ミライのお仕事『注目企業へのインタビュー』企画。今回は、武豊町(たけとよちょう)役場にインタビューしました。この記事では、転職を検討されている方に向けて、同役場で働く魅力をご紹介します。
愛知県知多郡に位置する武豊町役場は、近年社会人の採用が増えていることが特徴で、新入職員へのサポートや若手職員の意見を積極的に取り入れる制度など、職員の成長をバックアップする体制も充実しています。また、有給休暇の取得促進や育児との両立支援など、ワークライフバランスを重視した働き方ができる点も大きな魅力です。
今回は、武豊町役場の業務の魅力やサポート制度、採用に関する情報などについて、企画部秘書広報課の棚瀬さんと、民間から転職された生活経済部産業課の榎木谷さんにお話を聞かせていただきました。
民間からの転職者が語る武豊町役場の魅力:外部と関わる機会が多い!
▲取材にご対応いただいた榎木谷さん。銀行で勤めた後、2020年4月に武豊町役場に入庁した
編集部
民間企業から自治体職員への転職に興味を持つ方は大勢いらっしゃると思います。榎木谷さんは金融機関で勤めた経験をお持ちですが、入庁後は仕事面でどのように感じましたか?
榎木谷さん
もちろん部署や担当業務によって異なりますが、私が率直に思ったのは「行政の仕事はいろいろな人や組織と関わることが多い」ということです。
一般的に公務員というと事務職のイメージが先行していて、机の前で黙々と手を動かす働き方が浮かぶ方もいるのではないでしょうか。ただ、自分の場合は生活経済部産業課の農業の担当に配属されたため、農業をやっている方々や、新規就農を志して相談に来る町民の皆さんと話す機会がすごく多いですね。
私は銀行で営業職をしていたので人と話すことはまったく苦にならないのですが、コミュニケーション能力は自治体で働く上で重要だと思いました。
▲榎木谷さんの業務中の様子と、町内に広がる田んぼの夕景
編集部
勤務の中で、印象に残っているエピソードはあるでしょうか。
榎木谷さん
現在、農業従事者の高齢化や後継者不足の解決に向けて、国の方針で地域計画を策定することになっており、その前段階として地域の農家の方々と意見交換の場を設けています。その運営を担当しているのですが、すごく大変であるとともに、非常に充実感がありますね。
というのも、話し合いは1回で終わるわけではなく、町内の8地区で分かれて実施します。1つの地区ごとに農家さんは50〜60人集まって、5年後10年後の農業の姿について自分の想いを話してくださるんです。いかに話しやすい環境にするか、どう取りまとめるかなど課題はいろいろありましたが、皆さんの協力もあってもうすぐ計画の策定が完了する予定です。
ちなみに、私は銀行の営業で企業を訪問することが多かったので、産業課でも観光や商工の分野を任されると思っていました。実際には農業担当となり、最初は意外に思いましたが、今は自分の経験や能力を活かせる機会を与えていただいたと感じています。
棚瀬さん
職員の配属については、社会人経験がある方であれば、できる限り前職の経験やスキルを考慮して配属先を決定します。
また、入庁後も人事考課に際して「このまま経験を積みたい」「別の部署で成長したい」など自己申告ができるため、もちろんすべての希望が叶えられるわけではないですが、個人の意志にあわせたキャリアを歩んでいけると思います。
入庁後は「サポート職員」によるフォローあり。研修も自主的に受講可
▲取材にご対応いただいた棚瀬さん
編集部
社会人経験が豊富でも、自治体職員の業務に慣れるまでは時間がかかるかと思います。入庁した職員へのサポートについてお教えいただけますか?
棚瀬さん
新規採用職員1人につき、サポート職員が1人付く体制で教えていくのが武豊町役場の特徴です。このサポート職員は新規採用職員と同じ部署から選ばれて、基本的には4年目〜7年目の職員が担当します。一定の経験を積んでいることに加え、年齢・役職的に離れすぎていないので、業務やその他の面で気軽に相談できる環境を整えています。
榎木谷さん
私が入ったときも、サポート職員の方にはとてもお世話になりました。私は民間で働いていたので新卒の職員よりは余裕はあったつもりなのですが、行政独自の業務内容や慣習はまったくわからなかったので、「この人には何でも相談していい」と決められていることで安心できましたね。
あと、棚瀬が言っていたように4年目から7年目くらいの職員、いわば中堅どころの人と話すきっかけができるというのもよくできた制度だと感じました。
編集部
研修など、通常業務以外の成長の機会もあるのでしょうか?
棚瀬さん
はい。庁内での開催に加えて、県の機関である「愛知県市町村振興協会 研修センター」も利用して、いろいろな研修を受講することができます。
研修内容は個別の業務や新制度に関することから、職員が身につけるべきコミュニケーションスキルまで幅広いので、自身の希望や職場環境にあわせて受講することが可能です。
榎木谷さん
私の経験からいって、研修受講に関して主体的であることは求められますね。公務員としての基礎的な研修はともかく、専門的な業務について知識を習得したいのであれば、県や国が主催する勉強会や説明会に自ら手を挙げて参加する必要があります。
逆に言うと、自分で希望すれば認めてもらえる柔軟さがあるので、やりがいはありますね。最近はZoom等を利用したウェビナーも多いので、積極的に学んでいます。
武豊町役場の働き方:休暇が取りやすく育児との両立もしやすい
▲役場外観(左上)と、春祭り(右上)や蛇車まつり(右下)、工場の夜景(左下)。武豊町は働く場所・住む場所として魅力にあふれている
編集部
武豊町役場での働き方についても伺いたいです。榎木谷さんは、転職前からどのような変化がありましたか?
榎木谷さん
私の場合、労働環境が大きく変わり、有給休暇の取得など自分が望むタイミングで業務を調整できるようになりました。役場全体で取得を促進していますし、周囲の職員もサポートしてくれるので、後ろめたく感じるようなこともありません。
銀行員時代は全力で営業活動に打ち込み、もちろん充実していたのですが、結婚したことで働き方を含めた人生設計について考えるようになったんです。結果、もう少し余裕を持ちながら働きたいと考え、転職したという経緯があります。
結果として、現在は子どもが熱を出して保育園を急に休むことになったときも対応できるような環境なので、選択は間違っていなかったと感じています。もちろん、何でも休んでいいというわけではなく、自分の仕事に責任感を持って取り組むことは前提ですけども。
▲町内にある武豊中央公園。育児に適した環境も武豊町の特徴
編集部
働きやすさに関する取り組みについて、棚瀬さんから補足はあるでしょうか。
棚瀬さん
秘書広報課では、職員に対して有休取得を促進するような声掛けや雰囲気づくりをおこなっています。育児だけではなく介護をされている人もいますし、自身のリフレッシュのための使い方もありますから。
あとは、育休からの復職に関して不安に思う人も多いと思うのですが、私たちは復帰前に同じ経験を持つ先輩職員との座談会をセッティングしています。復帰に関する困り事、育児と仕事の両立など、さまざまなことを相談できるので、安心できるという声が届いていますね。
武豊町役場の組織風土:ちょうどいい規模感と良好な人間関係が特徴
編集部
武豊町役場の組織風土についてもお教えいただけますか?
榎木谷さん
武豊町はそこまで大きくもなければ小さくもないという規模の自治体なので、表現が正しいかどうかわかりませんが、役場にも「ちょうどいい」雰囲気があるんです。
大規模な市町村であれば、業務が細分化され、異動するまで同じ方たちと同じ仕事を続けるというケースがあるかもしれません。我々はそうではなく、職員や町民・企業の皆さんとつながる機会が多く、それが働きがいになっていますね。
棚瀬さん
私も同感です。町民の方々との関係が深まることに加え、職場内でもだいたい全職員の顔がわかるくらいの規模感なので、コミュニケーションがとりやすいです。外部から来た方から「雰囲気がいい役場ですね」とおっしゃっていただくこともあります。
若い力の活用が進む。職員のアイデアを実現する研究会も実施
編集部
その他に、役場内の変化として感じていることはあるでしょうか。
榎木谷さん
まだ入庁して5年ですが、これまでより若い管理職が増えているような印象ですね。私と年齢がそこまで変わらない40代前半の職員が部署を引っ張っているなど、距離感が近い中でなんでも相談できる雰囲気があります。
棚瀬さん
就職氷河期に入庁した人数が少ないこともあり、庁内全体で若い力を活用していくという方針になっています。
その取り組みのひとつが、部署を越えて集まった有志の若手職員がアイデアを出し合い、町全体・役場内の課題解決に向けて提言していく「若手職員政策研究会」です。
この活動では、若手職員ならではのアイデアにより、業務に関して相談できる「困りごと相談室」を庁内チャットツールにて開設したり、AI-OCRやRPA等のデジタルツールを活用するための職員向け研修会を開催したりするなど、縦割りによらない横断的なつながり作りも広がっています。
また、若い管理職に向けては「クロスメンター制度」によるサポートも実施しています。先ほどお話ししたサポート職員は新規採用職員が対象ですが、同じように新しく管理職に就く人に対して経験豊富な職員がメンターとして支える仕組みができているので、安心してキャリアアップを目指せる環境があります。
武豊町役場の採用情報:試験は年4回実施、経歴や人柄を重視
編集部
武豊町役場の採用について伺います。試験の詳細をお教えいただけますか?
棚瀬さん
新卒・社会人採用で共通して、筆記と集団討論を行う1次試験と、集団・個人面接を行う2次試験を実施しています。なお社会人採用の場合、筆記の内容がSPIから適性検査になるなど、試験対策が必要なものというよりは個人の経歴や人柄などについて深くお聞きすることを重視しています。
榎木谷さん
私が受けたときも、SPIではなく別の形の試験形式でしたね。他の自治体ではあまりやっていなかったので、印象に残っています。面接も和やかな雰囲気で話しやすいようにしてくださっていたので、民間経験者からしてもチャレンジしやすい採用フローだと思います。
編集部
募集のタイミングは年1回でしょうか?
棚瀬さん
いえ、ここ数年は年に4回採用試験を実施しています。転職を考える時期は人それぞれだと思いますので、ご都合のよいタイミングで応募いただければと思います。
編集部
社会人経験を持つ人はどれくらい入庁されているのでしょうか?
棚瀬さん
2024年度の行政職一般事務の採用では、およそ3分の1が社会人経験者でした。2025年度になると、半分以上が社会人経験のある人なので、かなり増えてきている印象です。
棚瀬さん・榎木谷さんから転職検討者へのメッセージ
編集部
最後に、転職を検討されている方に対してメッセージをお願いいたします。
棚瀬さん
役場では、町民の方々から「ありがとう」と感謝されることが大きな働きがいになります。私もそのモチベーションで働き始めたのですが、誰かの役に立ちたいという想いを持って入庁していただけると、必ず活躍できるのではないかと思います。
あと、武豊町役場は個人ではなくチームで仕事に取り組むという姿勢を大事にしています。特に大きなプロジェクトになるとひとつの課だけではなくいろいろな部署から人が集まることもあり、みんなで支え合いながら乗り切っていこうという雰囲気ができていくんです。
このような点に興味を持っていただけましたら、ぜひ武豊町役場で一緒に働きましょう!
榎木谷さん
私が武豊町役場に入庁したのは、「出身地だから」「昔住んでいたから」という理由ではなく、採用スケジュールのタイミングがたまたま合ったというのがきっかけなんです。
転職してみて、ここには本当に働きやすい環境があると実感しています。休暇を取得しやすいことや手厚い福利厚生、周囲のサポートなど非常に充実しているので、ワークライフバランスを整えて働きたいという方には向いているのではないでしょうか。人生において、仕事もそれ以外も大事にしたいという方にとって魅力的な職場だと思います。
編集部
本日はありがとうございました!
編集後記
武豊町役場の働き方のまとめ
働き方の特徴 |
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社風 |
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研修制度 |
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キャリア形成 |
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採用の特徴 |
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武豊町役場の基本情報
役場名 | 愛知県 武豊町役場 |
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住所 | 愛知県知多郡武豊町字長尾山2-2 |
事業内容 | 武豊町の行政業務全般 |
公式ページ | https://www.town.taketoyo.lg.jp/ |
採用ページ | https://www.town.taketoyo.lg.jp/ chousei/1001541/index.html |
募集職種 | 保育職 |