、いわゆるゲームエンジンの描画周りを担当しているのですが、「Warlander」の一つ前である「NieR Replicant ver.1.22474487139...」のプロジェクトから、本格的にPBR(※)と言われる現代的なレンダリングに方針転換することになりました。
(※)Physical Based Renderingの略。主に高品質のリアルタイムCGの描画に用いられる。
それに伴って、アーティストのデータの作り方や、画面に出すためのプログラムの仕組みもかなり大転換が必要になったので、他のグラフィックスエンジニアと相談しながら試行錯誤をして、何とか発売まで持っていけたという件が印象に残っています。
2023年にリリースされたオリジナルタイトル「Warlander」の場合は、100人規模という大人数の対戦で、しかもステージもかなり広くて物量も多いので、Xbox Series X|SやPlayStation®5、PCなどのマルチプラットフォーム上でユーザーが快適な速度で動かすためには工夫が必要です。内製エンジンなので最適化や軽量化はとてもやりやすいのですが、世に出すためにはいろいろと手間がかかりましたね。
▲「Warlander」のプレイ画面イメージ
編集部
Iさんにも、印象に残っているプロジェクトを伺っても良いですか。
Iさん
私も、「Warlander」が印象に残っています。普段はToylo Engineで使用するリソースや、データを編集するためのツールの開発を担当しているのですが、ツールチームではレベルデザイナーがよりおもしろさを追求できるように、「ランドスケープ」という地形生成機能を社内のレベルエディタに実装しました。
この機能によって、デザイナーが地形のモデルを生成することなく、レベルデザイナーがレベルエディタ上で地形を生成し、それを実機で確認するという試行錯誤のイテレーションを早くすることができました。レベルデザインにおいて、試行錯誤の回数が増えるということは重要で、開発を後方から支えられたのではないかと実感しています。
トイロジックの柔軟なワークスタイルを紹介
▲株式会社トイロジックの会議室
編集部
トイロジックのスタッフの皆さんの働き方について伺いたいと思います。まず、どのような勤務体系なのでしょうか。
Tさん
基本は週2日の出社と週3日のテレワークというハイブリッド勤務です。ただし、出社したい方はフル出社でも構いませんし、ご自身の性格や家庭の環境によって、皆さんに働き方を選択してもらっています。
コロナ禍を機にテレワークの体制を整えまして、その後は皆さんの希望に沿ってハイブリッド勤務が定着しました。出社もテレワークもできるということで、バランスの良い働き方ができています。
編集部
勤務時間は決まっていますか?
Tさん
コアタイム10時~15時のフレックス制度を取り入れています。繁忙期は集中して勤務し閑散期は休暇を取ったり、フレックス勤務を利用して少し早めに終業してリフレッシュしたりと、メリハリを持って働ける勤務形態だと思います。
編集部
仕事や自分のライフスタイルに合わせて働く時間・場所が選べるのは良いですね!
スキルアップの費用補助やゲームイベントへの参加など、成長を支援する体制が整う
編集部
キャリアアップやスキルアップに対する、会社としてのサポートもありますか。
Tさん
積極的にサポートしています。各メンバーがご自身でスキルアップに関する書籍や機材を買った場合は、福利厚生として補助費を支給します。
CEDECというゲーム開発者向けの技術交流イベントや、東京ゲームショウ、海外イベントへの参加も積極的に進めています。費用は全て会社持ちで、労働時間内で参加できる体制をとっています。さすがに海外のゲームイベントにはメンバー全員は連れて行けないのですが、選抜されたメンバーが毎年開発スタッフと社長と一緒に視察という形で行っています。
編集部
スキルアップのために社内で取り組んでいることはありますか。
Tさん
社内でも、積極的に勉強会が開催されています。新しい技術のレクチャーだけではなく、技術共有という意味で、自分が所属していないプロジェクトで使った技術や開発ノウハウなどの情報を共有できる場を設けています。
編集部
トイロジックさんのメンバーには、ゲーム開発者として最先端の学びを得るチャンスがいっぱいあるんですね。
社長自らイベント企画も!トイロジックのカルチャーとは
編集部
先ほどKさんからも少しお話しいただきましたが、トイロジックさん社内の雰囲気についてもう少し伺いたいです。
Tさん
当社はコミュニケーションを大事にしているので、雰囲気はすごくオープンですね。コミュニケーション推進の目的で社内サークル制度もあって、サークルとして公認されると、ルールに従って活動費が会社から支給されます。皆さん、公認サークルをいろいろと作って趣味を楽しんでいます。
あと、うちの社長はメンバーのみんなと遊びに行くのが大好きでして、社長主催でスノーボードの宿泊旅行に行ったり、サバゲーやキャンプを企画してみんなで出掛けたりしています。ボードゲームが好きな方もたくさんいらっしゃるので、ボードゲーム合宿もあります。夜を徹してボードゲームをやっているそうです。
編集部
Tさんもボードゲーム合宿に参加されるんですか。
Tさん
私は、「心理戦や集中力が必要なゲームを朝までやるなんて信じられない」と思いながら話を聞いています(笑)。普段も、お昼休みに有志が集まってゲームをやったり、Kも言っていた通り、土・日曜日もDiscordで集ってオンラインゲームで遊んでいたりします。トイロジックのメンバーはやっぱりゲームが好きな方が多いんです。
もちろん強制ではなく自由参加ですけど、自然とみんなで集まってワイワイ楽しんでいるところはトイロジックの特徴の一つかなと思います。
当社は新卒メンバーの入社後3年以内の定着率が100%なのですが、その一因として柔軟なワークスタイルや優れた開発環境に加え、こういったカルチャーも影響しているのではないかと考えています。
真摯にゲーム開発をする意欲のある方は、トイロジックにぜひ応募を!
編集部
最後に、この記事を読んでトイロジックさんに興味を持った読者の方に向けて、採用に関するメッセージをお願いします。
Tさん
トイロジックは、家庭用ゲーム機向けのソフト開発をしています。いわゆる受託と言われる大手企業のIPや有名タイトルも、トイロジック完全オリジナルのタイトルも、そして新規IPも扱っているので、一つの会社に所属しながら幅広いゲーム開発を経験できます。
そして、いろいろな技術を取り入れて、いろいろな経験をしたい意欲のある方には、それに見合う環境はご用意できます。会社としてスタッフの皆さんに成長してもらいたい気持ちがありますし、さらにスタッフの皆さんにも意欲的に学びたい気持ちがある。その相互の想いによって、とても良い組織が醸成されていると自負しています。
真摯にゲーム開発をする意欲のある方は、ぜひ私たちの会社にジョインしてください。
編集部
仲間とゲームをする時間をとことん楽しみながら、年齢や立場に関係なく真剣にゲーム開発に取り組める環境だからこそ、トイロジックさんのメンバーは質の高いゲームを生み出すことができるのだな、と理解しました。本日は、ありがとうございました。
株式会社トイロジックの基本情報
住所 | 東京都豊島区北大塚1-13-17 日本綜合地所大塚ビル5F |
---|---|
事業内容 |
|
設立 | 2006年12月1日 |
働き方 | ハイブリッド勤務(出社+リモートワーク) フレックスタイム制度(コアタイム10:00-15:00) |
公式ページ | https://www.toylogic.co.jp/ |
採用ページ | https://www.toylogic.co.jp/recruit/ |