ミライのお仕事『注目企業へのインタビュー』企画。今回は、新潟県の加茂市役所にインタビューしました。この記事では、転職を検討されている方に向けて、同市役所で働く魅力をご紹介します。
加茂市役所には、20代の若手職員が市長秘書を務めるなど、年齢や経験年数に関係なく、職員一人ひとりの可能性を見て重要な仕事を任せる組織風土が根付いています。また、YouTubeでの情報発信やメディア出演など、従来の公務員の枠にとらわれない新しい取り組みにも積極的に挑戦。職員提案制度を設け、若手の意見も積極的に採用するなど、風通しの良い職場環境が特徴です。
今回は、同市役所における働きやすい職場環境や若手育成について、人事担当の磯貝さん、庶務課の市川さん、総務課の岡さんにお話を聞かせていただきました。
教育行政からYouTube発信まで。加茂市役所の若手の仕事
編集部
まずは、若手職員として活躍されている市川さん・岡さんの業務内容について教えてください。
市川さん
私は大学卒業後に新卒で入庁し、現在は3年目で教育委員会庶務課に所属しています。配属される前は「庶務課って何をする課なんだろう?」と思っていましたが、実際は教育委員会の総務課のような課で、教育委員会全体の様々な業務に携わっています。
私の個人的な仕事としては、小中学校の老朽化に伴う修繕工事の発注やマネジメントがメインです。施設の老朽化対策として、児童生徒や教職員の安全を考慮しながら、優先順位をつけて修繕を進めています。
▲市川さんが学校で業務を行っている様子
市川さん
また、現在、加茂市には小学校が6校、中学校が5校あるのですが、人口規模に対して学校数が多い状況にあるため、学校の統廃合に向けたマネジメントも行っています。例えば令和5年度に「加茂市立小中学校適正化方針」を策定し、市民説明会も行いました。今後はその方針に基づき具体的な統合方法について検討していきます。
また、加茂市が運営しているスクールバスの管理や時刻表の作成業務も担当しています。
岡さん
私も大学卒業後に新卒で入庁し、現在は2年目です。総務課にて秘書広報係と国際交流係を兼務しており、月刊の広報紙「広報かも」の編集作業をメインに、外国人対応や姉妹都市との連携など国際交流関連の業務も行っています。
▲秘書広報係と国際交流係を兼務している岡さん
岡さん
私も加茂市出身で、生まれ育ったこのまちで長く安心して働ける場所を探していました。民間企業も魅力的でしたが、地域の人のために働ける市の職員という立場に大きく惹かれたんです。さらに、安定した職業であることや、縁の下の力持ち的な仕事の性質が自分の性格に合っていると感じたことも入庁を志望した理由です。
実際に市役所で働いてみると、予想以上に多様な業務があることに驚きました。例えば、私はYouTubeの発信やメディア出演などにも携わっており、写真撮影や取材等で外出する機会も多いです。また、選挙やイベントなどで休日に出勤することもあり、市役所の仕事は想像以上に幅広いと実感しています。
編集部
日々の業務の中で、特にやりがいを感じる場面について教えていただけますか。
市川さん
修繕後に子どもたちが「ここ綺麗になった!」と喜んでいる姿を見ると、子どもたちが過ごしやすい環境を自分の発注によって整えられていることに大きなやりがいを感じます。学校現場に行った際も子どもたちから挨拶してもらったり、話しかけられたりすると嬉しくなります。そういった純粋な子どもたちとの関わりも、この仕事ならではの楽しみですね。
岡さん
私が担当している「広報かも」は加茂市内の全世帯に届く広報紙なので、市民の皆さんの目に触れるものとして大きな責任を感じており、「より分かりやすく、手に取りたくなるような広報紙にするにはどうしたらいいか」と常に考えながら制作を進めています。そのため、市民の方から「今回の表紙すごく良かった」「記事、読みやすかったよ」といったお声をいただいた時に、頑張って作って良かったと感じますね。
また、入庁2ヶ月後にご当地アイドルの方と市内散策の様子をYouTube撮影したことも大変印象に残っています。初めての経験で手探り状態でしたが、下見や台本の制作など入念に準備をして臨み、人生最大と言っても過言ではないほどの大きなチャレンジでした。
加茂市役所では経験年数に関係なく、その人の個性や可能性を見て仕事を任せてくれるため、そういった点も大きなやりがいにつながっています。
編集部
入庁後の研修制度について教えていただけますか。
市川さん
新入職員は、新潟県の施設で他の自治体職員と共に基礎研修を受け、マナー講座や法務、文書作成、電話対応の基礎を学びます。また、職場では直属の先輩が指導役として付き、役所の中のことや業務のやり方などを教えてくれます。
20代で市長秘書に抜擢!人事評価による能力主義へシフト
編集部
昇進の仕組みについて教えていただけますか。
磯貝さん
従来は年功序列が主流でしたが、最近は人事評価制度の導入などもあり、能力主義にシフトしつつあります。入庁後10年程度は年数による昇進が基本ですが、その後は個人の能力がより重視される形です。
ちなみに、主事から主査への昇進は、32~33歳くらいが目安となっていますが、職位に関係なく20代で市長秘書に抜擢されたりしますからね。
編集部
自己啓発やスキルアップのための制度はありますか。
磯貝さん
階層別研修の他に、自己啓発支援制度があります。社会貢献活動や国際活動、大学への入学などの場合、2~3年程度は身分を保持したまま研修できる制度です。また、新潟県との人材交流も行っており、様々なキャリアパスを選択できる環境があります。
誰でも提案できる職場へ。若手の意見を活かす組織づくり
編集部
次に、若手育成について人事担当の磯貝さんにお話を伺います。加茂市で特に力を入れている取り組みについて教えていただけますか。
磯貝さん
加茂市では、若手職員から部署の垣根を越えた様々なジャンルの業務に関わってもらっています。また、職位や年齢に関係なく誰でも提案できる規程が設けられており、職員の意見を業務に反映させる体制が整っているため、若手職員のアイディアが事業化された例も過去にたくさんあるんです。
若手から上司へ意見しやすいよう、風通しの良い職場づくりを行っていることも大きな特徴ですね。
編集部
風通しの良い職場づくりに向けた、具体的な取り組みについて教えてください。
磯貝さん
新採用職員向けには、年度当初に市長・副市長・教育長とのランチミーティングを実施しています。また、7月下旬から8月末までの約1ヶ月間、各課を回って課の特徴を知る職場研修も行っていますね。いろいろな課の人と知り合えるので、その後の業務で他の課と関わる際にやりとりがしやすくなることが大きなメリットだと考えています。
アットホームな職場環境と充実の福利厚生制度
▲加茂市には散策にぴったりなスポットが豊富
編集部
職場の人間関係について、どのような印象をお持ちですか。
市川さん
加茂市役所の職員は、個性的でいい人ばかりです。一見コワモテの先輩もいますが(笑)、そういう方こそ優しくて、親身に教えてくださいます。
交流も活発で、部署単位で夏の懇親会や忘年会、歓送迎会などを実施しているほか、職員互助会のバス旅行やレクリエーションイベントもありますね。ちなみに、若手職員のLINEグループもあり、分からないことを教え合ったり、飲み会を企画したりと非常に仲が良いです。
▲上司との距離が近く、アットホームな雰囲気の職場環境
編集部
市長や副市長との交流についてはいかがでしょうか。
岡さん
市長や副市長、教育長など、幹部の方々はみなさんフレンドリーで話しかけやすいですね。市長や副市長は職員一人ひとりの仕事をよく見てくださっており、例えば私がメディア出演した際には「あれよかったよ」「コメント上手いね」などと声をかけてくださったり、ご自身のSNSで紹介してくださったりしました。そのような形で応援していただけることが、とても励みになっています。
編集部
加茂市役所の福利厚生についても教えてください。
磯貝さん
公務員ですので他の自治体と大きく違うということはないのですが、共済組合から人間ドックの利用助成や職員互助会から予防接種の費用助成がありますね。
加茂市の特色とすると、休暇制度が比較的充実しているところでしょうか。夏休みや、子の看護休暇の取得可能期間が広く設定されています。
また、育児休業取得率は令和5年度で男女とも100%、年次有給休暇は年間20日付与され令和5年における平均取得日数は11.5日でした。当たり前ですが有給取得時に理由を説明する必要はないですし、それを詮索する上司もいません。取得しやすい職場だと思いますね。人事係からも、積極的に取得してもらえるよう声がけを行っています。
市川さん
確かに、有給休暇は非常に取得しやすい環境だと感じています。私の所属する庶務課は少人数体制ですが、互いにフォローし合いながら、順番に休暇を取れる仕組みができています。
特に、業務上学校が夏休みの期間中は業務にゆとりが生まれるため、5日間といった長期の連休も取りやすいです。
岡さん
私の課でも連休を取りやすく、つい先日も旅行を満喫してきました。また、1日単位だけでなく時間単位でも利用できるため、通院などで早退する場合などに大変便利です。
編集部
最後に、転職を検討している方へメッセージをお願いします。
岡さん
市役所の仕事は地味だと思われがちですが、加茂市では若手でも伸び伸びと活躍できる環境が整っています。公務員志望の方はもちろん、まだやりたいことが決まっていない方も、ぜひ検討していただけたら嬉しいです。
加茂市をよく知らない方は、まずは一度市に遊びに来ていただき、雰囲気を感じていただければと思います。
編集部
本日はありがとうございました!
編集後記
この記事のまとめ
若手の活躍機会 |
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職場環境・社風 |
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キャリア形成 |
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働き方・福利厚生 |
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加茂市役所の基本情報
自治体名 | 加茂市役所 |
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住所 | 新潟県加茂市幸町2-3-5 |
事業内容 | 加茂市の行政業務全般 |
公式ページ | https://www.city.kamo.niigata.jp/ |
採用ページ | https://www.city.kamo.niigata.jp/shisei/jinji/saiyou/ |
募集職種 | 一般事務職、技術職(土木・建築)、保健師など ※募集職種や募集時期により、年齢要件が異なります。 |