ミライのお仕事『注目企業へのインタビュー』企画。今回は、株式会社Aww（アウ）にインタビューしました。この記事では、転職を検討されている方に向けて、同社で働く魅力をご紹介します。
株式会社Awwは、バーチャルヒューマン（※）を活用して、自社IPの開発から大手企業のグローバルキャンペーンまで手がけるスタートアップ企業です。20人弱の組織（2024年10月現在）ながら、COACHやウォルト・ディズニーといった世界的企業との取引実績を持ちます。
（※）AI技術と3DCGを使って作られた、人間のように見える仮想キャラクター
VTuberやゲーム、映像業界出身の多彩なメンバーが活躍する同社では、CGデザイナーやプログラマー、プロデューサーなど、それぞれが専門性を存分に発揮しながら次世代のデジタルコンテンツを制作。「日本の次世代を担う人材」として経済誌に表彰された20代社員も活躍しています。
今回は、そんな株式会社Awwのお仕事の魅力について、取締役の簑田葉月さんにお話を聞かせていただきました。
対話を大切にし高品質なCGコンテンツを生み出す株式会社Aww
編集部
最初に、株式会社Awwの大切にしている価値観について教えていただけますか？
簑田さん
私たちは「コミュニケーションをさぼらない」というバリューを掲げています。ここには、CGを扱うスタートアップだからこその理由があります。
CGコンテンツの制作は通常、詳細な仕様を決めてから制作に入るため、従来のゲームや映画業界では一度決定した内容を変更することは難しい傾向にあります。一方でスタートアップとしては、市場の変化に応じて柔軟に対応していく姿勢が求められます。この相反する要素を両立させるために、コミュニケーションが特に重要になります。
編集部
「コミュニケーションをさぼらない」ために、どのような工夫をされているのでしょうか？
簑田さん
例えば、小規模なプロジェクトでも必ずキックオフミーティングを開きます。そこでは、直接案件に関わらないベテランスタッフからもアドバイスをもらうようにしています。案件に対し、誰も正解を持っていないことも往々にしてある領域だからこそ、さまざまな角度からの視点が必要になるんです。
細かく検証を重ね、臨機応変に動くことでクオリティとスピードを両立
▲バーチャルヒューマンのコンテンツ制作に使う機材
編集部
コンテンツを作り上げていく過程において、重視されていることはありますか？
簑田さん
最初からガチガチに仕様を決め切るようなことはあまりしないように意識しています。メンバー全体にアジャイルマインド（※1）を伝えていて、細かく検証を重ねていくようにしています。
（※1）変化に柔軟で素早く価値を提供しようとする考え方
上流工程での目的を明確に共有した上で、コンテンツの制作途中で開発チームから技術的な提案をもらうこともよくあります。「この制約であれば迅速に対応できます」「この環境だとコストがかかりすぎますが、この方法ならクオリティを保ちながらスピーディーに進められます」といった感じですね。
編集部
具体的にはどんな事例があったのでしょうか？
簑田さん
実写映像を背景にバーチャルヒューマンを合成する技法があるのですが、従来のやり方では非常に手間とコストがかかり、大型のCM案件でしか採用できないような状況でした。
そんな中、技術チームから「UnrealEngine（※2）を活用した実写合成を模索することで、工数を減らしても、従来と遜色ないクオリティを実現できるのではないか」という提案がありました。
（※2）3DゲームやCG制作の業界標準となっている開発ソフト
この提案を受けて実際にテスト撮影を行いサンプル映像を制作した結果、従来の手法と比較しても遜色ないクオリティのコンテンツを制作することができました。もちろん、コストをかけたコンテンツとのクオリティの差はないわけではありませんが、それでも実用レベルとして十分な品質は確保できていました。開発チームからの提案でスピードとクオリティの両立を実現できた成功事例です。
トレンドより「自分たちが本当に面白いと思える」コンテンツ作りを重視
編集部
御社の社風やカルチャーについて、ほかにも特徴的な部分があれば教えていただけますか？
簑田さん
直感的な面白さや楽しさを重視する文化があります。例えば、YouTubeコンテンツの制作でも、単にトレンドに乗って「バズる」ことを目指すのではなく、自分たちが本当に面白いと思えるものを作ることを重視しています。クオリティにこだわりを持ち、感性を大切にした制作を心がけているんです。
また、時差のある海外クライアントとのMTGや夜の撮影などもあるため裁量労働制を導入していて、出社時間や就業時間を社員自身が決められます。1日8時間にこだわる必要もなく、週40時間をベースとしているので8時間に満たない日があっても構いません。全て自己管理ベースで進めています。加えて、基本的には出社がベースではあるもののリモートワークも柔軟に認めていますよ。
VTuberやゲーム、映像業界出身者ら多彩なメンバーがそろう
編集部
御社のメンバーには、どのような経歴を持った方がいらっしゃるのでしょうか？
簑田さん
20人弱の組織なのですが、様々なバックグラウンドを持つメンバーがいます。エンジニアチームやCGチームはゲーム業界やCM・ミュージックビデオなどの映像制作会社での経験を持つメンバーが多いです。
経験豊富なベテランも多い一方で、若手も少なくないので、年齢構成はバランスが取れていると感じます。
ビジネスサイドも映像制作会社の出身者が比較的多く、ゲーム系のマーケティング経験者もいますね。また、様々な国籍のメンバーが在籍していることも特徴の一つだと感じます。
編集部
入社の理由や動機としては、どのようなものがありますか？
簑田さん
大きく二つの傾向があると感じます。
一つは、従来の映像制作などでよくある受託型の仕事ではなく、自社IP（※）など自社事業の開発に携わりたいという動機での入社です。他社のためのモノづくりをするのではなく、自社で作り出したものを育てていく仕事がしたいという思いで入社する人は多いですね。
（※）自社が独自に作ったコンテンツやブランド、技術
もう一つは、事業の将来性を見据えての選択です。バーチャルヒューマンという、これから先のトレンドになりそうな新しい領域に携わりたいという思いを持った人も少なくないと感じます。
「日本の次世代を担う30人」に選ばれた女性ら若手が活躍
▲同社所属プロデューサーのジューストー沙羅さんは「Forbes JAPAN 30 UNDER 30」に選出された
編集部
御社では若手メンバーも活躍されているそうですが、具体的な活躍事例を教えていただけますか？
簑田さん
よく取り上げていただく例として、ジューストー沙羅というプロデューサーがいます。
彼女は2023年、世界的経済誌の日本版「Forbes JAPAN」が30歳未満の次世代を担う30人を表彰する「Forbes JAPAN 30 UNDER 30」で、受賞者の一人として選ばれました。当社を代表するバーチャルヒューマン「imma（イマ）」などをプロデュースし、世界へと発信してきた功績が高く評価されてのことです。
さらに彼女は2024年、「TED Talks」（※1）に日本人最年少、かつ日本人女性としては史上2人目で登壇しました。
（※1）世界的に活躍する専門家や著名人がスピーチをする海外の講演会
編集部
その他のメンバーはいかがでしょうか？
簑田さん
例えば、インターンから新卒で入社した25歳のUnrealEngineのCGアーティスト（2024年10月現在）がいます。彼は元々企画チームで雑用などもしていたインターンだったのですが、現在はCG開発チームの技術ディレクターの役割を担っています。
CGの制作工程は非常に複雑で、モデリング、リギング、セットアップ、アニメーション、ライティング、コンポジットなど、様々な専門家が関わります。彼は若手ながらこれら全工程を統括し、技術側とビジネス側の間も取り持つディレクターとして活躍しています。CG専門メディア「CGWORLD」でも取材を受けるなど、外部からも高い評価を得ているんです。
編集部
そのCGアーティストの方は、入社前から専門的なスキルをお持ちだったのでしょうか？
簑田さん
慶應義塾大学SFCの出身なのですが、卒業制作でもUnrealEngineを活用していました。ただ、UnrealEngineに初めて触れたのは、当社のインターンだったそうです。
実は彼は学生時代に起業経験もあり、ビジネス面での素養は元々持っていました。そこから当社の環境で自らも積極的に学びを深め、スキルを向上させていきました。
「映像のプロフェッショナル」の社長から個別に的確なフィードバックが得られる
編集部
若手メンバーの方々の成長を後押しするような制度や取り組みについて教えていただけますか？
簑田さん
当社は成長段階のスタートアップということもあり、正直なところ体系的な教育制度が整っているわけではありません。ただ、組織の規模が大きくない分、社長の守屋（貴行）らとの距離は非常に近いです。メンバーが社長と直接やり取りする機会も多いですね。
当社を立ち上げた守屋は、大手企業のコマーシャル制作などを手掛けてきた映像のプロフェッショナルで、業界や技術面において豊富な経験と深い知見を持っています。その守屋が個別に的確なフィードバックをしているので、学びは大きいと思います。
クライアントにはCOACHやAmazonなど海外有名企業も
編集部
御社には海外クライアントも多いそうですが、どのような企業と取引があるのでしょうか？
簑田さん
例えば、2024年はCOACHのグローバルキャンペーンで、「imma」がメインアンバサダーとして起用されました。COACHやブランドショップのポップアップなど、様々な場所で映像展開されて、かなりの露出がありましたよ。
ほかにも、中国のRanmai TechnologyやタイのPlanBのバーチャルヒューマンを制作していました。海外クライアントとの仕事では英語力は必要となりますが、誰もが知るような企業と関われることも当社の仕事の魅力ではないかと思います。
編集部
ちなみに、海外と国内のクライアントの割合はどのくらいなのでしょうか？
簑田さん
案件数ではおおよそ半々くらいです。
大手企業のマーケティング戦略に関わることで、影響力の大きさを実感できる
編集部
大手のクライアントと仕事をする中で、御社のメンバーはどんなやりがいを感じているのでしょうか？
簑田さん
仕事の影響力の大きさを実感できることはやりがいの一つだと思います。海外だけでなく、国内のクライアントもKDDIをはじめ上場企業が中心で、大規模なマーケティング戦略や研究開発にバーチャルヒューマンを組み込んでいただくことも多いです。
また、クライアントとの折衝の際は、商談の相手が経営層であることも少なくありません。しかも当社は規模が小さい分、基本的に一つの案件を一人で担当するので担当者には大きな裁量が与えられます。
編集部
クライアントとの仕事ではどのような力が求められますか？
簑田さん
大きな視野で物事を捉える力です。目先の成果に捉われるのではなく、バーチャルヒューマンの可能性を見据えた想像力と提案力を持てるかどうかが特に大切です。
多くのクライアントは「バーチャルヒューマンは確かに魅力的だけど、具体的に何がすごいのか」という疑問を持っています。そんなクライアントに対して、バーチャルヒューマンを活用すべき理由を説得力を持って提案する必要があります。「バーチャルヒューマンを使って、こんな未来が作れるんですよ」と、クライアントと一緒に楽しみながらコンテンツを作り上げていけば、この仕事の醍醐味が味わえると思います。
クライアントと丁寧に向き合い、プロジェクトの最適解を探る
編集部
ちなみに、クライアントとの業務はどのような流れで進むのでしょうか？
簑田さん
クライアントの要望に応じて、私たちのコミットメントの範囲は変わってきます。基本的な流れとしては、まずクライアントのニーズや課題をヒアリングします。その上で、どのようなバーチャルヒューマンを起用もしくは制作し、どう運用していくか、マネタイズを直接的に目指すのかといった方向性を決めていきます。
例えば、ブランディングの強化やユーザーとのコミュニケーション接点としてバーチャルヒューマンを活用したいというニーズもあります。そこでは運用プランを策定し、ターゲットを想定して、映像か静止画か、といったコンテンツの形式を決めていきます。
ほかにも、社内向けのコンテンツ制作など外部に公開されないプロジェクトもあります。いずれにせよ、クライアントとじっくり話し合いながら、クライアントの目的にとって最適な方法を探していきます。
株式会社Awwから転職希望者へのメッセージ
編集部
最後に、株式会社Awwでどのような人材を求めていらっしゃるのか、読者へのメッセージをお願いできますか？
簑田さん
当社はバーチャルヒューマンという新時代の領域を扱っている会社です。ですから、これから訪れる未来に「面白さ」を見出し、共に未来を作っていきたいと思ってくださる方と一緒に働きたいと考えています。
経験やスキルはあるに越したことはありませんが、新しいことへの好奇心や自律的な姿勢、チャレンジ精神、エンターテイメントが好きな気持ちも重視しています。クリエイティブな発想力を持ち、「良いものを作り出そう」というマインドを持った方とぜひ一緒に働けたらと思います。
編集部
御社のエンターテイメントやコンテンツに対する情熱、こだわりが伝わってきました。熱意を持ったメンバーと共に働くことができれば、きっと大きく成長できるのではないかと感じます。本日はありがとうございました！
編集後記
メンバーは20人に満たないという株式会社Awwですが、クライアントには驚くほど有名な企業が名を連ねています。仕事のやりがいが大きいことは、想像に難くありません。高品質なコンテンツを作り上げる腕利きのメンバーが集う環境自体も、働き手にとっては非常に刺激的なのではないかと感じました。
この記事のまとめ
| 組織文化 |
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|---|---|
| 若手活躍の事例 |
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| グローバル |
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| 求める人材像 |
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株式会社Awwの基本情報
| 住所 | 東京都渋谷区桜丘町26番1号 セルリアンタワー15階 |
|---|---|
| 事業内容 |
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| 設立 | 2019年5月 |
| 働き方 | ハイブリッド勤務（出社＋リモートワーク） |
| 公式ページ | https://aww.tokyo/ |
| 採用ページ | https://aww.tokyo/career/ |
| 募集職種 | アライアンスセールス |