ミライのお仕事『注目企業へのインタビュー』企画。今回は、株式会社Dリーグにインタビューしました。この記事では、転職を検討されている方に向けて、同社で働く魅力をご紹介します。
株式会社Dリーグは「ダンスで世界を変える」をミッションに掲げ、プロダンサーの活躍の場を創出するとともに、観客に新しいエンターテインメントを提供する企業です。スポーツビジネスやエンターテインメントビジネスの経験者はもちろん、未経験者からの採用も積極的に行い、社員一人ひとりが主体的に新規事業開発に携わり、挑戦し続けているのが特徴です。
今回は、そんな同社の組織づくりと働き方について、経営PMO/D.LEAGUE事業部長で、人事を担当するkurokiさんにお話を聞かせていただきました。
未経験でもチャレンジできる!世界初のプロダンスリーグDリーグとは
編集部
御社のミッションである「ダンスで世界を変える」には、どのような思いが込められているのでしょうか。
kurokiさん
「ダンスで世界を変える」というミッションには大きく2つの側面があります。1つ目は「インフィールド」。これはダンサーが競技を通じて生活を成り立たせ、社会的地位を確立できる環境を作ることです。これは、ダンサーである当社代表の神田が競技を通じ、「ダンスで食べていける仕組みを作りたい」という思いから生まれました。
2つ目は「アウトフィールド」です。D.LEAGUEを含むその他の主管試合のイベント制作運営や映像制作、チケッティング、 プロモーションを担うことで、ダンスの魅力を発信し、観客の方々をエンパワーメントして、より多くのファンを作っていくことを目指しています。
ファン創出に向けたDリーグの具体的な取り組み
編集部
ファン創出に向けた具体的な取り組みについて教えていただけますか?
kurokiさん
ファンの定着のために実践しているのが、観客が選手たちを認識しやすくする工夫です。もともとダンスに興味があり、自分たちで能動的に情報収集している方は、どのチームにどんなダンサーがいるのかを把握できますが、初めて観戦される方はダンス全体を見ればいいのか、チームを見ればいいのかなど、どこをポイントに見ればよいのかわからないことがアンケート結果でわかりました。
そこで昨シーズンから、選手の顔写真とチーム名、名前、簡単な情報をまとめたポスターを作成しています。実際に会場に座ってダンスを見ると、ステージと距離があるため群で見えてしまうことがあります。そのため、初めて観戦した方は群の中からダンサー個人を見つけ出すのは難しいのが実情です。
アプリやWeb、SNSでダンサーの情報を掲載することに加え、ポスターを作成したことで、観戦者の方々に見るポイントや、ダンサーを認識いただけるようになり、より楽しんでもらえるようになりました。
私たちの強みの一つが、徹底したデータ活用です。毎回のラウンドでお客様アンケートを実施し、若手社員が中心となってデータの収集・分析を行っています。「このシーンが見づらかった」「選手の情報がもっと知りたい」といった具体的な声を、次の施策に直接反映できる体制を整えています。
編集部
リーグ運営会社として、選手との関わりはどの程度あるのでしょうか。
kurokiさん
他のプロリーグと比べるとかなり密接な関係性があります。2020年設立と若いリーグなので、私たちなりのやり方で運営しています。Dリーグがどういう方向を目指しているのか、チームのマネジメントだけでなく、ディレクターや選手のリーダーたちにも直接伝えることでリーグの方向性を共に作り上げている段階です。
若手でも裁量が大きい!6つの部門で構成されるDリーグの組織
編集部
Dリーグの組織構成はどのようになっているのでしょう。
kurokiさん
当社には主に6つの部門があります。プロダクト部門ではラウンド(試合)の企画・運営全般を担当し、MD(マーチャンダイジング)部門ではグッズの製作・販売を行っています。
デジタル部門ではアプリとウェブサイトの運営を、チームデベロップメント部門ではリーグとチーム間の架け橋としてさまざまな課題解決を担当しています。セールス部門はスポンサー営業を、コーポレート部門はバックオフィスや法務、財務などを担当しています。また、D.LEAGUEとは別にSD.LEAGUE(全国ダンススタジオのリーグ)も運営しています。
これらに加え、SNSは横断的な部門として、D.LEAGUE事業部の直下にあるマーケチーム内に位置しています。私がD.LEAGUE事業の事業部長を務めており、その配下でSNSチームも活動しています。
編集部
さまざまな部門がありますが、組織全体の強みや特徴はどこにあると思われますか?
kurokiさん
組織の最大の特徴は、非常に大きな裁量権を持てることです。一般的に言われる「裁量が大きい」という表現の5倍程度の裁量があるとイメージしていただくとその大きさがわかると思います。
例えば、入社2-3ヶ月目の社員がアプリの新機能を提案し、実際に導入されたケースもあります。また、マーケティングや集客施策についても、若手社員が自ら企画を立案し、予算配分から実行まで一貫して担当することができます。このように、年次に関係なく自分のアイデアを形にできる環境があります。
裁量権が大きい理由は、私たちの仕事が「答えを選ぶ」のではなく「答えを作る」仕事だからです。私たちは既存の選択肢から選ぶのではなく、前例のない中で新しい答えを作っていく必要があります。参考になるものも少なく、どれぐらいの時間でその仕事が終わるのか、時間の見積もりも難しいため、本当の意味での裁量のある環境だと言えます。
会社として、上位概念の目標は伝えますが、方法論に関しては基本的には全て任せています。会社が介入するのは決済関連のことくらいでしょう。それ以外は各々の裁量で業務にあたっています。
未経験からプロフェッショナルへ!7割が未経験からスタートしたDリーグ
編集部
社員の方々のキャリア背景について教えていただけますか?
kurokiさん
Dリーグそのものが前例がない事業なので、プロダンスリーグの運営経験者はいません。全体の約7割が未経験者で、社会人経験が少なく、当社が初めての就職先という者がほとんどです。残りの3割は30代以上のキャリア組で、バックオフィスやコンテンツ制作など、それぞれの専門分野での経験を活かして活躍しています。
編集部
前例のない事業に挑戦されていますが、社員の方々はどのような動機で入社を決められたのでしょうか?
kurokiさん
大きく2つあります。1つは理念への共感、もう1つはサービスへの興味です。後者については、世界初のプロダンスリーグという新しい挑戦に魅力を感じる者が多い印象です。「ダンスで世界を変える」という、誰も実現していないミッションの実現に向けてワクワクできる者が集まっています。
編集部
ダンス経験は採用の要件なのでしょうか?
kurokiさん
ダンス経験者は約半数程度です。必ずしもダンス経験は必要ありません。ダンスそのものというより、この事業やエンターテインメントに興味を持っている者も多く在籍しています。
多様な関係者からの反応が直接届く!Dリーグならではのやりがい
編集部
社員のみなさんはどのようなことにやりがいを感じていると思われますか?
kurokiさん
月並みな話かもしれませんが、成果が出たときにやりがいを感じる社員が多いですね。さらに特徴的なのが、多様なステークホルダーからの反応が直接やりがいにつながることです。
観客の方からの「楽しかった」という声はもちろん、Dリーガー(選手)からの「このリーグで活躍できて良かった」という声、各チームのマネジメントからの評価など、さまざまな形で手応えを感じられます。全てのステークホルダーに満足していただけることを目指しています。
週1回の『黒木塾』で成長!充実した研修制度で未経験もサポート
編集部
社員の育成や教育についてお聞かせください。
kurokiさん
人材育成は主に3つあります。1つ目は私が講師として開催している週1回の「黒木塾」です。黒木塾では、マーケティングの基礎から財務諸表の読み方まで、実践的なビジネススキルを学ぶ場となっています。
2つ目は現場での実践を通じた学びです。当社は現場で仕事しながら学ぶことがとても多く、仕事をしながらスキルを磨いていくイメージです。
3つ目は、複数の役割を担当することによる経験値の蓄積です。私自身も経営、人事、事業部長、デジタル統括、マーケティングと5つの役割を担っていますが、他のメンバーも同様に複数の業務を兼務しています。
社会人として必要なスキルを体系的に学べる場として、特に若手メンバーの重要な学びの場となっている黒木塾では、D.LEAGUEで活かせるマーケティングについてみんなで意見を出し合って考えたり、財務に関しては損益計算書(PL)とは何か、原価、粗利とは何かという基本的なことも学びます。
若手社員の育成で特に意識しているのは、「答えを教えない」ということです。私たち自身、この新しい領域で確固たる答えを持っているわけではありません。だからこそ、上位概念としての目標は示しつつも、具体的な方法は現場で考え抜いてもらう。時間はかかりますが、それが本当の意味での成長につながると考えています。
また、社会でよく必要とされるコミュニケーションとは何か議論することもあります。例えば、議論の場で発表する機会が多いけれど自信がないというアジェンダが上がった時は、みんなで解決策を考えるといったことも行っています。
未経験からITスキルが身につく!『黒木塾』での成長事例
編集部
「黒木塾」をはじめ、御社の人材教育は業務にどのように生かされていると感じますか?
kurokiさん
アプリ部門を担当する入社半年の若手社員は、IT系の知識がない状態で入社しましたが、充実した研修制度と日々の業務を通じて着実にスキルが身についていると感じます。柔軟な対応が求められる環境の中で、自ら学ぶ姿勢を大切にしながら成長しているように見受けられます。
また、マーケティングや財務など、社会で生きるうえで大切なことを学べることも大きな財産になっているようです。彼はコミュニケーションを取るのはあまり得意ではなかったのですが、社会でいかにそれが大切であるかということを学び、日々の業務に向き合っています。
入社3ヶ月で新機能を実現!若手の挑戦を支援する環境
編集部
アプリ部門では、未経験からどのように成長し、具体的にどのような業務を任されているのでしょうか。
kurokiさん
ユーザーのみなさまに日々アプリを楽しんでいただけるような仕組みづくりを任せています。彼が入社2、3ヶ月目に発案したのは、アプリにログインをするとポイントがもらえたり、D.LEAGUEのラウンド当日に投票するとポイントが付与される「ミッション機能」です。この機能は今シーズンより正式に稼働しています。また、ラウンド当日の配信やD.LEAGUEに関する情報発信も担当しています。
若手社員からは様々なアイディアが日常的に出てきます。例えば、アプリでのチケット購入や座席変更、会場での飲食注文まで一括で行える機能の提案や、AR技術を使った新しい観戦体験の提案など、ユーザー体験を革新的に向上させるアイディアが出てきます
技術面や投資面での課題はありますが、そうした提案を受けた際は必ず「誰の、どんな体験をより良くできるのか」「どのような収益化が可能か」という観点で議論を深めていきます。
若手が創る!Dリーグの新しい組織文化と働き方
編集部
若手社員が多い組織とのことですが、日々のコミュニケーションや意思決定の雰囲気はいかがでしょうか?
kurokiさん
若手でもさまざまな意見を出せる環境を大切にしています。例えば、各部署での週1回の定例会議があるのですが、そこでは年齢に関係なく全員が発言できます。良い意見であれば積極的に取り入れるのが当社の社風です。
今後のDリーグの文化は、若手メンバーが中心となって創っていけます。年次に関係なく意見を出し合える環境があり、良いアイデアは即座に採用されます。新しい組織だからこそ、一人ひとりが「組織を作る側」として主体的に関われることが魅力です。
未経験OK!Dリーグが転職者に求めるのは『情熱』
編集部
御社が求める人材像や、採用で重視しているポイントを教えてください。
kurokiさん
最も重視しているのが「熱量」です。具体的な例を挙げると、ラウンドの集客数やアプリの会員数など、さまざまな成果の増減に対して、もどかしさを感じることもあると思いますが、「こうすればもっとDリーグが良くなる」という発想を持てるかどうかが熱量につながります。
その思いがどれだけ頻繁に出てくるか。また、それについての議論にどれだけ積極的に参加できるか。採用ではこの2点を重視しています。
編集部
なるほど。方法論よりも、「どうすれば良くなるか」という意識の部分を重視されているのですね。
kurokiさん
スキルや経験は入社後に身につけられます。私たちが重視するのは、「どうすればDリーグがもっと成長できるか」を常に考え、行動できる姿勢です。そのような方であれば、経験豊富なメンバーが実務面でしっかりとサポートします。
中途採用においても熱意を前提としつつ、マーケティングの知識や経験がある方を歓迎します。私たちのマーケティングとは、顧客のニーズを把握し、それを収益化につなげる活動全般を指します。Dリーグに潜在的な需要を見出し、それを事業として成立させていく。そういった基礎的な発想ができる方との協働は非常にやりやすいと考えています。
編集部
中途採用をするにあたって、特に親和性の高い業界などはありますか。
kurokiさん
エンターテインメント業界やスポーツ業界は親和性が高いと思われます。プロスポーツリーグやアーティストのライブイベント、芸能関連など、僕らのベンチマークとなる業界なので、この領域でマーケティングの経験がある方との協働にとても期待を寄せています。
株式会社Dリーグから転職希望者へのメッセージ
編集部
それでは最後に、読者に向けてメッセージをお願いします。
kurokiさん
「答えを作る」を仕事とする当社では、現在のキャリアや経歴は重視していません。世界初のプロダンスリーグという前例のないマーケットに挑戦していくなかで、どれだけ熱量を持って考え、新しい答えを作り出せるか。そのチャレンジ精神を持った方を求めています。
もちろん、マーケティングスキルをお持ちの方であればなお良いのですが、それ以上に重要なのは、新しい価値を作ることへの挑戦意欲です。このような思いに情熱を持って取り組める方との出会いを楽しみにしております。
編集部
今までにない規模の取り組みで世の中にダンスをアウトプットしているDリーグは、プロダンスリーグのパイオニアとして、道を切り拓く使命を持っていることを今回のインタビューで感じました。また、ジョインするメンバーは、無限の可能性を感じられると思います。
本日はありがとうございました。
編集後記
この記事のまとめ
組織の特徴 |
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働き方の特徴 |
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人材育成・キャリア開発 |
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社風・カルチャー |
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求める人物像 |
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株式会社Dリーグの基本情報
住所 | 東京都港区西麻布3-20-16 西麻布アネックスビル2F |
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事業内容 | プロダンスリーグの運営 |
設立 | 2020年2月 |
公式ページ | https://www.dleague.co.jp/ |
D.LEAGUE公式サイト | https://home.dleague.co.jp/ |
採用ページ | https://www.dleague.co.jp/#recruite |
募集職種 | SNS、マーケティング、イベント制作 |