自在な空間演出で感動を与えるグローバルプロデュース。感性を磨く育成とは

企業の新しい働き方や、若手が活躍するカルチャーなどについて取材し、お伝えしていくこの企画。今回は、国内外問わず多彩なイベントのプロデュースを手掛ける「株式会社グローバルプロデュース」を取材させていただきました。

株式会社グローバルプロデュースとは

株式会社グローバルプロデュースが掲げるビジョン
▲株式会社グローバルプロデュースが掲げるビジョン(引用元:コーポレートサイト

「株式会社グローバルプロデュース」は、主にビジネスイベントのプロデュース事業を手掛けるプロデュース集団です。手掛けるイベントは会議や式典、シンポジウム、大規模スポーツフェスティバルなど多岐に渡ります。

国内にとどまらず、海外のイベントもサポートするなど幅広く展開し、リアルイベントのみならず、オンラインや仮想空間を掛け合わせたハイブリッド式のイベントまでマルチにプロデュースしています。実績本数は170本(2020年)から280本(2022年)にまで増加している、急成長中の企業です。

会社名 株式会社グローバルプロデュース
住所 東京都渋谷区神宮前1-15-5
事業内容 ・国内外のイベントプロデュース事業
・各種海外コンテンツ情報の提供サービス
・企業活性化につながる社内イベントプロデュース事業
・各種イベント・セミナーの企画・立案・開催・運営
設立 2011年10月11日
公式ページ https://www.global-produce.jp/
働き方 出社

今回は、代表取締役社長兼クリエイティブディレクター・光畑(こうはた) 真樹さんにお話を聞かせていただきました。光畑さんは、2012年4月に33歳で会社を設立。当初は3人のメンバーから始まりましたが、国内外の案件増加に伴い、現在では約40人のプロフェッショナルたちが集まっています(2023年4月時点)。

本日お話を伺った方
株式会社グローバルプロデュースの代表取締役社長兼クリエイティブディレクター光畑真樹さん

代表取締役社長
クリエイティブディレクター

光畑真樹さん

国内外問わず多彩なイベントをプロデュース

株式会社グローバルプロデュースが演出したイベントのイメージ画像
▲IT製品紹介サイト「ITトレンド」が主催した、大型オンラインカンファレンス「IT TREND EXPO 2023 Winter」

編集部

まず、グローバルプロデュースさんの事業内容についてお伺いしてもよろしいでしょうか。

光畑さん

グローバルプロデュースは、イベントを開催したい企業に向けて、企画から立案・開催・運営まで一貫してサポートを行う企業です。

イベントプロデュース企業の一般的なビジネスモデルは、自社主催のイベントで集客してチケットを売るようなケースが多いですが、グローバルプロデュースはクライアントの代わりにイベントを作る、いわば代理店の役割を担っています。

編集部

具体的には、どのようなイベントをプロデュースした実績があるのでしょうか。

光畑さん

ジャンルは本当に幅広いですね。イベントと聞いて一般的にイメージする大規模な表彰式やカンファレンスなどは、もちろん多数手掛けています。

最近の事例でいうと、2023年2月7日〜2月10日の3日間に渡り開催された、IT製品紹介サイト主催のオンラインカンファレンス「IT TREND EXPO 2023 Winter」をプロデュースしました。イベントではDX化の課題を解決する製品・サービスの紹介を行い、さまざまなスペシャルゲストも登場して、多くの企業様にご参加いただきました。

株式会社グローバルプロデュースが演出した大型オンラインカンファレンス「IT TREND EXPO 2022」
▲グローバルプロデュースさんが演出した案件のひとつ、大型オンラインカンファレンス「IT TREND EXPO 2022」

参加者限定のクローズドイベントも手掛ける

編集部

グローバルプロデュースさんは、大規模なイベント以外も手掛けていらっしゃるのでしょうか。

光畑さん

もちろんです。企業様の要望に応えて、新製品の発表会見や社内の活性化を目的として開催するイベントなど、企業様の要望に応えていろいろな内容のものを手掛けています。そのようなイベントは、参加者が限られているクローズドなものも多いです。

この業界に入って長いですが、イベントプロデュースを始めた直後は「世の中にはこんなにも多くのイベントがあるのか」と驚きました。もちろん、その数だけニーズがあり、それに応じた解決策があって、イベントが成立しているわけですね。

編集部

企業は自らの事業の専門家であっても、イベントの開催まで社内でまかなえるということは少ないですよね。そのサポートをするのが御社だということですね。

光畑さん

そうですね。例えばAppleがiPhoneの新作をリリースするときは、一部の関係者やメディアだけが出席しますよね。あれも当然ながらAppleだけでやっているわけではなく、会場の手配から受付、音響や照明、プレゼンの進行など、専門家が協力していると思います。

編集部

なるほど。規模を問わずさまざまなジャンルのイベントを手がけられているので、入社された方は急速に経験を積んでいくことができそうです。

リアルからメタバースまで、目的によって開催方法を組み合わせる

株式会社グローバルプロデュース主催の一般向けハイブリッドイベント2021 JAPAN Hybrid Conference(JHC)
▲リアル50人・オンライン2,000人が参加したハイブリッドイベント「2021 JAPAN Hybrid Conference(JHC)」(引用元:コーポレートサイト

編集部

近年の社会情勢もあって、オンラインでのイベントも増えているかと思います。グローバルプロデュースさんのプロデュース内容も変わってきたのではないでしょうか。

光畑さん

はい。数年前まではリアルイベントがスタンダードでしたが、2020年頃からは対面を避けるためオンラインにシフトしましたね。状況が落ち着きつつある今は、「リアル」「オンライン」と、その2つを併せた「ハイブリッド」の三本柱という感じです。

あと、最近は「メタバース」の需要も増えてきたため、その流れに対応できるよう、2022年7月にメタバースプラットフォームの企画やイベント運営を行う子会社「グローバルメタバース」を設立しました。これからリアルイベントもどんどん開催されますが、ひとつの方法だけではなく、「オンラインイベントの一部をメタバースで展開」など、いくつかの方法を掛け合わせる形が一般的になると思います。

今後はより一層、どの開催方法が効果的かということを含め、お客様と話し合った上で時代の一歩先を捉えていく必要があるんです。これは私にとって、非常に楽しい仕事ですね。

編集部

ベストな方法はイベントによって違うということですね。

光畑さん

そうですね。例えば同じ予算を与えられた場合、「リアルイベントで1,000人」を集客するのと、ハイブリッドで「リアル100人+オンライン2万人」を集客するという2択の場合、経営戦略的に有効なのは後者のハイブリッドです。

ただ、リアルには偶発的な出会いやモチベーションの向上など、オンラインにはないメリットがあるのも事実です。そのため、リーチしたいターゲットやコンテンツの特性によって、ケースバイケースでプロデュースしなければいけません。

イベントは企業の課題解決や目標達成のための手段なので、娯楽施設のように「ただ感動させる、楽しませる」ために開催するわけではないんです。サミットにしても全社会議にしても、イベントの目標をどう達成するかという経営コンサル的な視点が必要ですね。

積極的に手を挙げ、責任を持って仕事を完遂できる若手が活躍

株式会社グローバルプロデュースのミーティングスペース

編集部

続いて、グローバルプロデュースさんの組織づくりについてお話を伺います。御社では20代の方も多く活躍されていると伺っておりますが、その若手の皆さんに共通する特徴はあるでしょうか。

光畑さん

自頭の良さや学歴というよりも、自分で手を挙げて仕事にチャレンジし、責任をもって完遂できる人が結果を出していると思います。

あとは、ザッカーバーグの有名な言葉を借りるなら「Done is better than perfect(完了は完璧よりも優れている)」ということで、まずは終わらせることができる人というのは引く手あまたですね。完璧を求めて2週間かけるより、まず1日で完了させて、そこからブラッシュアップしていくような効率の良い人が活躍しやすいと考えています。

編集部

なるほど。実際のご活躍ぶりについて伺えるでしょうか。

光畑さん

個々の案件ではなく全体的な傾向になりますが、弊社では入社2〜3年目で20代中盤の社員の多くが、他の会社だったら30歳ぐらいの人がようやく達成するくらいの高い業績を上げています。いや、むしろそれ以上かもしれません。

これは、もともと優秀な人たちを採用できているということはもちろん、若手がとんでもないスピードで成長できる仕組みがあるからだと思います。

充実の研修制度と学び続けられる環境で急成長

編集部

先ほどおっしゃった、グローバルプロデュースさんでの若手の方々が成長できる仕組みについて、お教えいただけますか?

光畑さん

仕組みとしては2つあって、ひとつは研修がすごく充実していることです。入社した社員を放っておくということは絶対にありません。

イベント業界は、以前は場数をこなして経験と勘を培う世界でしたが、今は経験と勘で10年アシスタントディレクターをやれるという時代ではありません。そのため、プレゼンやプランニング、営業ヒアリングなどの基礎研修から、イベントプロデューサー研修、GP-WEB研修などの専門的な育成まで、数十種類の体系的な研修制度を設けています。

さらには、座学だけでなく、社外研修合宿、キャンプ研修、芸術鑑賞といった体験型の研修など、バリエーション豊富に用意していますね。

新卒採用を例に挙げると、内定直後から新人研修をはじめています。社会人としてのビジネスマナーはもちろん、業務に関する基礎研修を実施しているので、新人や若手でも入社後すぐに活躍できるのだと思います。

編集部

ありがとうございます。2つ目は何になるのでしょうか?

光畑さん

若手が成長できる理由の2つ目は、社内外の体制が整っていることです。まず社内については、先輩社員や私が新人を適宜フォローできるようにしていて、気軽なコミュニケーションを通して仕事を学べる環境です。

また社外についてですが、私たちは「イベントプロデュースカンパニー」で、「イベントプロダクション」ではありません。つまり、優秀なデザイナーや技術面を任せられるパートナー企業の方々、また各会場との連携など、他者および他社との協力は絶対に必要となります。

グローバルプロデュースの強みは、すごく優秀な方々とたくさんお付き合いがあるところで、若手も案件を通してそういった人から現場で学ぶことができるんです。意欲と行動力さえあれば、活躍できる環境は本当に整っていると思います。

編集部

体系的な研修によりしっかりとスキルや知識を身につけられる上、社内外問わずいろいろな方から学ぶことができるんですね。若いうちからそのような経験が積めると、仕事の幅が広がりそうです。

会社負担で「感性を磨く体験」を推奨する制度あり

株式会社グローバルプロデュースの公式サイト内「イベント実績・レポート」
▲会社から補助を受けて各種イベントを体験できる福利厚生が特徴。そのようすはサイトにアップされている(公式サイトから引用)

編集部

グローバルプロデュースさんには、めずらしい福利厚生があると伺いましたが、詳細をお教えいただけますでしょうか。

光畑さん

感性やグローバル感を培うための”体験に対する福利厚生”が特徴的だと思いますね。これは、演劇やコンサートなど各種イベントの参加費用について、すべて研修費用として会社が負担するというものです。感性を磨いて目を肥やしたり、トレンドを捉えたりするのは仕事の一環ですからね。

イベントといっても対象は国内に限っていなくて、海外に行くケースもあります。現在、新卒の1年生が7人いるんですけど、現地のユニークベニュー(※)や街の雰囲気を肌で感じるためにシンガポールに行っています。会社側が手配するのではなく、新入社員が自ら幹事を決めて手配しました。
(※)ユニークベニュー:地域特性やプレミアム感を演出できる会場のこと。歴史的建造物や文化施設、美術館、公的スペースなど。

たしか、入社2年目の社員たちは来週からバンコクに行く予定です。あと、2023年は「ワールドツアー」と題したものを計画しています。「あなたはインド、あなたはトルコ」という感じで、私が国を選んで、社員が個々で海外へ向かうというものですね。

そういった体験をした後は、必ずレポートを書いて提出してもらい、公式サイトにアップしています。アウトプットすることで自分の体験を整理でき、後の業務にもつながるためです。

編集部

スキルアップのために補助を出すというケースは多いですが、各種イベントの参加を促すのはグローバルプロデュースさんならではですね。海外に足を運び体験することで、本やネットだけでは得られない的確な判断力やセンスが養われるのだと感じました。

リアルなコミュニケーションでチーム力を強化

株式会社グローバルプロデュースの外観
▲テラスで休憩する社員。ワークスタイルは出社にこだわり、リアルなコミュニケーションを大事にしている

編集部

グローバルプロデュースさんでは、リモートワークも導入しているのでしょうか。

光畑さん

テレワークは設けていなくて、ワークスタイルは出社のみです。世間話から偶発的にアイデアが生まれることもあるので、リアルなコミュニケーションを大事にしています。実際に、アメリカなど最先端のIT系企業の多くも、最近は出社を重視していますよね。

やっぱり、出社した直接会ったほうが楽しいですし、ワイワイガヤガヤ話すのが大事です。先日はWBCが開催されましたが、日本チームはダルビッシュ選手が「野球を楽しむ」というメジャー流の文化を伝えて、チームの雰囲気を良くしたのが高く評価されています。

私もこういった考え方にはすごく共感していて、グローバルプロデュースであれば「イベントプロデュースを楽しむ」ということを忘れないようにしたいんです。そのためには出社でないと、どうしても難しいかなと思います。

職場は「安心できるホーム」。会社と個人が互いに思いやる組織

株式会社グローバルプロデュースのビジョン
▲「イベントプロデュースを通じて世界中に幸せを届ける」というビジョンを掲げる(公式サイトから引用)

編集部

グローバルプロデュースさんにおいて、社員の皆様がどのような雰囲気で働かれているかお聞きしたいです。

光畑さん

基本的にアットホームだと思います。私は、会社は社員にとって落ち着く場所、いわば「ホーム」でありたいと考えています。イベントプロデュースの仕事は時間に追われますし、リハーサルや本番での緊張感、ときには厳しい交渉のシーンなどもあります。だから、帰ってきたときに社員の心がほぐれるような雰囲気を意識しています。

編集部

公式サイトの社内レポートを拝見したのですが、光畑さんが新卒のメンバーへバッグや洋服などをプレゼントするようなこともあるんですね。

光畑さん

そこは、ベンチャー企業だからこそですかね。大企業などではありえないでしょうが、それくらいメンバーとも大切な関係を築いています。頑張るメンバーたちのモチベーションアップにつながればいいなと思っています。

編集部

家のように温かくリラックスできる環境だと、心理的に安心して働けるでしょうね。やはり、会社のビジョンを達成するために一丸となって働いているという雰囲気なのでしょうか?

光畑さん

我々が掲げているビジョンに共感してほしい気持ちはありますし、実際に全員に言い続けているのですが、今や全社員が同じベクトルを向いて働く時代ではない気もしているんです。どちらかというと、一流の人が集まって活躍できるプラットフォームをつくりたいというほうが強いですね。

メンバーには自社のことだけではなく、「イベントプロデュースを通じて社会全体を活性化する」という気概を持ってほしいんです。そのために「雇用する側・される側」というだけではなく個人をちゃんと尊重して、会社も社員もお互いを思いやるという気持ちを大切にしていますね。

イベントプロデュースに誇りを持てる人を歓迎

株式会社グローバルプロデュース代表取締役の光畑さん
▲「自分自身もイベントプロデュース業に誇りを感じている」と話す光畑さん

編集部

最後は採用に関する質問ですが、どのような方がグローバルプロデュースさんにフィットするとお考えでしょうか。

光畑さん

仁義を大事にするとか、生涯にわたって学習を続けられるかなど、適性でいうといろいろとありますね。ただ、一番重要なのはイベントプロデュースが好きかどうかでしょうか。

イベントプロデュース業は、お客様の喜ぶ姿やステージの雰囲気などをリアルで体感できる点がやりがいであり魅力です。コンサートや映画など何でも構わないのですが、そういった臨場感が好きな人は向いていますね。イベントは直訳すると”出来事”なので、さまざまな体験や変化に苦手意識を持つ人は続かないと思います。

編集部

イベントによって目的や規模は違うと思いますが、日々異なる条件の中で臨場感や変化を楽しめるかどうかがポイントということですね。

光畑さん

はい。ただ、感覚的に「好き」と感じるのではなく、大切なのは「仕事を誇れるかどうか」です。私は、自分の仕事をものすごく誇りに思っています。

イベントプロデュース業は企業を活性化したり、人と人をつないだりする仕事です。時には国際交流の架け橋となったり、参加者に学びや気づきを与えてモチベーションの向上に貢献したりもします。このような、参加者の感情を揺さぶる喜びが誇りにつながるので、他人に興味のない人は向かないんです。

「自分と会社が成長すればそれでいい」というのではなく、他人に興味を持つ人であれば、自らが手掛けたイベントが成功したら心に響くような感動を覚えるはずです。そういった想いを持っている人に、ぜひ入社していただければと想います。

編集部

今回お話を伺い、御社で若手が活躍できる理由は、感性を磨くための学習・体験を促す制度や、数十種類の体系的な研修といったサポートが充実しているからだとわかりました。本日は貴重なお時間をいただき、ありがとうございました。

■取材協力
株式会社グローバルプロデュース:https://www.global-produce.jp/
採用ページ:https://www.global-produce.jp/wanted/