独自のカルチャ―を持ち、着実な成長を続ける企業を特集するこの企画。今回は企業のプロモーションを社内で一気通貫して手掛ける株式会社トライアウトにお話を伺いました。
広告・制作のすべてをワンストップで提供する株式会社トライアウト
株式会社トライアウトは、社内に広告代理店・編集プロダクション・制作会社・メディア運営の4つの機能を持つ企業。企業のプロモーションにかかわる広告・制作など、すべての業務を社内で一気通貫して手掛けられる体制が特徴です。
社内では営業、ディレクター、エディター、ライター、グラフィックデザイナー、WEBデザイナー、コーダー、フォトグラファー、動画編集、イベントディレクター、web・SNS広告運用者とメディア運営者、それぞれの職種のプロフェッショナルが専門知識を活かしながら連携して案件を進めています。
会社名 | 株式会社トライアウト |
---|---|
住所 | 大阪府大阪市中央区博労町1-5-11TRYOUT大阪ビル(大阪本社) |
事業内容 | ・雑誌・WEB・ラジオ・新聞・TV・交通等の広告 ・紙制作(雑誌やカタログ等)の企画 ・編集・デザイン・コピーライティング・取材 ・WEBサイトの企画・デザイン・コーディング ・動画の企画・撮影・編集 ・イベントの企画・運営・進行管理 ・装飾関連の企画・運営・進行管理・撮影、デザイン、店頭プロモーション等 ・自社メディアの運営 |
設立 | 1986年4月(法人設立は1996年4月) |
公式ページ | https://tryout.co.jp/ |
今回はそんな株式会社トライアウトの成長の秘訣や若手活躍の背景、そして「合うか合わないかはあなた次第」という採用メッセージを掲げる理由などについて、プロモーション局統括本部長の小柳さんに伺いました。
社内にある4つの機能で、プロモーションを一気通貫で手掛ける
▲社内に4つの機能を持ち、プロモーションを一気通貫して手掛けている
編集部
はじめに、トライアウトさんの事業内容を教えてください。
小柳さん
トライアウトは広告代理店・編集プロダクション・制作会社・メディア運営の4つの機能を持つトータルクリエイティブカンパニーです。企業がプロモーションを行う際、通常は広告代理店、デザイン、web制作などそれぞれの業種ごとに違う会社に依頼することになります。しかしトライアウトの場合、すべての機能を社内に持っているため、クライアントのプロモーションを一気通貫で手掛けられるのが特徴です。
広告や販促など、プロモーションにかかわる業務であれば、できないことはほぼありません。そのため、手掛けている仕事の種類やクライアントもさまざまです。創業当時はファッション関係の仕事が多い傾向がありましたが、20年ほど前から仕事内容が広がり、今は商業施設や地方自治体、美容関係から学校、製造業まで幅広いクライアントから依頼を受けています。内容も、webやグラフィック制作からイベントの企画運営、YouTubeチャンネルの動画作成まで本当にいろいろと請け負っています。
編集部
トライアウトさんでは著名な広告賞なども受賞されていますが、トライアウトさんならではのクリエイティブの特徴や強みは何なのでしょうか。
小柳さん
率直に言うと、デザインなどそれぞれの業種ごとにトライアウトならではの特徴があるわけではありません。それよりもむしろ、クライアントのプロモーションのすべてを社内で完結できるこの体制こそがトライアウトの強みだと考えています。
編集部
別々の会社に頼むのではなく、トライアウトさん一社でプロモーションが完結することで、クライアントにとってはどのようなメリットがありますか?
小柳さん
クライアントの意向を汲み取りやすくなるのが最大のメリットだと考えます。やはりいろいろな会社が関わることで、意思疎通が図りづらくなるケースがあるんです。その点トライアウトでは社内でしっかりと連携を取りながら案件を進めるため、クライアントとの齟齬が生じにくくなります。
また、クライアントとの窓口になる営業担当の知識や技術が不足しているために案件がスムーズに進みにくくなるというケースもあります。しかしトライアウトでは営業、デザイン、webのスタッフがそろった状態で、それぞれの職種の専門知識を踏まえて話を進めていけるのがポイントです。
「高いクリエイティブ」と一口にいっても、実際のところその捉え方は人によって異なりますよね。トライアウトとしてはそこを目指すよりも、クライアントにとって良いものが何なのかを突き詰めていくことが重要だと考えています。だからこそ、クライアントの意図を汲み、意向に沿った形で業務を進められる体制があることがトライアウトならではの強みといえます。
毎年約1億の売上拡大。着実な成長の裏にあるクライアントの信頼
▲クライアントに寄り添う姿勢で信頼を積み上げているトライアウトさん
編集部
トライアウトさんは1996年に法人化されてから25年以上の歴史がありますが、近年でも成長を続けられているんですよね。
小柳さん
はい。ここ数年でいえば、毎年1億円ずつくらい売上を伸ばしています。組織体制としても、毎年5~10人ずつ増えていますね。社員数は20年前と比較すると4、5倍にはなっています。
編集部
トライアウトさんが着実に成長を続けられていることにはどのような要因があると思われますか?
小柳さん
まずは先ほどもお話した、社内ですべての業務を網羅できる体制があることが会社の成長にも大きく影響しています。トライアウトを法人化した当時は、「企業は何かに特化して然るべき」というようなむしろ逆の風潮がある時代でした。そんな中でトライアウトでは1個1個に特徴を持たせるのではなく、すべてを網羅することに重点を置いた戦略を進めてきたのが良かったんだと思います。
編集部
幅広く対応できる企業の方が、より多くのクライアントのニーズに沿えるということでしょうか。
小柳さん
そうですね。基本的にクライアントのご要望というのはフワっとしているというか、明確な答えを持って依頼しているわけではないんですよ。なので入口の部分で「あれもできる、これもできる」という姿勢を示せることで、幅広いクライアントに選んでもらいやすくなるということはあると思います。
それに加えて、案件を進めていく中で「やっぱりこちらの方が良いかもしれない」となることもありますよね。その方向転換に柔軟に対応できる体制があるというのもクライアントの信頼を得る上で重要なポイントです。
編集部
トライアウトさんでは既存クライアントからの案件が多いのでしょうか?
小柳さん
8割が既存のクライアントからのご依頼です。トライアウトではクライアントの信頼を積み重ねていくことをとても重要視しています。だからこそ、既存クライアントに繰り返しご依頼いただけているのかなと考えています。
編集部
クライアントの信頼を得ているからこそ、トライアウトさんでは安定した成長を続けていらっしゃるんですね。
ホテルオープンも予定!社員発の新ビジネスも積極的に拡大
▲トライアウトさんでは社員の方発案の新ビジネスもたくさん
編集部
トライアウトさんでは沖縄県、宮古島にも支社展開されていらっしゃるんですよね。
小柳さん
はい。宮古島では2024年1月オープン予定のホテルを建設中です。
編集部
広告・プロモーションだけでなく多様な事業を手掛けられているのもトライアウトさんの特徴ですが、その背景にはどのようなお考えがあるのでしょうか。
小柳さん
トライアウトの核となる事業が広告や販促など企業のプロモーションであることは間違いありませんが、だからといってそれだけに固執しているわけではありません。新しいビジネスにも積極的に取り組んでいこうという考えがトライアウトの根底にあります。
編集部
新しいビジネスは代表取締役である車田さんの発案で展開されていくのですか?
小柳さん
車田の発案もあれば、社員発案のことも両方ありますよ。もちろん事業計画は必要ですが、「とりあえず、やってみたらええやん」というように社員のチャレンジを後押しする風土があるのがトライアウトの特徴です。だからこそいろいろな角度から新たなビジネスが生まれているのではないでしょうか。
社内のフォロー体制と“失敗しても良い”風土が若手活躍を生む
▲若手活躍を後押しするフォロー体制と、失敗を許容するカルチャー
編集部
トライアウトさんでの若手社員の方の活躍についても伺っていきます。今のお話からトライアウトさんでは社員の方の裁量が大きくいろいろと挑戦できる環境があるのかなと感じたのですが、年齢に関わりなくそのような環境があるのでしょうか。
小柳さん
もちろんです。トライアウトでは平均年齢35歳で20代社員は全体の3割を占めているのですが、若手社員からも新しくやってみたいことがたくさん上がってきていますよ。
編集部
そのような挑戦意欲のある若手社員に対して、トライアウトさんとしてのサポート体制はどういったものがあるのでしょうか。
小柳さん
トライアウトではさまざまな業種を社内で手掛けているため、幅広い知識を持った社員が身近にいるというのは、社員が新しい挑戦をする上でひとつ大きなポイントになっていると思います。
編集部
なるほど。若手社員の方が新しい挑戦をする中で、失敗しないようにいろいろな角度から支えられる体制があるんですね。
小柳さん
いえ、むしろ失敗はして良いんですよ。若い世代の方は失敗しないように布石を打つ人が多いイメージがありますが、それでは人生としてはつまらないのではないかなと思います。
今言った通り、社内には若手社員の挑戦を支えるフォロー体制が整っています。それと同時に、トライアウトでは失敗をおそれず思い切って挑戦できる環境も用意しています。苦労して失敗しながらも自ら道を切り拓いていくことが、トライアウトの若手社員の成長につながっているのではないでしょうか。
トライアウトで活躍するのは“性格が良い人”
▲「一緒に働きたい」と思える性格の良い人が多く活躍
編集部
トライアウトさんでは若手社員であっても管理職や責任ある立場を任されることもあるのでしょうか。
小柳さん
はい。20代の入社3、4年くらいで管理職に就いている社員も何名かいます。
編集部
入社3、4年で管理職に就くというのはとても早いですね!若くして管理職に抜擢される方に共通する特徴はありますか?
小柳さん
現場で能力を発揮した社員であるというのが前提にあります。ただしそれと管理職としての適性はまた別問題なので、まずは現場を管理する役割を任せて、やりながらその部分の適性も見ていくという形になりますね。
ただ何よりもまずトライアウトで活躍している社員に共通するのは、性格が良い人だということです。先ほど言ったようなチャレンジ精神や積極性も重要なのですが、それよりも人として良い人であることが重要です。
編集部
性格が良いというのは、人当たりが良い人ということですか?
小柳さん
人当たりが良いというより、無愛想でも信頼できる人であることが大切ですね。つっけんどんだけど良い奴っているじゃないですか(笑)。そういう、一緒に仕事がしたいと思えるような「性格が良い人」であることが、トライアウトで活躍する上で求められる特性です。
編集部
確かに一見無愛想でも、相手のことを思って行動している方というのは一緒に仕事をする上で信頼できると思います。トライアウトさんがクライアントに誠実に向き合う姿勢を大切にしているからこそ、社員の特性としても信頼できる人であることを重要視されているんですね。
あえてミッションやバリューを掲げず「変化し続ける」ことを大切に
編集部
トライアウトさんでは大切にしている価値観や指針として、ミッションやバリューなどを掲げられているのでしょうか。
小柳さん
トライアウトではあえてミッションやバリューをつくらないようにしています。もちろんそれがあった方が求職者の方にも刺さりやすくはなると思うのですが、言葉にすることで表面的になってしまうこともあるのかなとも思うんです。それに共感して入っていただいても入社後のギャップの原因になってしまうのではないかと思います。
トライアウトでは「常に変化し続ける会社!合うか合わないかはあなた次第!」と謳っており、リクルートページにもその言葉をまず打ち出しています。ミッションやバリューとして変わらない指針を打ち出すよりも、「常に変化していく」という姿勢を大切にしています。
働く上での大変さは正直に伝え「合う人」だけを求める。社員にドッキリ検証も!
編集部
「合うか合わないかはあなた次第」というのも、とても印象的な言葉ですよね。この言葉にはどういった背景があるのでしょうか。
小柳さん
今は働きやすさが重視される時代ではありますが、嫌なこと、しんどいことを全部避けて楽をさせてあげようというのは違うのではないか、というのがトライアウトの姿勢です。リクルートページでも、仕事の厳しさや大変さについては率直にメッセージとして伝えています。
トライアウトの仕事が業態的に忙しいということもありますが、仕事である以上良いことも嫌なこともあるのは当たり前です。トライアウトに入社いただく方には、仕事の厳しさ、大変さを正直に伝え、理解いただいた上で入社していただきたいなと考えています。
編集部
これまでのお話をお聞きしていても、トライアウトさんは表面的に良いことを言うのではなく、正直なメッセージを伝えるという誠実な姿勢があるのを感じます。
小柳さん
面接に来られた方にも「他社さんではそんなことまで教えてもらえなかった」というようなことをよく言われますね。採用の場でも表面上良いことをいって進めることはせず、「合わないと思ったら辞退してください」ということを伝えるようにしています。
リクルートページには、トライアウトの職場環境に対して書かれた口コミを社員が検証するというドッキリ動画も載せているのでぜひ見てみてください。事前打ち合わせなしで本当にドッキリでやっているので、社員のリアルな反応をご覧いただけますよ!
編集部
私も拝見しましたが、本当にドッキリでやっていると聞いて驚きました!すごくユニークで面白い企画ですね。
※「現役社員が会社の口コミ検証してみた」の動画はこちら:https://youtu.be/Z3RhQgv_Zuw
健康経営優良法人にも認定!メリハリをつけて働ける環境づくりも進める
編集部
一方でトライアウトさんでは健康経営優良法人(※)の認定も受けていらっしゃるなど、働く上での環境づくりにも力を入れていらっしゃるという印象がありますが、この点はいかがでしょうか。
※健康経営優良法人認定制度…特に優良な健康経営を実践している大企業や中小企業等の法人を経済産業省が顕彰する制度
小柳さん
仕事の大変さと、過労によるしんどさは違いますよね。そこは切り離して考えています。
やらなければいけないときはやる、その分休めるときは休むというバランスを非常に重要視しています。単純な休日数の多さではなく、メリハリをつけて働くことができる環境づくりを進めています。
求めるのは変化と大変さを楽しめる「トライアウトに合う人」
編集部
最後に、記事を読んでトライアウトさんでのお仕事に興味を持った読者の方に向けて、メッセージをお願いします。
小柳さん
やはり「常に変化し続ける会社!合うか合わないかはあなた次第!」というメッセージに尽きるかなと思います。しんどいし大変ではありますが、面白い仕事です。それを理解していただいて、合う人だけ来ていただきたいというのがトライアウトの採用における考え方です。
そして今は広告・制作などのプロモーションが主要事業ですが、今後どこでどう変化していくかは私達にも分かりません。もしかすると10年後は全く違う仕事をしているかもしれない。そういう変化を楽しめる方であればありがたいと思います。
編集部
改めて、トライアウトさんが採用に際して求める人物像も教えていただけますか?
小柳さん
結局は、やはり良い人に入社していただきたいと思います。性格が良いということにプラスして、面白い人が良いですね。
仕事というのは波風を立てずに平穏にやろうと思えばできてしまうものです。でもせっかくなら何か面白いことをやってくれる、人間的に魅力がある人が良いなと思います。
編集部
インタビュー中のお言葉からも、トライアウトさんの正直で誠実な姿勢が十分に伝わってきました。本日はお忙しい中、ありがとうございました。
■取材協力
株式会社トライアウト:https://tryout.co.jp/
採用ページ:https://tryout.co.jp/recruit/