二本松市役所で働く魅力|新入職員の3割が転職者。経験を活かして働ける職場

ミライのお仕事『注目企業へのインタビュー』企画。今回は、福島県二本松市役所にインタビューしました。この記事では、転職を検討されている方に向けて、同市役所で働く魅力をご紹介します。

二本松市役所は社会人経験者の採用も多く、新入職員全体の約3割が転職者という特徴があります。充実した子育て支援や柔軟な休暇制度、豊富な研修制度など、転職者が安心してキャリアを築ける環境が整っています。

今回は、そんな二本松市役所ならではの働きやすさについて、総務部・人事行政課の係長を務める橋本さんと、育休の取得経験がある建設部都市計画課主査の小林さん、民間から転職された総務部秘書政策課主査の武田さんにお話を伺いました。

本日お話を伺った方
総務部・人事行政課職員係・係長の橋本さん

二本松市役所
総務部 人事行政課 職員係 係長

橋本さん

建設部都市計画課主査の小林さん

二本松市役所
建設部都市計画課主査

小林さん

総務部秘書政策課主査の武田さん

二本松市役所
総務部秘書政策課主査

武田さん

二本松市役所の採用状況:業務内容や組織風土に魅力を感じて民間から入職

二本松市役所の職場風景

編集部

二本松市役所には、転職者の方が多いとお聞きしました。採用状況についてお教えいただけますか。

橋本さん

新卒採用と同じ区分で試験を実施していますが、社会人経験者の方が多く受験されています。近年では全体の約3割が社会人経験がある入職者となっています。

学歴不問を掲げており、一般行政職の1次試験内容は高校卒業程度の一般教養試験と適性検査のみを実施しています。転職を考えている方にとっても、挑戦しやすい採用制度を心がけています。

編集部

実際に転職された方のケースを伺えますか。

小林さん

私も転職者の一人です。入庁前は、臨時職員として農政部門で働いた経験がありますが、農家の方々と直接関わる中で多くの感謝の言葉をいただきました。市民の方のために働くことにやりがいを感じたことや、先輩方からの後押しもあり、正職員として採用試験を受けました。

武田さん

私も同様に転職者の一人で、臨時職員の経験があります。前職は製造業に携わっていたのですが、転職を考えたときに、自分がやってきたことを生かせるような職場が近くになかったこともあり、事務職を目指してみようと考えました。その選択肢の中で公務員という道が浮かび、臨時職員に応募したことがきっかけでした。

臨時職員として働いた際に、職場の雰囲気の良さを実感していたため、正職員になりたいと決意し、採用試験を受けました。

編集部

採用後はどのようなお仕事を経験されましたか?

小林さん

正職員として私が最初に配属されたのは子育て支援課で、その後人事部門を経て、現在は建設部に所属しています。このように市役所では、さまざまな部署を経験できるのも魅力です。

武田さん

私も最初は子育て支援課におりましたが、現在は広報紙の作成やSNSの更新を担当しています。広報紙は月1回の発行ですが、SNSはこまめな更新が大切だと考えているため、積極的に外に出て取材や写真撮影を行っています。

SNSの投稿内容については、まず係内で話し合い、私が記事内容や写真を考えた上で、係長、課長の決裁を経て発信する形を取っています。

転職者の実感:異動が多く、経験が活きる場面がやってくる

総務部秘書政策課主査の武田さん
▲取材に応じてくださった武田さん。前職の経験を活かして活躍されている。

編集部

転職者の方々は、前職でのスキルや経験をどのように活かされているのでしょうか?

武田さん

前職の経験が活きていると感じるのは、お客様と接する時です。

公務員の仕事は、究極のサービス業であると思います。日々、窓口や電話対応などの対人スキルが求められる場面があります。前職では、製造した商品をお客様に販売したり、別の企業に営業することが多くありました。お客様に自社商品を宣伝するには、商品を詳しく理解することと、その内容を分かりやすく伝えることが大事でした。それは、公務員になってからも同様で、法律や制度を正しく知り、分かりやすく伝えることが業務の本分だと思います。

民間企業でも公務員でも同じ構造で仕事をしてきたという経験が、自信となっています。応対後に、お客様がご納得いただいて気持ちよく帰っていく姿を見ると、今までの経験が活きた嬉しさと公務員としての仕事のやりがいを感じます。

民間企業で経験した専門的な内容が、配属されてすぐに活きてくる場面は、残念ながらなかなかないかもしれません。しかしながら、市役所の業務は多岐にわたり、異動の際には転職した思うほどガラッと業務内容が変わることもあります。そんな様々な経験を比較的短い期間でさせてもらえることは、自身の視野を広げることにつながっています。

これまでの経験をもっと具体的にこんなところで活かしてみたい、活かせるんじゃないかと思わせてくれる場面や可能性を感じることができる職場なのではないかなと思います。

編集部

民間企業と比較して、市役所ならではの仕事の進め方について教えていただけますか?

武田さん

民間企業では決めてから動くことが先に来て、失敗は後から取り返すような形でしたが、市役所では何かをやりたいと思ったときに、係長、課長、部長など上の方に相談し、アドバイスを受けながら最終的に綺麗な形になっていくという流れが特徴的です。

準備の段階から皆さんがとても協力的で、ちょっとやってみたいことがあったときにも、相談がしやすかったり、自分の考えていることを文章化してくれたり、たくさんフォローしていただいています。

キャリア支援:段階的な研修制度と自己啓発支援

総務部・人事行政課職員係・係長の橋本さん
▲取材に応じてくださった橋本さん。未経験で入庁してもフォローできる体制について語ってくださった。

編集部

未経験の方向けの研修制度について教えてください。

橋本さん

入庁後、まず先輩職員による基礎研修があり、市役所の基本業務や実務について学びます。また、1年目、4年目、8年目、12年目、そして係長・課長就任時など、キャリアステージに応じた県職員と県内自治体職員による合同研修を全職員が受講します。

さらに市独自の制度として、「自主専門研修・自己啓発研修制度」があります。

全体的な予算が決まっているため、複数の希望者がいる場合は調整が必要になることもありますが、自主的に選んだ研修を受講する際、交通費を含め最大5万円の補助が受けられます。

編集部

研修制度についてお聞きしましたが、キャリアアップに関連して、昇進や評価の仕組みについて教えていただけますか。

橋本さん

年度初めに上司と面談して目標を定め、年度末に結果について再度面談を行う仕組みになっています。

人事評価制度は「能力評価」と「業績評価」に2つとなっており、「能力評価」については、職務遂行の過程において発揮された職員の能力の評価、「業績評価」については、年度当初にあらかじめ設定した業務目標の達成度その他設定目標以外の取組による業績の評価となっています。

評価結果は昇給・昇格に影響するほか、業績評価についてはボーナスにも影響するため、職員のモチベーションアップにも繋がっていると思います。

二本松市役所の働き方:育休・有給を活用した柔軟な働き方

二本松市役所の職場風景

編集部

職員の働きやすさややりがいのために、特に注力している取り組みについて教えてください。

橋本さん

最も力を入れているのは、子育てや家庭との両立支援、ワークライフバランスの実現です。これらの取り組みを通して、職員一人ひとりが働きやすい環境を作りたいと考えています。

具体的な制度としては、子育て支援制度の一環として「子育て家族看護休暇」という制度を2024年度から導入しています。これは従来の子どもの看護休暇を拡充したもので、お子さんの学校行事への参加だけでなく、2親等以内の親族の看護にも利用できる制度です。

授業参観や運動会、部活動の大会の応援など、休暇を取らないと参加できないお子さんの学校行事への参加ができるため、多くの職員に活用いただき非常に好評な制度となっています。

編集部

二本松市役所では、男性の育休取得も積極的であるとお伺いしました。実際に取得された方の体験を教えていただけますか?

小林さん

私は2ヶ月弱の育休を取得しました。職場の雰囲気はとても良く、むしろ「もっと取っていいよ」という声をいただいたことが印象に残っています。上の子も含めて家族と過ごす貴重な時間となり、とても感謝しています。

育休中は、ときどき職場に顔を出したり、電話で連絡を取ったりしていました。また、子どもが体調を崩したときには育休を少し延長してもらうなど柔軟な対応をしていただきました。

先輩・後輩関係なく、助け合えるような仲間が集まっている場所だなと強く感じましたね。

編集部

育休の取得可能期間と、男性の取得率を教えてください。

橋本さん

育休は子どもが3歳になるまで取得可能で、男性の育休取得率は現在66.7%と高水準を維持しています。

休暇制度:連続5日間の夏季休暇など充実の休暇システム

編集部

育児以外での休暇取得の状況はいかがですか。

橋本さん

趣味や旅行など、さまざまな目的で柔軟に取得できます。特に夏休み制度では、6月から10月の間で最大5日間の連続休暇を取得できます。休暇の取得理由は基本的に問いませんが、職員は好みの時期に旅行を楽しむなど、プライベートの充実に活用しています。

武田さん

私はライブに行くために休暇を取ったことがあります。公務員として市民の生活と直結している仕事もあるので調整は必要ですが、これまでの部署でも、休暇申請に対して否定的な雰囲気を感じたことはありません。

小林さん

私は、妻の育休が終わる前に東京へ家族旅行に行く際に利用しました。業務が落ち着いた10月に夏休み休暇をいただき、平日の5日間連続で旅行を楽しみました。

編集部

有休を取得しやすい状況のようですが、取得しやすさに繋がっている理由はなんでしょうか?

橋本さん

年次有給休暇を20日以上消化した場合に限り、「夏季年休(3日)」「リフレッシュ年休(2日)」が付与される制度があります。年次有給休暇取得促進の取り組みです。

二本松市役所の職場環境:部活動で広がる職場の絆

職場以外での交流をする二本松市役所サッカー部のみなさん、野球部のみなさん

編集部

職場の人間関係や雰囲気はいかがですか。

小林さん

オープンでフレンドリーな雰囲気があり、雑談も多く、とても働きやすい環境です。野球やサッカーなど、部活動が活発で、多くの職員が複数の部活を掛け持ちしています。部署異動が定期的にあるため、部活を通じて全庁的な人脈を作れるのは、仕事面でもプライベートでもとても役立っています。

編集部

部活動を通じて人脈が作れることで業務上どのようなメリットがありますか?

小林さん

市役所の仕事は自分の部署だけでは完結しないことも多いです。そういった時に、他部署に相談する必要があるため、その部署に相談できる職員がいるということは業務を進める上でかなりスムーズになりますし、自分を助けることになります。

部活動を通して、後輩・同世代・先輩・上司と本当に幅広い年代・業種の方と関わることが出来ますし、仕事をしているだけでは関わることが少ない方々とも一緒に活動出来ます。そういったつながりがあることで、他部署への相談がしやすい状況が生まれ、より良い市民サービスの提供が実現できると思っています。

また、市役所の仕事は多種多様であり、人事異動のたびに新たな職場で、その仕事に対応していく必要があります。それぞれ多種多様な経験してきた中で、過去の経験を活かしあい、情報共有しながら、今の仕事に取り組むことが出来ていると感じています。

それは普段からオープンでフレンドリーな雰囲気があることで、職員同士が多くコミュニケーションを取れていることで生まれるメリットだと思います。誰と仕事をするのかというのはとても重要なことです。職員同士の雰囲気がよい職場は業務もスムーズに進められると思いますしやりがいも感じられます。

武田さん

私は広報と秘書業務を兼務しているので、市長・副市長と同じフロアで業務をしています。先日は、市長がご自宅で育てたシャインマスカットの話など、和やかなお話をしてくださり、ほっこりした気持ちになりました。

建設部都市計画課主査の小林さん
▲取材に応じてくださった小林さん。仕事以外での職員同士の関わりが結果的によりよい市民サービスにつながると語る。

二本松市役所の求める人材:市民サービスに意欲的な方

二本松市で開催される二本松の提灯祭りの様子、二本松市にある霞ヶ城、霞ヶ城と桜の写真
▲国指定史跡の「霞ヶ城」や、秋に開催される「二本松の提灯祭り」など、二本松市は見どころ満載なまち

編集部

二本松市役所職員として求められる人材像についてお聞かせください。

武田さん

公務員は市民の方との窓口対応や、庁内での調整業務など、多様な業務があります。そのため、自分の得意なことで活躍できる場面が多い職場だと思います。

小林さん

民間企業と違い、定期的に担当業務が変わることで、市政に関わる仕事を多角的に経験できるため、さまざまな業務に挑戦したい方に適していると感じます。特に、人を助けたい、市民の生活をより良くしたいという思いを持った方には、やりがいを感じていただける職場です。部活動などの職場内コミュニティも活発で、仕事以外での交流も深められます。

編集部

最後に、二本松市役所に転職を希望している読者へ向けて、メッセージをお願いできますか。

橋本さん

市役所の仕事は単純なルーティンワークというイメージがあるかもしれませんが、実際は市民の暮らしを良くする仕組み作りに携われる、非常にやりがいのある仕事です。業務範囲が多岐にわたり、人事異動を通じて様々な経験を積むことができます。これは大きなスキルアップのチャンスになると思います。

小林さん

多様な業務経験を積めることに加えて、ワークライフバランスを重視した働き方が実現できます。育休取得や急な休暇など、家庭の事情に合わせた柔軟な働き方ができるので、仕事と私生活、どちらも充実させられる環境が整っています。

私たちといっしょに二本松市を盛り上げたいと思っている方は、ぜひご応募ください!

編集部

本日は貴重なお話をたくさん聞かせていただき、ありがとうございました。

編集後記

皆さん別々の部署の方達でしたが、取材中は和気あいあいとお話しいただき、庁内全体の仲の良さや雰囲気の良さを感じることができました。また、どんな有給休暇の使い方をされているのかお伺いすると、趣味や家族とのご旅行など、リフレッシュを主とした休暇も取得されているそうで、職員が働きやすい環境をどんどん取り入れていることが印象的でした。

この記事のまとめ

働き方の特徴
  • 子育て家族看護休暇制度を導入し、学校行事参加や親族の看護にも利用可能
  • 男性の育休取得率66.7%と高水準を維持(最大3歳まで取得可能)
  • 6月から10月の間で最大5日間の連続休暇取得が可能な夏休み制度あり
キャリア採用の特徴
  • 全体の約3割が社会人経験者からの入職者
  • 学歴不問で高校程度の教養試験を実施
  • 臨時職員からのキャリアステップも可能
研修・評価制度
  • キャリアステージに応じた体系的な研修制度を整備(1年目、4年目、8年目、12年目など)
  • 自己啓発研修制度があり、最大5万円の補助金を支給
  • 年度初めと5月に上司との目標設定・評価面談を実施
職場環境・風土
  • 部活動が活発で、部署を超えた人脈形成が可能
  • オープンでフレンドリーな雰囲気で、上司への相談がしやすい環境
  • 定期的な部署異動により、様々な業務経験を積むことが可能
求める人材像
  • コミュニケーション能力が高く、人との対話を得意とする方
  • 市民のための仕事にやりがいを感じられる方
  • 様々な業務に挑戦する意欲のある方

二本松市役所の基本情報

二本松市役所の外観

住所 〒964-0915
福島県二本松市金色403-1
公式ページ https://www.city.nihonmatsu.lg.jp/
採用ページ https://www.city.nihonmatsu.lg.jp/
shisei/saiyou/
募集職種 一般行政職、土木職、保健師、保育士など