海外事業を展開する企業の成長や、活躍するエンジニアの観点から企業の魅力を探るこの企画。今回は国内外で企業向け人材育成支援事業を展開するアルー株式会社を取材しました。
社会人向け教育サービスを提供するアルー株式会社
アルー株式会社は、“育成の成果にこだわる”をテーマに掲げ、企業向けの人材育成支援事業を展開する企業です。
また、自社開発のラーニングマネジメントシステム「etudes(エチュード)」によるeラーニングサービスでは、同社がこれまで培ってきた研修開発実績と教材設計のノウハウを活かし、成果にこだわるeラーニング教材の制作を行っています。
会社名 | アルー株式会社 |
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住所 | 東京都千代田区九段北一丁目13-5 ヒューリック九段ビル2階 |
事業内容 | ・国内教育研修サービス ・OJT・トレーナー育成研修 ・グローバル人材育成サービス ・語学教育サービス |
設立 | 2003年10月29日 |
公式ページ | https://www.alue.co.jp/ |
企業が求める人材像、能力要件の定義、研修体系構築のコンサルティングから社員研修の企画、運営までトータルソリューションで企業の人材育成を支援するアルー株式会社は、一社一社に寄り添い企業の人材育成方法の課題解決を支援しています。その理念は社員にも向けられており、個の才能をつなげ、人と組織の価値を引き出すカルチャーが根付いています。
そこで今回は、人事部の藤田雄大さん、デジタルマーケティング部の羽鳥丈太さん、エンジニアの清岡栄一郎さん、人事部の齊藤有香さんに、アルー株式会社が手掛ける事業の特徴や海外現地法人での働き方、エンジニアの仕事内容などについてお話を伺いました。
大手から中小、幅広い階層の人材育成支援サービスを提供
編集部
はじめに、アルーさんが展開する人材育成支援事業についてお聞かせください。
藤田さん
日本国内の大手企業様向けの研修・人材育成サービスを基幹事業とする当社は、新人から管理職、経営層、グローバル人材までの教育・育成を、コンサルティングからサービス提供まで展開しています。
一般的なビジネススキルを身につける研修事業に加え、グローバル人材育成事業は体系的なグローバル人材育成を支援するサービスとなっており、日本企業の海外支社で働く駐在員やナショナルスタッフが海外現地で活躍できる人材に育てることに特化しています。
また、中小企業様を中心にeラーニングのニーズが高まっていることを受け、2019年からはeラーニング教材を含めたラーニングマネジメントシステム「etudes」のサービスを開始しました。
個別に最適化した人材育成支援をオーダーメイドで提供
編集部
アルーさんが提供する人材教育の強みはどこにあると思われますか?
藤田さん
階層やテーマを限定した研修サービスを行う他社に対し、若手から管理職まで幅広い階層を対象に育成の成果にこだわったサービスを提供していることが強みとして挙げられます。また、一社一社のニーズに寄り添い、お客様に合わせたオーダーメイド研修を実施していることも、当社の大きな特徴です。
人材育成支援業界では、人事組織をターゲットにサービスを提供するのが一般的ですが、当社はその先にいる受講生1人ひとりの行動変容にも重きをおいています。人事担当者との打ち合わせの場でも受講生のためになる研修をわれわれサイドから提案することも多く、その点においても企業様から高く評価されていると自負しております。
編集部
なるほど。企業の規模や社員の階層を限定することなく、それぞれの会社のニーズに合わせてカスタマイズをすることで、アルーさんは企業が求める人材を育てることに寄与されているのですね。
シンガポールと中国に現地法人を設立
編集部
先ほど藤田様より、グローバル人材育成についてお話がありましたが、事業を展開するに至った背景についてお聞かせください。
羽鳥さん
当社がグローバルに事業を展開している背景には、2030年までに“アジア人材育成No.1”というビジョンを掲げていることに起因します。ビジョン実現のために海外展開を強化しており、中国、インド、フィリピン、シンガポールを中心に海外事業を展開しています。
編集部
グローバル人材育成では、どのようなサービスを提供されているのでしょうか。
羽鳥さん
1つは先ほど藤田が説明したように、日本企業の社員をターゲットとした人材育成支援です。海外駐在員の他、日本国内で勤務する海外拠点のベンダーパートナー企業、そのクライアント、子会社と業務を担うための人材育成をしています。
もう1つは弊社の海外現地法人のうち、シンガポールと中国では、現地にある企業の現地社員向けに人材育成を支援してます。それが中国であれば主に中国人の社員、シンガポールであればシンガポール人、または移住して働いている多国籍の社員が対象になります。
編集部
海外向けの人材育成支援の場合、各ツールは現地の言語で開発する他、文化の違いもあり、大変なこともあると思われます。2030年のアジア人材育成No.1に向けたこれまでの道のりや、アルーさんの現在のフェーズについてお聞かせいただけますでしょうか。
羽鳥さん
2009年に中国へ進出したことを皮切りに海外進出を推し進め、現在アジアに拠点を置いて展開しています。フェーズとしては成長フェーズです。
フィリンピンでは、英会話サービスであるALUGOのオペレーション機能を、中国、シンガポールでは現地の販社機能を持つなど、拠点によって役割が異なります。
現地での強化はもちろんのこと、各国同士や各国と本社の連携も強化してALL アルーとしてさらに成長していくことを目指しています。
現地駐在または日本の本社からグローバル人材育成を支援
編集部
中国、シンガポールなど海外企業へのアプローチは、日本からアルーさんの社員が出向き、営業をされているのでしょうか。雇用形態も含め、どのような方が活躍されているのかをお聞かせください。
羽鳥さん
グローバルに関わる社員は大きく分けて4パターンあります。
1つ目は、日本本社採用の社員が海外現地法人に赴任するパターンです。2つ目は、海外現地法人に現地採用された社員で、現地の方はもちろん、海外移住して弊社に勤務している日本人の方やインターン生もいます。3つ目は、日本本社に勤務する社員のうちグローバル人材育成のコンサルタントとして企業向けにコンサルティングを行う社員です。最後の4つ目は、海外でサービスを提供するオペレーション部門で働く社員で、海外とやり取りしたり、海外に出張したりしてサービスを提供しています。
編集部
現地法人と日本法人を持つことで、さまざまなニーズに応じた人材支援サービスを提供されているのですね。
経営全般を担う海外駐在と、企業のグローバル人材を支援する日本法人勤務
編集部
グローバル事業に携わる社員は、どのような業務を担っているのでしょう。
羽鳥さん
本社採用の社員が海外に駐在する場合、基本的にはマネージャー以上または部長拠点長クラスになるため、職位を掲げて現地法人の経営機能の一部や経営全般を担います。一方、現地採用で働く場合は何かしらの専門職として採用します。特に海外ですとジョブディスクリプションが明確になりますので、営業職で採用した場合は営業職に従事いただくことになります。
日本法人に勤務する営業職は従業員1,000名以上の大手企業がメインのお客様になり、そのほとんどが海外進出をしています。業務内容としてはグローバル人材育成体系の構築やコンサルティングから研修支援の企画、または異文化コミュニケーション研修の講師として登壇することもあります。
この他にもサービスを提供するチームがあり、研修プログラムのカスタマイズ、英会話サービスのカリキュラム構成、英会話講師の管理運営などをフィリピンの現地法人と英語でやり取りをしながら調整します。
編集部
なるほど。ひと口にグローバル人材事業といっても現地に駐在するだけではなく、日本の本社に在籍しながら企業のグローバル化を支える働き方もあるのですね。
自社プロダクト「etudes」の開発を担う平均年齢30歳のエンジニア
編集部
続いて、アルーさんで活躍するエンジニアについて伺います。現在、御社には何名のエンジニアが在籍されているのでしょうか。年齢層と合わせてお聞かせください。
清岡さん
開発部としては全体で15名が在籍しています。そのうち1名が部長、その下にグループマネージャーが数名という組織になっています。年齢的には30歳前後が最も多いボリュームゾーンになっています。開発部は開発と保守運用に分かれており、保守運用グループが6、7名、それ以外のメンバーが開発を担当しています。
編集部
清岡さんは現在、エンジニアとして活躍されていると伺っております。ポジションや業務内容についてお聞かせください。
清岡さん
グループマネージャーとしてさまざまなプロジェクトのプロジェクトマネージャーやメンバーの育成などを主に担っております。開発に関しては、自社プロダクトであるeラーニング教材「etudes」のビジネス拡大に向けた課題解決、競合との差別化を図るための有用な機能の開発、営業上の戦略に則った個別的な開発なども行っています。
個別的な開発は「etudes」のアップデートのための開発という文脈が大きく、受託開発とは異なります。特にニーズが高い機能や、導入を検討する際に重要視されている機能を優先的に開発します。その機能自体が「etudes」の機能としても中長期的に価値があると判断した場合、プロダクトにダイレクトに反映させるようなかたちで開発をしています。
異業種からの転職者が活躍するアルーのエンジニア
編集部
グループマネージャーとしてチームを束ねる清岡さんから見て、アルーさんにエンジニアとしてジョインすることで得られるやりがい、面白さはどこにあると思われますか?率直な思いをお聞かせいただければ幸いです。
清岡さん
開発部隊は比較的若いメンバーが多いのに加え、異業種からのエンジニアに転換した者が多いのが当社の特徴です。そのため、成長機会が多くあることが当社の面白さと感じます。
お客様からの用件をヒアリングしたり、上流工程を担うメンバー自体はまだそれほど多くないのが現状ですが、メンバー1人ひとりの育成に注力し、コミュニケーションを図っているので、中長期的には重要な役割も担えることに、やりがいを感じているように感じます。
編集部
アルーさんの開発部隊は、開発と保守点検にチームが分かれているとのことですがどのような方法で経験を積んでいくのでしょうか。
清岡さん
フロントエンドからバックエンド、インフラと全てを内部で管理している当社では、ジョブローテーションに近いかたちで一通りアサインをします。その後、本人のキャリアプランに応じてアサインする領域を少しずつ特化していきます。
編集部
人材育成支援事業を展開されているアルーさんだからこそ、キャリアが浅いエンジニアをしっかり育成し、成長の機会を設けていることがよくわかりました。
主体的に学びながらビジネス&ヒューマンスキルも磨くことができる
編集部
アルーさんにはエンジニアがファーストキャリアではないメンバーが多くジョインされているとのことですが、スキルアップを支援する制度やサポート体制などがあればぜひ、お聞かせください。
清岡さん
メンバー1人ひとりが主体的に学べる機会を作ることに注力しています。さまざま開発案件をアサインする際はストレッチを効かせ、難しすぎず、簡単すぎない、ちょっと頑張れば到達できるような課題をプロジェクトベースでアサインすることを常に心がけています。
また、社会人教育をメイン事業とする当社は、ビジネススキルやヒューマンスキル系の教育コンテンツが充実しています。そのため、エンジニアに必要なテクノロジー的なところだけではなく、社会人としてのスキルを身につけられる機会を継続的に設けるようにしています。
編集部
まさにアルーさんが持つアセットを存分に生かし、興味があることや、身につけたいスキルがあれば、学ぶことができるのですね。
新入社員専用「ひよこチャット」で、なんでも聞くことができる
編集部
人事部に所属する齊藤さんはキャリア採用で入社1年目と伺っております。齊藤さんから見たアルーさんの会社の特徴や雰囲気についてお聞かせいただけますでしょうか。
齊藤さん
学ぶことが好きなメンバーが多い会社だと感じています。会社側から指示がなくても自分の興味関心のあるところには自ら情報を取りに行き、知識を習得している者が非常に多いです。
編集部
新入社員に向けた、アルーさん独自の制度などはありますか?
齊藤さん
新卒、中途採用も含め、清岡が中心となって運用している新入社員専用の「ひよこチャット」というGoogleチャットがあります。なんでも質問ができるようなチャットルームとなっており、仕事に関することはもちろん、物品がある場所やコピーの取り方など、細かいことも気軽に聞くことができるのでとても助かりました。
編集部
なんでも気軽に聞ける場があることは、安心感にもつながりますよね。清岡さんはどのような思いで「ひよこチャット」を作られたのでしょうか。
清岡さん
実働は私ですが、きっかけになったのは不定期で社内報を発行したり、社内イベントを開催したりしている「ゆる〜」という社内の有志グループの活動です。
コロナ禍で社内のコミュニケーションが少し滞りがちになった時に休眠状態から復活し、その際に新しく入社したメンバーがリモートで働くなかで、困り事に対応できるようなグループチャットを作り、積極的に回答する人員を確保しました。
編集部
なるほど。アルーさんには文化的に「ゆる〜」によるグループチャットがあったからこそ、「ひよこチャット」のように新入社員をサポートする体制をすぐに作ることができたのですね。
コンテンツ制作など実務経験ができるアルーのインターンシップ
編集部
次に、アルーさんのインターンシップ制度について伺います。御社ではインターン生を受け入れているとのことですが、どのような業務を経験できるのでしょうか。
藤田さん
社内で発生しているさまざまな業務に携わっていただきます。これまでの実績や現状を例に挙げると、羽鳥が部長を務めるデジタルマーケティング部門において、記事作成などのコンテンツ作りをインターン生にお願いしています。また、当社がインサイドセールス部を立ち上げる前に、フィジビリティとしてインターン生を2人ほど採用し活躍いただきました。
また、過去には商品開発部門でeラーニングを制作する際に5、6名ほどのインターン生が半年以上、シフト制でeラーニングコンテンツのプログラム作成に携わっていただいたこともあります。この他にもナレーション原稿作成、バグのチェックなども打ち合わせをしながらお任せしていました。最近はリモートでのインターンシップ参加を前提にしており、全国から参加する学生が増えています。
インターン生として海外現地法人での勤務も可能
編集部
海外に現地法人があるアルーさんの場合、インターン生が海外現地法人に勤務することもあるのでしょうか。
羽鳥さん
はい、私がシンガポール赴任中は外国籍・日本人の大学生10人以上がインターン生としてジョインしました。日本人のインターン生はシンガポールに自ら渡航しインターンに応募する方もいれば、学業の傍らでインターンシップに参加する学生もいます。
編集部
アルーさんのインターンシップに参加することで、学生はどのようなメリットを得られると思われますか?
羽鳥さん
当社は大手企業の人材育成を中心にご支援しているため、大手企業が新入社員にどのような人材を求めているか、若手社員や管理職、グローバル人財にどういうことを求めているか間接的に知ることができます。これが、インターン生にとってのメリットの1つとして挙げられます。弊社には多くの事例がありますので、その事例を知ることは就職活動にも活きると思います。
また、大手企業様が導入している研修サービスの一部を体験し、結果のフィードバックをもらえることも当社のインターンシップの特長です。
編集部
実務を経験できることに加え、大手企業が求める人材を研修サービスを通して知ることで、学生は就活に向けた有意義な経験を積むことができますね。
変化を恐れないチャレンジ精神を持ち、成長したい方を歓迎
編集部
“アジア人材育成No.1”というビジョンや、エンジニアのキャリア育成、グローバルに活躍するアルーさんに興味を持った読者は多いと思われます。最後に、御社にフィットする人物像や求めるスキルについて、採用に向けたメッセージをお願いします。まずは、エンジニア領域において、清岡さんからお聞かせいただけますでしょうか。
清岡さん
当社の開発部の特徴として、新しい技術を積極的に取り入れることや、変化を恐れずにいろいろなところに良くも悪くも手を出してやってみるっていう風土があります。AIをはじめ、技術の隆盛にも適応できる開発を重視しているので、このような思いに共感できる方を歓迎します。
自社サービスの開発がメインとなるため、ビジネスサイドにつながった開発を初期からイメージできることも当社の強みです。コーダーとしてシステム開発をするだけではなく、ビジネスの観点を持って業務に携わっていただける方とぜひ、一緒に仕事ができれば幸いです。
編集部
エンジニアとして成長することはもちろん、ビジネスの視点を持つことも、アルーさんのエンジニアには必要であることがわかりました。続いて、藤田さん、齊藤さんからも採用におけるメッセージをお願いします。
藤田さん
部門によって求める採用ニーズは異なりますが、共通するのは“人に興味がある”ことです。人材教育を通して人が成長したり、夢を実現したりすることに興味関心が強い人が集まる組織であり続けることを目標にしている会社なので、持っているスキルを発揮すると共に、自分自身が意欲的に学ぶ意欲も求められます。
「ひよこチャット」のように、助け合うチャットルームもこのような思いから生まれています。その中で自分らしく成長し、周りの者にも良い影響を与えられる方とぜひ、一緒に働きたいと思っています。
齊藤さん
私がアルーに入社を志望したのは、“夢が溢れる世界のために、人のあらゆる可能性を切り拓きます ― all the possibilities ―”というミッションに惹かれたことが一番の理由です。
お客様の能力やポテンシャルを最大限に引き出すお手伝いをする当社の使命と同じように、社員にも可能性が広がる環境をつくることを社長をはじめ、役員や部長陣も目指しています。大きな夢や思いを抱き、実現したいと願っている方にジョインしていただけると嬉しいです。
編集部
“人”が成長する過程に寄り添いながら支援をするアルーさんのカルチャーには、クライアントである企業のみならず、御社にジョインする社員も大きく飛躍できる環境があることを、今回の取材を通して感じました。その思いは、転職を検討している読者の心にも響いたことでしょう。
本日はありがとうございました。
■取材協力
アルー株式会社:https://www.alue.co.jp/
採用ページ:https://www.alue.co.jp/recruit/