様々な企業の取り組みや新しい働き方をお伝えするこの企画。今回は、「驚きと感動のエンタテインメントで、世界中を笑顔にする」をミッションに掲げる株式会社ユークスにお話を伺いました。同社は、高品質なコンシューマ向けゲーム開発を基盤としつつ、多様な新規事業や海外展開を積極的に推進するゲーム会社です。
株式会社ユークスの事業概要
株式会社ユークスは家庭用ゲームソフト、モバイルアプリの企画・開発・販売、遊技機液晶企画・開発、ARを使ったライブ事業などを手がけているゲーム会社です。設立以来、高品質なコンシューマ向けゲーム開発に注力し、培ってきた高度な技術力を強みに成長を続けています。
「驚きと感動のエンタテインメントで、世界中を笑顔にする」をミッションに掲げ、ゲーム開発のノウハウを活かして幅広いコンテンツを展開し続けています。設立30周年を迎えた現在も、新たな事業の発足を予定しており、さらなる成長を目指しています。
会社名 | 株式会社ユークス |
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住所 | 大阪府堺市堺区戎島町4丁45番地の1 ポルタスセンタービル 5F |
事業内容 | 家庭用ゲーム機、業務用ゲーム機およびモバイル等向けにコンテンツの開発・制作・販売、パチンコ・パチスロの画像開発、コンサート・イベントの企画・制作・運営等 |
設立 | 1993年2月 |
公式ページ | https://www.yukes.co.jp/ |
働き方 | 裁量労働制、テレワーク可能、副業可能 |
今回は、株式会社ユークスの西村さんと野津さんに、クリエイターの働きやすさを実現する福利厚生や働き方、また同社にフィットする人物像などについてお話を聞かせていただきました。
ゲーム開発技術を活かした多様なコンテンツ展開
編集部
まず最初にユークスさんが行われている事業について、ご説明をお願いします。
西村さん
ユークスの事業は、基本的にはゲーム開発を中心にしています。国内外問わず、高性能な家庭用ゲーム機向けのゲーム開発技術のノウハウを蓄積しており、その技術力を活かしてゲーム開発を行っています。これまで培ってきたゲーム開発の技術力を活かし、現在では遊技機の液晶画面に表示される演出の企画開発なども手掛けています。
また、新事業としてXR(クロスリアリティ)事業を立ち上げました。これは、AR(拡張現実)、VR(仮想現実)、MR(複合現実)などの現実世界と仮想世界を融合させる、最新の映像技術を使ったライブCG制作事業です。自社でALiS ZERO®というオリジナルのリアルタイムモーションキャプチャーの技術を開発し、数多くの人気コンテンツホルダーからの依頼に応じてCG制作を行っています。
今後はゲーム開発を一番の柱としつつ、これまでの技術やノウハウを活かしてユークスでしかできない、エンタテインメントのコンテンツを展開していきたいと考えています。
編集部
ミッションに「驚きと感動のエンタテインメントで、世界中を笑顔にする」と掲げているように、ゲーム事業を中心として、XRといった最新分野にも着手しながら様々なサービス展開を考えられているのですね。
▲株式会社ユークスが掲げるミッション・ビジョン・バリュー。(公式サイトから引用)
クリエイターの裁量を重視した柔軟な勤務体制
▲ときにはオンラインで海外のクライアントと打ち合わせすることも。
編集部
続いてユークスさんでの働き方について伺えればと思います。ポジションなどで異なる部分もあるとは思いますが、勤務体制はどのように設定されているのでしょうか?
西村さん
ユークスでは固定時間制と裁量労働制を導入しています。管理職などは固定時間制をとっていますが、社員の約8割を占めるクリエイターは裁量労働制で勤務しています。プロジェクトの状況を他のメンバーと相談しながら、個人の裁量で勤務時間を調整できる環境を整えています。
テレワークも可能としており、対面での打ち合わせがある日は出社し、それ以外の日は自宅で作業するメンバーもいます。社員それぞれで出社の頻度は異なり、月に1〜2回程度の出社のメンバーもいれば、まとまった期間出社するメンバーなど様々です。業務内容に応じてが前提ですが、家庭環境や個人の事情に合わせてテレワークを活用できるようにしています。
野津さん
テレワークについて補足しますと、開発メンバーは機材や担当業務の関係上、テレワークと出社を柔軟に切り替えるというよりも、どちらかに固定されるケースが基本となります。
ハイエンドゲームの開発には高性能な機材が必要で、ノートPCではスペックが不足することもあるため、社員には基本的にデスクトップPCを用意しています。そのため、テレワークと出社を頻繁に切り替えることは手間やコストがかかります。結果として、基本的にリモートワークか、基本的に出社するかのどちらかを選択するメンバーがほとんどです。
また、セキュリティや業務の専門性を考慮して、出社での作業が必要となる場合もあります。そういった作業を担当する社員については、原則出社をお願いしていますが、一定期間のテレワークも可能な体制を整えています。
裁量労働制とテレワーク環境下でのコミュニケーション方法
編集部
裁量労働制で働かれている方が多いとのことでしたが、働く時間が大きく異なるとコミュニケーションが難しくなるのではないでしょうか。コアタイムなどは設定されているのでしょうか?
西村さん
標準労働時間を10時〜19時と設定しており、ほとんどの社員がこの時間を目安に働いているため、大きく作業時間がずれることはありません。そのため、打ち合わせやコミュニケーションで大きな支障は出ていないと思います。
もちろん、裁量労働制なので標準時間はあくまでも目安です。昼から来る社員や15時に帰る社員もおり、個人の事情に応じて働く時間は柔軟に調整できます。
編集部
社員同士のコミュニケーションに関して、工夫している点や制度などはありますか?
西村さん
リモートの社員もおり、開発室が大阪と横浜の2拠点にあるため、オンライン上での打ち合わせやコミュニケーションは必須となっています。
社内では主にMicrosoft Teamsを使用しており、オンラインミーティングやチャットで気軽にコミュニケーションを取ったり、業務外でも雑談したりする様子が多く見られます。
特別な制度は設けていませんが、リモート環境がベースになったからこそ、小さなことでもコミュニケーションを取ろうという意識が全社的に高まったように思います。
編集部
リモート環境では社員同士のコミュニケーションが希薄になるケースが多く見られ、対策を講じている企業も多いですね。ユークスさんでは会社として制度を設けていなくても、コミュニケーションを取ろうという意識が社員の中で醸成されており、実際に業務時間内外で交流がなされているのですね。
クリエイターの働きやすさを追求する福利厚生と環境整備
編集部
ユークスさんでの、社員さんをサポートする制度や福利厚生について教えていただけますか?
西村さん
社員のリフレッシュと知識向上をサポートするため、様々な取り組みを行っています。オフィスコンビニや無料ウォーターサーバーの設置、書籍・ゲーム購入費や外部セミナー参加費の会社負担、社内の充実した技術書や最新ゲーム機器の整備、社内勉強会の開催などがあります。
最近では、社員一人ひとりが2万円まで好きなPC周辺機器を選んで購入できる取り組みも実施しました。これは、個々の社員がより働きやすい環境を整えられるようにするためです。会社の売上を社員に還元したいという思いから実施しました。
野津さん
特徴的な制度として、最大月5万円の住宅手当を支給しています。これは社員にとって非常に助かる制度だと考えています。
また、クリエイターの作業環境にも配慮しています。広いデスクスペースの確保や、高品質な椅子の導入などを通じて、体への負担軽減と作業効率の向上を図っています。これは、過去にクリエイターが腰を痛めた経験を踏まえ、早い段階で導入しました。
クリエイターが心身ともに安全に働き、力を最大限に発揮できるよう、環境整備に力を入れています。
西村さん
会社全体として、クリエイターたちが自由に働ける環境や制度の整備を心がけています。代表の谷口が元プログラマーということもあり、現場の意見を重視し、クリエイターの自由で創造的な発想や作業を支援する意識が非常に強いです。
年齢や経験に関係なく、社員の希望を重視した配属方針
編集部
ユークスさんは平均年齢が39歳ということで、各年代がバランスよく構成されているのではないかと思います。その中でも新しくジョインされた方や、若手の方が活躍されているといったエピソードがあれば教えてください。
西村さん
ユークスでは、年齢や経験に関わらず、能力と意欲を重視しています。そのため、入社1年目の社員でも大きな会議に出席したり、プロジェクトの重要な部分を任されることがあります。
個々の希望やアイディアを尊重し、社員の自主性を大切にしています。声を上げれば挑戦の機会が得られる環境が整っているため、20代でもプロジェクトの中核を担当しているメンバーが多くいます。
野津さん
当社では、社員の希望を非常に重視しています。上司と密に話し合いながら、可能な限り希望に沿ったプロジェクトへの配属を決定しています。私自身も現場にいた頃は、やりたいことに積極的に挑戦できる環境がありました。
実力主義の方針により、若手でも責任ある立場や大規模なプロジェクトで活躍する機会があります。一方で、50代でも開発メンバーとして第一線で活躍している方もいます。社歴や年齢に関わらず、個人の希望や適性に応じて最適な場所で力を発揮できるよう配慮しています。
管理職やベテランのメンバーも含め、それぞれの働きやすい場所、働きたいところを考慮して配属しています。会社やチームの成功を目指しつつ、個人の希望も最大限叶えられるよう、バランスを取りながら人員配置を行っています。
多層的な上司との対話を通じた社員の希望把握
編集部
メンバーの皆様の意向を聞くために、1on1ミーティングや上司との対話の機会を設ける仕組みはあるのでしょうか?
野津さん
人事制度の一環として、直属の上司とは半期に1回、評価面談を行っています。また、現在担当している業務については、プロジェクトごとの上司が日常的に会話するようにしています。
当社の特徴として、職種やプロジェクトごとに複数の上司が存在します。例えば、プログラマーの場合、グラフィックスプログラマーやネットワークプログラマーなど、専門分野ごとに上司がいます。さらに、プロジェクトではゲームタイトル別やモード別などでチームが分かれており、一人のメンバーに複数の上司がつくことになります。
定期的な1on1ミーティングは設けていませんが、それぞれの上司と日々密接にコミュニケーションを取るようにしています。プロジェクト内の上司とは日々の業務について話し合い、直属の上司とはキャリアプランについて相談するなど、日常的な情報交換を通じて社員の希望や意向を把握するよう努めています。
設立30周年を機に更なる成長を目指す企業文化
編集部
次にユークスさんの雰囲気や、お二方が抱いている御社の印象などをお聞かせください。
西村さん
率直な感想としては、ユークスは自由な会社だと思います。「こうじゃないといけない」「こうしないといけない」といった固定観念がなく、まずは個人個人の価値観や意見を尊重するという考え方がベースにあります。そのため、私自身とても居心地よく感じていますし、のびのびと仕事をさせてもらっているというのがユークスに対する印象ですね。
また、設立30周年を迎え、ここからまた新しくなっていこうというバイタリティやエネルギーに溢れています。それは会社全体からも感じますし、若手からベテランの方まで社員みんなからも活力を感じます。そういったクリエイターの方たちと一緒に働いているので、私自身とても刺激を受けていて、自然と前向きに取り組む姿勢になれる環境がある会社だと思います。
野津さん
現場目線からの感想ですが、クリエイター個々人のクオリティに対する意識が非常に高いと思います。生半可なものを世の中に出せないという意識が根底にあり、その最低ラインがみんなに浸透しています。これは会社として様々な企業様からご依頼をいただいて、それを世に出していく流れの中で培われ、文化として根付いているのだと思います。
そこに加えて、会社の「やりたいことをやりましょう」というスタンスが掛け合わされ、やりたいことをやりつつ、高いクオリティの成果物を出すという好循環ができています。そして、それを見た後輩や部下が「自分たちもこうやりたい、こんなことをしたい」とアイディアや志が高まり、またハイクオリティな作品が生まれていくという循環が生まれています。
設立から30年間このサイクルを続けてきた結果、会社全体の技術力が向上し、関わったゲームがヒットするなどの実績を作ることができています。このサイクルは今後さらに磨き上げられていくものだと考えていますし、オペレーターとしてはその一員として携わっている方達を尊敬しています。
社員主導の部活動による組織帰属意識の醸成
編集部
サイトでロードバイク部やキャンプ部といった部活動をしている社員さんがいると拝見しました。こういった部活動は会社が設立したり、活動を促したりしているのでしょうか?
野津さん
部活動については制度としてあるわけではなく、ほとんどが非公式のものです。フットサル部など会社公式のものもありますが、基本的に仕事が大好きなメンバーばかりで忙しいため、定期的な開催が難しい状況です。
ただ、会社公式ではない部活も、ユークスキャンプ部やユークス釣り部、ユークスロードバイク部と、みんな頭に「ユークス」をつけて活動しています。ユークスという会社に対して帰属意識を持った状態で、同じ趣味のメンバーが集まって部活動というコミュニティを形成しています。
私もキャンプ部に所属しており、休日に10〜20名ほどのメンバーと集まってキャンプをしています。そこでみんなと楽しい経験を共有し、明るい気持ちになることで、日々のクリエイティブな発想や業務中のチームワークを強化することができています。
編集部
公式・非公式に関わらず、部活動を通して部署を横断したコミュニケーションを図り、それが日々の業務にも良い影響を与えているということですね。
自主性とこだわりを持つ人材を求める採用方針
編集部
それでは続いて採用に関して伺えればと思います。現在は新卒採用と中途採用の比率はどれくらいでしょうか?
西村さん
年間でいうと、大体中途と新卒で半々くらいです。
編集部
新卒採用と中途採用では、スキルや経験の違いがありますが、御社にフィットする人物像や求めている人物像は同じだと思います。選考で見るポイントや重視しているところを教えていただけますか?
西村さん
まずはユークスの理念に共感してくれるかどうかです。ユークスはエンタテインメント業界で世の中に楽しい、ワクワクを届ける会社なので、「面白いものを作りたい、人々を楽しませたい」という価値観に共感してくれているかどうかを非常に重視しています。
また新卒中途にかかわらず、自分のこだわりをしっかりと持っていて、それをユークスの中で一つの力として発揮してくれる方は、選考の中でも魅力を感じますね。
編集部
指示を受けた仕事を頑張るタイプより、自身からやりたいことを発信して、行動に移せるような方の方がフィットしそうということでしょうか?
西村さん
そうですね。クリエイター陣もよく言っていますが、ただ作業をこなしているだけではお客様を満足させられるものは作り上げることはできません。小さなことでもいいので、しっかりと自主性を持って、「こういうふうにやりたい、こういうことをやっていこう」といった意欲が必要です。そういったエネルギーがないと、ユークスで生み出すエンタテインメントの価値を大きくしていくことは難しいと考えています。
株式会社ユークスが求める人材像と今後の展望
編集部
それでは最後にお二方から、この記事を読んでいる皆様に向けてメッセージをお願いします。
西村さん
当社では「ユークスならでは」という部分を最も意識して事業を展開しています。
同業他社と同じようなことをやるのではなく、ユークスだからできる、ユークスだから新しいことをやってみようという社風がある会社です。新しいことをやりたいといった強い気持ちがある方は、ユークスで活躍いただける舞台はたくさんあると思います。
会社としても、社員にとっても一緒に成長できるような関係であり続けたいと思っていますので、少しでもユークスに共感していただける方にはぜひご応募ください。
野津さん
ユークスは、日本国内だけでなく世界をターゲットにゲームを作り続けている会社です。世界を見据えてコンテンツの企画や開発をしているため、グローバルに挑戦し活躍できることが会社の大きな魅力の一つです。
加えて、設立から30年という節目である2023年から新しい事業にチャレンジします。今までは受託開発が多かったのですが、ゲームを自社開発、販売をしていこうと動き出しており、今年中に一本ゲームをリリースする予定です。
これまで申し上げたように、ユークスは「やりたいことをやっていきましょう」というスタンスが浸透していて、新規事業はまさにこの考えを体現しています。社員にはやりたいこと、興味のあること、挑戦してみたいことを追求してもらいたいですし、経験や立場は関係なく自由なアイディアを採用する環境があります。
やりたいことはどんどんとやっていこう、という考え方に共感していただける方と、ぜひ一緒に働きたいです。ご自身の「やりたいこと」を実現するためにユークスに所属していただいて、社員みんなでその夢に向かって、クリエイティブな活動をともに進めさせていただければと思います。
編集部
設立30周年を迎えてもなお、これからも会社としてどんどん新しいことにチャレンジして、成長していく段階にあるということですね。
社員の皆さんも一人ひとりがやりたいことやご自身のこだわりを持ち、挑戦することに前向きなため、組織全体が一緒に成長し続けているのだと感じました。やりたいことを究め、成長したいという思いがある方にとっては、まさにフィットする企業だと思います。
本日はありがとうございました。
■取材協力
株式会社ユークス:https://www.yukes.co.jp/
採用ページ:https://www.yukes.co.jp/recruit/