ミライのお仕事『注目企業へのインタビュー』企画。今回は、株式会社フェイガーにインタビューしました。この記事では、転職を検討されている方に向けて、同社で働く魅力をご紹介します。
同社は、「世界をもっとサステナブルに。社会にもっとフェアネスを。」をパーパスに掲げ、環境と農業の課題解決に取り組むスタートアップ企業です。創業からわずか2年ながら柔軟な働き方を実現し、環境・農業分野の専門家から一般企業の転職者まで、多様なバックグラウンドを持つ人材が活躍。JAグループや大手農機メーカーとの提携実績もあり、急成長を遂げています。
今回は、株式会社フェイガーのPRを担当している鈴木さんに、同社が行っている事業や働きがい、求める人材などについてお話を聞かせていただきました。
農業を通しサステナブルとフェアネスの実現を目指すフェイガー
編集部
フェイガーが掲げるパーパス「世界をもっとサステナブルに。社会にもっとフェアネスを。」には、どのような背景や思いが込められているのでしょうか?
鈴木さん
このパーパスには、社名にも表れているように、『フェア(公平)』という考えが根底にあります。社名の「フェイガー:Faeger」は古い英語で「フェア(公平)」を意味しており、常にフェアネスであることに重きをおきます。
この理念は対外的な活動だけでなく、社内においてもフェアネスを持って社員同士がコミュニケーションを取ることができる体制にも表れています。
また、行動指針には「公平・公正な判断なのか」「持続可能なビジネスなのか」「ステークホルダーの幸せを実現できるか」を掲げていて、これは展開する事業にも直結しています。この想いは、代表の石崎がコンサルタント時代のシンガポール赴任時に感じた課題がきっかけです。
石崎は、現地で高値で取引される日本の農産物の収益が生産者にどれだけ還元されているのかと疑問に思い、それが就農人口の減少につながっていると肌で感じたそうです。そして、日本の農業がビジネスとして成り立ちにくくなっている状況の改善に向け、何かチャレンジができないかと考えて会社を立ち上げました。
現在は、カーボンクレジット(※)の仕組みを活用して、企業から農家への収益還元を実現しています。
(※)カーボンクレジット:温室効果ガス削減効果をクレジットとして売買できる仕組みで、カーボンニュートラルを実現するための経済的手段のひとつ
具体的には、水稲の栽培期間中に水田の水を抜いて田面を乾かす「中干し」の実施期間を従来よりも延長することで、土壌からの CH4(メタンガス) 排出量を抑制する排出削減活動をクレジット化、それをフェイガーが全量買い取ることで生産者の副収入となります。さらにそのクレジットを企業が活用することで、企業が直接農家を支援できる仕組みを実現しています。
これにより、環境問題と農業課題の同時解決を目指しています。
多様な専門家が活躍するフェイガーのチーム構成
編集部
フェイガーではどのような人材が活躍されているのでしょうか?
鈴木さん
創業2年目の現在、正社員約20名に業務委託を含め計60名以上が在籍していますが、フェイガーの理念に共感した人が集まっています。海外で営農指導をしたり、実家が農家であったり、大学で環境学を学んだりしてきた中で、地球環境や社会、農業に対しての課題感を抱え、現状を良くしていきたいと考えている人が多いですね。
環境分野や農業分野の博士号取得者、大手企業出身者など、様々な専門性を持つメンバーが在籍しています。異なる知見や経験を持つメンバーとの協働を通じて、社員一人一人が多角的な視点を養える環境が整っています。
編集部
フェイガーにはどのような経緯で入社を決意されたのですか?
鈴木さん
私は新潟の出身で、大学卒業後から6年前まで東京のアパレル業界で働いていました。結婚・出産を機にUターンし、その時、故郷の自然環境の変化を目の当たりにして、環境問題に関心を持ちました。
また、雇用における都市部と地方の格差なども実感し、環境問題や社会課題の解決に携わりたいと考えるようになったんです。
そのためにサステナブル経営学というMBAの取得を目指してオンラインで勉強している折に、フェイガーの存在を知りました。「農業を通して環境と社会問題にチャレンジする」という方針に共感し、当時まだ10名以下だった会社に飛び込みで入社を直談判して今に至ります。
被災地の農業復興への関わりも。社会貢献×ビジネスで実感する仕事のやりがい
編集部
フェイガーの事業を通じて、具体的にどのような社会貢献を実感されていますか?
鈴木さん
直近では、復興庁の「浜通り復興リビングラボ~サイエンス×官民共創まちづくり~」実証事業で、東日本大震災の被災地である福島県の浪江町と広野町とのビジネスマッチングという社会的意義の大きいプロジェクトに事業者として選定していただきました。
浪江町と広野町は東日本大震災後、営農が完全にゼロになってしまった地域で、避難解除後も営農再開が2割程度にしか回復していない状況にありました。そんな中、地元の農業法人の方々と協力し、カーボンクレジットを活用して農家の方々の収益を最大化することで、耕作放棄地の復活や人材の呼び込みにつなげるよう取り組んでいます。
編集部
地元の方々からの反応はいかがですか?
鈴木さん
これから実証実験を行う段階(2024年11月現在)ではありますが、先日両町の担当者様とオンラインでお話しした際、「カーボンクレジットの具体的な仕組みやメリットが理解できた。今回のプロジェクトが農業の復興につながるといい」など、期待の声を寄せていただきました。
農家さんからも、復興庁のプロジェクトに参画することで「地域の復興に貢献する実感が持てる」と前向きなお言葉も頂戴しています。
スタートアップならではの成長機会と挑戦
編集部
スタートアップ企業として、フェイガーならではの仕事環境の特徴を教えてください。
鈴木さん
メンバーの課題意識の高さに加え、やはりスタートアップ企業ならではのスピード感が特徴的だと感じます。
カーボンクレジット業界自体が新しく、常に情報がアップデートされる分野です。例えば、当社は定期的にオンラインセミナーを開催していますが、あるセミナーで使った資料が翌週にはアップデートが必要になるといったことも珍しくありません。
また、公募案件への採択状況によって仕事も変化していくため、それに合わせて素早く対応することが求められます。ですから、社員の役割も流動的でチームの編成も日々変わっていきますね。
編集部
様々な業務を体験できる環境とも言えそうですね。
鈴木さん
そうですね。特定の業務が個人に固定されているわけではなく、会社の成長に合わせ適材適所で、できる人ができることを担当するという形式になっています。「新しいプロジェクトの担当を誰にするか」という話をする機会も日常茶飯事ですね。
私自身もPRを中心としながらも、農家向けの説明会や自治体との協議、セールス分野の仕事など、様々な業務を担っています。ですので、日々変化する業務を「負担」と感じるのではなく、新しいことに挑戦できる機会と捉えて楽しめる人に向いた職場環境だと思います。
そのマインドがあれば、組織自体はフラットで提案にはしっかりと耳を傾けてもらえるので、やりたいことに挑戦できるチャンスもたくさんある会社だと思います。
フレキシブルな働き方で実現するワークライフバランス
編集部
ワークライフバランスに関連して、何か工夫されている取り組みや制度はありますか?
鈴木さん
信頼関係に基づく裁量のある働き方が実践されています。フルリモート勤務を原則とし、時間や場所にとらわれない柔軟な働き方が可能です。例えば、子育て中の社員は学校行事への参加や急な子どもの体調不良にも対応でき、地方在住者は故郷での暮らしを続けながらキャリアを築けます。
成果を出して会社に貢献できればOKという評価方針により、ライフスタイルに合わせた働き方を実現できます。
編集部
鈴木さんご自身は、どのような点で働きやすさを感じていますか。
鈴木さん
私は新潟に住みながらやりがいのある仕事ができる環境が、とても魅力的だと感じています。また、私も小学生の子どもを育てながら働いているのですが、子どもが急に体調を崩した時など不測の事態には柔軟に対応させてもらっています。
私以外にも当社には石川県や宮城県など地方在住者も多く、さらにはベトナム法人のメンバーもいるのですが、それぞれスムーズにコミュニケーションを取りながら業務を進められています。
充実のコミュニケーション施策でつながるチーム
編集部
リモートワークで業務を進めていく上で、メンバー同士のコミュニケーションを図る工夫はありますか。
鈴木さん
業務用のチャットツールに雑談チャンネルを設け、社内コミュニケーションの場としています。出張先の様子や食事の話など、何気ない日常のさまざまな会話が展開されています。
また、月に1回オフラインで集まれる人は集まろうという日も設定しています。さらに半年に1回、全社イベント「フェイガーデー」も開催しています。全メンバーが集まって互いを知るためのレクリエーションを用意し、最後は食事を共にしながら交流を深めています。
こういった取り組みもあって、メンバー間の風通しはすごく良いと感じますね。
インターン生にも重要案件を任せる、成長重視の人材育成
編集部
フェイガーではインターン制度も設けていらっしゃるとのことですが、具体的にどのような業務を任されているのでしょうか?
鈴木さん
現在、大学生2名がインターンとして在籍しています。うち一人にはPR関連業務をお願いしていて、事業のメディア掲載実績のデータ作成や競合分析などのリサーチ業務を任せています。もちろん学業を最優先にしてもらい、テスト期間は休んでもらうなど柔軟なスケジュールで業務を進めてもらっています。
編集部
インターンから社員に登用されるケースもあるのでしょうか?
鈴木さん
会社立ち上げ当初から参加していたインターン生は大学卒業後に入社しました。今ではカーボンクレジットの仕組みや制度について、日本でも屈指の知識を持つまでに成長しました。最近では、代表と一緒に商談に同席し、専門的な質問にも対応できるレベルになっています。
編集部
インターン生ですでに商談に参加できるとは凄いですね。
鈴木さん
インターン生であっても意欲や能力があれば、重要な仕事を任せる方針です。ちなみにもう一人のインターン生は、ベトナムでのプロジェクトで現地での調査活動に加わってもらっています。もちろん、渡航費は会社持ちです。本人にとっても、とても良い経験になったのではないかと思います。
フェイガーが求める人材像:農業の課題を解決したい人
編集部
御社では、特にどのような人材を求めていらっしゃいますか?
鈴木さん
中長期的に募集を続けるポジションとして、「農業×事業開発」があります。「農業×事業開発」は明確な業務内容が固まっているわけではなく、自らアイデアを出していくポジションになります。
フェイガーという会社やカーボンクレジット、農業分野全体を俯瞰的に見つめ、新しい事業の開発や仕組み作りを担ってほしいと考えています。
編集部
『農業×事業開発』のポジションで求められる経験やスキル、また歓迎される人物像について詳しく教えてください。
鈴木さん
農業関連の学部卒業者や、営農指導や栽培試験の経験者、海外でのODA(政府開発援助)経験者、様々なバックグラウンドをお持ちの方で、農業に関する課題を解決していきたいという想いを持っている方に来ていただけると嬉しいです。プロジェクトマネジメントや事業開発といった経験もプラスになると考えています。
転職希望者へのメッセージ:農業×テクノロジーで未来を創りましょう!
編集部
最後になりますが、株式会社フェイガーへの転職に興味がある読者に向けてメッセージをお願いします。
鈴木さん
農業由来のカーボンクレジットという制度は、日本だけでなく世界の環境と農業の課題解決を実現するひとつの手段であると思います。
環境と農業の課題解決に強い関心を持ち、本気で変革に取り組みたいと考えている方々と一緒に働きたいと思っていますので、そういった志を持った方のご応募をお待ちしています。
編集部
スタートアップ企業ならではの様々な業務に携われる経験と、日々動向が変化するカーボンクレジット業界特有のスピード感ある職場環境は自己成長に繋がり、それと同時に社会貢献の実感も得ることができそうですね。本日はありがとうございました。
この記事のまとめ
組織の特徴 |
|
---|---|
ワークライフバランス |
|
働き方の特徴 |
|
求める人材像 |
|
株式会社フェイガーの基本情報
住所 | 東京都千代田区大手町2-2-1 新大手町ビル3階 0 Club |
---|---|
事業内容 |
|
設立 | 2022年7月 |
働き方 | フルリモートワーク |
公式ページ | https://faeger.company |
採用ページ | https://faeger.company/recruit/ |
募集職種 |
|