柔軟に働けるauコマース&ライフ株式会社は「仕事もプライベートも100%」を目指す

新しい働き方を創造する企業の取り組みとカルチャーを探る本企画。今回は、「au PAY マーケット」などのサービスを企画・運営するauコマース&ライフ株式会社を取材しました。同社は、日々変化する消費者ニーズに応えるため、革新的な働き方や組織文化の構築に力を入れています。

総合ショッピングサイト「au PAY マーケット」を運営するauコマース&ライフ株式会社

auコマース&ライフ株式会社は、KDDIグループのコマース事業を担当しています。主な事業として、総合ショッピングサイト「au PAY マーケット」や、Pontaポイントやauかんたん決済に対応した「au PAY ふるさと納税」などの企画・運営を行っています。

2020年5月にKDDIグループ内のポイントがPontaポイントに統合されたことで、国内最大級の会員数を誇るPonta経済圏のお客様へのアプローチが可能になりました。これにより、au経済圏におけるEC事業として着実な成長を遂げています。

会社名 auコマース&ライフ株式会社
住所 東京都渋谷区渋谷2-12-19 東建インターナショナルビル10F
事業内容 総合ショッピングサイト「au PAY マーケット」の企画・運営
設立 2010年10月18日
公式ページ https://www.au-cl.co.jp/
働き方 ハイブリッド勤務(出社+リモートワーク)

今回は、auコマース&ライフ株式会社のコーポレート本部 人事総務部副部長である森島隆史さんにインタビューを行いました。ハイブリッド勤務を導入する中で実践しているコミュニケーション活性化策や、社員の柔軟な働き方を支援する制度と企業文化について詳しくお話を伺いました。

本日お話を伺った方
auコマース&ライフ株式会社 コーポレート本部 人事総務部副部長の森島隆史さん

auコマース&ライフ株式会社
コーポレート本部 人事総務部 副部長

森島隆史さん

「新しいコマース体験の追求」をビジョンに事業を展開

auコマース&ライフのビジョンを示した図
▲auコマース&ライフ株式会社では、「新しいコマース体験の追求」をビジョンに掲げている(公式サイトから引用)

編集部

まずは、auコマース&ライフさんの事業内容についてご紹介いただいてもよろしいでしょうか?

森島さん

弊社はKDDIグループの中でコマース事業を展開する企業です。「暮らしのカタチをつくる」をミッションに掲げ、総合ショッピングサイト「au PAY マーケット」と「au PAY ふるさと納税」、au PAY マーケット内の「au PAY マーケット ダイレクトストア」、これら3つの企画・運営を行っています。

auコマース&ライフが手がける「au PAY マーケット」のイメージ画像
▲「au PAY マーケット」のイメージ

編集部

eコマース事業を展開するにあたって、auコマース&ライフさんが大切にしていることはなんですか?

森島さん

弊社のビジョンでもある「新しいコマース体験の追求」を意識しています。さまざまな領域で各社様がeコマース事業を展開している中、我々としては、お客様の暮らしを便利にし、次の時代に当たり前となる「モノ」や「コト」を提供していきたいと考えています。

お客様が日々の生活の中で喜んだり笑ったり、心が動いたりするような体験につながるサービスを提供し、いかに新しい体験や価値を生み出していけるかを常に模索しています。

「出社は月1日以上」のハイブリッド勤務

パソコンに向かって仕事中のauコマース&ライフ株式会社 コーポレート本部 人事総務部副部長の森島隆史さん

編集部

auコマース&ライフさんの働き方についてお伺いします。テレワークを導入されているとのことですが、運用ルールを教えていただけますか?

森島さん

リモートワークと出社を併用したハイブリッド勤務を実施しています。マネージャー以上は週2日以上の出社、マネージャー以外は月1日以上の出社としていて、リモートワークの比率が高くなっています。

編集部

auコマース&ライフさんがハイブリッド勤務を導入した経緯を教えてください。

森島さん

弊社がリモートワークを導入したのは、新型コロナウイルスの流行がきっかけでした。実際に取り入れてみると、リモートワークのメリットはありつつも、コミュニケーション面での課題も見えてきました。

そこで、リモートワークをベースにしながらも、対面でのコミュニケーションの機会も確保できるハイブリッド勤務を採用することにしました。

ただ、「週2日以上」「月1日以上」という運用ルールに則って出社するだけでは、「出社したのに、自分以外のチームメンバーが誰もいなかった」ということにもなりかねません。そのため、出社の意味を最大限に活かすために、出社日を話し合って決めている部署もあります。

社内コミュニケーション促進策:「社内報」ポータルサイトの活用

打ち合わせをするauコマース&ライフの女性社員

編集部

社員間のコミュニケーションを強化するために、auコマース&ライフさんが行っている施策について教えてください。

森島さん

メンバー同士がコミュニケーションをとる機会を意識的に設定しています。部署ごとに頻度や内容は異なり、毎日オンラインで朝会や夕会を行う部署もあれば、週1回定例のオンラインミーティングを行う部署もあります。

会社全体では、隔週でオンラインの全社朝礼を実施しています。この朝礼では、社員に会社の状況を伝達したり、経営陣からのメッセージを発信したりしています。また、新入社員の紹介もこの場で行っています。

リモートワークの導入により、他部署の人と顔を合わせる機会が大幅に減少したため、「社内報」をポータルサイトで閲覧できるようにしました。これにより、社員の人柄や働きぶりを知ることができます。

社内報には、各部署のマネージャーへのインタビュー記事を掲載し、マネージャーの人柄やその部署の仕事内容、メンバーを紹介しています。また、社内勉強会のイベントレポートなども掲載しています。

編集部

社内報はコミュニケーション補完以外の役割もあるのでしょうか?

森島さん

はい、社員の学びとなるコンテンツも盛り込んでいます。例えば、半期に一度開催する全社会「auCL ALL HANDS」で表彰された社員に、仕事で大切にしていることや今後の意気込みなどをインタビューし、その内容を社内報に掲載しています。これにより、優れた実績を上げた社員の経験や知見を共有し、他の社員の成長につなげています。

フリーアドレス制度による部署間コミュニケーションの活性化

auコマース&ライフのオフィス

編集部

auコマース&ライフさんがハイブリッド勤務を運用する中で、ほかにも工夫されていることはありますか?

森島さん

出社したときも仕事がしやすくなるよう、オフィス内に固定した席を設けないフリーアドレスを導入しました。これは、社員が自由に座席を選べる仕組みです。

編集部

フリーアドレスには、どんなメリットがありましたか?

森島さん

一番は所属している部署以外のメンバーとの距離が近くなったことですね。以前は、部署ごとに席が固まっていましたので、どうしても他部署との交流が生まれにくい環境でした。

しかし、フリーアドレスだとある程度、人が集まって仕事をすることになり、隣に別の部署の人がいるといった状況が生まれます。固定席だった頃には関わることのなかったメンバーとの接点が増え、社内コミュニケーションが活性化しました。

森島さん

社内には役割や機能ごとにさまざまな部署が存在し、各部署が連携してEC事業が成立するので、横断的なプロジェクトやコミュニケーションは必須と考えています。フリーアドレスは、この部署間連携を促進する点でも大きなメリットがあると考えています。

リモートワーク時代の評価制度:「ミッショングレード制」の導入

ホワイトボードを前に打ち合わせをするauコマース&ライフの社員

編集部

リモートワークの課題として、人事評価の難しさもあるかと思います。auコマース&ライフさんでは、どのような評価制度を採用されているのでしょうか?

森島さん

「ミッショングレード制(役割等級制度)」を導入しています。この制度は、個人の経験や能力の伸長を評価する従来の能力評価とは異なり、会社が期待している役割、任せている役割をどれだけ果たせたか、どれだけ超えられたかを重視します。

成果に至るプロセスについては、社内のコミュニケーションツールとして使っているSlack上でのやりとりやアクションなどからも評価ができます。そのため、リモートワークが中心の勤務形態でも適切な評価が実現できます。

編集部

リモートワーク環境下でもしっかりと評価をしてもらえることは、従業員のモチベーション向上につながりますね。

勤務時間を調整できるフレックス制度

auコマース&ライフのオフィス

編集部

続いて、ワークライフバランスについてお伺いできればと思います。auコマース&ライフさんの勤務体制はどのようになっていますか?

森島さん

弊社はコアタイムがあるフレックスタイム制を導入しています。コアタイムは、10時から16時の部署と、11時から17時の部署があります。朝や夕方の時間帯に融通がきくので、その時間を利用して保育園へお子さんの送り迎えをしている社員も少なくありません。

その時々の業務状況やコンディションによって柔軟に勤務時間を調整することができます。基本的には週の中で業務のバランスが取れていれば問題ありません。例えば、「私用があって今日は少し早く退社しますが、その分は明日取り戻します」といったように、自分で働き方をコントロールしているメンバーもいます。

編集部

子育て中の方はもちろん、そうでない方にとっても、家族や友人との時間が作りやすいといったメリットがありそうですね。

マネージャーによる社員の健康管理と働き方のサポート

編集部

そのほか、社員のワークライフバランスを整えるために、auコマース&ライフさんが意識して取り組んでいることはありますか?

森島さん

マネージャーがメンバーの勤務状況を把握し、決して無理をさせすぎないということですね。繁忙期など、どうしても頑張らなければいけない時期はありますが、それが常態化してしまうと、メンバーが体調を崩してしまうことに加え、パフォーマンスを落とすリスクも生じます。

オンライン会議などの定例の場や、週1回や隔週で行う1対1の面談を通じて、メンバーの勤怠状況やコンディションを把握するのは、マネージャーの重要な業務です。

また、過度な負荷がかからないよう気を配りつつ、どうしても負荷がかかってしまう時期には一緒に業務に取り組むなどの配慮をしています。これにより、メンバーの心身の健康を維持しながら、効率的に仕事を進められるようサポートしています。

育児休業制度と男性社員の取得状況

auコマース&ライフの会議室

編集部

auコマース&ライフさんの育休の取得率はいかがですか?

森島さん

2020年度のデータになりますが、弊社の育児休業取得率は女性が100%、男性が15.4%です。最近では、特に男性社員の産育休の取得が増えています。2022年10月に厚生労働省が始めた「産後パパ育休」制度を活用し、育休を二回に分けて取得している社員も出てきています。この制度では、子どもの生後8週間以内に4週間まで取得できる柔軟な育休が可能になりました。

編集部

会社の雰囲気として、取得しやすい環境になっているのでしょうか?

森島さん

はい、そうですね。マネージャーの多くが家庭を持ち、自身も子育てを経験しているため、育児休暇の取得申請をしにくいという雰囲気はありません。上長も男性が育児休暇を取得する意義をよく理解しています。

実際に育児休暇を取得した男性社員からは、「引き継ぎ期間中の周囲からの温かい反応がありがたかった」「お客様との仕事の進捗があっても、メンバーが臨機応変に対応してくれたので問題はなかった」といった声があります。このように、周囲の協力体制は自然と生まれているようです。

森島さん

さらに、育児休暇を取得したことで、「仕事におけるチーム力の大切さを再確認した」という声もありました。また、「真剣に育児に向き合い、自分たちが提供するサービスももっと暮らしの利便性に寄与できるものにしなくてはと改めて考えさせられた」と語るメンバーもいました。

このように、育児休暇の取得は、仕事への意欲向上にもつながっているようです。社員が育児と仕事の両面で成長できる環境を整えることが、会社全体の発展にも寄与していると感じています。

auコマース&ライフ株式会社のフラットな組織文化

auコマース&ライフの価値示した図
▲auコマース&ライフでは「共に成長、変革し続ける」を価値として掲げている(公式サイトから引用)

編集部

auコマース&ライフさんの社内の雰囲気を教えていただけますか?

森島さん

とてもフラットな組織で、役職や年齢、部署の壁を作らないという意識は多くのメンバーに浸透しています。社内はとてもオープンな雰囲気で、年次などに関係なく、意見を出して議論をするというシーンはよく見かけます。納得感のある意見を出せば形になる状況は、魅力と言えるのではないでしょうか。

編集部

積極的に発言するなど自らアクションを起こすタイプの方だと、よりやりがいが感じられそうですね。

森島さん

そうですね。弊社では、「共に成長、変革し続ける」を価値観とし、「チェンジはチャンス」「ジブンゴト化」といった行動指針を掲げています。何事にも積極的に関わり、障害や苦難を乗り越えていく姿勢が求められていますから、相手を尊重しつつ、自らの意見を発信できる人は弊社に合うと思います。

auコマース&ライフ株式会社が求める人材像

編集部

auコマース&ライフさんにマッチする方はどのような方だとお考えですか?

森島さん

仕事に全力でコミットしつつプライベートも大事にしたいという、どちらも100%で両立したい方は弊社で充実した日々を送れるはずです。一方で、「プライベートが最優先で、その隙間で働きたい」という考えの方は、弊社のメンバーとは乖離が生まれてしまうかもしれません。

編集部

その他に、メンバーの方に共通する思いや考えなどはあるでしょうか?

森島さん

弊社が展開しているのは生活に密接する事業であるため、社員にも「いちお客さま」としての感覚を持ってもらう事を大切にしてもらっています。

「自分だったらこう使いたい」「こんなサービスを利用したいな」と、日常生活から発想し、それをサービスに変えられるのが弊社の仕事です。日々の生活を仕事に生かすという循環も楽しみたいという方も、弊社にフィットするのではないかと感じます。

編集部

仕事にもプライベートにも全力で向き合いたい方、そして日常生活での体験を仕事に生かしたいという方にとっては、auコマース&ライフさんの仕事はうってつけですね。

大企業の安定感とベンチャー精神を併せ持った環境

auコマース&ライフ株式会社 コーポレート本部 人事総務部副部長の森島隆史さん

編集部

最後に読者に向けてメッセージをいただけますか?

森島さん

親会社がKDDIですから安定感はありつつも、弊社自体はベンチャー精神を持った、成長段階にある会社です。サービスはもちろんですが、組織についても多様な働き方を受け入れられるよう変革を進めています。

自分の力でさらに良いサービス、さらに良い組織にしていきたい方、その過程で自己成長を図り、プライベートも充実させたい方、少しでもauコマース&ライフに興味を持ってくださった方は、ぜひ一度お話をさせてください。

編集部

auコマース&ライフさんなら、大企業の安定感とベンチャーの躍動感を両立でき、仕事もプライベートも充実した生活が送れそうですね。本日はありがとうございました。

■取材協力
auコマース&ライフ株式会社:https://www.au-cl.co.jp/
採用ページ:https://hr.au-cl.co.jp/