女性の復職率100%!吉川市役所のワークライフバランスをとりやすい職場環境

ミライのお仕事『注目企業へのインタビュー』企画。今回は、埼玉県吉川市役所にインタビューしました。この記事では、転職を検討されている方に向けて、同市役所で働く魅力をご紹介します。

吉川市役所では、女性も長く働ける環境づくりに注力しており、女性職員の復職率は100%を誇ります。子どもの発熱時や健康診断などで利用できる子の看護休暇(子ども1人の場合は年度につき5日間、2人以上の場合は年度につき10日間)や、7月~10月までの期間に7日間取得できる夏季休暇などがあり、子育てとの両立がしやすい職場環境であることが大きな魅力です。

今回は、吉川市役所の働きやすさや人材育成の取り組み、求める人物像について、政策室職員担当の新里さんにお話を聞かせていただきました。

本日お話を伺った方
埼玉県吉川市役所の新里さん

吉川市役所 政策室職員担当 主任

新里 開さん

女性活躍:充実の休暇制度でワークライフバランスを実現しやすい

吉川市役所での業務風景

編集部

吉川市役所では、2024年4月1日時点で女性の割合は44%、産後の復職率は100%と伺っています。女性の働きやすさに配慮した取り組みが充実しているそうですが、具体的にどのような制度があるのでしょうか。

新里さん

子育てをされている女性職員から特に評判が高い制度が、未就学児がいる場合に利用できる「子の看護休暇」です。1年度につき子ども1人の場合は5日間、2人以上の場合は10日間、父母問わず取得できる休暇で、お子さんの発熱時や健康診断の際に多く活用されています。

また、年次有給休暇に加えて、7月~10月までの期間に7日間取得できる夏季休暇もあり、これらの休暇をうまく組み合わせて子育てと仕事の両立を図っている職員が多いですね。

編集部

実際に、子育てと仕事を両立されている女性職員の方の活躍事例を教えてください。

新里さん

現在、部長級の女性職員についてご紹介します。お子さんの子育てを経て、現在は実のお母様の介護も行っていらっしゃるのですが、そんな中でも議会でバリバリ答弁するなど活躍されています。まさに仕事と育児、そして介護の両立を実現されており、後進の職員にとって良いロールモデルとなっていますね。

ちなみに、子育て中の女性職員の中には、管理職への昇進に積極的ではない方もいると思います。今後は管理職の魅力をより積極的にアピールし、キャリアアップを目指す女性を増やしていきたいと考えています。

男性の育休取得率は約80%!育休取得が「当たり前」の環境へ

編集部

吉川市役所では、男性の育休取得推進にも注力されているそうですね。

新里さん

男性の育児休業取得率は2024年度時点で約80%と高水準で、男性も育児に参加しやすい風土が育ちつつあると感じています。

実は吉川市では、2005年に1人、男性の育児休業取得者が出て以降、長らく男性の取得者がいない状況が続いていました。そこで、私自身が2020年に育児休業を取得し、その後人事部署に配属されたことをきっかけに、体験者として取得促進に取り組んできた次第です。

具体的には前例があることをアピールしたり、研修などで育児休業を取得した体験談を共有したりと周知の機会を積極的に設けたことで、少しずつ取得者が増えていきました。現在では、男性が育休を取得することに何ら違和感のない職場環境が整ってきています。

こういった働きやすい環境が評価され、吉川市役所は埼玉県の「多様な働き方実践企業認定制度」でプラチナランクに認定されました。実は2016年度に最初の認定を受けた際は、男性の育児休業取得者がいなかったためにもっと下位のランクだったんです。その後、男性の育児休業取得者が出てきたことに加え、既存の女性活躍のための制度が整備されていたことが評価され、2021年度の再認定でプラチナランクを取得することができました。

編集部

新里さんご自身は、育児休業を取得されてどのようなメリットを感じましたか?

新里さん

家庭面では、出産直後の妻のサポートと、日々成長する子どもの姿を間近で見られたことが大きな収穫でした。仕事面では、長期不在を想定した業務の進め方を意識できるようになりましたね。限られた時間の中で仕事を整理し、効率的に進める考え方が身についたと感じています。

風土:職員同士や市長との距離が近く、プライベートの交流も活発

吉川市役所の職員の部活動風景
▲バレーボールの部活動を楽しんでいる職員の皆さん

編集部

職場の雰囲気についてお聞かせください。

新里さん

職員数が約400名のため、お互いの顔が見えやすく、仲良くなりやすい環境ですね。同期はもちろん、入庁時期の異なる職員同士でも旅行に行ったり、部活動を通じた交流があったりと、プライベートでの付き合いも活発です。私の場合は、共通の趣味をもつ職場の仲間とよく飲みに行ったり、ライブに行ったりしています。

ちなみに、職員が入庁するたびに一人ひとりのプロフィールをまとめた冊子を全庁に公開しているのですが、それをきっかけに共通の趣味で繋がるケースも多いですね。

編集部

市長さんとの距離感についてはいかがでしょうか。

新里さん

吉川市は規模が小さいこともあり、1年目の職員でも市長へ直接事業を説明する機会があります。また、市の特産品のPRイベントでは市長自ら販売員として参加され、若手職員と一緒になって活動されるなど、距離感はとても近いですね。

普段も市長は職員とのかかわりを大切にされており、新入職員の名前さえもすべて覚えてくださっています。すれ違った時に元気がなさそうな職員がいると、「元気がなさそうだけどどうしたの?」などと体調にも気を配ってくださいますね。

ちなみに、私は採用試験担当として、市長が面接官を務める場面に立ち会うことがありますが、その際の合格者選考の話し合いの中で、市長が単に任期の4年間だけでなく、20年後・30年後を見据えて人材育成を考えていらっしゃることを強く感じます。

映画館やテーマパークの割引などの福利厚生や、資格取得助成も手厚い

編集部

福利厚生についても教えてください。

新里さん

健康保険組合を通じて様々なサービスを提供しており、特に人気が高いのが映画館の割引制度です。通常料金から1回700円割引で鑑賞できるサービスで、年度につき3回まで利用できます。

また、東京ディズニーリゾートは年1回2,000円の割引があるほか、関東圏内のテーマパーク、娯楽施設も割引価格で利用でき、特にお子さんがいる職員に好評です。

珍しい制度としては、資格取得助成も行っています。土木建築関係の技術者が不足している課題に対応するため、2020年度から開始しました。市の業務に不可欠な建築士や社会福祉士などの資格取得を支援しており、実際に活用実績も出てきています。

採用情報:未経験歓迎&学歴不問。メンター制度&研修で即戦力へ

吉川市役所での研修風景
▲研修風景

編集部

吉川市では未経験歓迎・学歴不問で採用活動を行っているそうですね。

新里さん

はい。新卒未経験者を積極的に採用し、一人前に育てる組織風土があります。最近は中途入庁の方も増えてきており、2024年度は現時点で新卒が6割、既卒が4割ほどの割合です。社会人経験のある既卒の方は基礎能力が身についていることが多いですが、伸びしろという点では新卒・既卒で大きな差はないと感じています。

また、吉川市では59歳まで応募可能な民間企業等経験者枠や、筆記試験を不要とするスポーツ枠なども設けており、多種多様なバックグラウンドをもつ職員が活躍している点も大きな特徴です。

編集部

新規採用職員をサポートする取り組みについて教えてください。

新里さん

入庁後、約1年間は同じ所属の年齢の近い職員がメンターとしてつきます。業務指導は所属全員で行い、メンターは特に精神面のサポートを担当する制度です。

また、入庁直後の「市長懇談会」も特徴的な取り組みのひとつです。市長が新規採用職員一人ひとりに対して、配属先の課題や事業の意義について直接語りかける機会を設けており、モチベーション向上に繋がっていると感じています。

編集部

研修制度についてはいかがでしょうか。

新里さん

各種研修も充実しており、研修センターで1日~数日間学んだり、県および他自治体へ数年間派遣される研修もあったりと、様々な経験を積める機会を提供しています。

私自身も派遣で2年間ほど県での業務を行った経験があるのですが、より視野が広がったと感じます。県全体のことを考えながら政策を進めていく必要があるため、幅広い視点で物事と向き合う能力が身に付きました。

一方、県において数千人規模の組織の中での業務を経験したことで、小規模な吉川市役所ならではの良さを改めて実感できたことも大きな収穫でしたね。吉川市には若手でも自分のアイデアを積極的に出し、比較的すぐに実現できる環境があるほか、市民の方と身近に接することができるので、それが自分にとって大きなやりがいになっていると再認識しました。

求める人材:多様な業務に取り組みたい方・人と接することが好きな方を歓迎

埼玉県吉川市の名産品、埼玉県吉川市にある金のなまずのモニュメント▲吉川市の名産品&市のシンボルである金のなまずのモニュメント

編集部

吉川市でどのような方が活躍できるとお考えですか。

新里さん

小規模な組織であるため、一人ひとりの業務範囲が幅広く、裁量も大きいのが特徴です。そのため、決まった仕事だけをこなすのではなく、様々な業務に積極的に取り組める方が向いていると考えています。

また、市役所はサービス業であり、多様な市民の方々と接する機会が多いため、人と接することが好きな方に向いていますね。得意・不得意ということではなく、人とのコミュニケーションを楽しめる方が活躍できる職場だと思います。

編集部

最後に、記事を読んで興味を持たれた方へのメッセージをお願いします。

新里さん

吉川市では2012年に誕生した「吉川美南駅」を中心としたまちづくりを進めているなど、これからの発展の可能性を大きく秘めたまちです。人口約7万人というコンパクトな規模を活かし、市民との距離が近く、住民の幸福実感の向上を直接実感できる職場環境が特徴です。

市の発展に力を貸していただける職員を大募集しておりますので、興味をお持ちの方はぜひお気軽にお問合せください。職場訪問も大歓迎です!

編集部

本日はありがとうございました!

この記事のまとめ

働き方・制度
  • 男性の育児休業取得率約80%、女性の産後復職率100%を実現
  • 子の看護休暇(子ども1人の場合は年度につき5日間、2人以上の場合は年度につき10日間)と夏季休暇(7日間)を整備
  • 育児・介護との両立を支援する職場風土が確立
社風・カルチャー
  • 少人数組織を活かした職員間の活発な交流
  • 市長との距離が近く、若手でも直接事業説明や意見交換が可能
  • 部活動や趣味を通じた職員同士のプライベートでの交流が盛ん
キャリア・評価制度
  • 女性管理職比率22.2%(目標30%以上)で着実に上昇中
  • 資格取得支援制度を導入し、専門性の向上をバックアップ
採用・育成体制
  • 新卒6割・中途4割で経歴による評価の差はなし
  • 59歳まで応募可能な経験者枠など、多様な採用制度を整備
  • メンター制度による手厚いサポート
  • 県や他自治体への派遣研修制度あり
求める人物像
  • 幅広い業務に積極的に取り組める柔軟性のある人材
  • 市民とのコミュニケーションを楽しめる人
  • 小規模組織での裁量のある仕事を好む人

吉川市役所の基本情報

吉川市役所の外観
▲市役所の庁舎外観

自治体名 吉川市役所
住所 埼玉県吉川市きよみ野1丁目1番地
事業内容 吉川市の行政業務全般
公式ページ https://www.city.yoshikawa.saitama.jp/
採用ページ https://www.city.yoshikawa.saitama.jp/
index.cfm/27,827,186,968,html
募集職種 一般事務・土木技師・建築技師・保育士・保健師
取材・編集
紫竹淳志のプロフィール写真

ミライのお仕事編集部

紫竹 淳志

元新聞記者として約10年間、地方行政や選挙、プロ・アマチュアスポーツなど幅広い分野の取材経験あり。ミライのお仕事では、ソフトバンク株式会社や東京商工会議所、株式会社オープンハウスグループなど、数多くの著名企業や教育機関への取材を担当。