ミライのお仕事『注目企業へのインタビュー』企画。今回は、株式会社KICONIA WORKS(キコニアワークス)にインタビューしました。この記事では、転職を検討されている方に向けて、同社で働く魅力をご紹介します。
株式会社KICONIA WORKSは、AI技術を駆使したソリューションを提供するスタートアップ企業です。『価値と信頼の最大化』のビジョンのもと、顧客に寄り添ったサービスの提供を目指しています。
組織としては少数精鋭のチームで、多様なバックグラウンドを持つ専門家が集結。社員全員参加型の経営や個々人の裁量を重視した柔軟な働き方、オフィス・自宅問わず社員一人ひとりに合った備品を会社が購入する福利厚生など、ユニークな企業文化も注目したいポイントです。
今回は、そんな同社で働く魅力や事業内容、求める人物像について、代表取締役の書上(しょがみ)さんにお話を聞かせていただきました。
最先端AI技術を駆使したビジネス構築支援で急成長
編集部
御社は『価値と信頼の最大化』をビジョンに掲げていらっしゃいますが、そこに込められた想いについて教えていただけますか?
書上さん
当社が創業した2018年頃は、AI技術は注目を集めていたものの、実際にAIを活用したビジネスの成功事例は非常に少なかったんです。そこで、私たちは「AI技術を実際の価値に繋げたい」という想いで、コスト削減や売上向上といった具体的な成果を出すことを目標として掲げました。
同時に、「プロジェクトが進行している間だけのドライな関係ではなく、プロジェクト終了後もお客様との関係が続くような信頼を得たい」との想いもあり、このビジョンが生まれたんです。実際に、支援させていただいたお客様からは「また違うプロジェクトを一緒にやりましょう」と声を掛けていただいたり、「開発で困っている部署が他にもあるので、今度はその部署の面倒を見てもらえませんか?」と新たなご依頼をいただいたり。また、面識のない上場企業の役員の方から「君たちすごくいい仕事するらしいね。ぜひうちの会社も支援してほしい」などと突然ご連絡いただくこともあるなど、信頼の最大化によってリピートや紹介がどんどん生まれていますね。
他社への推薦をいただけるということは、私たちが目指す「信頼の最大化」が実現できている証だと捉えており、大変嬉しく感じています。
ちなみに、この「価値」と「信頼」は従業員に対しても同様で、給与や休暇、成長機会といった価値を提供し、従業員からも信頼を得られる会社を目指していることも当社の特徴です。
編集部
お客様からの信頼を得るために、メンバーの方々が特に大切にされているマインドセットや取り組みについて教えていただけますでしょうか。
書上さん
「ブラックボックスを作らない」ということを意識していますね。
専門的な知識や技術を持つ私たちが、お客様に何も説明せず「すごいAIができました」と言えばプロジェクトは成立してしまうかもしれませんが、システムの中身や制作プロセスを全てご説明することを心がけています。
場合によっては完成したAIの性能が技術的な限界で期待値に届かないこともありますが、なぜそうなってしまったのか、どうすれば改善できるのかといった点もしっかり説明する責任を果たすようにしていますね。この姿勢が高い評価につながっていると思います。
編集部
専門的な内容なので、場合によっては理解が難しいお客様もいるのではと想像しますが、お客様に説明する際に工夫されていることはありますか?
書上さん
エンジニアの高度な技術についてエンジニアから直接ご説明すると理解が難しい可能性があるため、技術サイドとビジネスサイドの両方を理解しているプロジェクトマネージャーを「翻訳者」として配置しています。できる限り専門用語は使わず、たとえば「アンパンマンで言うとこうです」などと身近な例を挙げたり、わかりやすくまとめた図を別途作成したりしてご説明しており、こうした準備にもかなり時間をかけていますね。
エンジニアの素晴らしい技術的成果をお客様にわかりやすく説明することで、お客様から適切な評価をいただけるようになり、エンジニア側も自分たちの仕事の価値が正しく伝わることへの喜びやありがたみを感じられる。まさにWin-Winな仕組みになっています。
編集部
ほかに、高い評価につながっていると感じるポイントがあれば教えてください。
書上さん
お客様とじっくり対話し、業界知識を身につけた上で提案を行っていることでしょうか。実は、AI開発会社の多くは技術力に自信があるため「業界知識がなくてもご希望通りに作れます」というスタンスで進めることが多いのですが、それで失敗するケースを数多く見てきました。
そこで、私たちはお客様の業界について深く理解し、ソリューションをご提案することを大切にしています。お客様からは「本当に理解して提案してくれている」と喜ばれることが多いですね。
エンジニアの活躍:高い能力を活かし、多彩な業界でのAI開発に躍動
編集部
続いて、御社でのエンジニアの活躍についてお聞きします。まず、メンバー構成について教えていただけますか?
書上さん
株式会社KICONIA WORKSで働いているエンジニアの多くは20代後半から30代前半で、AIが注目を集め始めた2014~2015年頃に学生として最前線で学んでいた世代です。そのため、学術的な理解と約10年の実装経験を兼ね備えた優秀なメンバーが集まっています。
編集部
具体的にどのようなバックグラウンドを持つメンバーが多いのでしょうか。
書上さん
みんな中途採用で入社しているのですが、ほとんどのメンバーが前職で機械学習を活用したアプリケーションやソリューションの開発、あるいは研究開発部門での経験を持っています。なかには海外の研究組織に在籍していた者や、上場したAI開発会社のスタートアップ時代を支えた経験を持つ者もいますね。
編集部
エンジニアの方々が御社を選ぶ理由として、どのような点が挙げられますか。
書上さん: 多くのメンバーが、様々な業界のプロジェクトに携われる点を魅力に感じています。一般的な事業会社では特定の業界に限定されがちですが、当社では自動車、小売、医療など、幅広い分野でAI開発に携わることができます。
また、画像処理やテキスト分析など、得意分野を持ちながら新しい領域にもチャレンジできる環境があることも入社の決め手となっているようです。
編集部
業務においては、エンジニアは開発業務に注力し、プロジェクトマネージャーとの連携で進めていく形でしょうか。
書上さん
そうですね。プロジェクトマネージャーはエンジニアの技術力を尊敬し、エンジニアはプロジェクトマネージャーの顧客理解力や要件の言語化能力を評価しています。この相互理解と信頼関係が、良好な協働を生み出していると感じています。
最新情報をキャッチアップし、良いものを積極的に取り入れる環境
編集部
エンジニアの技術力向上のための取り組みについて、具体的にお聞かせください。
書上さん
現在は月・水・金で3タイプの技術共有会を実施しています。1つ目はSNSで見つけた興味深い技術情報を共有し、遊び感覚で技術をキャッチアップするカジュアルな会。2つ目は世界最先端の論文を日本語でわかりやすくまとめ、共有する学術的な勉強会。3つ目は各プロジェクトでの技術的な課題や解決方法を共有する会です。
たとえばSNSを活用した会は毎週月曜日に行っているのですが、たとえば「このツールを使ったら、今まで3時間かかっていた作業が1時間で終わるようになるぞ」といった情報にメンバー全員が飛びつき、すぐに実際の業務に取り入れているケースが多いですね。また、論文の場合は良いことのみ書かれているものも多いので、きちんと自分たちで試してリスクも把握した上で業務に反映し、お客様に提案するようにしています。
編集部
業界特有の知識や慣習なども学ぶ必要があるかと思いますが、そのあたりはどのように対応されているのでしょうか。
書上さん
小売業や鉄道、インフラ、電気といった身近な分野に関してはある程度の知識がありますが、建築や土木、化学の世界などになると全くの素人として入っていくことになります。そういった場合は、最初の1~2ヶ月はお客様との対話を通じて徹底的に学ばせていただいている形です。
この学習期間をいかに効率化できるかという点については、社内でもさまざまな取り組みを行っていますが、うまくいく場合もあれば、そうでない場合もあり、当社の課題として改善に向けてしっかりと対策していきたいと考えています。
KICONIA WORKSの謙虚な社風&主体性重視のカルチャー
編集部
続いて、御社の社風について教えてください。
書上さん
当社のメンバーは自分の得意分野では自信を持っていますが、それ以外の領域については「まだまだ勉強が必要です」という謙虚な姿勢を持っています。年齢や立場に関係なくリスペクトし合い、分からないことは積極的に質問し、学ぶ文化が根付いていますね。
また、セルフマネジメントを重視していることも大きな特徴で、『価値と信頼の最大化』のビジョンに沿った行動ができるのであれば働き方も問いません。完全リモートでも週1回出社でも、個人の裁量に任せている形です。
ただし、チームでの信頼関係がなければビジョンの達成は難しいと考えており、他のメンバーとのコミュニケーションに支障が出ないように配慮することは必要です。結果として、11時~17時くらいがコアタイムとして自然に定着していますね。
編集部
セルフマネジメントについて、会社からのサポート体制はどうなっていますか。
書上さん
不安がある場合は、プロジェクトマネージャーや先輩エンジニアに相談できる環境が整っています。助けを求めれば誰もが支援してくれる一方で、自分のやり方で進めたい人はそれも尊重される、そんなバランスのとれた環境です。
全社員が経営に関われる風土。2週間に1回の飲み会も貴重な情報交換の場
編集部
社員全員参加型で経営の意思決定をされていると伺いました。具体的にはどのように行われているのでしょうか。
書上さん
重要な意思決定は社員全員で話し合い、全員の合意を得て進めています。たとえばオフィス移転の際は総務担当や私から社員に向けて提案し、現在の経営状況や今後の採用計画などを踏まえて、全員で議論して決定しました。
ちなみに、経営や財務の状況は常に可視化されており、誰でも確認できる状態です。エンジニアからも「PL(損益計算書)の状況を見ると今年度は利益が出そうなので、新しいサーバーを購入して資産計上した方が良いのでは」といった提案が出てくるなど、経営への主体的な参画が見られて大変嬉しく感じています。
編集部
そういった経営や財務の知識は、みなさんどのように身につけているのでしょうか。
書上さん
賞与の支給時期や重要な意思決定の際に、私から経営状況について説明する機会を設けています。その際に、資産計上の考え方や経理処理の方法、それらがPLに与えるインパクトなどについても細かく説明を行っている形です。
最初は分からなかったメンバーも、3年ほど経つと「投資をするなら今のタイミングだと思うので、サーバーを増強しましょう」といった提案ができるようになっていますね。
編集部
他に特徴的なカルチャーはありますか?
書上さん
2週間に1回程度、フランクな社内飲み会を開催しています。仕事の振り返りをしながら気軽に会話を楽しむ中で、新しい技術的なアイデアが生まれ、それが次のプロジェクトに繋がることもあります。
▲金曜の夜は勉強会や全社会議をお酒を飲みながらフランクに行うことも
▲恒例行事の合宿も社員たちに好評
給与の「見える化」&ユニークな福利厚生
編集部
給与や待遇面に関する特徴はありますか?
書上さん
給与については業界水準を常にチェックしており、小規模企業であっても遜色のない水準を維持するように心がけています。
特に特徴的なのは、全社員の給与を公開している点です。自分の市場価値に対して給与が低いと感じる社員は、自己推薦で昇給を申し出ることが可能です。ただし、全員の給与が公開されているため、各メンバーがどのような価値を会社に提供しているかも数値化されており、それとの比較で適切な給与水準が自ずと見えてくる仕組みになっています。
会社に貢献すればするほど報酬の見返りがあるため、高いモチベーションで仕事に臨めるのではと感じています。
編集部
福利厚生についてはいかがでしょうか。
書上さん
当社では効率的な働き方を重視していることから、PCやモニター、キーボード、椅子といった執務環境の整備には特にこだわっています。そのため、オフィス・自宅を問わず個々人に合った家具や備品を取り入れることに注力しており、健康面への配慮や業務効率の向上につながるものであれば、必要なものは会社が購入する形で対応しています。
技術力とセルフマネジメント能力を兼ね備えた方を歓迎
編集部
御社で求める人物像について、実際にどのような方が活躍されているのかも含めて教えてください。
書上さん
自己管理能力の高い方が活躍していますね。たとえば「与えられた時間をどう使うか」「1~2週間のスケジュールをどう組めばプロジェクトが間に合うか」などを自律的に考えて行動できる人材が当社にフィットします。
そのため、新卒採用は現在行っておらず、ある程度の経験を持ち、技術力とセルフマネジメント能力を兼ね備えた方を採用しています。
編集部
最後に、転職希望者の方々へメッセージをお願いできますでしょうか。
書上さん
技術面での成長意欲が高い方にぜひお越しいただきたい一方で、単に個の技術を伸ばすだけでなく、自分たちが携わったものが世の中にインパクトを与えることを熱望している方、そしてその達成感を共に味わえる方を求めています。チーム一丸となって高度なプロジェクトを進め、ビジョンの達成を目指していることこそが当社の大きな魅力だと考えていますので、こういった価値観に共感していただける方との出会いを楽しみにしています。
編集部
本日はありがとうございました!
編集後記
エンジニアの専門性を活かしながら、顧客の業界知識も深く理解する姿勢が印象的な株式会社KICONIA WORKS様。「技術だけでなく業界理解を深めてから提案する」というアプローチが、クライアントからの信頼獲得につながっていると感じました。また、月・水・金で異なる形式の技術共有会を実施し、最新技術や論文の知識共有をする環境は、エンジニアのスキルアップにとってとても良い後押しになるのではないかと思いました。
この記事のまとめ
企業の特徴 |
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エンジニアの特徴 |
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働き方の特徴 |
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組織文化 |
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評価される点 |
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株式会社KICONIA WORKSの基本情報
住所 | 東京都渋谷区渋谷3-28-15 渋谷S.野口Bldg.9F |
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事業内容 | AIを中心とした最新テクノロジーを用いたビジネス構築支援 |
設立 | 2018年5月 |
働き方 | フレックスタイム制 テレワークも可 ※基本的にはセルフマネジメントでの勤務 |
公式ページ | https://kiconiaworks.com/ |
採用に関する 問い合わせ窓口 |
https://kiconiaworks.com/contact/ |
募集職種 | エンジニア、プロジェクトマネージャー ※AI・機械学習の開発経験があり、大学レベルの数学や統計学の知識を持つ人材を歓迎 |