調理ロボットのパイオニア「TechMagic株式会社」のエンジニアが語る働く魅力

ミライのお仕事『注目企業へのインタビュー』企画。今回は、TechMagic(テックマジック)株式会社にインタビューしました。この記事では、転職を検討されている方に向けて、同社で働く魅力をご紹介します。

TechMagicは、調理ロボットと業務ロボットの開発を主軸として、食品産業に劇的な変革をもたらしているスタートアップ企業です。最先端技術を駆使して一連の調理工程や単純作業をロボットで自動化することにより、人間がより創造的な作業に従事できる環境作りや、食品産業が直面している人手不足の問題や労働コスト削減といった課題解決に取り組んでいます。

組織として特徴的なのは、ソフトウェア・ハードウェア問わず様々な専門分野のエンジニアが集結していることです。また、顧客が求めることをヒアリングし、メンバー同士で意見を交換しながら自由度高く技術を組み合わせて製品を造り上げるプロセスも、エンジニアとして働く喜びに繋がっています。

今回は、TechMagic株式会社でエンジニアとして働く魅力や事業の特徴について、取締役の但馬さん、メカエンジニアの金井さんにお話を聞かせていただきました。

本日お話を伺った方
TechMagic株式会社の但馬さん

但馬 竜介さん

TechMagic株式会社 取締役 CTO。トヨタグループで人間型ロボットの動作制御のR&Dに15年にわたって活躍。幅広い分野で実績を持ち、数々の受賞歴および国内外での学会論文/出願特許多数。ベンチャー設立を経て、2019年に同社にジョイン。

TechMagic株式会社の金井さん

金井 徳亮さん

TechMagic株式会社 開発本部 メカニカルデザイン部 メカエンジニア。前職では建設現場における移動ロボットの開発に携わり、2024年2月に同社へ入社。主に揚げ調理ロボット「F-Robo」の開発に携わる。

TechMagicのエンジニア職:幅広い専門性を持つメンバーが在籍

TechMagic株式会社の会議風景

編集部

TechMagicの社員は80名ほどで、多彩な専門性を持つエンジニアが揃っているそうですね。具体的にどのような方が勤務されているのでしょうか。

但馬さん

実は、エンジニアのうちロボット業界出身者はそれほど多くありません。ソフトウェア系ではWebやユーザーインターフェース経験者、ハードウェア系では自動車業界での組み込み系システム開発経験者など、幅広いバックグラウンドを持つエンジニアが在籍しています。

大手企業出身者も多く、ホンダやデンソーウェーブなどの関連企業から転職してきた方々も在籍していますね。また、メンバーの国籍もさまざまです。

ちなみに、バックグラウンドの多様性でいうと、外食業界で調理師として活躍していた方も当社の一員です。開発部門ではありませんが、事業推進やコーポレート部門で活躍しており、メニュー開発や味の品質管理において重要な役割を担っています。

CTOの声:自由度が高いことと、顧客のニーズを満たすプロセスが醍醐味

TechMagic株式会社の但馬さん
▲取材にご対応いただいた但馬さん

編集部

CTOである但馬さんは、エンジニアがTechMagicで働くうえでの魅力はどのような点だとお考えでしょうか。

但馬さん

個人の自由度が高い点、また顧客の関わりが自然と深くなる点はいち技術者として魅力的だと感じています。

ロボット技術は非常に多岐にわたるため、一つの技術を突き詰めることが難しい面があります。しかし、その分様々な技術を組み合わせられる自由度があり、顧客が求めているものを実現するというプロセスが当社におけるエンジニアリングの醍醐味だと感じています。

お客様と直接関わりながら開発を進められることも、私たちの仕事の面白さの一つですね。お客様の要望を聞いた上で、本当に必要な機能は何か、もっと良い方法はないかなど、開発チーム内で活発に議論を行っています。

その議論の中で大事にしているのは、個人的な感情や社内政治などではなく、「技術課題」や「物理現象」といった客観的な事象に向き合っていくということです。エンジニア同士が真摯に議論し、最適な解決策を見出していく組織でありたいし、ある程度は達成できているので、これからもその文化を大切にしていきたいと考えています。

編集部

お客様のニーズを汲み取って開発された、具体的な事例を教えていただけますか?

但馬さん

当社の最初のプロダクトであるパスタ調理ロボット「P-Robo」の開発が特に印象に残っています。2025年3月時点では4台が稼働していますが、約6年前の開発当時は、調理ロボットという概念自体が珍しく、お客様も具体的な要望を明確にしづらい状況でした。

その中で、お客様の高い要求に応えながら手探りで開発を進め、3回目の試作でようやく実用レベルまで達することができたんです。店舗への導入までには3年ほどかかりましたが、その分やりがいも大きかったですね。

メンバーの声:自社製品が社会貢献に。意見交換が活発な風土も魅力

TechMagic株式会社の金井さん
▲取材にご対応いただいた金井さん

編集部

エンジニアのお一人である金井さんは、入社約1年を経て(取材時点)、TechMagicで働く魅力はどこだとお考えでしょうか。

金井さん

私は「自社製品の開発に携わりたい」、さらには「自分が作ったロボットを多くの人に使ってもらいたい」という想いでTechMagicを選んだこともあり、食に関するロボット開発を通じて社会に貢献できる点に大きな魅力を感じています。

また、社員同士の意見交換が活発で、たくさん刺激を受けられることも当社で働くメリットですね。前職では在宅勤務が多く、1人で担当分野を完結させる働き方でしたが、現在は複数のメンバーと協力しながら開発を進めています。日々の対話を通じて新しい発見が生まれたり、先輩エンジニアから業務に関するアドバイスをもらえたりと、刺激を受けながら成長できる環境です。

編集部

先輩エンジニアからのサポートで、特に印象に残っている具体的なエピソードはありますか?

金井さん

入社直後に担当した揚げ調理ロボット「F-Robo」において、冷凍ポテトを適量送り出す機構を設計したときの経験が印象に残っています。私が考えた機構のイメージをホワイトボードに描いていた際、あるソフトウェア担当の先輩が改善点を提案してくれたんです。

後から分かったのですが、その先輩は電気系の知識も深く、ロボット工学全般に精通していました。その幅広い知見と経験は私にとって大きな学びとなり、「この人のようになりたい」と仕事へのモチベーションが大きく高まりました。

TechMagic株式会社が開発した自動調理ロボット「F-Robo」
▲日本ケンタッキー・フライド・チキン(株)と共同開発しているフライドポテト自動調理ロボット「F-Robo」

編集部

他に、サポート面の特徴があればご紹介ください。

金井さん

会社には年間5万円の自己啓発補助や書籍購入支援など、様々な制度が整っています。私も最近制度を活用して技術書を購入しており、スキルアップに役立っています。

TechMagicの事業:食品産業の課題解決に向けたロボット開発

TechMagic株式会社が開発した自動調理ロボット
▲フライドポテト自動調理ロボット「F-Robo」と炒め調理ロボット「I-Robo」

編集部

御社のパーパスについて教えていただけますか。

但馬さん

TechMagicのパーパスは、「サイエンスとテクノロジーの力で、人類が創造的に生きる世界を実現する」です。このパーパスの達成に向けて、私たちは調理や食品に関するロボットと自動化システムのソリューションを提供しています。

というのも、食品産業や外食産業は自動化が最も遅れている分野の一つであり、日本の労働人口が減少していく中で、これらの産業の持続可能性の低さが大きな課題となっているんです。そこで、私たちは各作業の自動化による業務効率化を目指すとともに、ロボットによって調理の味を安定させ、より美味しい料理を提供できる世界の実現を目標として掲げています。

以前は複数の企業がこの分野に参入していましたが、技術的な難しさもあり、現在では当社がほぼ唯一の存在となっています。

編集部

具体的な製品事例を教えていただけますか。

但馬さん

先ほどご紹介したパスタ調理ロボット「P-Robo」やフライドポテトの揚げ調理ロボット「F-Robo」のほか、主力製品である炒め調理ロボットの「I-Robo」、洗浄仕分けロボットの「W-Robo」、盛付けロボットの「M-Robo」などがあります。

例えば「I-Robo」は中華料理をターゲットとした炒め調理ロボットで、完全自動ではなく人との協調を重視した設計です。具体的には、調理者が操作しながら炒めやあおりなどの力仕事を自動化できるロボットで、技術や体力に関係なく誰でも安定した中華料理を作ることができます。

実際に大阪王将様の20店舗ほどに導入していただいており、「1級職人の料理とほぼ同等のクオリティの商品を提供できている」と高く評価していただいています。

TechMagicから転職検討者へのメッセージ

TechMagicの社員たちが談笑する様子

編集部

最後に、転職を検討されている方へメッセージをお願いできますか。

但馬さん

メンバー同士の交流が活発なのは、ぜひ伝えたいですね。バスケットボールやボードゲームなどの社内サークルが活動しているほか、新たに野球などのスポーツ観戦のサークルも立ち上げる予定です。

また、2ヶ月に1度「フードデー」という交流イベントを開催しています。社内でケータリングや食事を用意し、お酒も交えながら、様々な部署・拠点の社員が集まって交流するイベントです。自社開発のI-Roboで調理した料理も提供しており、製品を身近に感じられる機会にもなっていますね。

私たちは「今までにないものを創造し、社会に変革をもたらしたい」という意欲のある仲間を求めています。新しい世界を作り出すことに情熱をお持ちの方に、ぜひ応募していただけたら嬉しいです。

金井さん

仕事は多くの時間を費やすものですから、興味があることや楽しいと感じられることを仕事にすることが大切だと考えています。TechMagicの事業や将来の展望に興味を持ち、ロボット開発に携わりたいと考える方にぜひお越しいただきたいです。

編集部

本日はありがとうございました!

編集後記

大企業の研究所で長年勤め、スタートアップの設立経験もあるCTOの但馬さんと、入社して約1年というエンジニアの金井さんというお二人の視点からお話しいただき、調理ロボットという事業の面白さや社内風土がよくわかりました!また、社内イベントのフードデーで「自分が設計したロボットが作った料理」を食べられるというのは貴重な経験だと感じました。

TechMagic株式会社の働き方のまとめ

事業の特徴
  • 食品産業向け調理ロボット開発が主軸
  • 国内でほぼ唯一の調理ロボットメーカー
  • 人との協調を重視した自動化を推進
組織体制
  • 多国籍な人材が在籍
  • 大手企業出身者が多数
  • 様々な専門分野のエンジニアが協働
働き方
  • オフィスでの直接コミュニケーションを重視
  • 顧客と直接対話する機会あり
  • 先輩エンジニアによる技術指導が充実
社風
  • 技術的課題に対して真摯に向き合う
  • エンジニア同士の活発な議論を重視
  • 2ヶ月に1度の全社交流イベントあり
求める人物像
  • 社会変革への意欲がある人
  • ロボット開発に情熱を持つ人
  • 新しいものの創造に挑戦したい人

TechMagic株式会社の基本情報

企業名 TechMagic株式会社
住所 東京都江東区青海2-5-10 テレコムセンタービル西棟19階
事業内容
  • 調理ロボット事業
  • 業務ロボット事業
  • 次世代業態開発事業
設立 2018年2月
公式ページ https://techmagic.co.jp/
採用ページ https://techmagic.co.jp/recruit/
募集職種 法人営業をはじめ、約30ポジションにて募集あり

※応募条件(新規営業スタッフの場合)
【必須】BtoBの新規営業の経験(3年程度以上)
【歓迎】大手法人向け提案営業の経験(5年以上)/プレイングマネージャー経験者
取材・編集
大滝雄介のプロフィール写真

ミライのお仕事
編集部

大滝 雄介

企業の採用や働き方に関する取材を担当し、これまでに三井物産株式会社やヤマハ発動機株式会社、サイボウズ株式会社など、約650件の取材実績あり。編集歴は15年にわたり、出版社勤務時代には官公庁や健康保険組合の機関誌・パンフレットなどを企画段階から多数制作。