いろいろな企業の皆様に、社内文化や働き方などに関するインタビューを実施しているこの企画。今回はAI技術と電話を組み合わせた新しい電話AIサービスを開発している株式会社ソフツーさんに取材しました。
株式会社ソフツーとは
株式会社ソフツーは、人と人をつなぐコミュニケーションを事業の中核に据え、AI技術と電話を組み合わせた様々なサービスを提供しています。
自社で開発したクラウド型コールセンターシステムサービス『BlueBean(ブルービーン)』は導入企業が順調に増加、それに伴い売上高や社員数などの会社規模も拡大しています。さらには、自社で開発したAI電話自動応答・取り次ぎサービス『ミライAI』が2023年2月に正式ローンチ。非効率的な電話業務をAIが請け負い、人間は人間にしかできないコアな業務に専念することで、深刻化する人手不足の問題解決にサービス開発し続けています。
会社名 | 株式会社ソフツー |
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住所 | 〒103-0004 東京都中央区東日本橋1-1-7 京王東日本橋ビル5階 |
事業内容 | <クラウド型コールセンターシステムサービス事業> クラウド型CTIアプリケーションBlueBeanの開発・販売やOEM提供 <AI電話自動応答・取り次ぎサービスの開発及び提供> クラウドAI電話アプリケーションミライAIの開発・販売 <ホテル用電話機販売事業> ホテル客室・ロビー用アナログ/SIP電話機の販売 |
設立 | 2008年(平成20年)7月8日 |
公式ページ | https://www.softsu.co.jp/ |
今回お話を伺ったのは、出身地である中国、そして日本でエンジニアとしてのキャリアを歩まれたのち、2008年にソフツーを設立した代表取締役の鍾(しょう)勝雄さん。チャレンジが推奨される社内カルチャーや、メンバーが多国籍に渡るからこそのコミュニケーションに関する工夫などについて話していただきました。
ソフツ−が目指すのは、社員の幸せがうみだす「社会発展への貢献」
▲株式会社ソフツーさんが掲げる「物心両面の幸せ」の理念(公式サイトから引用)
編集部
はじめに、株式会社ソフツーの理念やミッションを教えていただけますか。
鍾さん
ソフツーでは「全従業員の物心両面の幸福を追求すると同時に、途切れることのない研究開発をし、IT技術で社会の発展に貢献します」ということを経営理念として掲げています。「物心両面の幸せ」というのは「物理面、精神面の両方が充実した幸せ」を指すのですが、これはけっして弊社が楽して儲けるという意味ではありません。むしろ逆で、「どんな苦労もいとわず、高い目標にチャレンジし続けて、自己実現しながら人格を磨いていく」という意味を持っています。
もう少し分かりやすく言うと、弊社は「自分たちが持っているIT技術を活かして、いかに社会の問題を解決していくか」ということを中心に置いています。そのためには、研究開発に没頭しながら良いサービスを作り、たくさんのお客様にそれを使っていただくということが大切です。そうすることで、我々も喜びを得られ、心の幸せにつながっていくのではないかと思います。
心の方だけではなく、「物の幸せ」の方も明確に実践しています。毎年経営計画書を発表しているのですが、その中に「業界年収ナンバーワンを実現する」と掲げているんです。
さらに平均年収目標も会社数字目標として記載し、振り返りの際には達成状況を全社員に報告しています。全社員が一緒に頑張ってくれたおかげもあり、今のところは毎年順調にクリアしていますね。この部分が「物の幸せ」につながると考えています。
編集部
良いサービスをつくってそれをたくさんの人に使ってもらうことが、自己実現や喜びという「心の幸せ」につながる。そして金銭面でもきちんとした還元があるということが「物の幸せ」にもつながるということですね。
鍾さん
その通りです。「心も、経済的にも、両方の幸せを追求していこうよ」というのがソフツーの考え方です。
挑戦をさせてもらえるからこそ、誰もが輝ける職場
編集部
経営理念を達成していくための行動指針などもございますでしょうか。
鍾さん
「失敗を責めず、挑戦を褒める」ということです。
これはソフツーの評価基準にも明確に示されています。弊社の評価基準は5段階あり、1番高いのは当たり前ですが「高い目標を達成した人」になります。しかし2番目と3番目が、他の会社とは少し異なるのではないかと思います。
例えば「普通の目標を掲げて達成した人」と「高い目標を掲げて達成しなかった人」がいた場合、弊社では「高い目標を掲げて達成しなかった人」が2番目に高い評価になります。積極的にチャレンジしてほしいというのが会社の方針だからです。
幹部の登用についても、年齢や社歴、性別はほとんど考慮せず、まずは『やる気があるか』というところを重視しています。
編集部
とても分かりやすいですね。まさにお話を伺った通り、「失敗を責めずに挑戦を褒める」というところが体現されていると思います。
挑戦できる社内カルチャーが生んだ「ミライAI」
編集部
実際に、失敗を恐れずに挑戦された事例があればご紹介いただけますか?
鍾さん
具体的な事例として、ある社員の挑戦から新サービスリリースに繋がったケースを紹介します。
数年前に、ある大手企業と弊社が共同でAIの電話ソリューションを制作したのですが、コスト面から提供価格が高くなってしまったのが要因だったのか、売上が上がらないまま共同開発したパートナー企業が撤退してしまったことがありました。
そんなときに、弊社のある社員が「自分がチャレンジしたい」と手を挙げてくれたんです。それから数か月没頭して一生懸命取り組んでくれた結果、大手企業と共同で制作した仕組みを、自社で開発することに成功しました。
実はこのときに開発したのが、つい先日正式にリリースした新サービス「ミライAI」です。このミライAIをもっと普及させようというのが、今期のソフツーの大きなミッションとなっています。
▲挑戦の風土が生んだ新サービス「ミライAI」
ちなみに「ミライAI」とは、AIを使って代表電話にかかってきた電話の取次ぎを行うサービスです。テレワークが普及した現代の課題・ニーズにマッチしたものだと自負しています。
このような大きな社会課題の解決に貢献でき、素晴らしいソリューションを自社で立ち上げることができたのは、「失敗を責めず、挑戦を褒める」という行動指針が浸透しており、チャレンジする環境が整っていた結果だと思っています。
編集部
行動指針というのは会社のカルチャーを表すものであったりしますが、まさに会社が危機的な状況になったときに、そのカルチャーが根付いていたために大きな成果に結びついたという素晴らしい好事例だと思います。
鍾さん
こういった大きな成功事例でなくても、日々チャレンジできる環境であるため、日常的にも小さなチャレンジやそれぞれの成功体験もたくさん生まれています。「失敗してももう一度挑戦すればよい。でも同じミスはしないように工夫してくださいね」ということは徹底しています。
異文化交流が活発!コミュニケーションの取りやすい職場
▲全員が役職ではなく「さん付け」で呼び合う和気あいあいとした社内の雰囲気
編集部
ソフツーさんは社内の約半数の方が外国籍の方と、とても多国籍な会社ですよね。多様な言語、価値観を持つ方が働く中で、コミュニケーションの上で工夫されていることなどはありますか。
鍾さん
ソフツーには約10か国の社員がいて、共通語は日本語ですが、英語や中国語、ベトナム語、インドネシア語、ミャンマー語も日常的に飛び交っています。
その特徴を生かして、異文化交流の取り組みを行っています。会社が支援して3人ランダムで組み合わせて、違う国の方たちと一緒にランチをするという取り組みです。雑談も含めていろいろな話をしてもらうことで、お互い今まで知らないことがわかるということで非常に好評です。
ちなみに、この異文化交流は入社してすぐの新入社員が提案したものなんです。「こういうのをやった方が良いのではないか」と提案してもらって、そのままその新入社員に企画を任せ、2週間後にすぐスタートしました。良い考えはいろいろ取り入れて実践していきたいと思っています。
▲若手社員考案の異文化交流ランチの様子
編集部
ちなみに言語の面で不便を感じることはないのでしょうか?
鍾さん
やはり日本語が得意ではなくて補助が必要だという社員もいるのですが、他愛もない話をすることで「日本語の勉強になった」という声も多いですね。言語の面でも社員同士お互い勉強になっています。また食文化や子どもの話などプライベートのこともいろいろと話しながら、普段関わりのないような部署でもコミュニケーションが生まれているので、すごく良い文化かなと思います。
編集部
楽しそうな取り組みですね。多国籍の社員がいらっしゃるということで、文化や習慣、ライフスタイルも異なるために配慮が必要な面もあるかと思いますが、何か対応されていることはありますか。
鍾さん
インドネシア出身の社員から、週1回金曜日に必ず礼拝に行かなければいけないという相談がありました。尊重するべき文化と習慣ですので、その日の昼休憩を多めに取って行ってもらうように対応しています。もちろん100%すべてカバーできるわけではないですが、尊重しながら柔軟に対応していますね。
編集部
その他に、コミュニケーション面で工夫されていることはあるでしょうか。
鍾さん
社内ではみな「さん付け」で呼び合っています。社長、部長などの役職で呼称するのは基本なしですね。私のこともみんな「鍾(しょう)さん」と呼んでくれています。そういった「何でも気軽に話せる環境」を大事にしています。
多国籍の社員で刺激し合う環境
編集部
多国籍な会社だからこそのメリットがあれば教えてください。
鍾さん
そうですね。海外から来られた方は日本語が完璧ではない部分もありますが、みんな優秀ですごくやる気のある方が集まっているので、コミュニケーションを取ることで刺激を受けて「良いものをつくろう」とするとても良いシナジー効果が生まれています。
言語の面でもそうですね。あるエンジニアの日本人社員は、英語の勉強のためにあえて日本語を使わずに英語で会話したりもしているようです。
逆に、英語の話せない日本人を外国籍スタッフが助けた、ということもあります。
数年前、英語しか話せないお客様から電話がかかってきたことがあったのですが、対応する営業のスタッフが全員日本語しか話せずに困ってしまったんです。そこで英語が話せるシステムエンジニアに助けを求め対応してもらった、ということがありました。
お互いに、自分ができることがあれば遠慮せずに手伝う、という風土がありますね。
IT技術があるからこその効率化も!ソフツーでの働き方
▲出社とテレワークを組み合わせた出勤形態。顔を合わせることで活気が生まれることも
編集部
ソフツーでの働き方を教えてください。今現在は出社とテレワーク、どちらが多いのでしょうか。
鍾さん
今は週に3日出社、2日テレワークという形態をとっています。リモート会議を行うことももちろんありますが、オフィスで顔を合わせた方がもっと盛り上がりやすいという感じはありますね。
編集部
IT技術を用いたソリューション開発が得意なソフツーさんだからこその、働き方の違いなどはあるでしょうか?
鍾さん
働き方とは少し違うかも知れませんが、業務への向き合い方は少し違いがあるかもしれません。
弊社は現在40数名の社員が在籍しているのですが、少数精鋭で筋肉質の経営を徹底したいという考えがあります。そのため、特に単純作業を極力なくして自動化できる仕組みになるよう工夫しています。
最近ですと、先ほどもお話した自社開発の「ミライAI」という電話自動取り次ぎサービスを、いち早く社内の代表電話に導入しました。弊社代表電話へのすべての着信に、このAIによる自動対応がなされて、必要に応じて取り次がれるようになっています。
導入前は通常業務を行いながら電話対応も行うということで、ストレスになる場面も多かったと思います。しかし導入後はこうしたことがすべてなくなったため、現場からは多くの喜びの声を聞いています。
ベンチャー企業では珍しい、男性が1年間の育児休業を取得した実績も
編集部
福利厚生の面はいかがでしょうか。
鍾さん
ベンチャー企業なので会社の成長に合わせて社内制度も徐々に整えている途上なのですが、男性の育児休業が取りやすいのが特徴です。
以前、男性で育児休業を取得した社員が1人いたのですが、1年くらい休業したあと、今は戻ってきてバリバリ頑張ってくれています。また他にも、今まさに育児休業中の男性が1人いて、1年間休業する予定です。
編集部
1年間まるまる取られていたんですか!他のベンチャー企業では、男性の育児休業だと取得されても1か月から3か月ほどが多いのですが、ソフツーさんの少数精鋭という従業員規模で、男性社員の方が丸々1年取られるというのはとても画期的ですね。
先ほどお伺いした「お互いカバーし合える環境」というのが、本当の意味で根付いていないとなかなかできないと思います。
鍾さん
そうなんです。男性も女性も、申請していただければ取得できる環境が整っている、というのは弊社で働く上でのメリットになるかなと思います。
失敗してもOK!「前向きでエネルギッシュな人」を歓迎
編集部
今お伺いしたようなお話を踏まえて、ソフツーにぜひ来ていただきたいと考える方は、どのような方でしょうか。
鍾さん
行動指針でもお話した通り、失敗しても良いから一歩でも前に進みたいというエネルギーを持った方を多く採用したいと考えています。そういう前向きな方のところに大きな成果が導かれると思いますので、エネルギッシュで自発的な方を採用していきたいですね。
あとは、今どんどん会社が大きく成長しているところですので、持っているスキルをどう生かしていけるかというのはもちろん大切ですが、自分のことや自部門のことだけでなく、会社全体を見渡してともに成長のために歩んでいける方だとありがたいなと思います。
ソフツーから、お仕事をお探しの方へのメッセージ
▲「自分たちの持っている技術を使って、世界を変えられる」とメッセージをいただいた鍾さん
編集部
最後に、ソフツーに興味をお持ちの求職者の方へ、メッセージをお願いします。
鍾さん
ソフツーはIT技術で様々なソリューションを提供している会社です。私自身もITエンジニア出身ということもあり、「自分たちの持っている技術を使って、世界を変えられる」と考えています。
ぜひ弊社の仲間に入っていただいて、一緒に世界を変えていきたいと思っています。
――編集部
本日は貴重なお時間をいただき、ありがとうございました!
■取材協力
株式会社ソフツー:https://www.softsu.co.jp/
採用情報:https://www.softsu.co.jp/recruit/