ゲーム開発を手がける株式会社KMS。若手やエンジニアの積極性を育む「遠慮は罪」の文化とは

株式会社KMSのゲーム開発現場に迫る!「遠慮は罪」文化が育む若手エンジニアの活躍

職種や年次に関わらず誰もが活躍できる企業文化を持つ会社を紹介する本企画。今回は、ゲーム開発などを手がける株式会社KMSを取材しました。同社では、社員一人ひとりが持つ能力や個性を最大限に発揮できる環境づくりに力を入れています。

株式会社KMSが手掛ける人気ゲームと事業展開

株式会社KMSが手掛ける「ワールドダイスター 夢のステラリウム」のキービジュアル
▲2023年7月リリースの「ワールドダイスター 夢のステラリウム」(通称「ユメステ」)

株式会社KMSが手掛けるゲームのイメージ画像
▲ユメステを含め全5タイトルのゲームを運営

株式会社KMSは、「世界中に新しい体験を。」というビジョンのもとゲーム開発事業などを展開するエンターテイメント企業です。

ゲーム事業では「ワールドダイスター 夢のステラリウム」「天啓パラドクス」「オトギフロンティア」など5つのタイトルを手がけ、自社での内製にこだわり、迅速な開発環境を整えています。また、ゲーム事業で培ったノウハウを生かしてAIソリューション事業やデジタルコミック事業、クラウドソリューション事業などにも進出しています。

株式会社KMSが手掛けるAIソリューション事業のイメージ画像

▲年間約6,000時間の業務時間短縮につながるサービス「リソースAI」を開発

会社名 株式会社KMS(カレイドスコープメディアサービス)
住所 東京都品川区西品川1-1−1 住友不動産大崎ガーデンタワー20階
事業内容 ・ゲーム事業
・AIソリューション事業
・クラウドソリューション事業
・デジタルコミック事業
・広告事業
設立 2015年7月
公式ページ https://kms3.com/

株式会社KMSでは「遠慮は罪」という考え方が根付いており、若手社員でも遠慮せずアイディアや意見を発信する文化があります。エンジニアも、プランナーが作成した仕様書通りにプログラミングを行うだけでなく、技術者としての視点から積極的に提案を行っています。

今回は、若手社員やエンジニアの業務について、管理部の部長を務める仲間永さん、マーケティングプランナーの西川魁介さん、開発部のマネージャーを務めるKirill Klishevichさんと多田昂央さん、若手社員として活躍する國兼義弘さんにお話を伺いました。

本日お話を伺った方
株式会社KMSで管理部の部長を務める仲間永さん

株式会社KMS
管理部
部長

仲間 永さん

株式会社KMSで開発部マネージャーを務めるKirill Klishevicさん

株式会社KMS
開発部
マネージャー

Kirill Klishevicさん

株式会社KMSで開発部マネージャーを務める多田昂央さん

株式会社KMS
開発部
マネージャー

多田 昂央さん

株式会社KMSで企画部のプロジェクトマネージャーを務める國兼義弘さん

株式会社KMS
企画部
プロジェクトマネージャー

國兼 義弘さん

株式会社KMSでマーケティングプランナーを務める西川魁介さん

株式会社KMS
マーケティング部
マーケティングプランナー

西川魁介さん

ゲーム事業にとどまらないエンタメ企業を目指し組織を拡大中

株式会社KMSが手がけるゲームのキャラクターのパネルがオフィスに展示されているようす

編集部

まず初めに、KMSさんの事業内容や強みについてご紹介いただけますでしょうか。

西川さん

弊社はゲームの開発・運営を主要事業としております。現在、5つのタイトルを運用しています。例えば、TVアニメも展開された本格リズムゲームアプリ『ワールドダイスター夢のステラリウム』、美少女たちと謎を解明するRPG『ミストトレインガールズ』、タクティクスRPG『天啓パラドクス』などがあります。

競争が厳しいゲーム業界において5つのタイトル全てを継続的に運用できていることは、ゲーム開発会社として力があると言えると自負しています。

編集部

最近では2022年にWebtoon制作事業を開始するなど、ゲーム事業にとどまらない活動を行っていますね。

西川さん

単なるゲーム会社ではなく「エンターテイメントを提供する企業」を目指し、ゲーム事業で培ったノウハウを活かして複数の事業を展開しています。

デジタルコミック事業としては自社Webtoon専門レーベル「SYNAPSE HEART」を設立し、オリジナル作品の創出と多面展開を目指しています。また、大規模ゲームの自社開発・運用の実績を活かしたクラウドソリューション事業や、人工知能を活用した業務効率化サービスの提供なども手がけています。

編集部

事業の多角化に伴い、新規採用などを通じた組織の拡大も積極的に行っているのでしょうか。

西川さん

はい。新卒採用や中途採用を通じて積極的に新しいメンバーを採用しており、現在では200名規模の組織になりました。さらなる企業成長のためには若手社員の活躍も欠かせないと考えており、弊社では比較的早い段階で重要な役割を任され、活躍しているメンバーもたくさんいます。

株式会社KMSで20代社員が活躍できる理由と3年目マネージャーの実例

株式会社KMSのオフィス

編集部

ここからは2021年4月に新卒で入社された國兼さんに、若手社員としてのご活躍について伺いたいと思います。まず、現在のお仕事内容についてご紹介いただけますか?

國兼さん

企画部に所属し、プロジェクトマネージャーとしてゲーム開発の全体的な進行管理を担当しています。具体的には、ゲームのリリースまでのスケジュール管理や、ゲーム関連イベントの進行管理を行っています。

また、開発チームと他部署の仲介役として重要な役割も担っています。例えば、広報担当者と連携して外部向けの情報発信内容を考えるなど、部門間のコミュニケーションを円滑にする業務も行っています。

編集部

社内のさまざまなチームと連携することが求められるポジションなのですね。

國兼さん

はい、その通りです。イラストレーター、エンジニア、アニメーターなど、多様な専門性を持つ部署の方々と日常的にコミュニケーションを取りながら業務を進めています。

チャンスが多く、手を挙げれば任せてもらえる

編集部

若手社員として、國兼さんはKMSさんのお仕事のどのようなところに魅力を感じますか?

國兼さん

チャンスにあふれ、成長できる機会が多いところです。私は入社時、ゲームのアニメーションを手がける部門に所属し、2年目からはチームリーダーを担当しました。そこでリーダーとしてチームをまとめる経験を積んだ結果、3年目にはアニメーションだけでなくゲーム開発全体を管理するプロジェクトマネージャーを任せてもらうことになりました。

編集部

入社わずか3年目でプロジェクトマネージャーという責任ある立場に就任したのですね。抜擢の背景には國兼さんの希望があったのでしょうか?

國兼さん

そうですね。私はずっと周囲に「上に行きたい」という希望を伝えていました。口だけではなく、認めてもらえるような仕事ぶりを心がけた結果、「國兼なら大丈夫だろう」と信頼してもらうことができたのだと思います。

編集部

仕事を通じてさまざまな部門の人と関わるというお話がありましたが、横の連携をとるうえで苦労することはありませんか?

國兼さん

社内コミュニケーションが活発な会社なので、プロジェクトマネージャーに就任する前からほかの部署のメンバーとも交流する機会がたくさんありました。そのため、部署をまたいだ協力関係も築きやすかったと感じます。

オフィスには卓球台やレトロゲームが設置されていて、社内交流しやすい空間づくりがされています。これらの施設を利用することで、自然と他部署の社員とも会話する機会が増えるのです。

株式会社KMSのオフィスに設置された卓球台

編集部

KMSさんはコミュニケーションを大切にする会社なので、新しく入ったメンバーも安心して力を発揮することができそうですね。

株式会社KMSの「遠慮は罪」文化:積極的な意見発信の奨励

編集部

若手社員を國兼さんのような積極性のある人材へと育てるために、会社はどのような取り組みをしていますか?

仲間さん

弊社は設立当初から「遠慮は罪」という考え方を大切にしてきました。そのため、自分のアイディアや意見をどんどん発信することが推奨されるカルチャーが根付いています。

このような環境で働くことで社員の自主性が育ち、「自分たちでより良いサービスを作っていきたい」という意識が芽生えます。その結果、社員が急速に成長できる環境が整っているのだと考えています。

仲間さん

現在、当社は200名規模に成長しましたが、「遠慮は罪」という考えは依然として社内に浸透しています。先輩社員が積極的に「こういうことをやりたい」と発信する姿を日常的に目にすることで、新入社員であっても自然とこの文化を受け入れ、実践できるようになっています。

開発チームにも「遠慮は罪」が浸透。KMSでエンジニアとして働く魅力とは

株式会社KMSのKirillさんが仕事するようす

編集部

ここからはエンジニアのお仕事について、Kirillさんと多田さんにお話を伺いたいと思います。お二人とも開発部のマネージャーという立場ですが、具体的にはどのような担当になっていますか?

Kirillさん

私は、フロントエンドと呼ばれるアプリ部門のエンジニアをまとめるマネージャーです。一方、多田はバックエンドと呼ばれるサーバー部門のエンジニアをまとめるマネージャーを担当しています。フロントエンドはユーザーが直接操作する画面やインターフェースを開発する部門で、バックエンドはサーバー側でデータ処理やシステムの中核を担当する部門です。

多田さん

私もKirillも以前はゲームの運用チームで開発に従事していたので、マネージャーとしてエンジニアをまとめるだけでなく、自分で手を動かして技術的な支援をすることもあります。実際の開発経験を活かし、チームメンバーの課題解決や技術指導にも携わっています。

編集部

お二人が率いるチームの規模についても教えてください。

多田さん

フロントエンドのエンジニアが30名で、バックエンドのエンジニアが10名ほどです。フロントエンドには新卒を中心とした若いメンバーが多く、バックエンドは別の会社でサーバーサイドに携わっていた経験者が多いですね。

ゲーム業界に入ったばかりの頃は、操作に合わせた動きを作る作業など「ユーザーの目に触れる部分」に楽しさを感じる人が多いので、新入社員にはフロントエンドの開発から担当してもらうことにしています。フロントエンドを通じてシステムの仕組みを学んだあと、「サーバー側もやってみたい」という興味や希望を持った人には、バックエンドに転向してもらうこともあります。これにより、幅広い知識と経験を持つエンジニアの育成にも力を入れています。

部署横断コミュニケーション:自由な意見交換の環境

株式会社KMSの多田さんが仕事するようす

編集部

KMSのエンジニアとして働く魅力は、どのような点にありますか?

多田さん

すごく自由な環境で開発できる点だと思います。自分が思ったことを発信しやすい雰囲気があり、周囲のメンバーはその意見を前向きに受け入れてくれます。また、それぞれが「最高のものを作りたい」という強い思いを持っているので、柔軟性を持ちつつも、こだわるべきところにこだわるエンジニアが多いです。

それから、エンジニアのスペシャリストが在籍しており、非常に高いスキルを持つ人から直接指導を受ける機会も多く、エンジニアとして成長できる点も魅力です。

編集部

Kirillさんは、どのようなところに魅力を感じますか?

Kirillさん

部署の垣根なく、気軽に議論できるところが魅力だと思います。他の部署の人に気軽に声をかけてゲームのアイディアについて話すことができます。また、会社からチームビルディングの補助が出るため、チーム単位で食事会などを実施しやすく、交流を深めやすい環境が整っています。

編集部

開発チームにも「遠慮は罪」という文化が根付いていると感じますか?

多田さん

はい、そうですね。ゲームが好きでゲームづくりに関わりたいという理由で入社したエンジニアが多いので、みんな「良いものを作るうえで遠慮は罪」という考え方に共感しています。

開発の仕事ではプランナーさんと二人三脚で仕事をする場面が多いのですが、エンジニア側からプランナーさんに「こういう機能を追加してみてはどうか」とか「この仕様をこのように変更すればユーザーさんにとってより楽しめるのではないか」といった具体的な提案をすることもよくあります。

編集部

KMSさんでは、エンジニアが仕様書に合わせてプログラミングを行うだけでなく、技術側からのアプローチを積極的に行っているのですね。

内製へのこだわり:エンジニアの責任感と愛着

株式会社KMSのオフィス

編集部

KMSさんでは外注を極力減らし、内製にこだわったゲーム制作を行っているそうですね。

多田さん

はい。エンジニアについては100%内製ですし、デザインやアニメーションについても大部分を内製化しています。

内製することはスピーディーな開発を可能にするだけでなく、「自分たちが作っているんだ」という責任感にもつながります。自分ごととして捉えて動ける社員が多いので、社内ではより良いものを作るための活発な議論が飛び交っています。

編集部

自分の作品として愛着が生まれ、妥協したくないという思いにもつながりそうですね。

Kirillさん

そうですね。内製するからこそ、こだわりを持って仕事に臨めるのだと思います。私も締切ギリギリまで触り心地の良さを追求しブラッシュアップしています。
編集部
多くの人に支持されるKMSさんのゲームには、一人ひとりのこだわりが詰まっているのですね。

株式会社KMSのインターン制度:実践的な業務体験の機会

編集部

KMSさんでは、インターンの受け入れを行っていますか?

仲間さん

はい、インターンの受け入れを行っています。主に2つのケースがあります。1つは、専門学校からご紹介いただいた学生さんに1か月間のインターンシップを提供するケースです。もう1つは、新卒の内定者に対して、入社前から内定者アルバイトとして実際の業務に携わっていただくケースです。

1か月間のインターンシップについては、インターン終了後も学生アルバイトとして継続して働く方が多くいらっしゃいます。全員ではありませんが、かなりの割合で残ってくださっています。

編集部

学生でもできそうな簡単な仕事を任せるというより、入社後を見据えてしっかりと指導をしているのですね。

仲間さん

そうですね。特に専門学校から来てくれるインターン生に対しては、弊社の雰囲気を知ることで将来の入社を希望してほしいという期待も持っています。

Kirillさん

私の場合は正式なインターンという形ではありませんでしたが、専門学校の3年生のときからKMSで働いていました。

社内の雰囲気が明るく、誰にでも気軽に声をかけられる環境だったので、「ここなら不安や悩みがあっても相談しながら前向きに働けそうだ」と感じ、入社を希望しました。

編集部

自分たちと年齢の近い若手社員が積極的に意見を出して活躍している様子を見ることは、学生にとって大きな刺激になりそうですね。

株式会社KMSが求める人材:「面白い」を追求する熱意ある仲間

株式会社KMSの社員5名が集合するようす

編集部

最後に、KMSさんのお仕事に興味を持つ読者の方にメッセージをお願いします。

仲間さん

KMSには「もっと×2 オモシロイを目指して!」というクレド(行動指針)があります。「我こそは世界に面白いを届けたい」という熱意のある方、ぜひご応募ください。優しい先輩たちばかりなので、安心して挑戦していただけると思います。

多田さん

弊社には新しいものを積極的に取り込んでいこうとする文化があるので、エンジニアに限らず、どんな職種でも、知識を吸収しスキルアップを目指せると思います。ゲーム制作に携わってみたいという方がいらっしゃいましたら、ぜひKMSでの仕事も選択肢に入れていただけると嬉しいです。

また、デジタルコミック事業やAI関連事業を始めとして、新しい事業が次々とスタートしています。
ゲームだけではなくさまざまな事業にチャレンジできるので、常に新鮮な気持ちで、楽しく働いていただけると思います。

編集部

「遠慮は罪」という考えや内製へのこだわりを持つKMSさんは、職種や経験年数に関わらず誰もがプライドと責任感を持って働ける会社だと感じました。

本日は、ありがとうございました。

■取材協力
株式会社KMS:https://kms3.com/
採用ページ:https://kms3.com/recruit/