注目企業の躍進の理由や新しい働き方などについて、企業インタビューをしていくこの企画。今回は、スタートアップ・投資家の課題を解決するプロダクトやサービスを展開する「株式会社ケップル」にインタビューしました。
スタートアップ業界を支援する「株式会社ケップル」とは
▲株式会社ケップルが提供する、イノベーション活動を促進するスタートアップデータベース「KEPPLE DB」
株式会社ケップルは、「Create New Industries(世界に新たな産業を)」をミッションに掲げ、スタートアップ業界の支援に取り組んでいる企業です。
スタートアップエコシステムの発展に貢献するため、起業家や投資家の課題を解決する、様々なプロダクトやコンサルティングサービスを展開しています。
取材活動を通したスタートアップに関する情報を発信するメディア「KEPPLE」の運営をはじめ、公認会計士・税理士など専門家によるファンド決算・運営業務支援サービス「KEPPLE FUND SUPPORT」など、幅広いサービス提供で日本のスタートアップ市場発展を目指しています。
会社名 | 株式会社ケップル |
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住所 | 東京都港区虎ノ門5-9-1 麻布台ヒルズ ガーデンプラザB 5F |
事業内容 | スタートアップとベンチャー投資家のためのインフラ創出 |
設立 | 2015年2月23日 |
公式ページ | https://corp.kepple.co.jp/ |
働き方 | リモートワーク可 |
今回は、株式会社ケップルの藤本さんと小宮さんのお二方に、事業を次々に展開する背景や、若手社員が活躍できる環境などについてお話を伺いました。
市場成長に伴う起業家・投資家の課題を解決するビジネスを展開
編集部
ケップルさんは、次々と事業を拡大され、社員数も増加傾向にあり、順調に成長されていると思います。具体的にどのように成長していったのかを教えていただけますか?
藤本さん
未来を作る新たなビジネスを産み出すスタートアップ、スタートアップに投資をしてその成長を支援する投資家、その双方の課題を解決するサービスやプロダクトを提供し、事業促進をサポートするのがケップルの役割です。スタートアップが大きく飛躍するための資金・人材の流入を促し、スタートアップエコシステムの発展に貢献していくことを目指しております。
スタートアップを取り巻いている環境は、この10年で変化しています。例えば、日本におけるスタートアップに対する投資額は、2013年時点で877億円でしたが、2022年時点では8775億円と約10倍に拡大しています。
スタートアップに成長資金を供給しているベンチャーキャピタルや、コーポレートベンチャーキャピタル、事業会社が次々に増えていますが、その反面で課題も見えてきています。
その課題解決のために私達が必要なビジネスをどんどん立ち上げて、それに伴い会社自体も成長してきました。
編集部
事業を増やしているとのことですが、どういった事業をどういった経緯で立ち上げたか教えていただけますか?
藤本さん
まず最初に投資家さん向けの未上場株式管理ツール「KEPPLE CRM」をリリースしました。
Excelやスプレッドシートで投資管理される方も多いですが、様々な企業に投資していくと管理がどんどん煩雑になってくるものです。チームも増えれば、社内での情報共有も煩雑になります。
そこで、クラウド上で投資管理ができるCRMツールをリリースし、ベンチャーキャピタルやコーポレートベンチャーキャピタルの皆様を中心に、導入数を伸ばしております。
その後、スタートアップのデータベース「KEPPLE DB」やファンド決算・運営業務支援サービス「KEPPLE FUND SUPPORT」、スタートアップメディア「KEPPLE」の運営など、スタートアップエコシステムの発展に必要だと考えたサービスやプロダクトを次々と立ち上げ、事業が多角化してきました。
2024年2月には、ストックオプション求人に特化した転職サービス「スタートアップスカウト」をリリースしました。
ニーズに合わせて事業拡大し、リピート・口コミからの流入が増加
▲ケップルグループが展開するサービスのラインナップ
編集部
ケップルさんのプロダクトやサービスが、お客様から選ばれている理由はなんだとお考えですか?
藤本さん
今は事業が多岐にわたっている弊社も、創業当初は一つのプロダクトに注力していました。
しかし、お客様に使っていただくうちにプロダクトだけでは解決できない課題が浮上してきたんですね。
その課題を解決するためには、公認会計士、税理士など高い専門性と経験を持つプロフェッショナルの力が必要だと、ファンド運営に関するバックオフィス業務の受託事業などをスタートしました。
このようにお客様や市場のニーズに合わせてサービスやプロダクトを産み出し、事業を拡大してきました。その結果、幅広い提案ができるようになり、お客様から「こちらの領域でもサポートしてほしい」とおっしゃっていただけるようになっています。
スタートアップ業界はまだまだ狭い世界なので、評判が評判を呼んで、口コミからお問い合わせいただく機会も増えております。
編集部
市場が成長していることを見据えて、求められている事業やサービスを準備して、さらにニーズに合わせたプロダクトやサービスを創出していることで多くの企業様から受け入れられ、成長につながっているということですね。
多様なバックグラウンドを持つメンバーが在籍。20代マネージャーも誕生
編集部
次に、御社で働く社員さんについて伺いたいと思います。年齢層も含めて、どんな社員さんがいらっしゃるのでしょうか?
藤本さん
アルバイトの方も含めて70名ほど所属しています。平均年齢は社員だけですと36歳ですが、会社全体では20代〜30代のメンバーが多いですね。
事業が多岐にわたることもあって、様々なバックグラウンドを持ったメンバーが在籍しています。たとえば、代表(株式会社ケップル 代表取締役CEO 神先 孝裕さん)は元々公認会計士でしたし、プロダクトから始まった会社ですのでエンジニアを中心とした開発組織もあります。
私はHR担当ですし、セールスやカスタマーサクセス、キャピタリストのメンバーもいます。
編集部
会社全体として20代〜30代の方が多いとのことですが、若手社員さんが活躍されている実例などありましたらご紹介いただけますか?
藤本さん
20代で入社して、数年でマネージャーになったメンバーもおりますが、その中でも江口(株式会社ケップル 執行役員COO 江口 淳さん)というメンバーを紹介したいと思います。
江口は、20代半ばで新卒入社した会社からケップルに転職し、プロダクトマネジメント、セールスなどビジネスサイドを幅広く担ってきました。ケップルの急成長に貢献してきた実績が評価され、28歳で執行役員COOに就任しました。
現在もCOOとして、全社プロジェクトなど横断的にカバーしており、プロダクトグループや、メディアチームの責任者なども兼任しています。
活躍する若手社員に共通する特徴は「“はじめて”に挑戦する」
編集部
COOの方のように、活躍されている若手社員さんに共通してみられる特徴などはありますか?
藤本さん
日々の業務の中でしっかり結果を出しているのはもちろん、新しい分野に挑戦する際にも、自己研鑽してキャッチアップできるところです。
「やったことないからわからない。どうしたらいいですか」ではなく、まず自分で調べて仮説を立てながら、仕事を進めることができる点が共通していると感じています。
編集部
ケップルさんが大事にされているバリューの一つである「First:“はじめて”に挑戦する」をまさに体現されていらっしゃるのですね。
社内の風通しがよく、困ったときに助けてもらえる雰囲気ができている
編集部
若手の方々が活躍されていくための、周囲のサポート体制などはいかがでしょうか?
藤本さん
基本的にこの業界で同じ事業内容にずっと携わってきたメンバーはほとんどおらず、新しい分野に挑戦するために入社したメンバーばかりです。
そういったメンバーに対しては非常にサポーティブな雰囲気です。「知りたいことがあるけれど、誰に聞いたらいいのかわからない」ということもあると思います。
しかし、ケップルは何か聞いたときには必ず誰かがサポートしてくれる会社ですので、若手の方も未経験の方も、非常に仕事を進めやすい環境だと感じています。
編集部
社員さんの雰囲気はいかがでしょうか?
小宮さん
専門性の強い事業もあるため、各々でスキルがあってどんどん進められるタイプのメンバーが多いですが、コミュニケーションはとても活発です。
僕はメディア事業の担当者で、普段は5人のチームで動いています。スモールチームですが、この1年間を振り返ってみると他の事業部の人と関わる機会も多かったです。
会社として部署間交流を積極的に進めているので、部署を超えたコミュニケーションの土台ができているんですね。
部署の垣根を超えた関係性が築けていることで、困ったときに助けてもらえたり、新しいアイディアを生み出せたりということに繋がっていると思います。
社内のコミュニケーションを促進する部署横断プロジェクト
編集部
部署を超えたコミュニケーションを取りやすくするために、工夫されていることはありますか?
小宮さん
弊社は出社とリモートワークを自身で主体的に選択できるハイブリッドワークを採用しており、リモートワーク率が高めですが、全社のコミュニケーションを促すために、月に一度の全社定例会議をオフラインで実施しています。
現在の従業員数は約70名で、毎月どんどん新しいメンバーが入社していますので、部署間交流を促すようなきっかけ作りを、会社として積極的に実施しているんです。
例えば、社内モチベーションを高めるため、「Momentum Design Project」という社内プロジェクトがあります。
僕も含め、エンジニアやセールス、HRなど、部門横断で有志のメンバーが集まってつくられた組織です。部署横断プロジェクトとして社内交流を促す施策の企画・立案を行っています。
編集部
取り組みを始めたきっかけや、実際に活動した例を教えてください。
小宮さん
弊社は以前は出社ベースでしたが、コロナ禍をきっかけにハイブリッドワークに大きく舵を切りました。
事業の拡大とともにメンバーも急増しており、リモートワークにおけるコミュニケーションの希薄化が課題になっていました。
そこで、社員間のコミュニケーション促進を目的に「Unipos (ユニポス) 」を導入しました。これは、社員同士でメッセージを送り合ったり、称賛や感謝を伝え合ったりして、インセンティブを送り合えるシステムです。
このUniposの導入促進を行っていたメンバーの集まりが、Momentum Design Projectの前身です。Uniposの活用が浸透し、日々のちょっとしたことでも感謝を伝え合う社内文化が醸成されました。
その流れでより社内の結束を高めて、モメンタムを醸成していこうと「Momentum Design Project」と名前を新たに組織を立ち上げました。それからメンバーも入れ替わりながら、運営を続けています。
編集部
リモート環境におけるコミュニケーション不足の解消、従業員数増加の中での社内カルチャーの浸透などをフォローしていくことを目的として立ち上がった組織が今なお続いているのですね。
インターン生を積極的に受け入れ。その背景や業務内容とは
編集部
ケップルさんではインターンの受け入れをされていらっしゃいますが、御社のインターンでは学生さんはどのような経験ができるのでしょうか?
小宮さん
事業部にもよります。私が所属するメディアチームですと、現在、1名の大学生の方がインターンとして参加しており、スタートアップの取材に同席をして、原稿作成のお手伝いをしていただいています。
その他、SNSを活用して弊社の記事を読んでもらえるような工夫や、今後の企画を考えていただくこともしております。また、日々の業務オペレーションの改善に関しても、積極的なアイディア出しをお願いしています。
編集部
インターンの受け入れを始められた経緯を教えていただけますか?
小宮さん
政府が様々なスタートアップ支援政策を進めていたり、「若いうちから意欲的な環境に飛び込みたい」と考える若者が増えていたりすることから、学生のうちからスタートアップという単語を聞く機会が多くなっていると思います。
我々はスタートアップや投資家向けのビジネスをしていますが、スタートアップ1社で日本全体の発展に貢献することは難しいものです。
スタートアップや投資家、大企業、大学の研究機関なども連携して、スタートアップエコシステム全体を発展させることに興味を持つ人を増やしていくことも我々の役割だと考えており、大きな背景の1つですね。
また、弊社は平均年齢が36歳とスタートアップにしては年齢層がやや高めです。そこにインターンの若手のメンバーに入っていただくことで、学生ならではの目線や意見も取り入れていき、会社全体の組織力の底上げに繋げたいという狙いがあります。
編集部
御社のインターン出身の社員さんもいらっしゃるのでしょうか?
小宮さん
実は私自身もケップルでインターンを経験していまして、新卒で別の会社に入社してから戻ってきました。同じような道をたどってきたメンバーも多く在籍しています。
インターンを経験しておく良さを実感しているメンバーがいて、別の会社に入ってもまた戻ってきてもらえるように弊社の良さを伝えられる機会にもなっていることから、積極的にインターンの受け入れをしております。
会社のメンバーの一人として、社員とともに働きたい人におすすめ
編集部
実際にケップルさんのインターンをご経験されたそうですが、インターンで身につけられたスキルなどあれば教えてください。
小宮さん
僕自身としては、報告・連絡・相談する癖をつけることができました。当時の自分も、今一緒に仕事をしている学生さんも最初のうちは「何をどのタイミングで相談・共有しておくべきか」が分かっていなかったと感じています。
学生の時に報連相のタイミングや内容を知っておくことは、今後ビジネスマンとして働いていく上での土台になりますし、実際に新卒で就職をした際に非常に役に立ちました。
編集部
御社でインターンをする魅力やメリットはどんなところだと感じていますか?
小宮さん
僕がインターンをしていた頃のケップルは、創業5年とまだ若い会社でした。
しかし、事業領域が起業家・投資家向けビジネスのため、情報管理を徹底している性質があり、地に足つけた会社という印象でした。それは今でも感じますし、弊社のいいところの1つだと思っています。
こうした背景があって、弊社にはインターンを宙ぶらりんにさせず、1人のメンバーとして受け入れ、一緒に仕事を進めていく環境があります。ですので、高い視座を持って働きたい方や、チームで協力しながら仕事をする経験をしたい方に非常におすすめです。
編集部
インターンでも本当にケップルさんのメンバーの一員として、実務や業務オペレーションの改善にも携われることができるのは、貴重な経験になりますよね。
スタートアップに強い関心を持つ人が、会社にフィットし、活躍できる
編集部
それでは最後に、求める人物像や御社にフィットする人物像を含めて、この記事の読者に向けてメッセージをお願いいたします。
小宮さん
ケップルはスタートアップでありながら、スタートアップ業界支援のビジネスをしている会社です。それが本当にユニークなポイントだと思っています。
「スタートアップ領域で日本社会の発展に貢献をしたい」という思いをお持ちの方や、スタートアップに興味がある方にとっては非常に良い環境です。
なので、そうした思いや興味関心がある方は、ぜひともお気軽にご連絡いただき、お話させていただけると嬉しいです。
藤本さん
私自身が転職してきて思ったのが、メンバーとのコミュニケーションがすごくスムーズな会社だということです。
口頭であればニュアンスベースで伝わるものが、文字ベースだとなかなか伝わりにくいこともあると思います。
でも、ケップルは活発にコミュニケーションを取り合う風土が根付いており、仕事において対人的なストレスを感じることはゼロに近いのではと感じています。
これは弊社の魅力の一つだと思っていますし、円滑なコミュニケーションのなかで効率よく仕事を進めたい方にはフィットする環境ではないでしょうか。
そして、面接の中ではいろんな角度からお話をお伺いしていますが、やはり採用のポイントとしてはスタートアップに対する興味、関心が一番大事です。
スタートアップエコシステムをどう発展させていくかに興味を持っていただける方にとっては、やりがいのある環境だと思います。スタートアップやベンチャーキャピタル・投資家という存在に対して、強い興味関心がある方にはぜひご応募いただければと思います。
編集部
スタートアップへの興味関心を持ち、かつ御社が掲げる「Create New Indsutries 世界に新たな産業を」というミッションへ共感し、未知の領域への挑戦も積極的にできる方はまさにマッチするだろうと感じました。
ケップルさんの事業内容や会社の雰囲気に興味をお持ちになられた方はぜひ公式ホームページなどをご覧になってはいかがでしょうか?
本日はありがとうございました。
■取材協力
株式会社ケップル:https://corp.kepple.co.jp/
採用ページ:https://corp.kepple.co.jp/recruit