女性比率6割のアガサ株式会社。フルリモートで活躍する育児中のリーダーも |ミライのお仕事

女性比率6割のアガサ株式会社。女性の活躍を支える環境づくりとは

成長企業や女性が活躍する企業を紹介していく企画。今回は、医療業界向けの文書管理クラウドサービスを行う「アガサ株式会社」をご紹介します。

アガサ株式会社は、臨床研究・治験の文書管理クラウドサービス「Agatha(アガサ)」を開発し、医療機関・ライフサイエンス業界に提供する企業です。

ユーザーである医療機関、製薬企業、医療機器企業、CRO(医薬品開発受託機関)、SMO(治験施設支援機関)、臨床検査会社などは、「Agatha」を使うことで臨床研究の手続き業務を効率化、標準化することができ、より良い治療や薬のための仕事に専念できます。

■「Agatha」のサービスサイト
https://www.agathalife.com/products/hospital/ (医療機関向け)
https://www.agathalife.com/products/lifescience/ (ライフサイエンス企業向け)

「Agatha」の提供は国内だけではなく海外でもすでに12ヵ国に展開し、将来的な海外比率の拡大を見据えています。

会社名 アガサ株式会社
住所 東京都中央区日本橋兜町7-1 KabutoOne9階 WeWork
事業内容 クラウド型文書管理システム『Agatha(アガサ)』の開発・提供
設立 2015年10月2日
公式ページ https://www.agathalife.com/
働き方 在宅・リモートワークが基本(業務に応じてオフィス出社あり)
フレックスタイム制

アガサ株式会社は2015年の設立当初からフルリモート勤務を基本としており、全国各地や海外にもメンバーが在籍しています。また子育て中の社員が6割を占め、女性も多数活躍しています。それらのトピックについて、セールス部の阿部さんとコーポレート部の松岡さんにお話を伺いました。

本日お話を伺った方
アガサ株式会社セールス部フィールドセールスチームの阿部裕華さん

アガサ株式会社
セールス部フィールドセールスチーム
グループリーダー

阿部 裕華さん

アガサ株式会社コーポレート部の松岡麻央さん

アガサ株式会社
コーポレート部 採用担当

松岡 麻央さん

事業内容:医療業界の治験に特化した文書管理システムを提供

アガサ株式会社の公式サイトトップページ抜粋
▲ヘルスケアやライフサイエンスの分野に特化した文書管理システムを提供している(公式サイトより引用)

編集部

まずは、アガサさんの事業内容について教えてください。

松岡さん

弊社は、医療やライフサイエンス業界向けの規制対象文書の管理に利用できるクラウド型文書管理システムの開発と提供を行っている会社です。特に治験分野で多く導入されています。「治験」とは、コロナ禍で以前よりは耳なじみのある言葉になったかと思いますが、国から医薬品としての承認を得るために行う臨床試験のことをいいます。

治験に関わる医療機関や製薬企業などのライフサイエンス業界は、私たちのクラウドサービス「Agatha」をご利用いただくことで手続き書類のペーパーレス化ができ、コスト削減や業務効率化を実現することが可能です。

アガサ株式会社のサービス「Agatha」の操作イメージ画面
▲Agathaの操作イメージ画面。クラウド上でわかりやすく案件の流れなどを共有できるのが特徴。

編集部

治験の現場ではペーパーレス化が課題の1つだったのでしょうか?

松岡さん

治験の分野はいまだに業務の8割を紙ベースで行っていると言われ、長年業界の課題となっていました。かつては臨床研究や治験の文書管理システムを導入するにも多額の費用がかかっており、医療機関にとっては「システムを導入したくても、値段が高すぎてできない」、製薬企業にとっては「安価なシステムは海外の医療規制に対応していないものが多く、導入が難しい」というジレンマがあり、ペーパーレス化やDX化が進んでいませんでした。

そこで私たちはクラウド技術を活用し、高品質で低コストな文書管理システムを作りました。医療機関と製薬企業を同じシステムでつなぎ、クラウド上で文書の管理や一連の流れを共有できるようにしたんです。これにより、医療従事者が本来やりたい業務に集中することができ、結果的にドラッグロスの課題解決にもつながっています。

編集部

ドラッグ・ロスとはどういう課題ですか?

松岡さん

海外で承認されている薬がまだ日本では使うことができない状況をドラッグロスといいます。また、海外で使われている治療薬が、日本で承認されて使えるようになるまでの時間差のことをドラッグラグといいます。

編集部

承認の時間差についてはニュースなどでも耳にします。アガサさんはDX化により治験環境が整備され、医療機関や製薬企業がより良い治療や薬の開発に専念できることを目指していらっしゃるのですね?

松岡さん

はい。アガサの使命は、「世界中の人々の健やかな人生のために、今わたしたちができること」です。私たちは日本中の研究機関から新しい治療法や薬が創出される基盤を作り、日本の技術や産業によって世界中の人々の健やかな人生に貢献することを目指しています。

アガサ株式会社HPに記載された「アガサの使命」
▲アガサの使命は「世界中の人々の健やかな人生のために、今わたしたちができること」(公式サイトより引用)

コロナ禍でDX化が進み事業成長!ユーザーは40,000名を突破

アガサ株式会社のオフィス風景

編集部

続いて、アガサさんの事業成長について伺います。2015年の創業以来、プロダクトの導入先はどのように広がっていますか?

松岡さん

導入実績は全国の臨床研究を行っている大学のほか、製薬企業、CRO(開発業務受託機関)、臨床検査会社といったライフサイエンス業界に広がっています。ユーザー数は2015年の創業から5年ほどかけて4,000名まで伸ばしました。その後、コロナ禍で医療機関に直接訪問することや会社から紙での郵送が難しくなったこともあり、大幅に導入数が伸び、2023年10月時点のユーザー数は40,000名を突破しました。

編集部

コロナ禍で非対面で業務を進める必要性があったことが、導入を後押ししたのですね。当時の治験現場はどのような状況だったのでしょうか?

阿部さん

私は2022年にアガサに入社するまでは、札幌市を拠点に医療機関と製薬企業、患者さんをつなぐ治験コーディネーターの仕事をしていました。治験に関する文書が紙で保管されている場合、確認のために病院へ行かなければなりません。しかし新型コロナウイルスの流行が始まった頃、病院からは「感染してないことが分かる陰性証明書が必要」「流行している地域を訪れた人は来ないで」などと言われ、大変な制限がありました。

編集部

医療機関に人が入れない中では、DX化を進めないと治験業務が止まってしまう状況だったのですね?

阿部さん

はい。臨床研究や治験が止まれば、新薬の開発が遅れてしまいます。そのため、多くの病院や製薬企業の双方で、DX化を進めた方が良いのではないかという気持ちが急速に高まったのだと思います。

代表をはじめ社員の6割が女性。女性役職者も多い

アガサ株式会社の松岡さんとお子さん

編集部

ここからは、アガサ社員さんの働き方や女性活躍について伺います。アガサさんはトップ(代表取締役社長の鎌倉千恵美さん)が女性でいらっしゃいますが、メンバーにも女性が多いのでしょうか?

松岡さん

はい。女性比率は6割で、子育てと両立中のメンバーや各部署で女性リーダーとして活躍もしています。私も阿部も子育てをしながら働く1人です。

編集部

そうなんですね!女性リーダーも多いということですが、女性管理職比率などは出されていますか?

松岡さん

女性管理職の比率は2割です(2023年9月時点)。少なく見えますが、例えば阿部が所属しているセールス部ではグループリーダー5名中4名が女性です。割合でいうと8割です。部署のメンバーも8割女性なので、ちょうど同じ割合で女性がリーダーを務めているんです。

編集部

女性メンバーの在籍率がそのままリーダー比率にも表れている理想的な状態なのですね。

2023年にフレックスタイム制度を導入。子育て中のメンバーがより働きやすい環境へ

編集部

子育てをしながら働きやすい環境づくりでは、どのような取り組みがありますか?

松岡さん

アガサでは設立当初よりリモートワークを基本としており、2023年にはフレックス制度を導入、入社初日から有給を5日付与するなど、小さいお子さんを育てるメンバーも活躍しやすい環境にするための整備を進めています。社内には働くママ、パパも多いため、お子さんの体調不良や学校行事への理解度も高く、お互いフォローしながら業務を行っています。

編集部

松岡さんご自身にとってありがたいと思う制度があれば、教えてください。

松岡さん

やはりフレックス制度の導入がありがたかったですね。導入当初はどう使いこなせばいいのか悩むこともありましたが、他のメンバーの活用事例をシェアしてもらえる場面もあり、現在ではフレキシブルに活用することができています。

以前であれば半休を取得しないといけなかった予定でも、コアタイム終了直後に退勤して対応することができることも多く、とても助かっています。私は3人の子どもがいて、子どもの通院などで有休を使うと、すぐに消化されてしまうんです。

編集部

それは働くママ、パパには助かりますね。メンバー同士のスケジュールはどのように管理されているのでしょうか?

松岡さん

スケジュールはGoogleカレンダーで管理しており、各自、お子さんの用事やお迎えなどの予定を入れています。

編集部

アガサさんでは子育て中でも働きやすい環境が、制度面でも、メンバー同士の理解という面でも整っているのですね。

活躍事例:札幌在住の女性営業リーダー阿部さんの働き方

アガサ株式会社の阿部さんご夫婦とお子さん

編集部

活躍する女性リーダーのお1人である阿部さんにもお話を伺いたいと思います。前職は治験コーディネーターとお聞きしましたが、アガサさんに入社された経緯について教えていただけますか?

阿部さん

前職では治験コーディネーターとしてキャリアを続けるため、育休から復帰した後も、1日6時間の時短勤務で働いていました。しかし、あちこちの病院を回る仕事であったため、自宅から遠い病院の場合は保育園のお迎えがギリギリになり、お迎えを両親に頼ることも多くなっていました。

さらに会社では子どもが3歳までしか時短勤務が認められていなかったんです。時短勤務でさえ時間の余裕が全くない中、フルタイムで両立できるイメージが持てず、転職を考えるようになりました。そんな時、知人を通じて知ったのがアガサでした。

編集部

阿部さんのキャリアが活かせ、子育てをしながらでも働きやすい環境がアガサさんにはあったのですね!阿部さんは現在も札幌在住で、アガサさんにはリモートを前提として入社されたのでしょうか?

阿部さん

そうです。転職を考えたときは、北海道の会社でしか働けないと思っていました。また、子どもを持つと、ワークライフバランスの面からも積極的に社会に出ることは難しいのかなと思っていました。しかし、北海道にいながらでも自分の経歴を生かし、チャレンジできる仕事がアガサにはあるかもしれないと知り、応募しました。

編集部

実際に働いてみて、ワークライフバランスという面ではいかがですか?

阿部さん

アガサと出会って、今こうして働く中で、家族の時間をとりながら第一線で働ける喜びを感じています。仕事もしっかり対応でき、仕事と家庭の時間配分も自分でできる、という理想がアガサでは実現できています。

特にフレックスタイム制度ができたのは、私も非常にありがたいと思っています。元々フルリモートで働けるだけでもありがたかったのですが、フレックスタイム制度で自分の業務に合わせて調整できるようになり、より働きやすくなりました。

編集部

阿部さんはリモートワークとフレックスタイム制をフルに活用された働き方で、活躍されているのですね。

リーダー職としてメンバーが「働きすぎ」にならないよう配慮

編集部

阿部さんはアガサさんではどのようなお仕事をされていますか?

阿部さん

最初は、医療機関向けのシステム営業を担当していました。2023年3月に新メンバーを迎えたため、現在は治験や臨床研究に携わる製薬企業と医療機関、両方に向けてのシステム営業を担当するグループリーダーを務めています。

グループリーダーとしての仕事は、営業担当者の商談の進捗確認をしたり、チーム全体の数字管理をしたり、セールス部内の目標達成のために他部署と連携したりというものです。

編集部

セールスの現場を経て、現在は主にマネジメント業務をしていらっしゃるのですね。リーダー職として、阿部さんが気を付けていることはありますか?

阿部さん

メンバーが過剰労働にならないように配慮しています。

フルリモート勤務は子育てやプライベートと両立しやすいメリットがある一方、家でいつまでも仕事ができてしまうというデメリットもあります。そのため、周囲が気づかないうちに負担やストレスを感じているメンバーがいるかもしれません。

そこで、メンバーに仕事を依頼する際は「これ、お願いします」だけではなく、「明日でいいからね」など期日をきちんと伝えるようにしています。「頑張って、夜中にやりました」というような事態が起きないようにしています。

リモートワークでは、Webミーティング等でつながっていない時間帯にメンバーが何をしているかは見えないため、困りごとがあったときに、ちゃんと声を出してくれているかなということは気を配っています。

編集部

リモートワーク下で働きすぎてしまうという課題はよく聞きますので、メンバーにとってはありがたい配慮ですね。阿部さんは現職で初めてフルリモートの働き方を経験されたと思いますが、今はフルリモートでのマネジメントスキルも身に付けられているのだなと感じました。

求める人材:正直でオープンなコミュニケーションを重視している

アガサ株式会社の「Japan Team Meeting」の風景
▲全社出社日に開催している「Japan Team Meeting」。対面でのコミュニケーションも重視している。

編集部

アガサさんでは現在、一緒に働く仲間を募集しています。「アガサらしい社員」とはどのような方でしょうか?

阿部さん

私たちは「正直でオープンであること」「カスタマーサクセス」「信頼する」「品質」「スピード」について、5つのバリューを定義しています。誠実で、オープンなコミュニケーションがとれる人たちばかりです。

編集部

リモートで勤務される方も多いと思いますが、皆さんが集まる機会もあるのでしょうか?

阿部さん

3ヵ月に1度、全社員がオフィスに集う定例ミーティングがあります。また、私の部には都内在住メンバーがいて、入社したばかりのころは可能な限り出社し、他部署とコミュニケーションをとれる環境をつくっていました。

松岡さん

仕事以外のところでは、代表の趣味がマラソンということもあり、企業単位で参加する日本最大の駅伝大会「企業対抗駅伝」に毎年参加しています。といっても、社内に部活があるわけではなく、毎年有志を募っているんです。今年5月に東京・お台場で開催された「企業対抗駅伝2023」には4チームが参加し、全チーム完走することができました。

編集部

普段はリモートで働く皆さんも、こうしたイベントで対面コミュニケーションを図っているのですね。

世界中の人々の健やかな人生のために力を注げる仲間を募集

笑顔で写真に写るアガサ株式会社のメンバー

編集部

最後に、これから一緒に働く仲間に向けて、メッセージをいただけますか?

松岡さん

私は前職はウェブ広告代理店で、医療関係ではなかったため、治験領域のシステムを提供する会社と聞いてハードルが高いなと感じたこともありました。しかし、実際に入社してみると、とても社会貢献性の高いサービスであり、社会に対するインパクトが大きいことを実感しています。

「世界中の人々の健やかな人生のために、今わたしたちができること」というアガサのミッションに共感してくださる方、自ら仕事を見つけ会社とともに成長していきたいという方にぜひご入社いただきたいです。

編集部

松岡さん、阿部さん、本日はありがとうございました!

アガサさんでは柔軟な働き方のもと、たくさんの女性ロールモデルが在籍しており、男女ともに居住地やライフステージに関わらず、キャリアを築ける環境があることがわかりました。興味を持った方はぜひ採用サイトをご覧ください。

■取材協力
アガサ株式会社:https://www.agathalife.com/
採用ページ:https://hrmos.co/pages/agatha/jobs