社員の可能性を育てるヤンマーホールディングス株式会社の自由な風土がもたらすチャレンジ精神

社員の可能性を育てるヤンマーホールディングス株式会社の自由な風土がもたらすチャレンジ精神

成長著しい企業の背景にある成長要因や、ワークライフバランスへの取り組みを紹介するこの企画。今回はエンジンをはじめ、農業機械、建設機械、エネルギー機器、小型船舶などの製造・販売を行う大手産業機械メーカー、ヤンマーホールディングス株式会社を取材しました。

「食」と「エネルギー」で世界中の暮らしを支えるヤンマーホールディングス株式会社

1912年に創業したヤンマーホールディングス株式会社は、農業用機械やエンジン、建設機械などを主力商品とし、食糧生産や関連産業の生産性を高めていくことで、日本の基幹産業である一次産業を支え続ける日本を代表する企業です。

1933年に世界初の小形ディーゼルエンジンを開発した同社は、それ以来ディーゼルエンジン分野における世界のリーディングカンパニーとして発展。現在は“YANMARブランド”として世界各国に「食」と「エネルギー」を軸に多彩なソリューションを提供しています。

会社名 ヤンマーホールディングス株式会社
住所 大阪市北区茶屋町1-32 YANMAR FLYING-Y BUILDING
事業内容 ・農業機械・農業施設(トラクタ、コンバイン、田植機、管理機ほか)
・建設機械(ミニショベル、ポータブル発電機、投光機)
・エネルギーシステム(マイクロコージェネ、ガスヒートポンプほか)
・小形エンジン(産業用小形ディーゼルエンジンほか)
・大形エンジン(船舶発電用/推進用ディーゼルエンジンほか)
・マリン(中小形マリンディーゼルエンジン、プレジャーボートほか)
・コンポーネント(油圧機器、トランスミッションほか)
などの研究・開発、製造、販売
設立 創業:1912年(明治45年)3月
設立:2013年4月1日付で持株会社体制に移行
公式ページ https://www.yanmar.com/jp/
働き方 ハイブリッド勤務(出社+リモートワーク)
コアタイムを設けないフルフレックスタイム制度

大地・海・都市など、自然と深い関わりの中で事業を展開してきたヤンマーホールディングス株式会社は、創業者が遺した“美しき世界は感謝の心から”という言葉を大切にし、自然との共生をテーマにグローバル化を推進しています。

今後、さらに独創的な技術開発を実現するため、同社では社員が能力を最大限に発揮できる環境づくりや制度の制定に取り組んでいます。そこで今回は、同社の成長を支える社員の働き方にスポットを当て、人事部人事グループの神田七海さんと、プロダクトデザイングループの河合進さんにお話を伺いました。

本日お話を伺った方
ヤンマーホールディングス株式会社人事部人事グループの神田七海さん

ヤンマーホールディングス株式会社
人事部人事グループ

神田 七海さん

ヤンマーホールディングス株式会社ブランド部デザイン部プロダクトデザイングループの河合進さん

ヤンマーホールディングス株式会社
ブランド部デザイン部プロダクトデザイングループ

河合 進さん

初の売上高1兆円台をもたらした要因は「海外事業の好調」

ヤンマーホールディングス株式会社のミーティング風景

編集部

最初に、ヤンマーホールディングスさんの近年の成長を示すようなデータがあればお聞かせいただけますでしょうか。

神田さん

弊社の躍進を表す出来事としては、2022年度に創業以来初めて売上高1兆円を達成したことが挙げられます。その達成にはさまざまな要因が絡んでいますが、なかでも海外での売上が伸びたことが大きな要因と分析しています。

編集部

国内外で多彩な事業を展開されているヤンマーホールディングスさんですが、どの分野が海外の売上を最も大きく占めたのでしょうか。

神田さん

需要が高まっている農業機械や建設機械の販売が好調だったことが売上の増加につながりました。昨年、中期戦略で2025年度目標としていた海外売上高比率60%を前倒しで達成しています。

編集部

ディーゼルエンジンを主力に展開されているヤンマーホールディングスさんが、昨今の世界的なカーボンニュートラルの取り組みが進む中、取り組んでいることについてもお聞かせいただけますでしょうか。

神田さん

カーボンニュートラルの取り組みにより、あらゆる分野で電動化が進む中、世界のリーディングカンパニーである弊社もしっかり対応していく必要があります。YANMAR GREEN CHALLENGE 2050という目標を掲げ、循環する資源を基にした環境負荷フリー・GHG(温室効果ガス)フリー企業を目指しています。

海外企業のM&Aをはじめ、海外の生産体制の効率の向上など、もともと国内で実践してきたことを新しい取り組みも含め、海外でも展開していく方針です。

パートナーシップの拡充と海外生産体制の強化

編集部

海外事業が好調だったほかに、過去最大の売上を達成した要因があればぜひ、お聞かせください。

神田さん

社内外の両面から、積極的な構造改革を行ったことも要因の1つだと思われます。

具体的には、パートナーシップを広げるような取り組みをしており、例えば、農業機械では新たにインドのトラクター会社とお互いの良いところを共有するかたちでトラクターの生産・販売を行っています。生産体制においてもインドに新しいエンジン工場を作り、グローバルに展開するディーゼルエンジンの製造を進めています。

編集部

なるほど。海外需要の高まりを視野に入れた中期戦略の成功や、パートナーシップの強化など、さまざまな積極的な取り組みが、過去最大の売上につながったのですね。

創業時から受け継がれる「HANASAKA」という価値観

ヤンマーホールディングス株式会社の社員の談笑風景

編集部

1912年の創業以来、日本の農業を支え続けているヤンマーホールディングスさんには、どのようなカルチャーが根付いているのでしょうか。

神田さん

私たちヤンマーの企業文化は、「HANASAKA」という言葉に凝縮されています。これは弊社の価値観であり、企業としての姿勢をあらわす基盤でもあるんです。

農作業の負担を減らすことで豊かな社会を実現したいという創業者の思いから始まった弊社では「A SUSTAINABLE FUTURE」を創り出すというパーパスがあります。「HANASAKA」という価値観も、そのパーパス理念と深く結びついています。

■ヤンマーホールディングスの「HANASAKA」の詳しい内容はこちら!
https://www.yanmar.com/jp/about/hanasaka/concept/

ヤンマーホールディングス株式会社のミーティング風景

編集部

その価値観がどのようにして誕生したのか、お教えいただけますでしょうか。

神田さん

ヤンマーの歴史は、ある小さな農村で育った創業者の山岡孫吉が、農作業の負担を軽減し、快適なものにしたいとの思いから始まりました。

以来、「人をより豊かにしたい」、「美しき世界は感謝の心から」という山岡の思いは受け継がれ、今もなお、ヤンマーの文化として根付いています。それを私たちはより明確に具現化するため、2023年に「HANASAKA(ハナサカ)」と名付けて、社外の皆さまに対して発表しました。

HANASAKAは、人々の挑戦を後押しし、次世代を含むあらゆる世代の人たちの可能性を育むヤンマーの思いを体現しています。チャレンジを応援し、後押しするカルチャーが根付く弊社は、新卒・キャリアに関わらず、全ての社員が頑張っていける環境だと思います。

編集部

創業以来、脈々と受け継がれてきた文化を改めて「HANASAKA」と名付けることで、社内外に浸透させる狙いがあるのですね。その思いを受けた社員のみなさんは、「人をより豊かにしたい」という願いを実現するため、日々の業務に真摯に向き合っていることがわかりました。

プロダクト全般のデザインを手掛けるキャリア入社社員の現在地

ヤンマーホールディングス株式会社ブランド部の河合さんのインタビュー風景

編集部

河合さんは、ヤンマーホールディングスさんにキャリア入社したと伺っております。現在のお仕事内容についてお聞かせください。

河合さん

弊社のデザイン部は製品デザインを行う「プロダクトデザイングループ」と、グラフィックを主としたコミュニケーションデザインを行う「ヴィジュアルコミュニケーショングループ」に分かれていて、私は前者のプロダクトデザイングループに所属しています。

プロダクトデザイングループでは、主に各事業の製品デザインやUIデザインを行っており、加えて展示会ブースやカタログデザインなど、グラフィック系の業務を担当することもあります。

編集部

数ある企業の中から、転職時にヤンマーホールディングスさんを選んだ決め手についてお聞かせいただけますでしょうか。

河合さん

ヤンマーと言えば農業機械メーカーをイメージされる方が多いと思われますが、農業機械のほかにもさまざまなことに取り組んでいるチャレンジングな企業姿勢に惹かれ、入社を志望しました。

面白いと思ったのは、酒造メーカーの沢の鶴株式会社様とタッグを組んで、日本酒の原料である「酒米」を作るというプロジェクトです。酒米を使って作られたお酒のパッケージデザインをヤンマーのデザイン部が担当していることにも興味を惹かれました。

面接を担当いただいたデザイン部の上長の熱意を感じ、「このような方たちと一緒に働きたい」と強く思ったことを覚えています。

広告から発展して手掛けた駅のデザインが世界三大のデザイン賞の「iFデザインアワードを受賞

ヤンマーホールディングス株式会社ブランド部の河合さんのミーティング風景

編集部

実際に入社し、仕事のやりがいや面白さを感じたエピソードなどがあればお聞かせください。

河合さん

「やりたい」と手を上げたら挑戦できる環境なので、自分たちの提案が実現していくことに面白さを感じています。

最近では、弊社が指定管理業者を務める大阪市東住吉区の長居公園や、近鉄針中野駅のリニューアルを担当したことが印象に残っています。当初、近隣の針中野駅から「長居公園がリニューアルするので、広告を出したい」という相談があったのですが、デザイン部としてそれだけではアピールが足りないと判断し、駅全体にグラフィックを施すことを提案しました。結果、公園の世界観を表現しつつ、インパクトのある空間をつくることができました。

また、われわれが手がけた針中野駅のデザインは、世界で最も権威あるデザイン賞の1つ、ドイツの「iF DESIGN AWARD 2024(主催:iF International Forum Design GmbH)」に選ばれたことでより強く達成感を感じています。

編集部

大きな快挙ですね!受賞にはどのような点が評価されたと思われますか?

河合さん

弊社が掲げる「A SUSTAINABLE FUTURE」への取り組みが評価につながったと思われます。駅の改修は新しい部材を使って行われることが一般的ですが、今回のプロジェクトでは既存の建物を活かし、グラフィックデザインのみで大きく印象を変えることを試みました。

他の業務と並行しながらの作業は大変な面もありましたが、このような素晴らしい賞をいただけたことを嬉しく思います。

人事部社員のキャリアパスに見る、適性を活かした組織づくり

ヤンマーホールディングス株式会社人事部の神田さんのインタビュー風景

編集部

神田さんは新卒でヤンマーホールディングスさんに入社されたと伺っております。入社から現在に至るまでの所属部署や仕事内容についてお聞かせいただけますでしょうか。

神田さん

2019年の入社から6年目を迎える私の最初の配属は、マリン関連事業のグループ会社への出向でした(取材は2024年5月に実施)。

2023年4月まで営業統括部に所属し、船舶や漁船エンジンの販売に関しての業績管理を主に担当していました。他にはブランディングに関わる業務として、展示会のレイアウトやホームページやカタログ制作なども担っていました。

人事異動によって2023年から所属している人事部では、キャリア採用をメインに担当しています。加えて、社内異動を募る公募制度の運用や、新しい制度への取り組みなどを担っています。前部署の営業統括部と業務は大きく異なりますが、さまざまなことにチャレンジさせてもらいながら、研鑽を積んでいます。

編集部

前部署とは全く異なる領域への異動とのことですが、神田さんご自身の希望が考慮されたかたちでの異動だったのでしょうか。

神田さん

人と関わることが好きな私は、前部署でもそのような仕事が多かったこともあり、経験を活かせる仕事がしたいことを当時の上司に伝えていました。人事部の仕事は初めて経験することばかりですが、希望に適した配置だと感じています。

編集部

人事異動には、適正や本人の希望を考慮したかたちが取られているのですね。会社との強い信頼関係が築かれていることが伺えます。

入社理由で最も多いのは「人の良さ」と「チャレンジできる社風」

ヤンマーホールディングス株式会社人事部の神田さんのインタビュー風景

編集部

神田さんはキャリア採用をメインに担当されているとのことですが、転職者がジョインした理由を、差し支えのない範囲でお聞かせいただければ幸いです。

神田さん

キャリア入社の方が弊社を選んだ理由で最も多いのが、「人が良かった」というもので、次に多いのが「チャレンジできそうな社風」という声です。これらの言葉からは、先ほどお話しした「HANASAKA」というカルチャーが採用段階においてもしっかり伝わっていると実感しています。

また、応募者からは非上場企業であるメリットについての質問をよく受けるのですが、社員が自由に発言できることが最大のメリットとお答えしています。事実、上司と部下という関係性もフラットであることを社内のメンバーも実感しており、風通しが良く、意見が通りやすい環境が働きがいに繋がっていると感じます。

ヤンマーの年齢などにとらわれずアイデアを発揮できる仕組み

ヤンマーホールディングス株式会社ブランド部の河合さんのインタビュー風景

編集部

ヤンマーホールディングスさんに入社した場合、社員はどのようなかたちで実力を発揮し、挑戦することができるのでしょうか。

神田さん

社員の活躍を促す制度として、2つ紹介させていただければと思います。

まず1つは社内の公募制度です。現在のキャリアとは全く異なる分野に挑戦できる内容となっており、過去には研究開発職からブランディング部門へと異動した事例もあります。2023年はシニア社員のセカンドキャリアとして、これまで培った経験や知識をもって後輩の育成を担う業務の公募も新たに開始しました。

このように、専門的な知識がなくても、その分野が得意だったり、趣味で業務に関わることを行っていたりという理由でもチャレンジすることができるのが弊社の社内公募制度の特徴です。公募制度による移動実績は年間30名ほどとなっており、異動はせずとも業務の2割を異なる部署での経験に充てているケースもあります。

編集部

多彩な事業を手がけているヤンマーホールディングスさんだからこそ、さまざまな業務を担うことができ、キャリアを磨くチャンスがあるというわけですね。2つ目の制度についてもお聞かせください。

神田さん

新規プロダクトアイデアコンテストを実施しています。顧客価値創造企業への進化に向け、社内から良いアイディアの発掘と成長事業の創出を目的としており社員が考えたアイデアを基に新規事業を立ち上げることを目的としており、これまで2回ほど実施しました。運営メンバーによる審査を経て、経営層にプレゼンを行い、最終的に通ったアイデアが事業として実現する、従業員の成長機会にもなり得る、非常に夢のあるプロジェクトになっています。

新卒・キャリアはもちろん、社歴や勤務地、また個人・グループの参加などの制限はなく、誰でも応募できるので、ぜひ自らの手でチャンスをつかんでほしいと考えています。

河合さん

社内公募制度においては、製品のアイデアを持った社員から「こういうものを描きたいのだけれど」という相談を受け、デザイン画を描くなどのサポートも行いました。

編集部

公募制度だけではなく、デザインに関することはデザイン部に気軽に相談できる環境なのですね。

河合さん

人を介してということもありますが、基本的には垣根はなく、デザインに関することは相談を受けることが多いですね。新規開発をしているプロダクトを展示会に出したいので、レイアウトを手伝ってくれませんかといった相談もあります。さまざまな部署の社員と話ができるのは、面白いところです。

現場のリアルな声を活かす徹底した「現場ファースト」

ヤンマーホールディングス株式会社人事部の神田さんのインタビュー風景

編集部

制度設計を含めて意見をどんどん提案していける環境があると感じたのですが、そのような社風を表す具体的なエピソードがあればお聞かせください。

神田さん

弊社には、「現場を一番知っているのは現場の社員であり、そのリアルな声を吸い上げ、業務改善や事業に活かしていく」という考えが根底にあります。

私の場合、前部署のマリン関連のグループ会社ではユーザー様と接することも多く、製品はもちろん、社員に対して高い信頼を寄せられている声を多くいただく一方で、「音がちょっと大きい」など、改善点をフランクに指摘してくださるユーザーさんもいらっしゃいました。

弊社は多くの商品で企画から製造まで行っているので、お客様やサービス担当の社員の声を、開発部門に直接伝えることができます。それらの声や意見を次の製品に生かせるのは弊社が創業以来、受け継いできた文化であり、上層部も非常に理解があると感じています。

編集部

デザイン部門でも、意見が通りやすい風通しの良さを実感されていますか?

河合さん

提案を受け入れてくれるという実感は常にあります。われわれのようなデザイン部門は、ユーザー様から直接声を聞くことは少ないのですが、特に私が担当する農機のUIは、使いやすさや操作性に直結するので、開発担当者がユーザー様の声を吸い上げ、共有し、一緒に改善案について話をすることが多いです。

また、展示会のデザインを作る際、「導線からレイアウトを見直してみませんか」と提案をすると、営業部門の社員が一緒になって考え、意見を出し合いながら一丸となって良いものを作ろうと努力します。このように、部署の垣根をこえたフランクな話ができるのも、弊社の特徴だと思います。

編集部

ヤンマーホールディングスさんの規模までに企業が大きくなると、現場の社員の声が通りにくいことが多いと思われますが、御社の場合はエンドユーザーに最も近い現場の社員の意見や声を大切にすることで、より良い商品の開発や業務改善につなげているのですね。素晴らしい企業姿勢だと感じました。

時間・場所ともに柔軟性があるヤンマーのワークスタイル

ヤンマーホールディングス株式会社の社員の仕事風景

編集部

続いて、ヤンマーホールディングスさんのワークライフバランスへの取り組みについて伺います。御社の勤務形態はどのようになっているのでしょう。

神田さん

弊社では、コアタイムを設けないフルフレックスタイム制度を導入しています。子育て世代の社員の子供の保育園の送迎などにも対応した、柔軟な働き方ができるのが特徴です。

コロナ禍で一気に広がった在宅ワークですが、弊社では形骸化することなく、現在も継続しています。部署によってはある週には1回だけ出社したり、対面での会議のために出社をしたりと、各々の事情に合わせたワークライフバランスがしっかり取れていることからも、プライベートは尊重されていると思われます。

編集部

出社した場合の勤務スタイルはどのようになっているのでしょう。

神田さん

本社機能があるYANMAR FLYING-Y BUILDINGに関しては、フリーアドレス制を導入しています。リフレッシュしたい時や、少し環境を変えたい時などは、席を移動することはもちろん、社員食堂にあるスペースでも仕事をしたり休憩を取ったりすることができます。

このように、集中できる環境と、リラックスできる環境があることでメリハリのある働き方ができ、生産性率の向上にもつながっていると感じます。

ヤンマーホールディングス株式会社の社員の仕事風景

編集部

コアタイムがないフルフレックスタイムや、在宅制度は、個人の裁量が非常に大きい働き方ですが、デザイン部門の河合さんはどのような働き方を選択されているのでしょうか。

河合さん

私の場合、リモートワークを積極的に活用しており、打ち合わせやデザインの確認など対面が必要な時は出社するようにしています。

リモートワークと出社勤務の割合は、個人の裁量によって選択できますが、デザイン部では業務の性質上、出社される方も多いです。

編集部

自分に合った集中できる環境を、選択できるというわけですね。育児と仕事の両立が可能なワークスタイルには、魅力を感じる人も多そうです。

年間休日128日。男性社員の育児休暇取得も急増中

ヤンマーホールディングス株式会社の社員の仕事風景

編集部

働き方に関して、ヤンマーホールディングスさんの特徴的な休暇制度などがあればご紹介いただけますでしょうか。

神田さん

2024年度の年間休日は128日です。これに、夏季休暇が年間で5日間付与されます。取得する期間は6月から9月となっており、お盆時期を避けた時期にまとめて休暇を取り、海外旅行に出かける社員も多いです。この点は新卒採用のアピールポイントになっています。

編集部

お子さんがいる場合、体調不良などで急遽、お休みを取らなければならないこともあると思われます。周囲の理解も含め、子育て世代へのサポートなどはありますか?

神田さん

育児休暇を経て復職している女性社員の多くは、フルフレックスタイムや在宅制度を活用しながら家庭の状況に合わせて業務にあたっています。もちろん、子どもの体調不良や通院、学校行事がある場合は出社から在宅に切り替えたり、休暇を取ったりすることができます。

ヤンマーホールディングス株式会社人事部の神田さんのインタビュー風景

神田さん

また、男性社員の育児休暇取得率が高い弊社は、2023年度の実績では48名の男性社員が1ヶ月から3ヶ月の育児休暇を取得しており、ヤンマーホールディングスの男性育休取得率は53.9%でした。このことからも、周囲の子育てへの理解があることがおわかりいただけると思われます。

女性の管理職登用も増えている昨今、女性社員が安心して働ける環境も含め、家庭と仕事の両立ができる環境の整備に尽力する方針です。

河合さん

私も1人目の子供が産まれたことを機に、3ヶ月の育児休暇を取得しました。仕事を3ヶ月も休むことに最初は不安もあったのですが、前年に部内で初めて育休を取得した男性社員がいて、周囲のサポートが手厚いことがわかったので、取得後は安心して子育てに向き合うことができました。

ヤンマーホールディングス株式会社ブランド部の河合さんのインタビュー風景

河合さん

とはいえ、やはり最初は仕事が気になってしまい、メールもこまめにチェックしていたのですが、ありがたいことに「しっかり子育てをしなさい」という意味からなのか、徐々にメールも減ってきましたね。生後3ヶ月は最も成長の変化が大きい時期だったので、妻と一緒に子育てができたことを嬉しく思います。

編集部

河合さんの不在を周囲がしっかりサポートされていたのですね。復職はスムーズでしたか?

河合さん

思っていたよりもスムーズに復職ができました。ブランクを感じる暇もなく取り組む仕事がたくさん待っていたということもあるのですが(笑)。よく言われる浦島太郎状態ではなかったです。

運動や食事の面から社員の健康管理をサポート

ヤンマーホールディングス株式会社のミーティング風景

編集部

ヤンマーホールディングスさんでは、社員の健康管理にも取り組んでいると伺っております。具体的な施策についてお聞かせください。

神田さん

社員の健康管理においてはさまざまな施策を打っており、代表的なものでは禁煙の啓蒙やアプリでウォーキングの記録を管理する取り組みなどを行っています。

アプリ上で設定した目標をクリアすると、賞品がもらえる仕組みになっており、社員の中にはそれをモチベーションに頑張っている者もいるようです。今年度はマラソン大会も計画し、社員を巻き込んだ健康管理に取り組む方針です。

また、自社運営の社員食堂をリニューアルし、サラダバーを設けています。社員食堂は、社員であれば700円ほどで利用することができます。メニューには事業を通じてご縁のある農家さんや漁師さんから仕入れた新鮮なお米や食材を使用しています。

編集部

日本の基幹産業である農業を長きにわたって支えられてきた、ヤンマーホールディングスさんならではの充実した内容ですね。

キャリアパスなど、業務以外のことも相談できるメンバーシップ制度

ヤンマーホールディングス株式会社の社員の仕事風景

編集部

ヤンマーホールディングスさんのその他のサポート体制について伺います。特徴的な取り組みなどがあればお聞かせください。

神田さん

出産や子育てなど、ライフステージの変化を受けやすい女性社員を対象に、トライアルとしてメンターシップ制度を設けています。若手の女性社員が業務上のことだけではなく、今後のキャリアなどの相談ができる制度となっており、女性社員から好評を得ています。

具体的にはサポートを受けるメンティーから「このような方に話を聞きたい」と言うリクエストを受け、メンターをマッチングします。私自身も半年間サポートを受けたことで、キャリアの選択肢が広がったように感じます。

現在はトライアルということで女性社員を対象としていますが、弊社は性別やキャリアを問わず、いつでも人事に相談できる環境が整っています。「このような相談事があるので、適した方を紹介してほしい」というリクエストがあれば、人事部で適した人材をマッチングし、橋渡し役として調整しています。

挑戦と成長ができる自由な風土で、自分らしく輝きたい方を歓迎

ヤンマーホールディングス株式会社の若手社員4名の集合写真

編集部

最後に、読者の方へメッセージをお願いいたします。

神田さん

ヤンマーホールディングスでは、事業に関しても、そして社員の働き方に関しても「HANASAKA」のカルチャーをベースにしながら「より良くしていきたい」という想いでさまざまな挑戦を続けています。

そのことは、柔軟な制度設計でライフスタイルにかかわらず長く働き続けられることや、社員の「人の良さ」を感じて多くの方が入社し、活躍していることからもおわかりいただけると思います。そんな理念に共感いただける方は、ぜひご応募いただけると嬉しいです。

河合さん

デザイン部門として多くの部署と関わりがある私から言えることは、ヤンマーは学びの機会が非常に多いということですね。「このプロジェクトのデザインについて相談したい」などと声をかけられると、新しい分野について1つずつ学ばなければならないので大変な面もありますが、その経験が自己成長にもつながっていると感じます。

このように、何事にもチャレンジできる環境が整っている弊社は、学ぶ意欲が高い方や、新しいことに挑戦したい方にフィットする会社です。ぜひ、アイデアを存分に活かしてほしいですね。

編集部

働き方や福利厚生、業務においても「HANASAKA」というカルチャーが根付くヤンマーホールディングスさんの一員になることで、自分らしく輝きながら御社が創設以来大切にしている「人をより豊かにしたい」という想いを実現できることを、今回のインタビューを通して感じました。

本日はありがとうございました。

■取材協力
ヤンマーホールディングス株式会社:https://www.yanmar.com/jp/
採用ページ:https://www.yanmar.com/jp/recruit/