ミライのお仕事『注目企業へのインタビュー』企画。今回は、子どもたちに自然体験活動を提供する「あばれんぼキャンプ」をメインに、学童クラブや児童館の運営を手がけるNPO法人野外遊び喜び総合研究所にインタビューしました。この記事では、転職を検討されている方に向けて、同法人で働く魅力をご紹介します。
野外遊び喜び総合研究所は組織として若手の育成に力を入れており、自然体験活動や教育に関する内部講習会を定期的に行っているほか、業務に関連する資格であれば外部講習会の参加費用の一部を支援するなど手厚く成長をサポート。また、20代でプロジェクトの運営を任されるなど、若手のうちから裁量権の大きい仕事に携われることも大きな魅力です。
今回は、NPO法人野外遊び喜び総合研究所の若手育成への取り組みや活躍事例、働きやすさについて、あばれんぼキャンプ副代表の稲木さんにお話を聞かせていただきました。
若手育成:内部講習会が充実!資格支援やキャリアサポートも手厚い
編集部
NPO法人野外遊び喜び総合研究所では、若手職員の育成に注力されていると伺いました。具体的にどのような取り組みを行っているのか教えていただけますか。
稲木さん
キャンプなどの自然体験活動や教育に関する内部講習会を通年で実施しており、職員はもちろんアルバイトやボランティアの方も受けていただくことが可能です。また、外部の資格取得講習会についても、業務との関連性を判断した上で費用の一部負担などのサポートを行っています。
関連資格としては、旅行業務の資格や保育士資格、児童厚生員資格、キャンプインストラクターなどが挙げられます。なお、保育士資格や教員免許、社会福祉士等の取得により責任者に任命されたり、上位資格の取得で管理職への道が開けたりするなど、資格取得がキャリアアップに直結する仕組みも整えています。
編集部
成長支援が充実しているのですね。その他に特徴的な取り組みがあればご紹介ください。
稲木さん
3ヶ月〜半年に1回ほど幹部との定期的な面談を実施し、現在の希望や中長期的なキャリアプランについて話し合っていることでしょうか。
当法人にはキャンプ部門や学童クラブ、児童館など多様な勤務場所があり、例えば、キャンプでの経験から学童クラブや児童館に興味を持つケースもあれば、逆に学童クラブの業務を通じて「子どもたちの非日常的な体験に携わりたい」とキャンプ運営を志望するケースもあります。そういった職員一人ひとりの希望にしっかりと寄り添えるよう、普段から定期的なコミュニケーションを大切にし、適性を見極めながらキャリア形成を丁寧にサポートしています。
また、若手の発想を大事にする雰囲気があることも特徴的で、これは私自身いつも心がけている部分です。月に1回ほど職員間でミーティングを行い、現在の業務状況や新しい企画案などについて話し合う時間を設けることで、若手の意見も積極的に取り入れられるよう工夫しています。
若手職員の活躍事例:20代半ばで子ども向けキャンプの運営を担当
編集部
続いて、若手職員の具体的な活躍事例についてお聞きします。稲木さんは20代半ばで中途入社され、すぐに裁量権の大きい仕事を担当されたそうですね。
稲木さん
はい。入社してすぐにキャンプの運営を任せていただき、多くの経験を積むことができました。大学時代から環境教育を専門に学んでいたことから、環境教育に最適な時期である3歳~6歳までの未就学児を対象としたキャンプの企画・運営に携わり、現在もその業務を中心に行っています。
当時を振り返ると、私だけでなく、同年代や3~4歳上の先輩たちがそれぞれ担当施設や担当キャンプを持ち、プロジェクトリーダーとして活躍していましたね。例えばキャンプの場合、開催場所や対象年齢の設定をはじめ、現代社会のニーズや子どもたちに必要なキャンプの形態などを考慮した上でスケジュールを組み立てるなど、すべて自分で調査・研究して企画を立案します。
また、学生ボランティアを取りまとめる業務もあり、そういった責任ある仕事を若手のうちから行える職場環境が整っています。
編集部
他の若手職員の方の活躍事例も教えていただけますでしょうか。
稲木さん
学童クラブ・児童館といった複数のフィールドで活躍している、26歳の女性職員をご紹介します。初めはボランティアスタッフとして参加してくれて、一度は別の会社に就職されたのですが、「やはりここで働きたい」といった強い想いで入社を決めてくれました。
キャンプは基本的に土日や長期休暇中に実施しており、学童クラブは平日の午後~夕方にかけて、児童館は指定された曜日の17時~21時が勤務時間帯となっています。これらのスケジュールをうまく調整して「この日はキャンプ」「この日は児童館」といった形で柔軟に勤務し、それぞれのフィールドで活躍してくれています。
働き方:残業なし!キャンプ部門は時短勤務やテレワークも可
▲リモート会議風景
編集部
メンバーの活躍を支えるには、働きやすさも重要な要素だと思います。働き方について特徴的な面があれば教えていただけますか。
稲木さん
組織全体として「残業なし」という方針を掲げており、同僚への協力要請や業務の分散化を積極的に行って効率的な業務遂行に努めています。もちろん繁忙期など、部署によっては残業が必要な時期もありますが、そういった場合も同僚やスタッフ同士で協力し合い、残業時間を最小限に抑える工夫をしています。
実は私が入社した当初は、23時頃まで残業するような状況もあったんです。しかし、疲労している状態での残業はかえって作業効率が悪くなりやすいほか、体調やメンタルを崩すスタッフが出たこともあり、その文化を改める取り組みを進めてきました。また、会社としても残業代は経費増加につながるため、できる限り避けるようにしています。
なお、法定休日である月8日の休暇は確実に取得可能です。休日に出勤が必要になった場合は、必ず別日に振替休暇を取得できる仕組みになっています。
編集部
勤務時間・場所の柔軟性についてはいかがでしょうか。
稲木さん
勤務時間の調整のしやすさは、部署によって異なります。例えば学童クラブや児童館での勤務においては、子どもたちがいる時間が勤務時間と定められているため、その時間よりも早く退社することや遅れて出社することは基本的に難しいです。
一方、キャンプ部門では、参加する子どもの保護者様、取引先、同僚、ボランティア等と連携し、それぞれに迷惑をかけない調整ができるようであればテレワークが認められています。ちなみに、私は今日の午前中に受診して14時に出社したため、仕事の目処をつけられるタイミングで帰る予定です。
キャンプ部門のテレワークについては、基本的に会社に来る必要がない業務であれば在宅で行うことが可能です。例えば資料の郵送や会社のコピー機を使用する必要がある場合は出社しますが、オンラインミーティングやメール対応は自宅で行っても問題ありません。他のスタッフと予定を共有できていれば、特に制限なくテレワークができる会社です。
編集部
その他に、職員の働きやすさに配慮した制度があればご紹介ください。
稲木さん
福利厚生面では小規模事業者共済による退職金制度があるほか、産休・育休制度も整備されています。実際に学童クラブでは産休・育休を取得し、お子さんの保育園入園のタイミングで復職した職員もいますね。
休業期間中は人事担当者が定期的に連絡を取り、復職時期の相談や保育園の状況確認などを行っています。また、同僚との個別の連絡も自然に行われており、スムーズな復帰が叶う職場だと感じます。
面倒見が良く、悩みを相談しやすいことも魅力
編集部
ここまでのお話から、密な連携がある職場だとイメージしますが、実際の雰囲気はいかがでしょうか。
稲木さん
教育に携わる会社として、面倒見が良いと感じています。どの部門も職員が数名とボランティア・アルバイト・インターン生が数名の小規模な組織で、仕事上の悩みがあれば先輩たちが親身になって相談に乗り、自身の経験を踏まえたアドバイスをしてくれる、そんな雰囲気があります。
私が若手だった頃も、企画の立て方やボランティアとの関わり方など先輩職員が手取り足取りサポートしてくださいました。実地踏査の際には車を出して同行してくださり、車の中で打ち合わせをしてから臨むことができて非常に心強かったです。
また、当団体を設立された理事長自身がキャンプのプロフェッショナルで、いつでも悩みの相談に乗ってくださいます。
事業理念:子どもたちの「やってみたい」を尊重した自然体験活動の運営
編集部
NPO法人野外遊び喜び総合研究所の事業目的・事業内容について教えていただけますでしょうか。
稲木さん
私たちは『全ての子どもたちが走り回り輝く社会の実現』をミッションとして掲げ、子ども向けの自然体験活動をメインに企画・運営している団体です。キャンプは春夏秋冬を通じて開催し、季節の移り変わりにも目を向けられる内容にしています。
活動場所としては山梨県大月市、福島県郡山市、東京都あきる野市の専用フィールドが基本で、例えば私が担当している未就学児向けキャンプは大月市の里山にある築150年の古民家を拠点に実施しています。
また、行政からの委託事業によって学童クラブや児童館の運営も行っているほか、幼稚園や保育園、小学校、一般企業からも自然体験のイベントを受託しています。
編集部
キャンプの内容に関して、特徴的な部分があればご紹介ください。
稲木さん
例えば私が担当する未就学児向けのキャンプは、子どもだけで参加できる形式を主軸にしていることが大きな特徴です。日帰りや1泊2日など、初めて親元を離れる子どもたちでも気軽に参加しやすいキャンプの企画・運営に力を入れています。
また、私たちがやりたいことを子どもたちにやらせるのではなく、子どもたち自身が「やってみたい」と思えるかどうかを重視してプログラムを企画していることも特徴のひとつです。子どもたちの様子を見ながら臨機応変に内容を変更したり、約束を守りながら自分の好きなことができる時間を設けたりしています。これは教育や人材育成の基本だと考えており、全スタッフが常にこの視点を忘れないように心がけています。
未就学児向けキャンプのプログラム内容としては、初めての体験にチャレンジすることがテーマです。軽い登山や野菜の皮むきなどの調理に挑戦したり、普段の生活では難しいこともスタッフのサポートを受けながら安全に挑戦できる活動を提供しています。
8割ほどの子どもたちが3〜4年ほど継続して参加してくれており、学校でも、習い事でも、家庭でもない「あばれんぼキャンプ」という場所が、子どもたちの中にしっかりと根付いていることが私たちの誇りです。
求める人材像:自己研鑽やスキルアップに積極的な方を歓迎
編集部
現在募集されているアウトドアインストラクターや支援員のお仕事には、どのような人材がフィットするでしょうか。
稲木さん
子どもの前に立つ仕事ですので、自己研鑽やスキルアップに積極的な姿勢は必須です。自分を常にブラッシュアップしていける方との親和性が高いと感じています。
編集部
アウトドアインストラクターや支援員のやりがいについても教えてください。
稲木さん
アウトドアインストラクターも学童クラブ・児童館の支援員も、子どもの成長に携われることが魅力です。例えば、以前はできなかったことができるようになった瞬間に立ち会えたり、3歳から関わってきた子が小学6年生になるまでの成長を見守れたり。保護者や学校の先生とはまた違った立場で、子どもたちの成長プロセスに関われることが大きなやりがいですね。
なお、学童クラブや児童館は子どもの日常的なサポートや居場所づくりがメインですが、キャンプは非日常のイベントとして子どもたちを楽しませる要素が強いです。日常と非日常の両方を見ているほうが子供たちへの理解が深まり、感性も高くなると感じているため、アウトドアインストラクターと支援員の両方を経験していただく可能性もあります。
最低半年以上の長期インターン生も募集!
編集部
インターンの受け入れも積極的に行っているそうですね。インターンの特徴を教えてください。
稲木さん
最低半年以上の長期インターンシップを実施しています。前半3ヶ月をOJTによる業務習熟期間とし、後半3ヶ月で自身のプロジェクトとしてキャンプや教育旅行の企画・実施を行ってもらう構成です。
実は、正式なインターン制度としては2024年度から開始したばかりです。ボランティアスタッフとして2〜4年間活動を継続してくれていた学生たちから「ボランティア以上の関わり方がしたい」「より本質的なキャンプの企画や教育について学びたい」という声があり、インターン制度創設に至りました。
2025年1月時点で受け入れているインターン生は、1名の大学2年生です。当社のキャンプは学生ボランティアが主体となって活動し、それを職員がサポートしながら企画を創り上げていくのですが、インターン生にはボランティアスタッフと職員の間に立ち、ボランティアの取りまとめやキャンプの企画立案を担当してもらっています。
今後は各部門で2名ずつ程度、常時4名程度の受け入れが可能な体制です。将来的には正社員としての採用も視野に入れています。
▲インターン研修の様子
編集部
ボランティアとインターンの違いについても教えてください。
稲木さん
ボランティアは無報酬で、自身の予定に合わせてイベントの企画と当日運営にのみ参加する形態です。一方、インターンは雇用契約を結び、時給での給与支払いがあります。キャンプ以外の事務作業も担当し、ボランティアの取りまとめなどプロジェクトの責任者としての役割も担います。
編集部
どのような方をインターンとして受け入れたいでしょうか。
稲木さん
私たちのノウハウをお伝えする以上、その経験を活かして当社で活躍してもらいたいという想いがあります。そのため、すでに他社から内定を得ている方や、経験だけを目的とする方ではなく、当社への就職も選択肢として考えていただける方を募集しています。
子どもに関わる仕事と言うと、教員や保育士などを思い浮かべる学生が多いかもしれません。しかし、学童クラブや児童館、非日常的な体験を提供するキャンプ事業など、子どもに関われる仕事は多様です。インターンシップを通じて、そういった新しい選択肢に気づいていただけたら嬉しいですね。
メッセージ:子どもを取り巻く環境の変革を目指す仲間を募集
▲取材にご対応いただいた稲木さん
編集部
最後に、転職を検討している方へのメッセージをお願いします。
稲木さん
アウトドアインストラクターや学童クラブ・児童館の支援員は、一般的にはあまり馴染みのない職業かもしれません。しかし、日常と非日常の両面で子どもたちと密に関わり、その成長を見届けられる、とても夢のある仕事だと感じています。
日本国内の子どもを取り巻く環境には様々な課題がありますが、私たちのような小規模な企業でも、社会に対してアプローチができ、変革を起こすことができると信じています。そのような想いで子どもたちと向き合い、仕事に取り組んでおりますので、同じように熱い気持ちを持った方にぜひご応募いただけたら嬉しいです。
編集部
本日はありがとうございました!
編集後記
この記事のまとめ
事業内容 |
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若手の活躍機会 |
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ワークライフバランス |
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育成・研修制度 |
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福利厚生 |
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求める人物像 |
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NPO法人野外遊び喜び総合研究所の基本情報
名称 | 特定非営利法人(NPO法人) 野外遊び喜び総合研究所 |
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住所 | 東京都府中市四谷3-27-1-A |
事業内容 | ・子ども向け自然体験キャンプの企画・運営 ・学童クラブ・児童館の運営 ・教育旅行や自然体験イベントの受託事業 |
設立 | 2003年 |
働き方 | テレワーク可(アウトドアインストラクターの場合) |
公式ページ | https://www.abarenbo-camp.com/ |
募集職種 | ・アウトドアインストラクター ・支援員 ※大卒以上の方(経験・資格なしでもOK) |