ミライのお仕事『注目企業へのインタビュー』企画。今回は、鹿児島市に本社を構える図南(となん)木材株式会社にインタビューしました。この記事では、転職を検討されている方に向けて、同社で働く魅力をご紹介します。
図南木材株式会社は、木造建築で使用される様々な木材を取り扱い、プレカット加工や特殊加工といった付加価値の高い加工技術とともに提供しています。近年は設計サポートなど、若手社員主導の新規事業も展開しながら、「木育活動委員会」という社会貢献活動を行う委員会を設立しました。若手にもチャレンジの機会が多く与えられている、やりがいに満ちた職場環境です。
今回は、図南木材株式会社での若手の活躍事例や働きやすさについて、代表取締役の田之頭さん、管理部総務人事課の松浦さんにお話を聞かせていただきました。
図南木材の若手育成:アイデアを発揮できる場所を積極的に提供
▲インタビューに応じてくださった田之頭さんと松浦さん。取材は図南木材らしさがあふれる木でいっぱいのオフィスで実施した。
編集部
御社では、若手社員の育成に力を入れているそうですね。具体的にどのような取り組みを行っているのでしょうか。
田之頭さん
図南木材では、若手の意見を積極的に取り入れ、若手主導で活動できる場所も設けながら、新規プロジェクトを続々と展開しています。
2024年9月に立ち上げた「木育活動委員会」もそのひとつで、木材を通じて子どもたちに木の良さを伝え、自然環境への関心を持ってもらうための教育活動を行っています。
会社としては、以前から木材の良さを知っていただくためのイベントへの参加や、木工工作キットの制作、ワークショップの開催などを行っていましたが、これまでは代表の私が主体的に活動していました。これを若手に任せていきたいと考え、各部署から社内公募でメンバーを募集しました。その結果、現在6名のメンバーが定期的に集まって活動を企画しており、その実行委員長を務めているのが松浦です。
編集部
松浦さん、木育活動委員会での具体的な取り組みについて教えていただけますか。
松浦さん
例えば2024年11月には、大型ショッピングモールにて、当社の端材を活用して組み合わせて作るクリスマスツリー作りのワークショップを開催しました。
お子様と保護者の方が一緒に作る形式でご案内し、40組ほどのご家族が参加してくださいました。子どもたちは熱心にヤスリがけをしたり、時間を超えてもこだわって飾り付けをしたり、とても楽しんでいる様子でした。
▲木育ワークショップの様子
松浦さん
また、地域の子どもたちにより直接的に木の魅力を伝えたいと考え、保育園訪問の企画も進めています。木のおもちゃで遊んだり、木の勉強として紙芝居やクイズに挑戦したりする活動を通して、子どもたちに五感で木材を体験してもらう活動を計画中です。実際に保育園の先生方からも、「先生たちだけでは木育を提供できていないので、ぜひ実施してほしい」という前向きなお声をいただいています。
現在、「食育」は広まっていますが、「木育」はまだまだです。長年木材を扱ってきた私たちだからこそ、その役割を担っていけると考えています。
編集部
木育活動以外で、若手の活躍を促すことを目的とした事業があれば教えてください。
田之頭さん
「建方(たてかた)事業」と「設計サポート」という2つの新規事業において、参画する意欲のある人材を社内で募集しているところです。どちらの事業も、業界の課題となっている職人不足の解消に貢献することを目的として立ち上げました。
特に設計サポートについては、建築基準法の改正に伴って書類作成などの負担が大きくなったことを背景に、地域の工務店や住宅会社などでは手が回らない業務が増えてきています。そういった部分をしっかりとサポートしていく体制を整えるべく、ぜひ意欲あふれる若手のアイデアを取り入れながら活動を進めていきたいと考えています。
編集部
新規事業を始める際の社内公募は、どのように行われているのでしょうか。
田之頭さん
公募の際は、社員全員に通達を出して周知しています。また、会社として期待していたり、「こういう人材がいたらいいのでは」といった意見が挙がったりした際には、こちらから声をかけさせてもらうこともありますね。
公募によって様々な部署から意欲のある人材を募ることで、新しい視点や発想を取り入れられる仕組みを構築できていると感じます。
手厚い研修制度&フォローアップ体制で成長していけるのが魅力
編集部
若手社員の方々は、御社で働く魅力についてどのようにお話しされていますか。
田之頭さん
「この会社でスキルアップしていきたい」といった強い想いで入社する社員が多く、入社時の研修やフォロー体制が整備されている点に魅力を感じてくれているようです。
入社時は、特に新卒社員の場合はこれから社会人になる段階にあり、同期でチームワークや団結力を築いてほしいという想いもあるため、まずは本社で3ヶ月間の研修を受けていただいています。社会人としてのマナーや仕事に対する考え方も含めて学べる内容となっているほか、様々な部署の業務内容やそこで働く人たちについて知れる社内見学の機会もあります。その後、各現場にて実務的な研修が始まっていく流れです。
現場では、例えば営業職の場合は先輩社員の営業に同行したり、メーカーが主催する商品勉強会に参加したりして知識やスキルを身につけていきます。そうして実務に慣れてきた段階で、上司のフォローを受けながら実際に顧客への対応を行ってもらいます。
このように段階的に実務スキルを学んでいける体制が整っており、若手社員たちからも好評です。
編集部
研修の他に、若手社員のスキルアップをフォローする取り組みはありますか。
田之頭さん
きちんとスキルアップしているかどうか確認できるよう、所属長との面談を定期的に実施しています。具体的には、会社の方針や部門ごとの方針をもとに「自分が今期どのようなことをやり遂げたいか」という明確な目標を上司とともに設定し、その達成度合いを評価につなげている形です。
図南木材の働き方:休暇取得を推進し、メリハリをつけて働ける
編集部
御社が推進されているワークライフバランス重視の働き方について、具体的な特徴をお聞かせいただけますか。
田之頭さん
図南木材では、育児休暇の取得がスムーズに進んでおり育児との両立がしやすいこと、またライフイベントを大切にできる環境であることが大きな特徴です。男性社員の利用も増え、1ヶ月程度まとめて取得する方もいれば、分割して取得するケースもあるなど様々ですね。
実際に利用した社員からは「周りの協力もあって取得しやすかった」といった声が挙がっており、気軽に取得できる雰囲気も根付いていると感じます。こういった事例が増えることでより取得しやすくなると思うので、会社としても積極的な活用を推進していきたいと考えています。
編集部
年次有給休暇や年間休日についてはいかがでしょうか。
田之頭さん
年次有給休暇も消化率約79%と、しっかりと取得できるよう環境が整ってきているほか、年間休日は2025年からは5日増えて110日としており、今後も段階的に増やしていく予定です。ただし、これを実現するためには生産工場の体制も改善していく必要があると感じ、少しずつ改革を進めているところです。
図南木材の社風:役職関係なく話せて、毎朝のラジオ体操で交流も!
編集部
社員の方々の様子から、明るくフレンドリーな雰囲気の会社で、厳しい上下関係もないように感じます。実際の雰囲気はいかがでしょうか。
松浦さん
図南木材に入社する前は、一般的に会社というと上下関係が厳しく、社長は会えない存在だと思っていました(笑)。しかし、当社はワンフロアのオフィスで部署を隔てる壁がないため、社長を含め管理職の方々との距離も近く、役職に関係なく話しやすい職場です。
特に「いいな」と感じているのが、毎朝8時に社員全員で外に出てラジオ体操をすることです。その際には社長の隣に並び、少しお話しすることもあり、そういった場面でも上下関係なく自然に話せる雰囲気があります。朝の空気を感じながら、社員全員気持ちが整った状態で、一日の業務がスタートします。
また、オフィス環境も温かな雰囲気です。木の温もりあふれる空間で、私のデスクも実際に社員手作りの机です。棚なども手作りのものが多く、そういった意味でも温かみのある職場だと感じています。
編集部
業務外でも、社員同士が交流できる機会はあるのでしょうか。
田之頭さん
毎年新年会を開催しているほか、夏にはバーベキューも実施しています。社員旅行はここ数年行っていませんでしたが、ぜひ再開したいですね。
図南木材の事業:自社一貫体制に強み。木材へのこだわりも
編集部
御社は2026年2月に創業80周年を迎える老舗企業で、木造建築で使用する様々な商品やサービスを提供する専門会社として1万戸以上の住宅建築に携わってこられたとお聞きしました。御社ならではの強みについてお聞かせください。
田之頭さん
図南木材の特徴は、自社一貫体制にこだわり続けてきたことです。木材に様々な付加価値をつけ、設計から製造、現場へのお届けまで、すべて自社で体制を整えています。
例えば「プレカット事業」では、建物の骨組みとなる部材だけでなく、内部で使う細かな部材まで加工できるほか、防腐処理をして木材の欠点を補う加工を施すことも可能となっており、加工についてはすべて自社で対応することが可能です。さらに、建築で使用する木材以外の建築資材もすべて自社で取り扱い、提案、提供していることが大きな強みですね。
また、木材を無駄なく活用することも当社の大きなこだわりです。例えば自社加工の過程で出た端材を再加工してオフィスの壁板にしたり、住宅の下地材として活用したりしています。自社で製作した家具や雑貨などはオンラインでも物販しています。
▲社内には端材を再利用して作られた壁材や机、木製品などが目立つ
編集部
木造建築の需要について、今後の展望を教えてください。
田之頭さん
現在、日本国内には建築用材となる木材が豊富にあることから、木造建築をより普及させていこうとする流れがあります。それに伴って輸入材から国産材への切り替えが進んでおり、住宅だけでなく、施設などの大型物件の木造化も推進されています。
そのための法改正も行われており、国産材をより多く活用していこうという動きがどんどん強まっていくのではと思いますね。
図南木材の採用情報:労働環境の整備が進む。木材を地域に役立てたい人を歓迎!
編集部
他業界から転職を検討されている方からすると、木造建築の専門商社における労働環境を知りたいのではないかと思います。実際の働き方はいかがでしょうか。
田之頭さん
現時点では営業職と技能職を募集しているので、それぞれお答えしていきます。
まず営業職については、年度末など建築が動く時期には繁忙期があり、正直残業が増えることもあります。ただし、上司がメンバーの業務量をしっかりとチェックし、業務量に偏りがある場合は調整しておりますので、特定の人に負荷が集中することはないですね。
続いて技能職ですが、製造現場は確かに立ち仕事が基本で力仕事もあり、夏場や冬場は空調の調整も難しいため、体力的な負担は避けられません。ただし、5S活動(※)や安全衛生活動を通じて、現場をより働きやすくするための取り組みを常時行っています。
(※)5S活動:職場環境を整えるための基本的な活動で、「整理」「整頓」「清掃」「清潔」「しつけ」の頭文字をとったもの
ちょうど本日も午後から工場にて安全衛生活動の中間報告会があり、工場内の清掃や危険箇所の改善について話し合う予定です。「次はどこを改善するか」「どうすれば作業効率が上がるか」といった議論を通じて、「自分たちの職場は自分たちで作る」という意識が育ち、自然と連携も強化されていると感じています。
編集部
最後に、ぜひ読者の皆さんへメッセージをお願いします。
田之頭さん
図南木材は「木材」を軸に、それをいかに地域に役立てていくか、どのように付加価値を高めていくかを常に模索しながら事業を展開しています。
新しい事業も続々と立ち上げており、これからも様々なことにチャレンジしていきたいと考えておりますので、新しいアイデアやエネルギーを持って一緒に挑戦してくださる方を求めています。鹿児島在住の方はもちろん、他の地域から鹿児島にいらっしゃる機会があれば、ぜひご応募いただきたいですね。
編集部
本日はありがとうございました!
編集後記
この記事のまとめ
事業の特徴 |
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若手の活躍機会 |
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働き方の特徴 |
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教育・研修体制 |
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職場環境 |
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図南木材株式会社の基本情報
企業名 | 図南木材株式会社 |
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住所 | 鹿児島県鹿児島市谷山港1-2-4 |
事業内容 | ・木材・建材の販売 ・プレカット製品の加工・販売 ・木材の防腐防蟻処理 ・木製子供用玩具、家具等の制作・販売 |
創業 | 1946年 |
公式ページ | https://tonan-lumber.co.jp/ |
採用ページ | https://recruit.tonan-lumber.co.jp/midcareer(中途採用情報) |
募集職種 | ・営業職 ・技能職 |