業界で注目を集める企業の急成長の秘訣に迫るこの企画。今回は自社開発プラットフォーム『fundbook cloud』を活用し、M&A仲介サービスを提供する株式会社fundbookにお話を伺いました。
急成長を続け、M&A業界の注目を集める株式会社fundbook
株式会社fundbookは、企業のM&A仲介サービスを提供する企業です。自社開発プラットフォーム『fundbook cloud』と、専門チームによる独自のマッチングモデルを強みとしています。
日本の中小企業の多くが後継者不在の課題を抱える中で、M&A市場ニーズは増大しています。その中でも株式会社fundbookは急成長を遂げており、2023年3月の第6期決算では過去最高の売上を達成しました。創業10年足らずで順調に市場シェアを拡大しているfundbookは、業界内でも大きな注目を集めています。
2017年に5名で創業した株式会社fundbookですが、2023年には社員数は200名を超えており、組織規模は順調に拡大しています。組織の大半を20代から30代前半の若手社員が占めており、経験の有無を問わず多くの若手社員が躍動しているのも特徴です。
会社名 | 株式会社fundbook |
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住所 | 【本社】東京都港区虎ノ門1-23-1虎ノ門ヒルズ森タワー25F 【支社】大阪府大阪市北区梅田2-4-9ブリーゼタワー13F |
事業内容 | M&A仲介事業 |
設立 | 2017年8月7日 |
公式ページ | https://fundbook.co.jp/ |
今回は、fundbookの成長の裏にある数々の独自施策や、若手社員が早期に活躍できる秘訣などについて、代表取締役の森山さんにお話を聞かせていただきました。
ハイブリッド型のM&Aソリューションで企業の経営戦略をサポート
編集部
まずはfundbookさんの事業内容を簡単にご説明いただけますでしょうか。
森山さん
fundbookでは「気軽にM&Aの相談ができて、安心してM&Aが選択できる新しい世界を創出する」というパーパスを掲げ、M&A仲介サービスを提供しています。自社開発プラットフォーム『fundbook cloud』と、120人以上の専門アドバイザーがマッチングをサポートする、アドバイザリーとテクノロジーが融合した「ハイブリッド型」のM&Aソリューションを強みとしています。
今、多くの中小企業が後継者不在による廃業危機に瀕しています。M&Aは以前と比べるとイメージが向上してきている面はありますが、そうはいってもまだまだ企業にとって高いハードルがあるのが現状です。パーパスで「気軽に」と表現しているように、我々の持つプラットフォームを通じてM&Aを気軽に検討していただけるようになることを目指しています。
パーパスの「安心して」という点に関しては、従来のM&A仲介モデルが抱える課題を解消していきたいという意図があります。というのも、M&Aの仲介は売り手企業がM&A仲介業者に情報を出しても、それがどう紹介されているのか、実際にどのような買い手企業が検討しているのかというマッチングプロセスがブラックボックス化してしまう傾向があるんです。我々は、できる限りそのプロセスを見える化し、最適でフェアなマッチングを実現できる仲介モデルの構築を目指しています。
加えてfundbookではM&Aが成約するまでは着手金、中間金などといった費用が一切発生しない「完全成功報酬制」(※)を採用しています。その点も、M&Aや事業承継を検討されている企業様にとって安心材料になっているのではないでしょうか。
※1.着手金、中間金、月額報酬が発生しない報酬体系を「完全成功報酬制」といいます。
※2.お客様との合意により別途、組織再編手続き等の費用が発生する場合があります。
※3.お客様との合意により中間報酬が発生する契約形態を選択する場合があります。
未上場企業の中では業界屈指の売上50億円を達成
▲2021年に拡大移転したfundbookさんのオフィス内観
編集部
fundbookさんはかなりの急成長を続けており、業界内でも注目を集めていると伺いました。成長が分かるような具体的な実績はありますか?
森山さん
fundbookでは2023年3月の第6期決算で、過去最高売上の50.6億円を達成しました。
会社の成長に合わせて採用もかなり積極的に実施しているため、組織面でも順調に規模を拡大しています。現在社員は200人を超えており、その内半数以上をM&Aアドバイザーが占めています。
成長を加速させた“強固な営業体制”と“教育システム”
▲M&Aの成約式の会場としても使用されるというfundbookさんの会議室
編集部
創業から過去最高売上を達成されるまで、堅調に成長されてきたのでしょうか。
森山さん
右肩上がりではあるのですが、停滞気味になった時期もあります。そこを乗り越えてまた成長曲線に入っていきました。
編集部
fundbookさんが停滞期を乗り越え、成長を続けられている強みはどのような点にあると思われますか?
森山さん
fundbookの成長を支える強みは、主に3つです。1つは創業当時から続けているデータドリブン経営に基づく営業体制の強化です。M&A仲介では、案件獲得のための営業活動がかなり重要なファクターとなります。だからこそfundbookでは強固な営業体制をつくることに注力しています。
具体的に行っているのは、明確なKPI設定と、定量データに基づく営業のマネジメントです。fundbookが営業において重要視しているのは「活動量を増やす」こと。そのため日々のダイレクトコール、DM発送などの活動量をKPIとして設定し、その量と質の振り返りを行っています。それによりPDCAを自分で回すことができ、さらに客観的な情報をもとに各部長から合理的な指導を受けることができています。
限られた時間を効果的に活用し、合理性・再現性の高い営業が可能になるのが、このデータドリブン経営に基づく営業制度の強みです。
2つ目の強みは、fundbookの独自の組織体制です。fundbookでは部長もマネージャー兼プレイヤーとして活躍しているため、マネジメント組織が大規模になってくるとどうしても目が行き届かない部分が出てきてしまいます。そのため、部を細分化しその中で10人前後の少人数チームを編成することで、細かくしっかりとマネジメントをしていけるような体制にしています。
また、営業部署を細分化するほかに、M&Aのフェーズごとに特化した部署を編成しています。例えば案件化のサポートは企業評価部、リーガルのサポートは法務部、財務やストラクチャーのサポートは士業を抱えるコーポレートアドバイザリー部、マッチングは専門の組織である企業情報部が担当します。単なる分業ではなく、各部門が専門特化し、連携しながら成約までサポートするイメージです。
そうすることで、一番の稼ぎ頭であるM&Aアドバイザーが営業やソーシング、お客様とのやりとりや交渉にかなり注力できる体制を構築しています。
編集部
データドリブン経営に基づき営業機能を強化しつつ、その効果を最大化するための組織体制を整備されているということですね。3つ目の強みは何でしょうか?
森山さん
3つ目は教育システムです。「fundbook compass」という社員専用のポータルサイトを設け、そこで業界別の提案書や、成約案件の最終契約書、財務・法務・税務に関する勉強ツールなどのコンテンツを提供しています。
業務の中でナレッジを積み上げながら、それを教育システムの形にして提供することで、営業活動のしやすさ、社員の成長の加速につながっているのではないかと思っています。
営業にフォーカスした経営戦略で、今後の成長も見据える
編集部
fundbookさんの今後の展望をお聞かせください。
森山さん
経営者の高齢化が進んでおり、事業承継の時期に差し掛かる中小企業が増えてくることが見込まれるため、今後もM&Aのマーケットは拡大していくでしょう。その中には競合も多く存在していますが、fundbookの「活動量」を重視したデータドリブン経営を続けていくことで、必然的に受託数や成約数は増えていくのではないかと考えています。
そのため、今後もfundbookの成長は右肩上がりに継続していくと見込んでいます。
編集部
自社のプラットフォーム『fundbook cloud』のアップデートという部分ではいかがでしょうか。
森山さん
もちろんそれもとても重要なのですが、やはり掲載する案件がたくさんないと、プラットフォームも活性化していかないですよね。そのため営業体制をしっかりと整え、まずは案件をしっかりと獲得していくことにフォーカスしているのが現在の経営戦略となっています。
業界最高水準のインセンティブ率25%で、若手社員の高報酬を実現
編集部
fundbookさんの若手活躍の状況についてお伺いします。fundbookさんの年齢構成はどのような比率になっているのでしょうか?
森山さん
社内のほとんどが20代から30代前半の、いわゆる若手社員と呼ばれる世代となっています。私自身も30代半ばで営業本部長を任されているのですが、私より年上の社員も数人しかいません。
編集部
かなり若い年齢構成の組織なんですね!fundbookさんの社員の方が若くして活躍されていることが分かるエピソードなどがあれば教えてください。
森山さん
分かりやすいところでいうと年収でしょうか。
3年在籍しているプレイングマネージャーの社員は、今年度の売上トップで年収1億円を超えています。未経験で入社し、昨年度新人賞を受賞した社員も5,000万円の年収水準に達しています。
編集部
経験や年数を問わずかなりの高年収を実現できるのはなぜなのでしょうか?
森山さん
fundbookは成功報酬のビジネスなので、固定年収ではなく売上に対するインセンティブで年収が構成されることになります。インセンティブ率は25%(※)と、業界最高水準です。未経験で入社して年数が浅い中でも、やる気があればかなりの年収をもらうことができるのがfundbookの特徴です。
(※)インセンティブ支給条件は個人売上の25%が基本給を超過した場合等社内規定による
編集部
高水準のインセンティブ率があることは、働く上でのモチベーションにもなりそうです。
未経験社員も活躍!社員の成長を支える「ブラザー制度」と「教え合うカルチャー」
編集部
fundbookさんでは未経験の社員も多いとのことですが、どういった業界からジョインされる方が多いのでしょうか。
森山さん
メーカーや航空会社、商社、不動産、金融など、さまざまな業界からジョインしていただいています。M&Aという今注目されている成長マーケットに興味を持っている方が多いのと、やはり高報酬を得たいというモチベーションでジョインされる方は多い印象です。
編集部
高いインセンティブ率があったとしても、未経験や浅い年次の方が高い報酬を得ることができているのは、やはりしっかりと成果を出されているからこそだと思います。そんな社員の方の成長をfundbookさんではどのような制度でサポートされているのでしょうか。
森山さん
社員の成長の裏には、先ほどご説明したデータドリブン経営や、営業の質を高めるためのナレッジの蓄積といった教育制度があります。
加えてfundbookでは、新人と先輩社員がペアになりサポートしていく「ブラザー制度」を導入しています。期間はまだ明確に定まっていませんが、M&Aは成約までに1年程の期間を要することも多いため、大体1年間くらいは先輩がつきっきりで指導をしていきます。このブラザー制度があることで、日々のOJTの中できめ細かなサポートをすることができていますね。
ただ、まだ7期目の会社ということもあり、教育制度がものすごく整っているというわけではありません。しかしfundbookでは社員が自主的に教え合うカルチャーが醸成されており、それが制度のすき間を埋めてくれているなと感じます。未経験の社員も1件成約が取れると、その経験をまた新たなメンバーに教えていくという形で還元してくれていますね。
新入社員の教育の場だけでなく、日常的にも部署を超えた意見交換や情報交換がかなり活発に行われているのが特徴です。社員間で共有されているスケジュールを見ると、業務時間外に「雑談」という項目のものが入っていることがよくあるんですよ。会議室をおさえて「雑談」という形で、業務に関連した話をいろいろと行っているようです。こういうコミュニケーションが、円滑な業務進行や社員の成長にもつながっているなと感じます。
編集部
会社としてしっかりと制度を整えることももちろん大切ですが、社員の方が自主的に高め合っていくカルチャーがあるのは、社員の方の成長にとても重要なことだと思います。そのカルチャーが自然と培われていることが、fundbookさんの会社としての成長を支えているのだなと感じました。
fundbookで活躍する上でのベースをつくる新人研修「Bootcamp」
編集部
fundbookさんではその他に実施されている社員に対するサポート制度はありますか?
森山さん
fundbookでは新入社員を対象に、四半期ごとに「Bootcamp」という教育研修を実施しています。経験・未経験関わらず新入社員は全員、このBootcampで取締役や部長陣によるレクチャー、営業研修、財務研修、リーガル研修に参加してもらっています。
編集部
「Bootcamp」は業務の基礎を学ぶというような位置づけなのでしょうか。
森山さん
それもありますが、それよりもむしろM&A仲介に必要な人間としてのベースを学ぶ場という役割の方が強いかもしれません。fundbookの「圧倒的な行動量」を重要視するカルチャーをまずは認識してもらうこと、そしてfundbookとしてこうあるべき人物モデルなどの講義を行っています。fundbookで活躍していただく上で重要なことをしっかりと浸透させていくための場となっています。
fundbookは、意欲を持ち忙しさを楽しめる方を歓迎
編集部
最後に採用について伺います。fundbookさんは採用にあたってどのような特性を持つ方を求めていらっしゃいますか?
森山さん
fundbookでは積極性があれば、経験の有無や年齢に関わらず大きく成長でき、しっかりと稼ぐことができる環境があります。頑張る意欲を持って、忙しさを楽しめる方を歓迎したいと思います。
fundbookにはナレッジの蓄積や教育制度もあり、他社で働くよりも早くキャッチアップできる環境が整っています。M&A仲介における実務的なテクニックは入社後でも十分に学ぶことができるため、興味がある方は未経験であってもお気軽にお問い合わせください。
編集部
自分の活動量が目に見える形で成果になっていく環境があるfundbookさんでは、大きなやりがいと向上心を持って働くことができるのではないかと感じました。本日はお忙しい中、ありがとうございました。
■取材協力
株式会社fundbook:https://fundbook.co.jp/
コーポレートサイト:https://fundbook.co.jp/corporate/
採用ページ:https://recruit.fundbook.co.jp/