新しい働き方をテーマに、魅力ある企業のさまざまな取り組みを紹介しているこの企画。今回は、充実した教育体制で未経験者を技術者として育成し、IT領域で事業を展開している株式会社フリースタイルを取材させていただきました。
株式会社フリースタイルとは
株式会社フリースタイルは、「客先常駐開発」「受託開発」「ゲーム開発」という3つの分野で急成長を続けている会社です。2019年にリリースした「オバケイドロ!」というオリジナルゲームは多様なプラットフォームで展開され、海外にも事業を拡げています。
会社名 | 株式会社フリースタイル |
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住所 | 本社:愛知県名古屋市中区錦 1丁目-5-13 オリックス名古屋錦ビル9階 東京支社:東京都千代田区神田練塀町3 富士ソフト秋葉原ビル12F |
事業内容 | ・ITソリューション事業 ・受託開発事業 ・ゲーム開発事業 |
設立 | 2006年9月15日 |
公式ページ | https://freestyles.jp/ |
80%の社員が未経験からの入社でありながら、人気ゲームの開発を手掛けるほどまで成長し活躍しているフリースタイル。そんなフリースタイルの教育体制やメンタル面のサポート、若手社員の育成に対する考え方について、採用部係長の今立 唯子さんと広報担当の川崎 真さんにお話を伺いました。
ITの分野で技術・人材・ワクワクを提供
▲株式会社フリースタイルの事業内容(公式サイトより引用)
編集部
まずはフリースタイルさんの事業内容についてご紹介いただけますか?
今立さん
フリースタイルでは3つの事業を行っています。1つ目がお客様である企業に出向し常駐で開発を支援する「ITソリューション事業」、2つ目がプロジェクトを丸ごと請け負ってシステムアプリなどを作りお客様に納品する「受託開発事業」、そして3つ目がオリジナルでゲームを作っている「ゲーム開発事業」です。
ゲーム開発事業部では、家庭用ゲーム機向けとして、2019年にオリジナルゲーム「オバケイドロ!」を自社開発しました。いまだに多くのユーザー様からご好評いただいており、現在はさまざまなプラットフォームに対応させ、海外に向けてVR版の展開なども進めております。
また、ありがたいことに他のゲーム会社からの認知度も非常に高く、最近では「一緒にゲーム作りたいです」とお声がけいただくことが増えました。そのため、現在では他のゲーム会社からの請負受託も行っています。
オンリーワンの面白さを追求するクリエイター集団
▲ゲーム開発事業部で制作したオリジナルゲーム「オバケイドロ!」
編集部
ゲーム開発にはかなりのこだわりをお持ちだと伺っています。詳しく教えていただけますか?
今立さん
はい、フリースタイルのゲーム開発事業部は「部署理念」として『唯一無二の面白いゲームを作る』を掲げています。
ゲーム開発というと「まずリリースして、アップデートのなかで面白さを追求していく」というスタイルが主流ですが、弊社では「リリースの段階から面白くないと意味がない」という考えなので、“本当に面白いかどうか”を重視しています。
この徹底ぶりは自負しておりまして、例えばゲームが完成しても、面白くなければ1からプロジェクトを練り直すこともあります。当然コストはかかるのですが、「オンリーワンのゲーム体験を届けたい!」という熱い想いを乗せ、日々トライ&エラーを繰り返し開発を続けています。
フリースタイルのゲーム開発事業部は、ゲーム制作に関する熱量が高い人たちの集まりなので、「こういうのあったら面白いよね」という意見出しも活発です。年齢や経歴に関係なく若手の意見もどんどん取り入れ、いろいろな人の“面白い”を掛け合わせて納得のいくゲームを作っていくことを大事にしています。
編集部
ゲーム開発に興味がある人は「ゲーム好き」であることがほとんどでしょうから、ここまで徹底して面白さにこだわって開発できる環境というのは魅力でしょうね。ゲーム開発をやりたいと思っている人にとって、理想の環境ではないかと思います。
エンジニアの80%が未経験で入社!若手が活躍できる環境
編集部
フリースタイルでは数多くのエンジニアがご活躍されていると思うのですが、どういった経歴の方が多いのでしょうか?
今立さん
実は、エンジニアの80%が未経験からスタートしたメンバーです。先ほど紹介した「オバケイドロ!」を作っているエンジニアたちも、もともとIT業界以外の仕事をやっていた人ばかりなんですよ。
弊社は、「熱い想いがあるか」「目指したい目標があるか」といった熱意や素質を重要視して採用しているため、学歴や経歴では判断していないんです。
編集部
学歴や経歴も関係ないというと、本当にまったくの未経験者ですよね。そこからエンジニアやプログラマーとして活躍できるようになるものなのでしょうか?
今立さん
フリースタイルは「人を育てること」に強い情熱を持っている会社なので、「若手にいろいろな経験をさせたい」という考えがあります。そのため、本人にチャレンジしたい気持ちさえあれば、手を差し伸べ、成長できる環境を用意しています。
実際、未経験で入社して活躍しているメンバーはたくさんいますが、その人たちに共通していることは2つあります。一つは継続力、もうひとつは成長意欲です。
プログラミングの学習というのは筋トレと同じで、少しやったぐらいでは効果が出ません。また、挫折しそうになることもあります。それでも何とか食らいついていくことで、壁を乗り越えることができるので、この積み重ねができるかどうかが大切です。
▲一人ひとりに目が行き届いている環境であることも成長しやすい秘訣かも
今立さん
例えばゲーム開発プログラマーのリーダーをしているメンバーは、独学で勉強していたものの、実務経験なしの状態で入社しました。
入社後はお客様先に常駐して働いていましたが、ゲーム開発プログラマーを目指しており、自分でプログラミングゲームを作ったりしていました。その努力を周りが見ていて、ゲーム事業を立ち上げるときに声をかけ、晴れてゲーム開発事業部のプログラマーになりました。
これまでに弊社がリリースしたすべての作品に携わっており、そうした経験が評価され、今ではプログラマーのリーダーとして、プロジェクトの管理や若手の教育を任されています。
他にも、社内の教育制度をフル活用してスキルアップし、現在はアプリ開発に従事しているメンバーや、仕事が終わってからゲーム開発事業部の仕事を手伝いにきているうちにスカウトされ、ゲーム開発に携わっているメンバーも数名います。
このスカウトするケースが増えてきたため、2022年にキャリアパス制度に組み込んだところです。
編集部
熱意を持って努力を続ければ、それを評価してくれる環境があるんですね。
未経験から転職したいという人のなかには、これまでの人生で挫折を味わったことのある方もいらっしゃるかと思います。出身校では判断されないかも知れませんが、最終学歴が「中卒」「高校中退」という場合でも同じように判断されるのでしょうか?
川崎さん
はい、大丈夫です。実際、今いるメンバーの中には、トラブルにより高校を中退し、一時期は引きこもり生活をしていた過去がある者もいます。
編集部
「過去がどうであったか」よりも、「今どう思っていて、どうなりたいのか」を見てもらえるのですね。
今の若い人の中にはゲームクリエイターやプログラマーに憧れる人が多いのではないかと思います。学校や勉強は苦手だけど好きな事ならとことん努力できる人には、チャンスですね。
今立さん
そうですね。フリースタイルでは年齢に関係なく、若い人にもどんどんチャンスを与えています。営業職では、新卒で入社3年目になる24歳の人がいますが、2023年度から名古屋本社の営業部のリーダー職を任されることになりました。また、27歳で営業部の課長になった人もいます。
若い人がどんどん活躍できる環境はあるので、若いうちから経験を積みたいと考えている方は、ぜひフリースタイルに来ていただきたいと思います。
つまずかせないサポートが充実!すぐ仕事に活かせる教育体制
編集部
一般的には、まったくの未経験からエンジニアになるのはとても大変なことだと思います。それを実現されているフリースタイルさんの教育体制について、詳しく教えてください。
今立さん
フリースタイルでは、メンバーの成長およびキャリアアップを促進するため、3区分の側面からサポートを行っています。「教育制度」「キャリアパス」「人事によるサポート」です。
まず1つ目の「教育制度」では、弊社独自のカリキュラムを用意しています。専任の教育担当が2人いるのですが、元々技術者として長く働いていた者なので、実践的ですぐに仕事に活用できるようなカリキュラムを構築しています。
▲実践的な独自の学習カリキュラム
今立さん
ただ学んで終わりではなくしっかりアウトプットできるよう、擬似開発勉強会で実際にシステムアプリを作ったり、自分の書いたコードを元にわからないところを聞くコードレビュー勉強会を設けています。
また、フリースタイルではJavaという開発言語をメインで取り扱っていますが、初めてこの業界に入る人はJavaの理解でつまずくことが多々あります。そこをカバーするための「入門者向けJava教室」も開催しています。
一般的には研修が終わったら1人で勉強していく教育制度が多いと思いますが、弊社では1人ひとりのペースに合わせてサポートしています。
編集部
知識として学ぶのと、実践で失敗を重ねながら学ぶのとでは、身につく早さに大きな違いがありそうですね。
ゲーム開発の世界を目指せる、2つのキャリアパスシステム
編集部
2つ目のサポートについても教えてください。
今立さん
2つ目のサポートは、社員それぞれに合うように2種類のキャリアパスを用意していることです。これは「何を目指していくのか、どうなっていきたいのか」が1人ひとり違うため、その人にあった道筋でのキャリアアップを叶えるために設けています。
一般的にゲーム業界は志望者が多く“狭き門”となっており、ゲーム開発をしたくても、それを叶えるのは難しいと言われています。ですが、フリースタイルでは「努力している人にはできるだけ報いたい」と考えているため、ゲーム開発の世界にたどり着きやすい仕組みを整えています。その仕組みというのが「FACP」と「クラスチェンジシステム」という2種類のキャリアパス制度で、基準をクリアすればゲーム開発に取り組む機会が得られます。
FACPというのは、段階的にスキルアップしていくキャリアパスの仕組みで、一定のスキルを身につけて認定されれば、上の段階に進めるようになっています。一つひとつ確実にステップアップしたい人向けのものです。
▲段階的にステップアップするFACPのキャリアパス
今立さん
クラスチェンジシステムは、研修期間としてゲーム事業部で一定期間のカリキュラムを勉強した後、ゲーム事業部からスカウトがあれば翌年度から正式に配属される、という飛び級のような制度です。早くゲームの仕事をしたい人や、キャラクターデザイナー、プランナーを目指したい人は、こちらの仕組みを使う方が向いています。
▲スカウトを受ければ飛び級のようにキャリアップするクラスチェンジシステム
代表と人事による面談&部活でメンタル面をサポート
編集部
3つ目の「人事によるサポート」についても教えてください。
今立さん
人事では、1人ひとりに寄り添って、その人がどうなりたいのかを明確にしながら、各自に合った教育やキャリアパスを示すサポートをしています。具体的には、定期的にオンライン面談を行い、不安や悩みをヒアリングし解決に向けていくといったメンタル面のサポートなどです。
また、代表自らがメンバーと面談することもありますし、直接代表に質問できるような機会も設けています。
この他にも、13種類ほどある部活動を人事が主導でやっています。
▲13種類ほどある部活動の様子
編集部
13種類もあるんですね。なぜそれほど部活動に力を入れているのでしょうか?
今立さん
お客様先の常駐の現場にはフリースタイルの社員として行っているわけですが、実際に関りを持つのが常駐先の社員さんだけなので、どうしても孤立感を感じることがあります。そこで、できるだけフリースタイルの社員同士でコミュニケーションをとる機会が作れるように部活動を取り入れました。
ただゲームを一緒にプレーする「ゲーム部」や、みんなで協力して料理を作る「料理部」のほか、アプリを作る「ゲーム開発部」もあります。ゲーム開発部では、受託開発をしているエンジニアやゲーム事業部のメンバーが若手社員に教えることもあります。
人事部ではそうした横のつながりができるような仕掛けを作っていて、入社して間もないメンバーには「一緒にやろう」と声をかけるなど、メンバー間のつなぎ役をしています。
編集部
メンバーがストレスを溜めこむことなく働ける環境を整えていらっしゃるんですね。
また部活でもゲーム開発を教えてもらえる環境があるということで、「まだスキルは全然ないけどゲーム開発ができるようになりたい」という人にとっては、かなり恵まれた環境ではないかと思います。
社内はハングリー精神にあふれ、互いに刺激しあえる環境
引用元:Wantedly
編集部
フリースタイルの社内の雰囲気について教えてください。
今立さん
フリースタイルでは、どの部署の人でも共通ですが、みな自分の今の能力で満足していません。特にゲーム開発事業部の人たちは、定時の19時まで仕事をした後、残って勉強をしています。「もっといいものを作りたい」「新しい知識を仕入れたい」という気持ちが強いです。
自分の今のスキルに満足せず、もっと成長したいと考えている人が多いので、会社全体として「日々成長していきたい」「夢を叶えたい」という人が多いです。セミナーに行ったり自分で勉強したり、先輩に質問したりして、常にスキルアップを目指しています。
編集部
目標に向けて努力する中で、時には挫折しそうになることもあると思います。でも、フリースタイルさんなら会社全体が成長を目指して努力されている人が多いので、日々刺激をもらうことができ、「また頑張ろう」と踏ん張れそうな気がします。
それぞれ目標は違えど、一緒に頑張る仲間がいるというのは心強いですね。
採用で重視するのはスキルではなく熱量
▲採用スタッフは夢を叶えたいという熱量を大事にしています。
編集部
フリースタイルさんが、採用の上で大切にされていることがあれば教えてください。
今立さん
先ほどもお話しましたが、採用では未経験の人にも枠を広げているので、現時点でのスキルは求めていません。ほとんどの人はコードも書けない、業務経験もない状態です。
では採用する上で何を重視しているかというと、熱量です。どれだけの想いでこの面接を受けているのかや、自分がこれまでにしてきた事を見せていただければと思います。
例えば、「1日1時間プログラミングサイトを使って勉強しています」とか、「ちょっとしたミニゲーム作ってきました」とか、何かしら自分が頑張ってきた軌跡を見せてほしいです。
また、そこまでいかないとしても、こういうことがしたい、こんな夢を叶えたい、フリースタイルでこんなエンジニアになりたいという想いを言葉にして伝えてほしいです。フリースタイルは、こうした熱量を大事にしています。
フリースタイルから求職者へのメッセージ
▲フリースタイル採用部で係長を務める今立さん
編集部
記事をご覧になって興味を持っていただいた読者に向け、メッセージをお願いします。
今立さん
話が重複するかもしれませんが、フリースタイルはエンジニア、プログラマーなどの技術者の未経験採用を積極的にやっている会社です。そこで一番大切にしていることは社員一人ひとりの夢を叶え、その社員がなりたい姿を叶えることです。
技術を身につける教育制度やキャリアパス制度が構築されていますので、その環境をフルに活用していただきたいです。私たちもそのサポートをしていきたいと思っています。
エンジニア部門だけでなく、私たちのような総合職や、キャラクターデザイナー、プランナーなども募集しています。そこではスキルというよりも、自分がどうなっていきたいのか、将来的にどういうことをやってみたいとか、こうした夢を叶えていきたいという熱量を大切にしています。フリースタイルでこういうことをやってみたいという想いがある方は、技術職以外でもどんどんエントリーしていただければと思います。
編集部
フリースタイルさんでは、幅広く門戸を開いていて、そこから先の支援もしっかりとした制度があるということですね。本日は、お忙しいところお時間をいただきありがとうございました。
■取材協力
株式会社フリースタイル:https://freestyles.jp/
採用ページ:https://hrmos.co/pages/freestyle/jobs/0000025