注目企業の躍進の秘密と働き方を探る本企画。今回は「はたらく人」の悩みを解決し、いきいきと働ける職場づくりをサポートするEAP(従業員支援プログラム)を提供するピースマインド株式会社を取材しました。
はたらく人の心の健康を守るピースマインド株式会社
1998年創業のピースマインド株式会社は、日本におけるメンタルヘルスサービスのパイオニア的存在です。EAPやストレスチェック、休職・復職支援などの専門サービスを提供して25年、サポート企業は約1,400社にのぼり、外資系企業のサポートに関しては国内トップシェアを誇ります。
会社名 | ピースマインド株式会社 |
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住所 | 東京都中央区銀座3-10-6 マルイト銀座第3ビル8F |
事業内容 | ・EAP(従業員支援プログラム)サービス ・ストレスチェックの実施、組織分析、組織コンサルティング ・生産性向上、人材育成、組織活性化のための研修・トレーニング ・心理学・行動科学をベースとした組織マネジメントのアドバイサリー |
設立 | 2004年3月(創業1998年9月) |
公式ページ | https://www.peacemind.co.jp |
働き方 | 出社勤務・在宅勤務のハイブリッド型(原則リモートワーク) |
今回は、そんなピースマインド株式会社エンプロイーサクセス部の小薬理絵さんと小島真理さんにお話を伺いました。原則リモートワークという環境下でのコミュニケーション施策や、力を入れているエンジニア採用についてお話いただきました。
「はたらくをよくする®」をビジョンに掲げ約1,400社をサポート
▲ピースマインドが目指すエコシステム。EAPやストレスチェックなどの事業を展開し、労働環境の改善に取り組む
編集部
まずは、ピースマインドさんの事業内容をご紹介いただけますか?
小薬さん
弊社は「『はたらくをよくする®エコシステム』を創り いきいきとした人と職場を増やす」をビジョンに掲げ、EAP(従業員支援)サービスを展開している会社です。1998年創業でこの領域ではパイオニア的存在だと自負しています。契約している企業は約1,400社にのぼり、とくに外資系企業の支援実績は国内トップシェアを誇っています。
編集部
EAPサービスについて、もう少し詳しく解説をお願いします。
小薬さん
EAPは「Employee Assistance Program」の略で、職場のパフォーマンス向上を目指し、心理学や行動科学の観点からはたらく人と組織の課題解決を計るプログラムです。
具体的にはカウンセリングで従業員の方のお悩みを解決したり、人事や管理職の方にマネジメントなどのコンサルティングをしたりしています。
30名以上の有資格カウンセラーが、はたらく人の悩みを解決
▲ピースマインドには経験豊富なカウンセラーが多数在籍している
編集部
ピースマインドさんの社員や事業の特徴について教えてください。
小薬さん
弊社には、臨床心理士や公認心理師など、資格を持ったカウンセラーが30人以上在籍しております。こうした社内のカウンセリング担当メンバーや、パートナー契約を結んでいる全国及び海外の数多くのカウンセラーが、ご相談の申し込みがあった方々と電話や対面、オンライン、テキストなどでやりとりをします。
また、はたらく人の仕事のパフォーマンスが上がらない背景には、ご家庭に問題を抱えているケースが少なくありません。なので、職場の人間関係の悩みはもちろん、家庭の困りごとまで、さまざまな相談をお受けしています。
ご本人と一緒に問題を整理しながら解決策をアドバイスするほか、場合によっては職場環境の調整を会社側に助言したり、専門の医療機関をご紹介したりすることもあります。
編集部
メンタルヘルスケアについて課題を抱える企業は多いですから、ピースマインドさんのサービスが果たす役割は大きいですね。
小薬さん
EAP以外にもストレスチェックの実施や職場の改善、組織づくりやストレスマネジメントなどの研修、休職・復職者支援といった専門サービスも提供しています。
こうしたサービスによって、ビジョンにある「はたらくをよくする®」を実現していきたいと考えています。
エンジニアに魅力的な、豊富なデータや専門家に囲まれた職場
▲ピースマインドプロダクト開発部 部長の宍倉功一さん。エンジニアとして創業時のプロダクト構築を手掛けた
編集部
ピースマインドさんではエンジニアの採用を積極的に進められているそうですが、エンジニアのみなさんはどのような業務を担当するのでしょうか?
小薬さん
弊社が提供する企業向けメンタルヘルスのプラットフォーム「Working Better Cloud」の開発・運用を担います。
「Working Better Cloud」とは、コンサルタントへの相談機能やストレスチェックの受検システム、人事担当者向けの管理機能などを備えた、社員の心の健康を一括管理できる法人向けプラットフォームです。
コロナ禍により広まったリモートワーク・ハイブリットワークといった働き方の変化は、メンタルヘルスに大きな影響を与えています。この変化に応じた迅速なプラットフォームの開発・改善が必要で現在、開発チームの強化を進めているのです。
編集部
社会的な意義の大きな業務ですね。その分、やりがいにも繋がりそうです。その他にも、ピースマインドさんでエンジニアとして働くやりがいや面白さがあれば教えてください。
小薬さん
一番は他社から請け負ったものではなく、自社のプロダクトを開発できるという点ではないでしょうか。指示に従って作業をするのではなく、プロダクトの価値を考えながら開発や品質の向上に自らかかわっていくことができます。
また、経験豊富な弊社のプロダクト開発部 部長の宍倉功一のもとでキャリアを積めるのは大きな魅力だと思います。
プロダクト開発部 部長の宍倉は、ピースマインド創業時のオンラインカウンセリングシステムの構築に、受注会社のメンバーとしてかかわったエンジニアです。その後、SI企業やウェブアプリケーションの受託開発会社、ベトナムのオフショア開発拠点、自社プロダクトの開発会社などさまざまな経験を経て、ピースマインドにジョインしました。
宍倉自身は、メンタルヘルスの専門家に囲まれプロダクト開発のヒントが溢れていることや、創業から25年以上培ってきたデータを活用できることなどにも魅力を感じていると話しています。
編集部
専門家や豊富なデータの存在は、エンジニアの技術やアイデアのブラッシュアップにも繋がりそうですね。
開発の環境や体制についても教えてください。
小薬さん
JavaとSpringを用いてWebアプリケーションを構築しており、AWSやHerokuのプラットフォームを用いてサービスを運用しています。また、Salesforceや認証基盤との連携もあります。
小島さん
プロダクト開発チームには、プロダクトマネジャー、デザイナー、エンジニア、QAのメンバーが在籍し、スクラムプロセスを採用して開発を進めています。2週間のスプリントにてデイリースクラム(朝ミーティング)を実施しており、プロダクトバックログはJiraで管理しています。
プロダクト開発部 部長とは週1で1on1。エンジニアとしてのキャリア構築をサポート
▲ピースマインドプロダクト開発部 部長の宍倉功一さん(写真左)と、開発メンバーとの距離は近い
編集部
チーム開発を円滑に進めるために工夫されていることはありますか?
小島さん
エンジニア部門では入社時に「自分はどういうタイプの人間か」をフォーマットに記入します。自分にとって理解しやすい指示の方法や、苦手な仕事の進め方などを記した、いわば自身の“取扱説明書”をあらかじめ作成して部内で公開しているんです。
編集部
とても合理的ですし、その人の個性を尊重しながら成長を後押しできそうですね。その他、開発部門で行っているコミュニケーション施策はありますか?
小薬さん
毎朝のミーティングで開発状況や課題を共有するほかは週1回、プロダクト開発部 部長の宍倉と1on1を行っています。宍倉と気軽に深い話ができるような関係や環境が作られていて、仕事上の課題に対してのアドバイスや、エンジニアとしてのキャリア相談も日常的に行っているようです。
編集部
プロダクト開発部 部長の宍倉さんとの距離が近ければ、職場の雰囲気も良くなりそうですね。
小薬さん
宍倉自身、ざっくばらんなコミュニケーションが好きなので、開発メンバーとはいろいろなことを話し合っているそうです。宍倉とエンジニアとの間には深い信頼関係が築かれているのだと思います。
リモートワークが基本。出社はチーム内で調整し自律的に判断
編集部
ピースマインドさんの勤務形態について教えてください。
小薬さん
リモート中心のハイブリットワークです。出社日は特に決まっておらず、必要に応じて個々が自律的に判断し、オフィスへ出社しています。
編集部
出社の頻度はおおむねどの程度でしょうか?
小薬さん
一概には言えません。部署によって業務が異なるため、出社頻度に差があります。たとえば、バックオフィス部門であれば、オフィス管理や郵送物の対応のため交代で週1日出社しています。営業メンバーであれば、お客様を訪問する前後でオフィスに寄ることもあります。
また、カウンセリングや顧客・取引先の来客、対面でのサービスが必要なケースなど、その都度個々で判断して出社しています。
編集部
エンジニアの方はいかがでしょうか?
小薬さん
エンジニアは、基本的に在宅で仕事が完結できることが多いです。エンジニアのメンバーからは「通勤時間のロスがなく仕事に集中できる」と好評ですね。
毎朝のオンラインミーティングで意思疎通を円滑に
▲ピースマインドでは業務内外のコミュニケーションにSlackを活用している
編集部
テレワークの実施において、ピースマインドさんで気を配っていることは何かありますか?
小薬さん
メンバーの交流を促す取り組みには力を入れています。ピースマインドでは、在宅勤務の導入後に入社した社員が既に半数ほどに上り、机を並べて仕事をしたことがない人も多いからです。
そのため、月1回の全社でのオンラインミーティングをはじめ、さまざまな交流の場を設けています。
部署ごとに定期で行っているのは「朝チェキ」や「週次定例ミーティング」です。「朝チェキ」とは、毎朝10〜15分ほど、チームのメンバーが一堂に会するミーティングのことで、その日の業務を確認したり、困りごとの報告や相談をしたりします。各部署で自然発生的に生まれたのですが、すっかり定着しました。
また、オンラインだと意思疎通が十分でないというときは、出社して会議をすることもあります。
編集部
ピースマインドさんではテレワーク中のコミュニケーションは何のツールを使っているのでしょうか?
小薬さん
Slackですね。社内コミュニケーションは、ほぼすべてSlackで完結しています。部門ごとのオフィシャルなチャンネルでは、数分に1回投稿が飛ぶほど活発なやり取りが行われています。Slackがないと仕事が進まないと言ってもいいほどです。
また、アンオフィシャルのチャンネルもあって、こちらでは自分の趣味の話を披露したり、写真を投稿したりして盛り上がっています。
編集部
アンオフィシャルのチャンネルは、メンバー同士が仲を深めるきっかけとなりそうですね。
有志メンバーが社員の交流と成長を促すイベントを企画
編集部
ほかにも、社内交流を促進するような取り組みはありますか?
小薬さん
実は弊社には、社内コミュニケーションの活性化を図る、社内有志による「People and Culture」というチームがあります。私たちが所属するエンプロイーサクセス部が旗振り役になり結成しましたが、活動に興味のある社員が自ら手を挙げて集まってくれました。このチームが中心となって、社内の交流を活性化させるアイデア出しをしています。
編集部
具体的には、どのような活動をされているのでしょうか?
小薬さん
社内報『はたらぼ』発行を活性化したり、社員の共通項を見つけてランチ会を企画したり、活動は多岐に渡ります。2022年には、オンラインによる社内学習「わべ学」も実施しました。
わべ学とは「Working Better 大学」の略称です。ピースマインドが大切にしている価値観「Working Better Together」にちなみ、「よりよくはたらくことを学ぶ場」という意味を込めて名づけました。
わべ学の一環として行ったのが「リフレクションセミナー」です。ランチタイムに、社長や部門長にインタビューし、仕事への思いや大切にしている価値観などを語ってもらったんです。それを録画し、新たに入社するメンバーに見てもらっています。
▲「わべ学」の一環として行われた「リフレクションセミナー」の様子
小薬さん
また、「People and Culture」の企画としては「わべ活」といった取り組みもあります。これは、「Working Better活動」の略でオンラインでの部活動のことです。
部門を横断してメンバーが集まったグループであることや、全社に向けて活動報告を行うことなどをルールに、活動費用は福利厚生活動として会社がサポートしているんです。取り組みを告知してすぐに「筋肉部」や「華道部」、「マインドフルネス瞑想部」が結成されました。各部のSlack上での活動報告も続けられています。
編集部
ピースマインドさんの社員の方々は、社外での交流も活発なのですね。コミュニケーションの面で、仕事にも好影響をもたらしそうです。
インターンではメンタルヘルス業界の実情、重要性を感じられる
編集部
ピースマインドさんでは、インターン生の受け入れを積極的に行っているそうですね。
小薬さん
2018年頃、関係者からの紹介で弊社に興味を持ってくれた学生さんを受け入れたのがきっかけです。学生さんはメンタルヘルス領域でのサービスについて具体的に学ぶことができますし、若い方からの刺激は弊社組織の活性化につながります。お互いに得るものがあり、そこから5年続いています。
編集部
インターン生はどのような業務を担当するのですか?
小薬さん
インターン生には、主に記事作成や世の中の動向のリサーチをお願いしています。その際、例えばデザインが得意な人だったら資料や広告デザインの仕事を任せるなど、強みを生かした配置をしています。裁量も与え、自分でプロジェクトを回してもらっているので、責任感を感じながら仕事をしてもらえると思います。
ただ、記事作成については必ず社員が監修として入ります。インターンの視点とプロの視点を掛け合わせることで、わかりやすく、かつ内容の深い記事にするためです。
編集部
インターン生が制作した記事で印象的だったものはありますか?
小薬さん
昨年度は、社内活性化のための記事を任せたところ、社内の各部門の業務をインターン目線でとてもうまくまとめてくれました。業界が長くなると、どうしても「当たり前」が増えていきます。アカデミックすぎて、専門外の人にとってわかりにくい表現があっても、それに気づけなくなるんです。
でも、インターン生にとっては見ること聞くことが新鮮なのでしょう。読者に近い視点で制作してくれ、私たちにとっても新しい発見がありました。
編集部
ピースマインドさんでのインターン経験から得られることは何だとお考えですか?
小島さん
全員に共通するのは、業界の知識を得られることですね。実際にインターンをした学生さんからは、「メンタルヘルスケアの重要性が広がっていないことに課題感を抱いた」「心理職の活躍の場が、病院以外にもあるのだと気づいた」といった声をいただいています。
編集部
主体的に仕事ができると同時に、世間におけるメンタルヘルスケアの重要性も感じられるような体験となっているのですね。
求めるのは個の強みを生かし、チームに貢献できる人材
編集部
最後に採用についてお伺いします。ピースマインドさんの求める人物像をお聞かせください。
小薬さん
弊社はミッションに「はたらく人が抱える『不』を解決し 心豊かな未来を創る」を掲げております。日本ではたらく方々がよりいきいきと、そして自分がこうなりたいと思う姿に近づけるような支援を提供し、そのプラットフォームになることを目指しています。
私たちが担っている事業の重要性やミッションやビジョン、「何事にも『真摯』に取り組む」などのバリューに共感し、ミッション達成のためにご自身のスキルを生かしたいという方と一緒に働けたらうれしいです。
小島さん
現在は社内のエンジニアが社外協力会社とチームを組み開発を行っているのですが、この先、内製化をしていきたいと考えています。そのため、エンジニアの採用を強化しています。
会社もプロダクト開発部 部長の宍倉もチームワークをとても重視しています。自分の強みを最大限生かして個人として成長しつつ、チームを成長させることに貢献したいという方にぜひご応募をいただきたいと思います。
編集部
「はたらく人」の心をサポートするピースマインドさんは、日本の労働者を支えるべく働きがいを感じながら、自らの強みを伸ばしていける環境だと感じました。本日はありがとうございました。
■取材協力
ピースマインド株式会社:https://www.peacemind.co.jp
採用ページ:https://www.peacemind.co.jp/careers