ミライのお仕事『注目企業へのインタビュー』企画。今回は、人権救済を理念に掲げ、債務整理や交通事故など、さまざまな法律問題の解決をサポートする「弁護士法人・響」にインタビューしました。この記事では、転職を検討されている方に向けて、同法人で働く魅力をご紹介します。
パラリーガル採用の約95%が未経験者という特徴があり、アパレル、公務員、一般企業など、多様なバックグラウンドを持つ方々が活躍しています。実務重視の教育体制と分業制により、法律の知識がなくても着実にスキルアップできる環境が整っているのが魅力です。
今回は、弁護士法人・響のパラリーガル職の魅力を中心に、事務局長の大石さんと人事課の神さんにお話を聞かせていただきました。
パラリーガル職の特徴:約95%が未経験で入所、法学部以外も多い
▲取材にご対応いただいた大石さん
編集部
貴法人では弁護士を支える法律事務員、いわゆるパラリーガル(※)の方々が多く活躍されているそうですね。やはり、経験者や法律を専門的に学んだ方が多いのでしょうか。
(※)弁護士の指示のもと、弁護士が法律業務を行う際の補助業務を全般的に担当する職種
大石さん
いえ、実は中途採用の約95%が未経験者なんです。アパレル、一般企業の会社員、公務員など、多様なバックグラウンドを持つ方々が活躍しています。組織構成としては、36名の弁護士と約250名のパラリーガルが在籍していますね(2024年12月取材時点)。
私自身、入所前はパラリーガル職には法律の知識が不可欠だと思っていました。しかし実際は、法学部出身者はそれほど多くありません。採用者から「六法全書を読んでおいたほうが良いですか」と聞かれることがありますが、業務では実務的な知識のほうが役立ちます。
というのも、パラリーガルは営業事務に近い部分もありますが、弁護士監督の下で案件を詳細に把握し、進捗管理を行う立場だからです。弁護士は同時に100件程度の案件を抱えているため、スケジュール管理や裁判所への提出書類の準備など、きめ細かなサポートを行っています。
そのため、法律をそのまま覚えるというよりは、債務整理にはどのような種類があるかや、交通事故が発生してから解決に至るまでの道筋など、債務整理や交通事故の手続きに関連する内容に触れておくことをお勧めしています。
神さん
当法人では適切なチーム編成を行い仕事を進めているため、パラリーガルを未経験からでも始めやすいという特徴があります。法律とは無関係の前職で、事務的な仕事だけをしていたため自分の存在意義に悩んでいたという方が、ご依頼者様と深く接することができるような仕事に就きたいと考え、応募されるケースが多い印象です。
実際に、ご依頼者様から直接お褒めの言葉をいただき、やりがいを感じると語るスタッフも数多く存在しています。
一般企業と同様にキャリアアップを目指せる。部署ごとに専門性を高め活躍
編集部
貴法人では、パラリーガルの方々はどのようにキャリアを積んでいるのでしょうか。
大石さん
従来の法律事務所においては事務職の報酬が上がりにくく、パラリーガルの出世が難しい風潮があります。しかし、当法人では一般企業と同じように事務職にも“部長”や“課長”といった役職を用意し、キャリアアップができる環境を整えていることが特徴です。
なお、我々は2025年に設立12年目を迎える若い組織です。約300名いる従業員の平均年齢は33.4歳で、役職者も30代がメインとなっています。事務職の役職者のうち、約8割が中途採用者であることも特筆すべき点です。
編集部
貴法人でのパラリーガルの働き方について特色を教えてください。
大石さん
当法人では専門性を高めるため、債務整理事業部、交通事故事業部、一般事件事業部、企業法務事業部を設けて分業しており、パラリーガルも各事業部に配属されます。
編集部
事業部によって働き方は異なるのでしょうか?
大石さん
はい。例えば基幹業務として主要な債務整理事業部と交通事故事業部がありますが、この2つは働き方が大きく異なります。
債務整理事業部では案件の進行に応じて担当部署が変わり、弁護士と連携しながら複数の部署が協力して解決を目指す形を取っています。消費者金融などの債権者に対し、ご依頼者様の借金額を1円単位まで正確に調査する部署や、弁護士と共に最適な返済計画を立てる部署など、各専門部署がバトンを繋ぎながら、一丸となって問題解決へ導きます。
一方、交通事故事業部では被害者支援を専門としており、1人の弁護士とパラリーガルで、事故直後の入院中のご依頼者様の対応から治療終了後の保険会社との交渉まで、一貫してサポートします。ご依頼者様の状況に応じたきめ細かな対応が必要です。
編集部
部門間の異動は活発にあるのでしょうか?
大石さん
キャリアパスにおいて必ず発生するわけではありませんが、事業規模拡大に伴ったものや、部署の新設、また昇格して他部署の責任者になるといった異動もあります。
可視化できる数字で達成度を追う、公平性ある評価制度
編集部
貴法人での従業員の評価基準についてもぜひご紹介ください。
神さん
年齢や性別などは関係なく、成果がそのまま評価に直結する形を取っています。年に2回、半年ごとに上長との面談を経て個人に合わせた目標設定を行い、人事考課で評価されます。
編集部
目標はどのような形で設定されているのでしょうか。
大石さん
誰もが理解できる明確な数値目標を設定しているのがポイントです。例えば電話の対応件数や解決件数、裁判所への申立件数など、可視化された指標を用いています。残業時間などの勤務時間ではなく、具体的な成果を重視することで、評価の公平性を保っています。
神さん
数値化された目標に対するアプローチ方法はさまざまです。個人の工夫や裁量に任せている部分も多くあり、それぞれのチャレンジややりがいに繋がっています。
成長支援:入所後などの各研修や実務の中でスキルアップが可能
編集部
未経験の方が業務に就くにあたり、どのようにして成長を支援されているのでしょうか。
神さん
入所時に、業務で使うツールやセキュリティ、考え方について学ぶ基礎研修・ツール研修・セキュリティ研修を実施しています。さらに現場配属後には、OJTやロールプレイなどで実務的な面をフォローする研修を行っています。
管理職とも話しやすい雰囲気のため、メンター・メンティーのような立ち位置で直接的な指導を受けられ、積極的に意見を出し合えるのがポイントです。外部研修等に積極的に足を運ぶというよりは、現場で実務的に仕事を覚えていただける環境です。
大石さん
法律面についても学ぶ必要はありますが、基本的には実務の中で必要な知識を身に付けていきます。
編集部
業務や自身のキャリアなどで不安なことが出てきた場合、相談できる機会はあるのでしょうか。
神さん
入所時に加え、入所後1週間・1ヶ月・2ヶ月・3ヶ月と細かく面談を実施しているので、目標設定や仕事内容について相談できる機会が多く、きめ細やかなサポートを受けられます。
もちろんこうしたタイミング以外でも、上長への相談は随時可能です。新卒・中途問わず、安心して業務に取り組んでいただけます。
事例共有会で法改正や判例をタイムリーにキャッチアップ
編集部
入所時の研修や実務以外にスキルアップの機会はありますか?
大石さん
もちろんあります。弁護士は弁護士、パラリーガルはパラリーガルで、事業部ごとに定期的に事例の共有会を行い、示談に至った経緯や裁判の判決、ナレッジ共有などを行っています。
ご依頼者様にとっては、円滑かつスピーディに手続きを進めることが大切です。そのため、部署内でこれまでの解決事例を共有し、業務効率を向上させることが大変重要です。部署内のベテラン勢もサポートしながら、若手の成長を導いていますね。
編集部
具体的にどのようなテーマで勉強されているか、ご紹介いただける内容があれば教えてください。
大石さん
ナレッジ共有については、民法の改正や、道路交通法の改正などが挙げられます。電動キックボードのように新たな交通手段ができれば法も改正されるため、都度勉強会を実施しています。
事例の共有会は、パラリーガルの心のサポートにもなっているのがポイントです。人によってはご依頼者様の状況に心を痛め、一緒に悩んで涙を流すこともあるので、多様な事例の受け止め方や、乗り越え方も仕事を進めるうえで参考になっていると思います。
女性活躍:従業員の半数以上が女性。育児と仕事の両立も可能
▲取材にご対応いただいた神さん
編集部
貴法人では、全従業員に占める女性の割合はどれくらいでしょうか。
神さん
全体で300名近くいる中で、150名以上が女性です。産休・育休を取得して復職された方や、時短勤務、在宅勤務を利用している方など、さまざまな働き方で活躍されています。
大石さん
弁護士は男性が多いですが、事務職は女性が圧倒的に多いですね。当法人は実力主義のため、成果を上げた方が男女問わず管理職に就いています。実際に、役職者の半数以上を女性が占めていますよ。
編集部
女性が多い環境ということですが、ライフステージの変化などがあっても働き続けられるのでしょうか。
大石さん
もちろんです。実際に弁護士同士で結婚して、女性弁護士が産休・育休を取得し、復職したケースがあります。弁護士が率先してこうした制度を活用することで、パラリーガルの方々の制度利用を促しています。
また、課長職の女性が産休を取得した事例や男性の育休取得事例もあり、役職や性別を問わず、制度を活用しやすい環境です。どなたからみても働きやすい環境が整っていると思います。
編集部
育児と仕事の両立は大変だと思いますが、支援する取り組みはあるでしょうか。
大石さん
時短勤務や在宅勤務などの選択が可能です。例えば職場復帰後に保育園のお迎えの時間が早い場合や、お子さんの体調不良などで在宅勤務の希望があれば、これまでの勤務実績や能力を考慮して臨機応変に対応しています。厳密に制度を定めていませんが、チーム内でも積極的なサポートを得やすい環境です。
神さん
制度としては発展途上の部分もありますが、全体的に多くのスタッフがワークライフバランスを意識した働き方を選択できる職場環境になってきているかと思います。
組織風土:イベントや部活動で役職や部署の垣根を超えて交流!
編集部
約300名という大規模な組織ですが、事業部や部署にとらわれない交流の場もあるそうですね。
大石さん
そうなんです。代表弁護士から全従業員に向けて、前半期の振り返りと次の取り組みについて共有する「キックオフイベント」を半期ごとに開催しています。近年はオンライン開催となっていますが、新卒メンバーが企画を一から担当しているのが面白いポイントです。
クイズ大会やゲームなど参加型の企画も織り交ぜた、全従業員が一体感を持てる場となっています。
編集部
その他には、どんな交流の機会がありますか?
大石さん
部署間のコミュニケーションを活性化させるために、誰でも参加できる部活動を設けています。
事務所が活動費を補助する形で数年前から始まったもので、現在は、フットサル、ダーツ、軽音楽、ライトニングトーク、ワインの5つの部活があります。弁護士・パラリーガル関係なく、希望すればどの立場の方も参加できますよ。
日々の業務では債務整理事業部のパラリーガルと交通事故事業部の弁護士が話す機会はなかなかありません。しかし、部活動の場では積極的に話している姿が見られ、事務所内の円滑なコミュニケーションに大変プラスになっていると感じます。
編集部
一般的なイメージとして、弁護士法人と聞くと堅い印象が持たれやすいかと思いますが、実際の人間関係や職場の雰囲気はいかがでしょうか。
大石さん
外部からはそういったイメージを持たれがちですが、そんなに堅苦しい雰囲気ではありません。実際に弁護士とパラリーガルが一緒に飲みに行くこともありますよ。一般的に敷居が高いと思われがちな弁護士とスタッフの距離が近いのも特徴です。
求める人物像:コミュニケーション能力・主体性を重視
編集部
弁護士法人・響が人材を募集する際の基準は何でしょうか?
大石さん
パラリーガル職は電話での対応も多く、ご依頼者様との対話が重要な業務となるので、自然なコミュニケーションを取れることが最も重要です。
また、パソコンでの作業が多く、時にはルーティン業務を繰り返す場面もあるため、そういった業務に耐性があるかどうかも、経歴やお話の中から確認させていただいております。
神さん
人事の立場からは、誠実さはもちろんですが、事務所の理念に共感し主体的に動ける方を求めています。事務所の顔として活動していただく場面も多いため、ご依頼者様と積極的にコミュニケーションを取りながら業務を進められる方に来ていただけると嬉しいですね。
弁護士法人・響から転職検討者へのメッセージ
編集部
記事の結びに、転職を検討されている方へ向けて、ぜひメッセージをお願いします。
神さん
パラリーガル職では、素早く正確に仕事をこなすことが求められるため、事務スキルはもちろん接客や販売で培われるホスピタリティ、協調性なども活かすことができ、さまざまな職種からの転職者が活躍しています。研修制度も充実していますので、サポート業務にやりがいを感じる方や、事務的スキルを伸ばしたい方にぜひご応募いただけたらと思います。
また、ワークライフバランスも重視しており、有給休暇の取得率は80%以上です。事務所拡大という大きなミッションも掲げています。事務所の拡大とともに、自身も成長させていきたい方からのご応募もお待ちしています。
大石さん
当法人は2025年4月に12期目を迎える若い組織で、まだまだ変化に富んでいます。そういった環境を前向きに捉えられる上昇志向をお持ちの方、さらには将来的に役職者として部署全体を引っ張っていきたいという、マネジメントに意欲的な方をお待ちしています。
経歴を問わず、どなたでも活躍できる環境を整えていますので、敷居の高さを感じることなく、ぜひご応募いただければと思います。
編集部
お話を伺い、専門性が高いパラリーガル職に未経験者が多いことが印象的でした。意欲がある方はコミュニケーション能力を活かしながらステップアップできる職場とのことで、多くの方に興味を抱いていただけたらと思います。大石さん、神さん、本日はありがとうございました。
編集後記
・弁護士の明るい人柄、風通しの良さ、組織内の交流活性化の仕組みなどから、一般的な堅いイメージとは異なるような雰囲気の良さがある法律事務所ではないかと感じた
この記事のまとめ
評価制度の特徴 |
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働き方の特徴 |
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組織風土 |
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キャリア・バックグラウンド |
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教育・研修 |
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求める人物像 |
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弁護士法人・響の基本情報
名称 | 弁護士法人・響 |
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住所(本店) | 東京都新宿区北新宿2-21-1新宿フロントタワー14階 |
事業内容 | 法律全般相談業務(第二東京弁護士会所属) ・個人(債務整理、交通事故、労働問題、相続問題、離婚・男女問題、アスベスト健康被害、誹謗中傷問題、刑事事件) ・法人(顧問弁護士契約、事業承継、人事・労務問題、不動産取引、債権保全・回収、商標登録、情報・サイバーセキュリティ) |
設立 | 2014年 |
公式ページ | https://hibiki-law.or.jp/ |
採用ページ | https://hibiki-law.or.jp/recruitment/ |
募集職種 | ・弁護士 ・パラリーガル(法律事務員) ・バックオフィススタッフ ・アルバイト、パートスタッフ |
事業の概要
弁護士法人・響は、響グループが運営する法人のうちの1つです。税理士、行政書士、社会保険労務士、調査の専門家を抱えるグループ法人と連携をとりながら、依頼者の悩みや問題をワンストップで、多角的な視点から解決へ導いています。
また、Webマーケティングでの集客を軸に、すべての方へ最高水準のリーガルサービスが行き届くよう取り組んでいるのが特徴です。「人権型ロー・ファーム」を経営コンセプトとして掲げ、憲法の中心的価値が実現される世界を目指し、社会問題の解決にも力を注いでいます。