ミライのお仕事『注目企業へのインタビュー』企画。今回は、NPO法人クロスフィールズにインタビューしました。この記事では、転職を検討されている方に向けて、同法人で働く魅力をご紹介します。
クロスフィールズは、人材育成などを通じてさまざまな社会課題の解決に取り組むNPO法人です。主力事業の1つである「留職プログラム」では、日本企業の人材を新興国や国内で社会課題解決に取り組むNPOやスタートアップに送り、現地の課題解決に取り組むことで、各国の課題解決と企業の人材育成の両方を目指します。
また、未経験から入職した20代から30代の若手が、大きな裁量を持って働き、世界を股にかけて活躍していることも大きな特徴です。
今回は、そんなクロスフィールズの仕事の魅力や若手メンバーの活躍について、プロジェクトマネージャーの山崎さんにお話を聞かせていただきました。
「社会課題が解決され続ける世界」を目指して活動するNPO法人
編集部
NPO法人クロスフィールズは「社会課題が解決され続ける世界」というビジョンを掲げていらっしゃいますが、どのような想いが込められているのでしょうか?
山崎さん
「社会課題」は非常に複雑で、世の中から完全になくなることはないと考えています。一つの課題が解決されてもまた次の課題が生まれたり、世界情勢や環境の変化によって新たな課題が生まれたりしてしまう。
そんななかでも諦めることなく、一歩ずつ前進していくこと。そして「課題が解決され続ける」仕組みを作るというのが、私たちの掲げる目標です。その実現に向けて、「社会課題を自分事化する人を増やす」「課題の現場に資源をおくり、ともに解決策をつくる」という2つのミッションを掲げて活動を行っています。
編集部
ビジョンの達成に向け、どのように事業を展開されているかお教えいただけますか?
山崎さん
創設以来、私たちは日本の大企業を中心に社会課題の現場で社員のリーダーシップを育む「人材育成プログラム」を提供してきました。
主力事業である「留職プログラム」はその代表です。これは日本企業のビジネスパーソンを社会課題に取り組む国内外のNGO/スタートアップに数か月にわたって派遣し、本業のスキルと経験を活かして現地の社会課題の解決に挑んでいただくプログラムです。現地の社会課題解決と企業のリーダー人材育成を同時に目指しています。
このプログラムはこれまで60社以上に導入いただき、派遣実績は170団体以上・12カ国に及んでいます(2024年10月時点)。最近は特に「越境学習(※)」という言葉も普及しており、関心を持っていただく企業の数や派遣人数が増えていると感じています。
(※)普段勤務している会社や職場を離れて、異なる環境に身を置き働くことで新たな学びを得ること
また、こうした活動を10年ほど続ける中で、私たち自身ももっと課題の現場に足を踏み入れていく必要があると考えるようになりました。「Co-Create」領域では、課題を持つ現場に対して、クロスフィールズとして主体的なアクションを取り、課題解決を目指しています。
まずは「孤独・孤立」の課題に注力することを決め能登半島地震の二次避難者の不安を軽減するための活動として、現場に実際に足を運び、現地のNPOの方や現場の方々と連携しながら、食事の提供、心のケア、地域情報の提供などを行いました。また、同じテーマに取り組む海外の団体を視察するなど、こちらも国内外での活動を行っています。
編集部
日々発生する世の中のさまざまな課題を解決する仕組みづくりに取り組みつつ、特定の課題の解決にも取り組んでいらっしゃるのですね。とても社会的意義のあるお仕事だと感じました。
クロスフィールズの組織の特徴:多種多様なメンバーが揃い自己成長を実現
編集部
クロスフィールズで働いているメンバーは、どのような年代で、どのような経歴をお持ちの方が多いのでしょうか?
山崎さん
メンバー数は30名弱で、20代後半から30代のメンバーが一番多いですね。バックグラウンドは様々で、企業での勤務経験があるメンバーも数多くいます。例を挙げると、コンサルティングファームや人材業界、メーカー、商社など、本当に多種多様です。
メンバーに入職のきっかけを聞くと、もともとNPOに転職しようと思っていたわけではなく、社会貢献や人材育成という分野に関心を持って転職活動を行い、クロスフィールズに出会ったという方が多いようです。
編集部
山崎さんも中途で入職されたと伺っていますが、前職のお仕事や入職のきっかけについて教えていただけますか?
山崎さん
私はもともと自動車関連企業で人事系の業務を担当していました。組織開発や人事の分野に関心があって転職活動を行うなかで、クロスフィールズの業務に興味を持ちました。
それまであまりNPO法人に対する知識がなく、「募金や寄付で成り立っている」というイメージが強かったのですが、クロスフィールズは収入の大半が事業収入で占められていて、ビジネスの経験も活かしながら働けそうだと思い、興味を深めました。
編集部
NPO法人で働くことの魅力や働きがいについて、どのようにお考えですか。
山崎さん
1つに自己成長できる環境に魅力を感じている人が多いと思います。特にクロスフィールズではソーシャルセクターとビジネスセクターの両方に触れ、視野や業務の領域を広げられる環境にとても魅力を感じています。
NPOならではという観点でいうと、「社会にどれほどのインパクトを生み出しているか」という物差しで成果を測る点があると思います。事業を継続するために経済的なリソースは確保しつつ、それが最優先ではないことが特徴的かもしれません。
そのため「何のために自分が働いているのか」という社会的意義は実感しやすいのではないかと思います。
海外で活躍する「プロジェクトマネージャー」職の役割
編集部
NPO法人での業務内容について、興味をお持ちの方も多いと思います。例を挙げてご説明いただけますか?
山崎さん
はい。留職プログラムを主に担当する「プロジェクトマネージャー(海外事業メイン担当)」について紹介します。クロスフィールズの業務を大きく分けると企画設計フェーズと実施運営フェーズの2つがあるのですが、プロジェクトマネージャーにはこの両方を一貫して担当していただきます。今回は海外のNPOなどに派遣するケースを想定してご紹介します。
「企画設計フェーズ」では、誰をどういう目的でどこに派遣するのかというプログラムの設計を行います。派遣元企業様と一緒に派遣する人材の選考にあたったり、現地での目指すゴールを設定したりします。また、派遣先のパートナー団体側とも、求める人材や業務内容、滞在中の安全管理などについてトータルで調整を行います。
「実施運営フェーズ」では、実際に派遣がスタートするときに、1週間ほど現地に一緒に滞在して現地団体へのオンボーディングや生活面も含めてサポートをします。また、派遣された方が目的意識をしっかりと持って現地の業務に当たれるよう、現地同行中は毎日の振り返りなども担当していただいています。
その後も、主にオンラインで定期的な1on1や業務サポートを継続して行っていきます。派遣された方と現地の団体の双方にとって意味のある留職になるよう、第三者の立場で支援するのが私たちの役割です。
編集部
どのような経験や資質を持っている方が、プロジェクトマネージャーに向いているのでしょうか。
山崎さん
常にさまざまな立場の人々の間に立って仕事を進めて行く必要がありますので、複数のステークホルダーと仕事をした経験はとても活きると思います。
また、マルチタスクで仕事を進める必要があるので、チームで協力して進めていくという姿勢を持ち、「みんなで一緒にどのように進めようか」という思考ができる方です。現に活躍しているメンバーはそういった人が多い印象があります。
編集部
海外経験や英語力についてはいかがでしょうか?
山崎さん
プロジェクトマネージャー全員が海外案件を担当するわけではないのですが、海外を希望される場合は、やはり英語でのコミュニケーションは必須です。
ただ、英語がスラスラ話せるということよりも、臆せず自分の意見をきちんと伝えられることや、相手の意見を理解して尊重できるかということが大切だと考えています。留職プログラムの派遣先は東南アジアの国が多く、英語が第一言語の国ばかりではありませんので、完璧な英語よりも伝える・聞く姿勢のほうが大切だと思います。
あとは、海外でのさまざまなトラブルに対応できる柔軟性とメンタリティも、海外事業を担当される場合は大切になってきます。
メンバーのやりたいことを尊重し、挑戦を応援。副業しながら働くメンバーも多数
編集部
所属されているメンバーの中には、副業をされている方も多いと伺いましたがいかがでしょうか。
山崎さん
そうですね。半数近いメンバーが副業をしながら働いています。クロスフィールズには「個人がやりたいことを尊重する」という組織の風土がありますし、職員目線で話を聞いて後押ししてくれるような文化が根付いているので、副業にも挑戦しやすいです。
編集部
具体的に、どのような副業をされている方がいらっしゃるのでしょうか。
山崎さん
内容も規模も人それぞれですね。私は人事系の業務を副業にしていますし、コーチングをしているメンバーもいます。なかには起業して個人事業主として活動するメンバーもいます。
入職半年で単独海外出張も。クロスフィールズは若手の裁量も大きい
編集部
ここから、若手メンバーの活躍というテーマでお話を伺いたいと思います。クロスフィールズでは、20代〜30代が多く活躍されているとのことですが、具体的な事例を教えていただけますか?
山崎さん
例えば、2024年4月に人材系の会社から転職し、プロジェクトマネージャーとして活躍している20代後半のメンバーは、入職後に留職事業を担当してからわずか半年ほどで独り立ちをして、一人で海外出張に行っています。
このメンバーは「事業全体を考えたときにどういうアウトプットが必要なのか」「今自分は何をすべきか」を模索し、自分で考えて動いています。こうした主体性があれば、実務にあたりながら短時間でも大きく成長できると思います。
編集部
未経験からスタートする方が多いと思いますが、独り立ちする前はどのようなサポートを行っているのでしょうか?
山崎さん
メンター制度がありますので、最初は先輩のメンバーが一緒に伴走しながら業務を進めていきます。プロジェクトを担当する際にもベテランのメンバーが必ずサポートにつくので、困ったことはすぐに相談することができます。
ただし、私たちの組織では、細かいことまで指示をするのではなく、基本的にはプロジェクトを任されたメンバーが主体的に進めていく形を取っています。若いうちからかなり裁量を与えられるなかで、ベテランメンバーの力も借りながら、「実践を通じて成長していく」という側面が大きいですね。
編集部
研修の機会などもあるのでしょうか?
山崎さん
入職時には約1か月の研修があって、事業の全体像について理解を深めていただきます。また、上長との1on1ミーティングを3週間に1回程度設けていますので、困ったことがあればいつでも相談していただくことができます。
編集部
しっかりとしたバックアップのなかで裁量を持って働くことで、未経験からスタートされた方でも短期で独り立ちをして活躍することができるのですね。
クロスフィールズのカルチャー:距離感が近く、イベントも全力で楽しむ
編集部
クロスフィールズの職場の雰囲気について教えていただけますか?
山崎さん
距離感がとても近い組織だと感じています。フランクに色々なことを話せる雰囲気ですし、誰かが困っていたら自分に直接関係なくても助けるような人が多いですね。
基本的にリモートワークで業務を行っており、海外出張も多いので、メンバー全員が集まる機会は2-3ヶ月に1回程度ですが、他人行儀な感じはなく、とても仲が良いです。飲み会をたくさんやって仲良くなるといった表面的なものではなく、自然体で居心地の良さを感じます。
また、業務以外のことも全力で楽しむ人が多いですね。私たちは年に2回キックオフミーティングをやっていて、今年も2日間かけて合宿形式で実施したのですが、誰もがレクリエーションに全力で取り組んでいました。チーム対抗で短編映画を作るという企画だったのですが、みんな本気で製作に取り組んでいて、とても盛り上がりました。
編集部
何ごとにも興味を持ち面白がって取り組める人が多いのですね。どんな映画が出来上がったのですか?
山崎さん
チームごとにアクション、ミステリー、SFといったテーマが与えられて、そのテーマに沿った10分弱の短編映画を制作しました。私のチームはSFがテーマだったのですが、世の中にあるさまざまなSF映画の要素をごちゃ混ぜにした、カオスな映画に仕上がりました(笑)。
台本をしっかり作り、ロケハンまでしているチームもあって、とても面白かったです。
編集部
リモートワークが中心でありながら、このような楽しい雰囲気を醸成できているというのは素晴らしいですね。
さまざまな視点で経験が積めるクロスフィールズのインターン
編集部
インターンの受け入れも行っているそうですが、どのような業務を担当されているのでしょうか?
山崎さん
担当する業務は、インターン生それぞれの将来のキャリアや関心に合わせて、個別に相談しながら決めています。
今、長期で働いてくれているインターンの方は、プロジェクトマネージャーのサポート業務を担っていて、海外案件の情勢リサーチや、新しいパートナー団体を増やす際の初期調査などをお任せしています。
編集部
インターンとして活躍された方がそのまま入職するケースはありますか?
山崎さん
長期でインターンとして働いていたメンバーが、そのまま新卒で入職した事例があります。また、学生時代にインターンをした後、新卒では他の企業に入り、そこで2、3年働いてからクロスフィールズに転職してきたケースもあります。
インターン生でも実務に携わることができ、そのなかでさまざまなNPOを知ったり、あるいは企業とのやりとりを横で学べたりするので、社会人として働く際にも活かせる経験が積めると思います。
クロスフィールズからのメッセージ:「濃い経験」を積みたい人はぜひ応募を!
編集部
最後に、クロスフィールズに興味を持たれた方に向けてメッセージをお願いします。
山崎さん
転職は人生の中でも大きな転換点の一つですから、さまざまな可能性を徹底的に検討したうえで次のステップを踏むことをおすすめします。そのなかで、NPOへの転職という選択肢も少しでも頭の片隅に置いていただけると嬉しいです。
クロスフィールズでは本当に濃い経験を積むことができますし、自分のやりたいことを実現しやすい環境と組織風土があるので、将来活躍できるフィールドも広がっていくのではないかと思っています。
実際に、クロスフィールズの卒業生には、スタートアップに転職して責任者を務められている方や外資系のコンサルティング会社で活躍されている方など、さまざまなキャリアを実現されていらっしゃいます。
もし少しでも興味を持っていただけたなら、ぜひ一度お話を聞かせていただけると幸いです!
編集部
ありがとうございます。インタビューを通して、クロスフィールズには年齢に限らず裁量を持って働き、成長していける環境があるということがよくわかりました。社会課題に取り組みながら自己成長もできる魅力的なお仕事だと思いました!
本日は、たくさんの貴重なお話をお聞かせいただき、ありがとうございました。
この記事のまとめ
NPO法人クロスフィールズのビジョンと事業 |
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組織文化 |
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現在のメンバー構成 |
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インターン制度 |
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求める人物像 |
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NPO法人クロスフィールズの基本情報
住所 | 東京都品川区西五反田3-8-3 町原ビル4F |
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事業内容 |
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設立 | 2011年5月3日 |
公式ページ | https://crossfields.jp/ |
採用ページ | https://crossfields.jp/aboutus/recruit/ |
募集職種 | プロジェクトマネージャー 他 |