ミライのお仕事『注目企業へのインタビュー』企画。今回は、古野電気株式会社にインタビューしました。この記事では、転職を検討されている方に向けて、同社で働く魅力をご紹介します。
1948年に世界で初めて魚群探知機の実用化に成功して以来、舶用電子機器のパイオニアとして知られる古野電気。現在は商船分野において、船舶の無人運航プロジェクトへの参画や陸上分野において防災・ヘルスケア分野への事業拡大を行うなど、日々新たな挑戦を続けています。
社内ではD&I推進課の設立や柔軟な働き方制度の整備を通じて、多様な人財が働きやすい環境づくりと働きがいを持てる環境を推進中。性別や年齢、経歴を問わず活躍でき、チャレンジや頑張りがしっかりと評価される土壌を目指しています。
今回は、そんな同社の魅力的な職場環境や求める人物像について、人事総務部・D&I推進課にて課長を務める楢嵜さん・同課に所属の古澄さんにお話を伺いました。
舶用事業を軸にグローバルな事業展開を目指す「古野電気株式会社」
編集部
まず、古野電気株式会社の特徴や事業内容を教えてください。
楢嵜さん
私たち古野電気株式会社は、舶用電子機器において世界トップクラスのシェアを誇る長崎県発祥のメーカーです。現在は兵庫県西宮市に本社を構えており、1982年には大証2部、現在は東証プライム市場に上場しています。
1948年に世界で初めて魚群探知機の実用化に成功して以来、日本初・世界初となる製品を多数開発・販売してきました。主力製品の航海用レーダーは世界シェア41%を占め、漁船向けの電子機器では同49%を獲得しています。
また当社ではこれまで培ってきた舶用電子機器や通信技術をベースにして、より安全安心で効率的な船舶の自動運行の実現に向けて、日本財団が推進する無人運航船プロジェクト「MEGURI2040」に参画しています。
本プロジェクトは、2040年までに国内を走る船舶の50%を無人運航にするという目標のもと、船舶事業各社や官庁が一体となり実証事業を進めています。さらに現在は舶用事業だけでなく、防災やヘルスケア関連など幅広い分野にも事業展開しています。
▲船の自律航行に向けて古野電気が提供するVRおよびARナビゲーションシステム
楢嵜さん
なお、当社は地域に根ざした企業ですが、欧米や欧州、アジアなど世界90か国以上に販売拠点を有するグローバル企業でもあり、売上高における海外事業の割合は約7割です。これからも地域に軸足を置きつつ、グローバルな事業展開を進めていきたいと考えています。
▲海外子会社を招いて交流会を開催することも
古野電気株式会社は「女性の活躍推進」に積極的
編集部
次に、御社における女性の活躍推進への取り組みについて伺います。楢嵜さんも古澄さんも「D&I推進課」にて女性も含めた多様な人財の活躍に向けて推進されているそうですが、この課はどのような経緯や目的で設立されたのでしょうか?
※D&I(ダイバーシティー&インクルージョン):組織の中で多様な人材を尊重し、個人としても構成員としても力を発揮できるように環境整備や働きかけを行う考え方
楢嵜さん
D&I推進課は2024年に新設されたのですが、設立の1年ほど前から実施した「スマイルプロジェクト」が大きなきっかけです。プロジェクトのメンバーは全員女性で、当初はプロジェクトを通じて女性の活躍を加速させたいという想いがありました。
しかし、プロジェクトを進める中で「女性だけの課題ではない」という結論に至り、古野電気の社員全員が成長していくためには何が必要で、何が課題になっているのかを深掘りしていきました。その結果を役員に発表し、「これを誰が実行していくか」という議論からD&I推進課の設立につながりました。
以降、全社員が個々の能力を最大限に発揮し、活き活きと業務を行える体制づくりに尽力しています。たとえば女性の活躍推進でいえば、当社は男性の割合が多いので、常に女性が遠慮気味になってしまいがちな部分や、「もっといろいろなことを経験したい」と思っても家庭の事情などでチャレンジしづらい状況などに注目し、全社員が分け隔てなく尊重し合い感謝できる風土をつくることを大きな課題にしています。
女性のチャレンジをサポートする各種制度はかなり整ってきています。次のステップとして、さらなるD&Iの推進に向けて、社員の方々が共に活動をしてくれるよう施策を打ち出していこうと考えています。
編集部
D&I推進課を設立したことによる具体的な成果や変化について教えていただけますか。
古澄さん
まだ数値として目に見える変化は見られませんが、D&I推進課の設立により、女性のキャリアや働き方について相談できる窓口ができたことは大きな一歩だと考えています。また、育休からの復帰後の働き方など、男性の上司には少し相談しづらい内容についても気軽に話せる環境が整いつつあります。
全体の約3割が女性社員。英語を活かせる国際営業職を中心に幅広く活躍
編集部
御社の女性社員比率はどのくらいでしょうか。
古澄さん
全社的な女性社員の比率は28.6%(2024年2月末時点)です。近年は特に新卒採用での女性比率が増加傾向にあり、毎年5~8人程度の女性が入社しています。
なお、管理職における女性比率は5%ほどで、この数値を上げていくことも私たちD&I推進課の重要なテーマです。女性社員全体の比率が年々上がってきていますので、将来的には管理職比率も上がっていくと考えています。
編集部
女性社員の活躍が目立つ部署や職種について教えていただけますか?
古澄さん
人事や経理などのコーポレート部門、そして海外対応を行う国際営業部門には比較的多くの女性社員が所属しています。研究開発部門には、エンジニアとして活躍している方もいますよ。
編集部
女性の方はどのような志望理由で御社を選ばれることが多いのでしょうか。古澄さん、楢嵜さんご自身のケースも含めてお聞きしたいです。
古澄さん
当社のワールドワイドな事業展開に魅力を感じ、英語力を活かせるような仕事を志望される方が多いと感じています。私自身もその一人でした。
楢嵜さん
私は新卒でも中途採用でもなく、最初は契約社員として入社しました。そこからステップアップを重ねて正社員となったのですが、私自身は学歴や専門性というよりも、人柄や個性を評価していただいたと感じています。
私のように、異なる経歴を持つ人財も積極的に受け入れてくれる。そういった多様性を認める企業であることが当社の魅力の一つだと考えています。
育児との両立もしやすい柔軟な勤務体系
編集部
続いて、古野電気株式会社のワークライフバランスについてお聞きしていきます。政府が女性活躍推進に取り組む企業を認定する制度「えるぼし認定」において2つ星を取得されていますが、実際に育児をしながら働いている社員の方の状況について教えていただけますか。
古澄さん
育児と仕事を両立されている方は、男女問わず多くいますね。特に役立っている制度が「フレックスタイム制度」で、以前は研究開発部門など一部の部門限定でしたが、2021年からバックオフィスや営業部門にも拡大されました。
この制度により、例えば保育園の送迎で出社が早くなったり遅くなる分を、出退勤時間をずらすことで、柔軟な勤務時間の調整が可能になりました。10:00~15:00のコアタイムはありますが、勤務時間はフレキシブルに調整できます。
編集部
育児と仕事の両立を支援する制度について、他にどのような特徴がありますか?
古澄さん
テレワーク制度も大きく役立っていると感じます。基本的には週1回ですが、お子さんの学級閉鎖や看護などの場合は、必要に応じた日数の在宅勤務も可能です。
また、状況に合わせて看護休暇を取得したり、時間単位や半日単位での有給休暇を取得したりもできます。最近では短時間勤務とフレックスタイムを組み合わせた働き方もできるようになり、制度面はかなり充実してきていますね。
このようにワークライフバランスを充実させられる制度が整っているため、多くの女性社員が育児などのライフイベントを経ても活躍を続けています。
古野電気株式会社のアットホームな社風&充実の福利厚生
編集部
ここからは、御社の雰囲気や企業文化についてお伺いします。まずは社風について教えてください。
古澄さん
多くの社員が口をそろえて「温かな雰囲気」と言っていますね。新卒採用においても、「選考時に感じたアットホームな社風が入社の決め手になった」といった声をよく聞きます。
また、若手社員が早い段階から大きな仕事にチャレンジできる風土があり、私自身も入社2~3年目から責任ある業務に携わることができました。
先ほど申し上げたスマイルプロジェクトや現在のD&I推進課での活動に加えて、以前所属していた部署では社内エンゲージメントサーベイの導入の主担当となり、海外子会社への展開や各社の社長とのミーティングも含めて一任していただいたんです。会社として初めてのサーベイということで前例がなく、難しい案件でしたが、若手である私に完全に任せていただけたことは非常に貴重な経験になりました。
このように若手が挑戦する機会がたくさんあり、日々の努力や成長プロセスにも注目して評価をしてもらえることは当社の魅力のひとつだと思います。
編集部
社員の成長を支援する具体的な取り組みについて教えてください。
楢嵜さん
研修制度が充実しており、新卒入社の場合は半年間のOJT期間を設け、1対1での手厚い指導を行っています。中途入社の方に対しても、各キャリアステージに応じた研修制度を整備しています。
また、社員の希望するキャリアに寄り添う文化が根付いていることも、チャレンジのしやすさにつながっていると感じますね。例えば入社後からずっと海外勤務を希望していた女性社員がいるのですが、その夢を20代後半で叶えました。現在はご家族と共にオランダで生活しながら、国際営業職として活躍しています。
長期休暇を取得しやすい!小型船舶免許の取得全額補助や海産物の社内販売も
編集部
御社ならではの特徴的な福利厚生について教えてください。
古澄さん
長期休暇を取得しやすいことが大変好評で、夏季休暇や年末年始休暇では9連休程度の長期休暇があります。本社以外の支社や工場でも取得可能な日数は同じで、取得時期は部署によって異なることはありますが、基本的にはどの拠点でも十分な休暇を取得できる環境が整っています。社員の多くが海外に興味を持っていることもあり、長期休暇を利用して海外旅行に行く方も多いです。
また、小型船舶免許の取得費用の補助があることも社員から評判です。海や船が好きで、休日に船で遊ぶことを目的として小型船舶免許を取得する方も多いですよ。
あとは、年に2回、地元の漁協主催で行われる海産物の社内販売も人気です。日本海に位置する但馬漁協からは冬季にカニや鮮魚、姫路の坊勢漁協からは「ぼうぜ鯖」というブランドのサバや鯖寿司、牡蠣などが販売されます。社員やその家族にとても好評な取り組みです。
▲海産物の社内販売は古野電気定番のイベント
古野電気株式会社から転職希望者へのメッセージ
▲インタビューにご対応いただいた楢嵜さん(左)と古澄さん(右)
編集部
最後に、転職を検討されている方々へのメッセージをいただけますか。
楢嵜さん
古野電気は一般ユーザー向けの製品を取り扱っていないため、当社についてご存じない方もいらっしゃるかもしれません。しかし、社会的に重要な意義のある事業を行っており、社員一人一人のチャレンジ精神を大切にする社風のなかで、若手のうちから多彩な経験を積める魅力的な職場です。
現在も事務職をはじめ様々な部署で多くの女性社員が活躍しており、私たちのようなD&I推進課もその一つです。今後はさらに女性の活躍の場が広がり、より多様な人財が活躍できる会社に成長できる体制をしっかりと整えていきますので、ぜひ一緒に働ける日がくることを楽しみにしております。
古澄さん
当社は新卒・中途を問わず、多様な人財が活躍している会社です。この記事を通じて初めて古野電気を知っていただいた方、あるいは地元企業としてより深く知っていただいた方、ぜひ私たちに興味を持っていただけたら嬉しく思います。
海外で働くことに興味がある方はもちろん、海洋事業に詳しくない方でも、入社後に知識や経験を積んでいただける環境が整っています。年齢、性別、経歴に関係なくキャリアアップの機会があり、新しい分野へのチャレンジも歓迎しています。
グローバルな環境で活躍できる機会も豊富にありますので、ぜひご検討ください。いつか一緒に働ける日が来ることを楽しみにしています。
編集部
本日はありがとうございました。
この記事のまとめ
事業の特徴 |
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職場環境・社風 |
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ワークライフバランス |
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働き方の特徴 |
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キャリア開発 |
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女性活躍の状況 |
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古野電気株式会社の基本情報
住所 | 兵庫県西宮市芦原町9-52 |
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事業内容 | 【舶用事業】
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設立 | 1951年5月 |
働き方 |
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公式ページ | https://www.furuno.co.jp/ |
採用ページ | https://www.furuno.co.jp/recruit/ |
募集職種 | 【正社員】技術系、事務・営業系 ※技術系:高専/大学/大学院卒業見込みの方 ※事務・営業系:大学/大学院卒業の方 |