企業の先進的な働き方やカルチャーに注目するこの企画。今回はウェブ広告の運用を通し、主に通販企業の商品の魅力を伝えるa-works株式会社にインタビューをしました。
a-works株式会社とは
a-works株式会社は、広告の企画や運用で、クライアントである通販企業のこだわりある商品を消費者に届ける役割を担っています。消費者に商品のリピーターになってもらえるような施策を提案することで、クライアントに高い営業利益をもたらせるよう、さまざまな領域からサポートしています。
会社名 | a-works株式会社 |
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住所 | 大阪市西区江戸堀1-16-29 |
事業内容 | ・CPA広告企画・運用代行 ・CPM/CPC広告企画・運用代行 ・アフィリエイトマネージャー「AdCent」の開発/販売 ・セールスクリエイティブ制作 ・オーダーメイド/プロジェクト型でのビジネス支援 ・越境EC支援 |
設立 | 2008年10月1日 |
公式ページ | https://www.a-works.asia/ |
働き方 | リモートワーク フルフレックス |
今回は、そんなa-works株式会社人事部の山口萌さんに、会社経営の理念や方針、求める人材についてお話を伺いました。
少数精鋭の強みを生かし、独自の支援で価値を創出
編集部
まず最初に、a-worksさんの事業内容についてお聞かせいただけますでしょうか?
山口さん
a-worksはわかりやすく言うとウェブの広告運用をしている会社で、健康食品やファッション、化粧品関係等の広告企画を手掛けています。広告を通じて、主に通販における新規顧客獲得の支援をしているほか、広告の計測や効果を可視化できるプロダクトも販売、運用しています。
最近ですと、製薬会社のブランドの立ち上げを支援しました。商品のキービジュアルやLPを作るなどして、ブランドとしてどういうお客様をターゲットに据え、どうアプローチしていくのかを考え、提案しています。
編集部
どのような経営理念のもとで、事業を展開されているのでしょうか?
山口さん
a-worksは「意志ある人を支援する」という経営理念を掲げ、少数精鋭の中小企業だからこそできる事業支援を大切にしています。
ありがたいことにいろいろな企業さんからお仕事の問い合わせをいただく中、一緒に価値をつくっていくことを大切にしていて、そこに共感してくださるクライアントさんと長く取引をさせていただいています。
フルフレックス、リモートワークで働き方に柔軟性を
編集部
a-worksさんでは、フルフレックス、リモートワーク制を導入しているとお聞きしました。具体的には、どのように運用しているのでしょうか?
山口さん
まずフレックスですが、月の所定労働時間を下回らなければ、あとは個人やチームでそれぞれ自由に運用してもらっています。
リモートワークについては、最低でも月に1回はチームで集まって仕事をすることを推奨しています。が、ただ、もっと出社したい人や、家では集中して仕事ができないという人もいるので、メンバーがいつ、どこで出社するかは各々に任せています。また、会社でコワーキングスペースも契約しています。
編集部
遠方に住んでいるメンバーもいらっしゃるそうですね。
山口さん
そうですね。今だと東京、名古屋、あと沖縄に住んでいるメンバーもいます。遠方のメンバーは毎月集まることが難しいので、半年に1回の社員総会には出席してもらうようにしています。忘年会や社員旅行にもできるだけ来てもらうようにはしていますね。
また、業務委託契約を結んで仕事をしてもらっている個人事業主の方もいます。できるだけ個人の意思を尊重し、働き方は自由に選択できる状態にしたいと思っています。
事業の利益ごとに賞与を分配。数字にフォーカスする評価制度
編集部
リモートなど柔軟な働き方をされていると、直接顔をあわせる機会も少ないのでメンバーの評価時に工夫が必要なこともあるかと思います。a-worksさんでは、どのような人事評価制度を導入されているのでしょうか?
山口さん
実は、評価制度は半年前に大幅に変更していて、新しい制度の運用がまだ始まったばかりなんです。直近は特に、リモートワーク体制で社員がそれぞれ何をしているか見えづらいこともあって、変更後の制度では仕事の結果(数字)を評価する方針にしています。
以前の評価制度では、半年間でSからBまでの5段階評価をして、評価に応じて賞与が出るシステムにしていました。「S評価だったら◯ヶ月分支給する」といった感じです。
ただそれでは、入社したばかりの社員や若手はそれほど基本給が高くないため、売り上げに大きく貢献しても賞与に反映されにくい実態がありました。年功序列のようになってしまうことが、会社に合わないという意見もあったんです。
現在は、案件ごとの粗利を貢献度に応じて各メンバーへ割り振って、その数字を評価するようにしています。「この案件で粗利がこのぐらい出たから、メイン担当は◯%、サポートしてくれたメンバーには◯%」といったように、利益を割り振って、それが最終的な評価に繋がります。
成果に繋がる仕事をしていれば、その分見返りをもらえる仕組みですが、管理がなかなか大変という声もあり…。これまでもそうでしたが、今の制度の思想は大事にしつつ、より会社にフィットする方向へ今後もアップデートしていきたいなと考えています。
編集部
模索しながらも、透明性の高い方法を整えようとしているのですね。
山口さん
そうですね。事業ごとの売り上げは全て開示しています。案件ごとにメンバーそれぞれがどのぐらいの価値を出したかについては、関わっているメンバー全員で擦り合わせをして、決めてもらっています。
また、a-worksでは基本給に加えてリモートワーク手当が毎月3万5,000円あり、それらがベースの給料になってます。そこから評価を加味し、手掛けた事業の粗利を踏まえて、賞与で還元したり、昇給に繋げていく予定です。
編集部
社員一人一人の頑張りをより反映しやすいようにしているのですね。社員の皆さんが納得できる制度ではないかと感じます。
オンラインの交流でリアルのコミュニケーションを補完
編集部
次に、a-worksさん独自の制度について伺えればと思います。月に1回、オンライン納会という企画をしているそうですが、こちらはどのようなイベントなのでしょうか?
山口さん
社長(代表取締役の野山大彰さん)から、毎月の経営状況や重点的に取り組んでいる施策、来月の方針といった話を、全社員向けにしてもらっています。元々はリアル開催だったんですが、リモートワークになってからはZoomで実施しています。
またせっかくの機会なので、社長発表の後に約30分、Zoomのブレイクアウトルームの機能を使って、1ヶ月の振り返りをしてもらっています。
編集部
音声チャットツールも有効活用していると聞きました。
山口さん
そうですね。日頃からテキストコミュニケーションだけではなく、音声チャットツール(Slackのハドル機能)で話すことも多いです。加えて週に1回、社長とハドルでコミュニケーションをとる機会も設けていますね。
そのときは納会のライトバージョンのようなイメージで、30分ほど直近の事業や組織の話を社長から共有してもらっています。直近の施策で活躍しているメンバーや新入社員を1人、社長がゲストとして呼んで、2人で会話をすることもあります。
全員が喋ると聞きづらいので他のメンバーは基本ミュートにしていますが、Slackでスレッドを立てて、そこでコメントしたり、リアクションしたりすることで、相互にコミュニケーションを図っています。真面目な話もしますが笑いもあって、みんな積極的にコメントしてくれるので良い時間になっています。
編集部
自由闊達な意見が行き交う発表会のようで、面白そうな試みですね。
山口さん
2020年4月にリモートワークに移行してからしばらく経ち、コミュニケーションが足りていないという思いが社長にもあったようです。 それをきっかけにスタートしましたが、好評なので今も続いています。
会社の方針や目標について根を詰めて語り合うチーム合宿
編集部
a-worksさんでは、社員さんが集まるチーム合宿も実施しているとのことですが、どのような内容になっているのでしょうか?
山口さん
内容は様々ですが、例えばレンタルスペースにこもり、チームや個人の目標を、全員でディスカッションしながら決めたりしています。泊まりで行うこともありますが、平日に日帰りで朝から夕方ぐらいまでやるパターンが多いですね。
最近だと、社長および会社の経営層に近い「リーダー」というポジションにいるメンバーたちとでキャンプ場に行く「リーダー合宿」を開催しました。午後の1時から6時ぐらいまで、かなりみっちりと会社の方針や目標についてみんなで擦り合わせをしたり、共有したりしました。
夜はバーベキューをしながら仕事の話をしたり、お互いの関係性を深めるコミュニケーションをとったりしました。翌日も朝7時ぐらいに起きて議論してから帰る、といった行程でしたね。
編集部
それだけコミュニケーションの時間がとれれば、より深い話ができそうですね。
山口さん
その合宿には、リーダー以外のメンバーも参加していたのがよかったです。納会や総会等で会社の方針や注力するプロジェクトについての話があっても、その意図や背景といったところまでは現場のメンバーに伝わりきらないこともあると思うんです。
「なぜ今これをやる必要があるのか?」「なぜAではなくBなのか?」といった深い部分を共有したり、擦り合わせすることができたのはとてもよかったと思います。
「社員旅行+研修」の実施も。学ぶ姿勢を常に忘れない
編集部
a-worksさんでは、合宿とは別に社員旅行にも行っていると伺いました。
山口さん
もうすぐ鹿児島県南九州市の知覧町という場所に行きます。社長の勧めで、特攻隊員の方々の遺書や戦闘機が展示されている知覧特攻平和会館を見学する予定です。
編集部
旅行を楽しむだけでなく、学びも取り入れたスケジュールにしているのですね。
山口さん
そうですね、1日目は研修に近い形になると思います。2泊3日で、2日目と3日目は温泉に入ったりしてのんびりしようかなと。学びがありつつ、リフレッシュもできる旅行になったらいいなと思っています。
編集部
教養的な要素を組み込んでいるのには、どういった背景があるのでしょうか?
山口さん
旅行先はハワイや沖縄といったリゾート地もいいのですが、せっかくなら個人ではなかなか選ばないような場所で、新しい発見があったり、視野が広がる体験ができた方がいいんじゃないかと思っています。
年末年始やお盆はリフレッシュと共に自己研鑽を
編集部
a-worksさんのワークライフバランスについてお聞きしたいと思います。年末年始やお盆は10連休ほどのお休みにすることが多いそうですが、そのような大型連休を設けているのは何故ですか?
山口さん
リフレッシュはもちろんのこと、10日間連続した休みがあれば、自分のやりたい勉強や仕事の振り返り、価値観の見直しなどができるんじゃないかと思っていて。会社としては、土日の休みだけではなかなかできないことに取り組んでほしいという思いがあります。
編集部
リフレッシュも自己研鑽も含めて、社員の方に充実して働いてほしいという思いやりが感じられます。時短勤務や産休を利用している方もいるそうですが、全体のうちどのぐらいの割合が使っているのでしょうか?
山口さん
今は社員32名のうち、時短で働いているメンバーが6人、産休中のメンバーが4人います(2023年6月時点)。今のところ権利があるメンバーは全員が産休を取得し、全員が復帰してくれています。
男性の育休取得実績もあります。関わっているプロジェクトのメンバーの合意があり、業務の調整ができていれば、取得に支障はありません。毎日午後6時になったらお子さんのお迎えで中抜けしたりする人もいます。子育ての都合で夜遅くに働くことが難しいため、朝早めに出勤する人もいますね。
編集部
かなり柔軟に働けるのですね。社員さんが出産などを経ても会社に残り続けてくれている理由として、何か思い当たることはありますか?
山口さん
働く時間の融通の利きやすさは、おそらくは関係していると思います。小さいお子さんが急に体調を崩した時に迎えに行くなどの柔軟な対応もできますから。同時に、時短勤務といった制約がある中でも、責任を持って仕事を頑張りたい、成長したいという意欲を持った社員が多いとも感じています。
自由な働き方は社員の可能性を広げ、人生を充実させる
編集部
a-worksさんが、さきほどおっしゃったような柔軟な働き方を採用している理由について教えていただけますか?
山口さん
a-worksには「関わる人の人生の意義を高める」という経営目的がありますが、それは取引先はもちろん、社内向きの意味合いも込めています。
クライアントに価値を提供することはもちろん、社員に対しても弊社で働くことで、自分のやりたいことや成し遂げたいことを実現してほしいという思いがあります。今後はより子育てや介護をしながら働く人も増えてくるでしょうし、自己実現という文脈でもできるだけフレキシブルに働けた方がよいですよね。さっきお話しした社員旅行や長期休暇なども、全てこの経営目的に紐づいています。
会社としては、方針や文化にマッチしている方にできるだけ長く働いてもらい、キャリアアップやスキルアップを目指してほしいと考えています。だからこそ、高い自己管理能力や仕事で高いアウトプットがある前提にはなりますが、働き方はできるだけ各自に任せたいと思っています。
編集部
能力のある方のキャリアを無駄にしたくないという思いが根底にあるのですね。
大局観を持つ社員が集う。OJTを軸に成長を促す
編集部
a-worksさんにはどのような方が入社されているのですか?
山口さん
a-worksは、目先の売上や利益ではなく、クライアントにとって本当に価値のある支援をすることを重視しています。そういった考え方、スタンスに共感して応募してくれる方が多いと感じます。
社長もブログに書いているのですが、表面的なKPIや新規案件獲得数などは、無理やり達成しようと思えばいくらでもできます。ですが、結局長続きしなかったり、消費者がリピートしてくれずに広告費がかさんで赤字になってしまうことがあります。それではクライアントのためにはなりません。
編集部
クライアントの将来をきっちりと考えられる方が集まっているのですね。入社後の社員教育については、どのように取り組んでいるのでしょうか?
山口さん
オンボーディングの仕組みがあって、まずは広告、マーケティングとは何かといったところから勉強してもらいます。
あとは基本的にOJTです。先輩の業務を少しずつ巻き取っていきながら、仕事を覚えていってもらうパターンが多いですね。
未経験でもOK。求めるのは熱意や高い目標を持つ人材
編集部
a-worksさんの中途入社の社員の中には、広告運営の仕事について未経験だった方もいるのでしょうか?
山口さん
基本的には全員が未経験です。前職では全く違う仕事をしていた人ばかりなので、広告の仕組みやマーケティングの考え方など、最初は覚えることも多く、かなり勉強してもらわないといけません。自力で仕事ができるようになるまでには、人にもよりますが、半年から1年ぐらいはかかります。
一方で、新卒2年目のメンバーをチームリーダーに抜擢するなど、力があると思ったらどんどん責任のある立場を任せます。自分の頑張り次第で新しいことにも果敢に挑戦できるし、社歴はあまり関係なく、結果を残せば昇給や昇格もしやすい環境だとは思います。
編集部
実力主義で、社員の方が挑戦しやすい風土になっているのですね。最後に、a-worksさんに興味を持った読者に向けて何かメッセージはありますか?
山口さん
正直に言うと、a-worksはすべての人が満足できるような会社ではないと思っています。自由度が高く、挑戦のしやすい環境ではありますが、その分仕事にとても高い基準が求められます。
自由な働き方も結果を出すことを前提としているので、「こんなにきついとは思っていなかった」という話を耳にすることもあります。
あとは、評価制度の話もそうですが、「常に不完全な会社」だと思っています。フレックス、リモートワーク制度も含め、運用し始めてから課題がたくさん出てきて、「アジャストして、経過を見て…」の繰り返しで。ベンチャーならではかもしれませんが、そんな不完全さや、変化の多い環境を楽しんでいただける人なら、よりありがたいです!
この会社にマッチする方はそれほど多くはないかもしれません。ただ、自分の理想の在り方へ向けて成長したいという方や、将来の目標を強く持っている方にとっては、相性のいい会社ではないかと思います。広告やマーケティングに興味があるかというのももちろん大事ですが、強い熱意を持っていて、自分で行動できる方と一緒に働きたいと思っています。
興味をもってくださった方がいれば、弊社社長がa-worksの考え方について紹介した動画をぜひご覧ください!
■代表取締役の野山大彰さんのビジョンムービーはこちらから!
Vision Movie by a-works inc.(20230215)
https://www.youtube.com/watch?v=OorsMhl-ALo
編集部
逆境を乗り越える力と仕事への意欲がある方にとって、a-worksさんは大きな成長が遂げられる環境だということが伝わってきました。本日はありがとうございました。
■取材協力
a-works株式会社:https://www.a-works.asia/
採用ページ:https://www.a-works.asia/recruit