ミライのお仕事『注目企業へのインタビュー』企画。今回は、文京学院大学女子中学校高等学校にインタビューしました。この記事では、同校で働く魅力をご紹介します。
文京学院大学女子中学校高等学校は1924年に設立された100年の歴史を持つ伝統校です。先進的なグローバル教育や探究学習に取り組んでおり、若手教員のアイディアとチャレンジを活かした新たな教育を積極的に展開しているのが特徴です。またネイティブ教員との日常的な交流を通じて、教員自身も成長できる職場環境があります。
今回は若手教員として活躍する数学科教諭の瀧澤先生、国語科教諭の塩野入先生、そして中学副校長の島田先生に、若手活躍エピソードや同校ならではのグローバルな職場環境の魅力についてお話を伺いました。
文京学院大学女子中高の若手活躍:英語を使った数学の授業に挑戦!
▲英語を使った数学の授業など、挑戦の姿勢を大切にする数学科教諭の瀧澤先生
編集部
まず若手活躍のテーマについて伺います。まずは瀧澤先生がこれまで文京学院大学女子中学校高等学校の教員として活躍されてきた中で、特に印象に残っているエピソードを教えてください。
瀧澤先生
私は本校に赴任してからの6年間、「挑戦」というキーワードを大切に、生徒と一緒にさまざまなことに挑戦し続けてきました。特に印象深いのは、タイの姉妹校との科学交流プログラムに携わった際のエピソードです。
このプログラムでは、理数キャリアコースを選択した生徒がタイのプリンセスチュラポーン科学高校ペッチャブリー校と双方の国を行き来し、お互いの研究成果を発表しています。タイに行くまでの研究活動や、現地での英語を使ったコミュニケーション、成果発表を通じて、生徒にとってはもちろん、教員にとっても大きな成長を得られる機会となっています。
中でも私にとって最大の挑戦だったのがタイに生徒を引率した際に行った「英語を使った数学の授業」です。引率の教員が現地で英語を使って授業をするのはタイ交流プログラムの一環で、帯同する教員は必ず通る道です。しかし赴任前には自分が英語で数学を教えるなんて想像もつかないことだったため、私にとって大きな挑戦であり、成長につながる経験となりました。
編集部
もともと瀧澤先生は英語が堪能だったのでしょうか?
瀧澤先生
いえ、社会人になってから頑張って勉強しました。文京学院がグローバル教育に力を入れているというところから、まずは自分自身がグローバルな人材でなければならないと思ったのが英語を勉強するようになったきっかけです。そこにたまたまこのタイ交流プログラムのお話がきたため、自分のやってきたことを試すチャンスだと思って挑戦しました。
国語の授業で『プリキュア』をテーマに。探究学習が主流となる前に先取り!
▲国語科教諭として、授業開発に取り組む塩野入先生
編集部
続いて、塩野入先生が取り組まれたものの中で印象的なエピソードをお聞かせください。
塩野入先生
私は本校で教職を務めて8年になるのですが、これまで特に授業開発に力を入れてきました。中でも印象的なのが、子ども向けアニメ『プリキュア』を題材とした探究学習プログラムの開発です。
これは当初、理数キャリアコースの夏期特別講座の一環として始まりました。国語科の視点から理数系の講座を考えることに最初は戸惑いもあったのですが、学ぶ楽しさを体感できるプログラムを思案する中で、認知度の高い『プリキュア』をテーマに「問いを立てて生徒に考えさせる」プログラムを考えました。
まずは「プリキュアにつっこみをいれよう」というカジュアルなテーマとし、例えば「なぜ主人公にピンク髪の女の子が多いのか」「変身シーンの演出にはどんな意味があるのか」といった問いを立て、それをさまざまな観点から考えていきました。
講座を最初に実施したのはまだ「探究」という言葉が一般的に定着する前のことだったのですが、そこから2〜3年後に探究学習がトレンドになり、このプリキュアのプログラムを全学年向けの授業パッケージにつくりかえました。現在では生徒たちがデータ分析などを行ってプリキュアの売上回復のための新企画を提案するなど、ビジネス的な視点も含めた総合的な学習に発展しています。
編集部
生徒さんの反応はいかがですか。
塩野入先生
生徒も楽しそうに前向きに授業に参加していますし、学校説明会などでの中学生の反応が良いのも印象的です。まさに身近なテーマから問いを立てて、主体的に解決策を考えるという、探究の本質を体現する授業となっています。
新たな教育のために若手のアイディアを歓迎。実現に向けた万全のサポート体制も
編集部
エピソードでお話しいただいたように、御校では若手教員のアイディアを積極的に受け入れる風土があるのでしょうか?
島田先生
受け入れるというよりも、むしろ若手の新鮮なアイディアを積極的に求めているといった方が良いかもしれません。
本校は100年の伝統校ということもあって、長い歴史の中でどうしてもルーティーン化する部分、凝り固まってしまう部分も出てきてしまうんですね。そこに全く違う視点からのアイディアを取り入れて、破壊から新しいものを生み出すことは、次世代の教育において必要不可欠なことだと考えています。生徒に近い年代の若い教員がアイディアを出すことで、より生徒を惹きつけるものになっているのもポイントです。
また教員自身が新たな挑戦をしている姿は、生徒にとっても良い影響を与えてくれます。例えば瀧澤先生のように英語の教科以外の教員が英語で授業を行うというのは、非常にハードルの高い挑戦ですよね。タイの交流プログラムでは生徒も英語コミュニケーションにハードルを感じていますが、そんな中で教員自身が挑戦する姿を見せることで、生徒たちも「私も頑張らなければ」という気持ちになってくれているのではないでしょうか。
▲若手のアイディアを「受け入れる」よりむしろ「求めている」という中学副校長の島田先生
塩野入先生
若手の立場からすると、職場全体に風通しがとても良く、年齢や経験に関係なく意見やアイディアを出せる環境があるのも魅力です。だからこそ若手教員も臆することなく挑戦できています。
とはいえ新しいアイディアを実現していくのは大きな困難が伴うため、その点で周囲からの手厚いサポートがあるのもポイントです。プリキュアの探究学習の例でいうと、まず立ち上げの段階で併設大学の教授に本当にいろいろ助けていただきましたし、2年目の時期でまだ授業の進め方に不慣れだったこともあり、他の先生にもスライドづくりなどのサポートをしていただきました。そのおかげでプログラムの内容を考えることに専念できたため、とてもありがたかったですね。
講座から全学年用のプログラムに書き換えるのも、正直とても大変でした。しかし探究の授業はチームティーチング体制のため、他の教科の教員からもさまざまなアドバイスを受けながら実現していきました。現在もアドバイスをいただきながら、プログラムを毎年進化させています。
日頃からネイティブ教員と密に関わる環境が、生徒・教員双方の学びにつながる
▲日常的にネイティブ教員とコミュニケーションを取る環境のある文京学院大学女子中学校高等学校
編集部
続いてグローバルのテーマについて伺います。御校では何名くらいの外国人教員の方が在籍されているのでしょうか。
島田先生
現在6名の外国人教員が在籍しています。そのうち非常勤は2名で、他の4名は月曜日から金曜日まで終日勤務するという日本人教員に近い働き方をしています。
4名の教員のうち、中学と高校担当は2名ずつとなっています。高校担当の2名は英語クラスで日本人教員とダブル担任制を取り、学級運営に関わっているのが特徴です。
編集部
外国人教員と一緒に働く環境は、先生方にどのような影響を与えていますか。
瀧澤先生
ネイティブ教員は生徒とも教員とも基本的に英語でコミュニケーションを行うため、グローバルな感覚や英語を使ったコミュニケーション能力を培っていく上でとても良い環境となっています。英語の使用をサポートしてもらう機会も多く、実際にタイでの英語授業の際にも、内容自体は自分で考えましたが、英語に変換していく過程でネイティブ教員にサポートしてもらいました。
▲生徒の研究レポートは日本語、英語の両方で作成。グローバルな教育環境が英語能力の向上に寄与
塩野入先生
私は国語科の教員のため授業で英語に接する機会はあまりないのですが、進路指導の面で大きなサポートを受けています。
例えば、海外大学進学を希望する生徒への対応では、海外大学進学希望者のための専用サイトで、英語での評価入力方法を教えていただいたり、レポートの添削を複数の視点からしていただいたりしています。海外大学を受験する生徒に必要な推薦状を書く際にも、海外でのアピールポイントなど、知識や経験が足りない部分を補完していただいており、非常に心強い存在です。
瀧澤先生
またネイティブ教員の中に研究指導が非常に得意な者がおり、英語を教えるというより英語をコミュニケーションツールとして使い、本校のSSH(スーパーサイエンスハイスクール)の取り組みを牽引してくれています。実験方法から考察、論文の書き方まで全面的にサポートしていただいており、非常に多くのことを学ばせてもらっています。
島田先生
SSHとして活動していくうえで欠かせない研究活動や外部大会への挑戦など、現在の探究活動に繋がっていく教育活動に必要だと考えて採用した方で、教育そして、研究活動への情熱が非常に強い方なんです。専門的な見地からの研究指導も特徴なのですが、とても褒め上手で、生徒への接し方についても学ぶところが多いですね。
こうした深い関わりができるのも、専任教員と同じ勤務の体制を取っているからこそだと思います。皆さんネイティブ教員ならではの能力や視点を活かして学校運営に貢献してくれています。
文京学院大学女子中高では「チャレンジ精神」を持つ人を歓迎
編集部
最後に、教員として新たなキャリアを考える読者に向けて、改めて御校の魅力や求める人物像を教えてください。
瀧澤先生
私は6年間勤務していますが、他校への転職を考えたことは一度もありません。100年の伝統と、新たなことにチャレンジできる風土の両方が備わった本校で、毎年成長を実感しながら働いています。
何より卒業した後も「文京学院」としてつながりを持ち続けられるのは、文京学院ならではの魅力です。生徒とともにさまざまなことにチャレンジし、成長していきたいという意欲を持つ方にはぜひ本校でのキャリアを検討いただけると嬉しいです。
塩野入先生
実は私自身も、文京学院の卒業生です。私の同級生が講師となって自分の経験を生徒に話してくれることもあり、卒業生とのつながりの強さを実感しています。
文京学院大学女子中学校高等学校には年齢に関わらずさまざまなことにチャレンジでき、それを周囲がサポートしてくれる体制が整っています。どんどん新しいことにチャレンジしていきたい方には、とてもやりがいを感じていただけると思います。
島田先生
2人からもあったように、本校ではチャレンジ精神を持った人材を求めています。もちろんいろいろお任せするために大変なこともありますが、それを面白がって取り組める方が適していると思います。教育に対する強い情熱を持ち、新しいことにチャレンジする意欲のある方、そして生徒とともに成長していける方を、私たちは心からお待ちしています。
編集部
島田先生、瀧澤先生、塩野入先生、本日は貴重なお話をお聞かせいただきありがとうございました!
この記事のまとめ
文京学院大学女子中学校高等学校の概要 | ・100年の歴史を持つ伝統校ながら先進的なグローバル教育と探究学習に注力 ・SSH(スーパーサイエンスハイスクール)指定校 ・6名の外国人教員が在籍(うち4名が常勤) ・タイの姉妹校との科学交流プログラムを実施 |
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若手教員の活躍 | ・若手教員の新しいアイディアを積極的に求める文化 ・年齢や経験に関係なく意見を出せる雰囲気があり、他教科や併設大学の教員がサポート ・英語による数学の授業実施や、アニメ『プリキュア』を題材とした探究学習の開発などの事例あり |
グローバルな取り組み | ・6名の外国人教員が在籍(うち4名が常勤)し、日常的に交流している ・外国人教員と日本人教員によるダブル担任制(英語クラス) ・タイの姉妹校との科学交流プログラムを実施 |
求める人物像 | ・教育に対する強い情熱を持つ人 ・新しいことに挑戦する意欲のある人 ・生徒とともに成長していける人 |
文京学院大学女子中学校高等学校の基本情報
運営 | 学校法人文京学院 |
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住所 | 東京都文京区本駒込6-18-3 |
設立 | 1924年 |
公式ページ | https://www.hs.bgu.ac.jp/ |
採用ページ | https://www.hs.bgu.ac.jp/adoption-2/ |
募集教科 | 採用ページ参照 |