“生活習慣の見える化”で健康を支える株式会社ヘルスケアシステムズの女性活躍の秘訣

働きやすさや女性活躍を促進する制度・仕組みづくりを進める企業にインタビューを行うこの企画。今回は人の食生活や生活習慣の「見える化」を行う郵送検査サービスを提供する、株式会社ヘルスケアシステムズにお話を伺いました。

株式会社ヘルスケアシステムズとは

ヘルスケアシステムズオフィス内観

株式会社ヘルスケアシステムズは、名古屋大学発のバイオ系スタートアップです。郵送検査サービスと臨床研究サービスを通じて、人々の健康をサポートする事業活動を行っています。

世の中には健康に関する情報が溢れていますが、その中から一人ひとりが自身に合う健康づくりの方法を選び、さらにそれを継続するのは簡単なことではありません。なぜなら、自分にとってどのような生活習慣が望ましいのか、そのためにどのような行動をすれば良いのかが多くの人にとって明確ではないからです。

そこで株式会社ヘルスケアシステムズが提供しているのが、検査を通じて人々の体の中を可視化できるサービス。病気にならないための食生活、生活習慣の見直しをするための「ものさし」をつくることで、個人に合った健康づくりの推進をサポートしています。

サービスの背景にあるのは、大学で積み上げてきた食品に関する研究データや検査技術です。さらに大学や医療機関等とも連携しながら、新しいチャレンジを続けています。

会社名株式会社ヘルスケアシステムズ
住所本社:愛知県名古屋市昭和区白金一丁目14番18号
東京支社:東京都港区新橋五丁目27番1号パークプレイス5階
九州ラボ:福岡県久留米市百年公園1-1福岡バイオインキュベ―ションセンター203号
事業内容・郵送検査事業
・バイオマーカー、検体検査技術の研究開発・受託分析
・機能性食品の臨床研究・研究開発
・機能性表示食品の取得サポート
設立2009年3月31日
公式ページhttps://hc-sys.com/
働き方フレックスタイム制、リモートワーク・在宅勤務のハイブリッド

今回は、株式会社ヘルスケアシステムズが行う検査事業の目的や特徴、そして女性が7割を占めるという職場における働きやすさへの取り組み、意欲がある人に活躍の場を与えるという社内カルチャーなどについてお話を聞かせていただきました。

本日お話を伺った方
株式会社ヘルスケアシステムズ商品企画部広報の高実子実奈子様

株式会社ヘルスケアシステムズ
商品企画部広報

高実子 実奈子さん

株式会社ヘルスケアシステムズ総務部布施香織様

株式会社ヘルスケアシステムズ
総務部

布施 香織さん

生活習慣をテーマに「個人の身体の状態の見える化」を行う

ヘルスケアシステムズが掲げるミッション
▲ヘルスケアシステムズさんが掲げる「生活習慣のミスマッチをゼロにする」というミッション(公式サイトから引用)

編集部

最初に、ヘルスケアシステムズさんの事業内容を教えてください。

高実子さん

ヘルスケアシステムズは「生活習慣のミスマッチをゼロにする」をミッションに掲げヘルスケア事業を展開する、名古屋大学発のスタートアップです。名古屋市と東京都に拠点を置き、郵送検査、臨床研究の2軸で事業展開をしています。

郵送検査事業では、一般の方の食生活や生活習慣を見える化するための独自の検査キットの開発を、自社だけでなく大学や医療機関、企業とも連携しながら進めています。

また臨床研究事業では、企業や研究機関から委託を受け、食品や化粧品の有効性や安全性の臨床試験などを行っています。

編集部

ヘルスケアシステムズさんのミッションの言葉にある「生活習慣のミスマッチ」とは、具体的にはどのようなことなのでしょうか。

高実子さん

まずヘルスケアシステムズの検査サービスの大きな特徴として、いわゆる病気の診断ではなく「未病」と呼ばれる生活習慣をテーマにしていることがあります。

世間一般的に、病気になると検査を受けて適切な治療を受けると思います。しかし病気になっていない段階ではどうでしょうか。健康診断で病気が見つからなければ「良かった」となり、健康づくりのための具体的な行動を起こさない人も少なくありません。

また、さまざまなメディアで健康に関する情報を見聞きし、最初は取り入れて頑張ってみるものの、なかなか長続きしない方も多いと思います。

これがどうしてかと言うと、健康づくりによる変化が目に見える形で現れないからなんです。自分の健康に必要なものを選ぶにあたって、その根拠を直感・体感だけではうまくマッチングさせることができません。

そこで我々は大学で培った研究技術をもとに、人の体内を可視化する「ものさし」を開発しています。塩分の取りすぎ、タンパク質の不足、腸内環境の良し悪しなど、個人の身体の状態をはかる「ものさし」です。

ものさしを提示することで、個人が自身の健康にとって必要な行動を取れるようになります。これがミッションで掲げている「生活習慣のミスマッチをゼロにする」ということです。

編集部

確かに「何となく良さそう」で健康づくりをしてみても、自分の体に合っていなければ意味がないですよね。根拠ある健康づくりをする上で、自分の体を見える化するのはとても画期的だと感じました。

痛みが伴わないため、子どもも含めて気軽に検査が可能

ヘルスケアシステムズの事業イメージ

編集部

ヘルスケアシステムズさんの郵送検査サービスはどのように行うものなのでしょうか?

高実子さん

自宅で尿や便、唾液を採取して送っていただいております。

一般的に検査というと採血などで行われるため、痛いとか、怖いといったイメージがあるかもしれませんが、ヘルスケアシステムズの場合は痛みが伴わない検査方法で行います。それこそお子様でも気軽に検査を受けていただけるのがメリットですね。

編集部

確かに「検査」と聞くと少し身構えてしまう部分がありますが、自宅で簡単に採取して郵送という形でできるのは本当にありがたいサービスだと思います。

フレックス・ハイブリッドを組み合わせ、個人に合わせた働き方が可能に

ヘルスケアシステムズのオフィス内観

編集部

では、ここからはヘルスケアシステムズさんのワーク・ライフ・バランスの取り組みについて伺います。ヘルスケアシステムズさんでは、どのような働き方を取り入れていらっしゃいますか?

高実子さん

前提として、「従業員が求める働きやすさ」「企業側が求める生産性・成果」の双方が叶う環境が理想だと考えています。会社も15期を迎え、従業員の人数も70名規模になってきました。結婚や出産、家族の転勤、介護などさまざまな事情を持つ社員がプライベートと仕事を両立でき、なおかつ活躍できる環境を目指し、仕組みや制度を整えていっています。

具体的な働き方で言うと、フレックス制で、なおかつリモートワークと出勤のハイブリッド勤務が可能です。ただし我々は検査の会社でもあるため、リアルのコミュニケーションが必要な局面も多くあります。生産性を重視し、必要であればフレックス制度を活用して出勤してもらっている状況です。

編集部

実際にこの制度をうまく活用しながら働かれている社員の方はいらっしゃいますか?

高実子さん

まさにここに同席している布施がそうなので、布施からお話しさせていただければと思います。

布施さん

はい。私は現在、小学校2年生の子どもを育てながらヘルスケアシステムズで働いています。

ヘルスケアシステムズへの入社当初は、子どもが保育園に通う年齢でした。保育園は最大夜8時まで延長保育があるので、子どもを見てもらえる環境があり、通常の勤務時間でもお迎えに行くことができました。しかし小学校に上がったことで、自宅近くの児童館は夜7時までにお迎えに行かなければならなくなってしまいました。

1時間早く迎えにいかなければ、ということで時短勤務も考えました。しかし上長に相談をしたところ、フレックス制度を活用して就業時間を30分前倒しすることを提案してもらったんです。

フレックス制度を使うことで、フルタイムで働きながら子どものお迎えも行けるようになりました。帰ってからの子どもとの時間もたっぷりと取ることができています。

編集部

布施さんのように、お子さんの年齢の変化によっても状況は変わっていきますよね。社員の方の事情や希望に合わせて柔軟な働き方ができるのは、働き続ける上でも大変安心材料になるなと感じました。

自身のライフイベントを大切にできる「ファミリーサポート休暇」

ヘルスケアシステムズのオフィス内観

編集部

その他に、ヘルスケアシステムズさんの働きやすさを支える制度はありますか?

高実子さん

ヘルスケアシステムズ独自の制度として、「ファミリーサポート休暇」という、有給休暇とは別で年に5日取得できる休暇があります。

子どもの誕生日や運動会、参観日といった子どものイベントにも活用できますし、奥様との結婚記念日デートに使用されたメンバーもいました。

もちろん結婚していないメンバーが自分のリフレッシュのために使うこともできます。また不妊治療のために使用することも可能です。「ファミリーサポート」と言いつつ、理由は基本的に何でもいいんです。

編集部

社内ではどのくらいの取得率なのでしょうか。

布施さん

ほぼ8割の社員が取得しています。法律で決まっている年5日の有給取得をきちんと取った上で、この休暇制度も活用してもらっていますね。

編集部

すごく高い数字ですね!社員の方が、個人の生活を大切にしながら働くことができる環境があるのが良く分かります。

約7割が女性。子育てしながら働く社員への理解がある環境

編集部

布施さんのお話の中で、上長に働き方を相談されたというエピソードがありましたが、ヘルスケアシステムズさんには働き方についての相談を気軽にできる雰囲気があるのでしょうか?

高実子さん

そうですね、すごく相談しやすい雰囲気があると思います。

ヘルスケアシステムズは約7割が女性で、その中でも子どもがいる女性が約6割と、半数以上に達しています。弊社の代表も取締役も家庭を持って働いており、会社全体に子どもを育てながら働くことの大変さへの理解は浸透していると思います。

子どもを育てながら働く中で、どうしても時短勤務が必要だったり、急な休みを取らなくてはならない場面も多くあります。でもそれを許されなかったり、嫌な顔をされたりということは一切ないですね。

育休復帰後も活躍できる!意欲のある人に機会を与えるカルチャー

ヘルスケアシステムズの検査研究ラボの様子
▲ヘルスケアシステムズさんの検査研究ラボの様子

編集部

ヘルスケアシステムズさんでは女性社員の方が約7割とのことですが、管理職などの役職についても、性別や働き方問わず登用されているのでしょうか。

高実子さん

はい。女性社員は時短勤務をしているメンバーも多くなっていますが、時短勤務であってもフルタイムであっても、意欲があれば誰にでもより多くの機会(チャンス)を提供するというのがヘルスケアシステムズの考え方です。

ただし、もちろんこれまでにも女性の管理職はいましたが、産休・育休からの復帰後も継続して管理職に就いてもらうという点については課題として挙がっており、我々も試行錯誤しているところです。産休・育休明けでもマネジメント職で活躍し続けてもらえるようなフォロー体制は今後も強化していきたいですね。

編集部

産休・育休明けで活躍を続けている女性社員の方もいらっしゃいますか?

高実子さん

名古屋で研究員として働いている女性社員で、復帰後もプロジェクトに関わってバリバリ働いているメンバーがいます。現在は時短勤務をしていますが、ゆくゆくはフルタイムに戻していきたいという希望も聞いていますよ。

不安は1on1で解消。密なコミュニケーションが働きやすさを生む

ヘルスケアシステムズの打ち合わせ風景
▲密なコミュニケーションが相談のしやすさ、働きやすさを生む

編集部

意欲がある人に機会を与えるというお話がありましたが、ヘルスケアシステムズさんではどのような評価体制を取っていらっしゃいますか?

高実子さん

ヘルスケアシステムズでは、全社と各部署で策定している指針に則って「貢献度」と「仕事に取り組む姿勢」に重点を置いて評価を行っています。

個人個人の意欲を図る場としては、上長とのミーティングがあります。1か月に1回以上、1on1の時間を必ず設け、密にコミュニケーションを取っています。

編集部

ミーティングの場では、先ほどお話しされたような働き方についての相談などもできるのでしょうか。

高実子さん

はい、ミーティングの場では仕事のことだけでなくプライベートのことも含めて悩み事、困り事を相談することができます。もちろん在宅勤務の場合でもオンラインで実施することが可能です。

反対に、部下が上長のミーティングの評価を行うということもやっているんですよ。ミーティングでのすっきり度合いはどうだったか、悩みは解決したのかといったところをフィードバックしています。そういうところでも、相談しやすい雰囲気をつくっているのではないかなと考えています。

編集部

部下によるミーティング評価というのは斬新ですが、それがあることでよりミーティングの質が上がっていくと思います。一人ひとりと密なコミュニケーションを取りながら、活躍の機会を与えたり、働きやすさを整えたりしているんですね。

「食」「健康」を切り口にした社内コミュニケーションがさかん

編集部

ヘルスケアシステムズさんには20代から60代まで幅広い年代の方がいらっしゃいますが、会社全体ではどのような雰囲気がありますか?

高実子さん

やはり我々はヘルスケア事業を展開しているため、食に関する関心が高いメンバーが多いです。管理栄養士の資格を持っているメンバーもとても多いんですよ。東京支社は移転してリフレッシュルームができたのですが、そこで皆で一緒にご飯を食べながら「こういう食べものを食べている」という話をしています。

また部活応援制度もあり、いくつかの部が活動しています。社内外の人たちを集めたフットサル部もありますし、コーヒーを飲んで健康になろうというコーヒー部なんかもあります。

編集部

部活動も健康に関するものが多いのでしょうか?

高実子さん

そうですね。あとは女性が多い職場ということもあるので、私が立ち上げた女性ホルモンに関する部活も実施しています。ヘルスケアシステムズでは対外的にも「女性ホルモンとの付き合い方」に関して発信をしているのですが、一方で社内を見てみると、自分たちのことはどうなのか?という面があったんですね。

自分たちでも女性ホルモンの知識を持ち寄り、自分たちらしいホルモンのケアをしていかないといけないよね、ということで、女性ホルモンに関する部活、通称「ホル活部」を立ち上げました。

ホル活部にはさまざまな年代の女性がいますが、20代の女性社員からもいろいろな情報共有があります。名古屋と東京とで、年代に関わらずコミュニケーションを取りながらホル活部の活動をしていますね。

熱意を持って新しい価値をつくっていきたい人を歓迎

ヘルスケアシステムズの高実子様、布施様

編集部

最後に、ヘルスケアシステムズさんが採用にあたって求める人物像を教えてください。

高実子さん

ヘルスケアシステムズは病気の診断ではなく、生活習慣にメインを置いた郵送検査サービスという、世の中にまだない価値を提供している会社です。

だからこそ、何もないところから自らの考え、価値を提供していきたいと考える人にとてもフィットする環境だと考えます。まったくないところから開拓をしていきたい、そんな熱意を持った人をヘルスケアシステムズは歓迎します。

編集部

病気の診断ではなく、生活習慣という「予防」の段階に焦点を当て、健康に関する先進的な取り組みを進められているヘルスケアシステムズさん。非常にやりがいのある仕事に従事でき、さらにさまざまなライフスタイルを尊重されながら活躍できる環境があるなと感じました。貴重なお話をお聞かせいただきありがとうございました!

■取材協力
株式会社ヘルスケアシステムズ:https://hc-sys.com/
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