ミライのお仕事『注目企業へのインタビュー』企画。今回は、京都先端科学大学附属中学校高等学校にインタビューしました。この記事では、転職を検討されている方に向けて、同校で働く魅力をご紹介します。
同校は2025年に創立100周年を迎える、歴史と伝統ある学校です。学校目標に「世界で活躍できる人材育成」を掲げ、生徒だけでなく教員自身が海外と交流し、グローバルな視野を広げていける環境があります。若手教員も多く活躍しており、年齢問わず自らの専門性や興味を活かした独自のプロジェクトを立ち上げ、教育の質の向上に貢献しています。
今回は、京都先端科学大学附属中学校高等学校だからこそできるやりがいのある働き方について、教頭の山田先生にお話を聞かせていただきました。
教員が“新たな教育の創造”に挑戦できる「京都先端科学大学附属中学校高等学校」
編集部
はじめに、御校の教員として働くことについて、御校ならではの強みや特徴を教えてください。
山田先生
本校ならではの強みは、国際交流や「地球学」と呼ばれる探究学習など独自のプログラムが活発に行われており、教員が“新たな教育の創造”にチャレンジできる点です。本校では教員の年齢を問わず、子どもたちの教育のための新たなアイディアを歓迎しており、実際にそれを実現できる環境を整えています。
▲地球学の一つ「はちみつプロジェクト」では、校内の養蜂箱から採取したはちみつを文化祭やオープンキャンパスで販売
▲地球学のフィールドワークでは、「深泥池」に生息する貴重な生物を観察
さらにその教員のチャレンジが学内にとどまらず、学校の外にも広がっている点もポイントです。本校の特徴である海外とのつながりはもちろんのこと、大学や企業、地域との連携を深めています。
編集部
教員が学校の外とつながりを持つ意義はどういった点にあるのでしょうか。
山田先生
本校の教育目標である「世界で活躍できる人材」にも表現されているように、グローバル化が進むこれからの時代、多様な人と協働する力を育むことが必要です。一方で学校という場所にはどうしても閉鎖的、保守的なイメージがありますよね。しかし教員が保守的なままでは、グローバルに活躍する生徒を育てていくことはできません。
だからこそ本校では、まずは教員自身が学校外の社会のさまざまな人とつながって多様な考え方や価値観を学ぶことを重要視しています。そこで得た教員の経験をより先進的な教育につなげていく、そんな好循環をつくっていくことが目標です。
編集部
教育業界をより良くしたいと考えている方にとっては、とても魅力的な職場なのですね。
山田先生
そうですね。また、本校に限らず学校教員全般の魅力は、やはり生徒の成長や活躍を一番近いところで見守れるところにあるでしょう。実際に以前、民間企業から学校に転職した方から「働く中で笑顔が増えた」という声を聞いたこともあります。
特に本校は中高一貫校として6年間という長い期間、生徒の目標や夢の実現に向けて寄り添える点で、大きなやりがいを感じていただける環境があります。
国内外で新たなプロジェクトを立ち上げた若手教員活躍のエピソード
編集部
年齢に関係なくチャレンジできるとのお話がありましたが、御校には若手教員の方も多いのでしょうか?
山田先生
本校では20代、30代の若手教員が全体の3、4割を占めています。50代、60代のベテラン教員も多いのですが、若い教員の採用も増えてきて、年齢構成は少しずつ変化しているところです。
編集部
実際に御校の若手教員が“新たな教育”を創造したエピソードを教えてください。
山田先生
本校は中学校でのカナダへの修学旅行、高校でのイギリスやアメリカへの研修旅行などグローバル教育を活発に行っているのが特徴の学校です。そのため本校の教員も年齢を問わず、生徒の海外研修前の視察などで現地の学校とコミュニケーションを取る機会が多くなっています。
▲修学旅行先のカナダで、現地ファミリーと交流する京都先端科学大学附属中学校の生徒
こういった海外の学校との交流から発展し、30代の理科教員が独自にスウェーデンの学校と科学教育の連携プロジェクトを立ち上げた例があります。
スウェーデンは科学と芸術を大切にする国で、本校で進める教育との親和性を持っています。その理科教員は独自にスウェーデンの学校の授業の見学や現地の教員との交流を行い、そこからお互いの学校の生徒が相互に訪問し合う「スウェーデン交換プログラム」につなげました。教員の意欲が海外の新たな交流先、連携先を開拓した好事例といえるでしょう。
編集部
国内でも、若手教員の方が新たに立ち上げたプロジェクトの例はありますか?
山田先生
中学部の探究学習の一環で実施している「銭湯プロジェクト」は、30代の教員が立ち上げた企画です。その教員はもともと銭湯や銭湯文化が好きだったこともあり、地域の若い銭湯経営者とつながりがあったんですね。その経営者の方が銭湯文化の継承の活動を行っていたこともあり、その方と連携して生徒たちに銭湯文化を体験してもらう「銭湯プロジェクト」を企画しました。
生徒は実際に銭湯に行って清掃の手伝いなどをする中で、地域コミュニティの重要性や経営の難しさ、銭湯文化を守ることの意義など多様なことを学んでいきました。
▲若手教員が企画した「銭湯プロジェクト」では、普段とは違った生徒たちの表情が見られる
編集部
まさに先ほどおっしゃった、教員の方と社会とのつながりを活かした取り組みですね。
山田先生
その通りです。社会とのつながりを活かした学習は、普段の授業のように教員から生徒に教えるのではなく、私たち教員も生徒と一緒に経験するという構図になるため、教員にとっても非常に貴重な学びの機会となっています。
この他にも、本校では教員自身の経験やつながりを活かして新たな学びの機会を創出していくことを大切にしています。そこに年齢は関係ありません。むしろ若い年代の方がフットワークが軽かったり、語学が堪能だったりと、これまでにないフィールドでのつながりを開拓していける可能性があるのではないかと考えています。
アートにスポーツ。教員が持つ専門性をグローバルに活かせる
▲科学やアートなど、特色ある教育を展開する同校では、教員も自身の専門性を海外交流につなげていける
編集部
海外との交流も多いとのお話ですが、他にも教員の国際交流の事例があれば教えてください。
山田先生
本校の美術教員が立ち上げたアフリカのザンビア共和国との交流事例があります。この教員は動物をモチーフに作品を描くことをライフワークとしており、以前画家の集まりでザンビアに行った経験があったことから、「ザンビアの学校と交流したい」との希望を持っていました。学校としてもその希望を尊重してザンビアに送り出しました。
そしてこの交流をきっかけに、日本の学校で初めてザンビアから生徒さんと先生が訪問してくれることになったのです。その際には、ザンビアの大使もわざわざ学校に来ていただくなど、大きな広がりを見せました。
編集部
先ほどの理科教員の方のエピソードもそうですが、ご自身の専門分野を学校全体の海外交流プログラムにつなげられているのが印象的です。
山田先生
教員というのは専門教科やアート、スポーツなど、自分の専門分野を持っている人が多いんです。本校では教員それぞれが持つ専門性を、授業や部活の指導だけでなく、海外との交流につなげていけるのが魅力です。特にアートやスポーツは言語の壁がないため、海外にも展開しやすいのではないでしょうか。
編集部
教員が海外交流に積極的であることは、教員として働く上でどのような意味があると思われますか?
山田先生
海外交流を通じて国際的な視野を広げ、日本の教育システムを相対的に見ることができるようになります。
また、新しいプロジェクトを0から立ち上げる経験からは、授業や担任といった通常の教員の仕事とはまた違う、新たな成功体験や達成感を得られます。そこでの経験は、教員としての成長だけでなく、人としての成長にも大きくつながるでしょう。その成長を子どもの教育にまた還元していけるという点でも、とても意味のある体験になると思います。
京都先端科学大学附属の職場環境:多様性&アットホーム
▲至るところにアートの気風を感じる京都先端科学大学附属中学校高等学校の校内風景
編集部
御校の職場としてのカルチャーについても伺います。御校はどのような雰囲気のある職場環境なのでしょうか?
山田先生
若手からベテランまで幅広い年齢の教員が揃い、さらに海外のネイティブ教員も13名いる、非常に多様性のある職場です。さまざまな立場や価値観の者が在籍していますが、互いにコミュニケーションを取りながらとても良い雰囲気で仕事ができていますよ。
編集部
教員と生徒との距離感はいかがですか?
山田先生
生徒との距離感は近く、非常にアットホームな雰囲気があります。その証拠に、卒業生が学校を訪れてくれることも多いんですよ。
つい先日も、10年ぶりに訪ねてきてくれた生徒がいました。その生徒は卒業後に沖縄の大学に進学したのですが、今では音楽活動をしていると話してくれました。それまで音楽とは縁がなかったそうですが、大学でピアノを1から学び始め、今では100人から200人規模のライブを行うほどのアーティストになっているそうです。
編集部
卒業生の頑張っている姿、活躍している様子を直接聞けるのは嬉しいですね。
山田先生
本当にその通りです。本校を卒業してやりたいことを実現している姿を見ると、我々教員も力をもらえます。「彼らが頑張っているから、私たちも頑張ろう」という気持ちにさせてもらえますね。
特に私立学校の場合、教員の転勤がないので、卒業生が訪れた時に知っている先生がたくさんいることも大きな特徴です。その卒業生も「10年ぶりに来たけど、知っている先生がいっぱいいて嬉しかった」と言っていました。
ちょうど来年、本校は創立100周年を迎えるのですが、このような卒業生との関係性の積み重ねが学校の歴史を作っていくのだと思います。教育の成果はすぐには現れませんが、一人一人の生徒が社会に出て様々な分野や国で活躍し、社会に貢献したり誰かの役に立ったりしているのを知ることが、私たち教員にとって最も嬉しいことです。
メッセージ:創造性を発揮できる人材を歓迎!
編集部
最後に、教員として新たなキャリアを検討する読者に向けて、御校からのメッセージをお願いします。
山田先生
少子高齢化が進む中で、お子様に選ばれる魅力的な学校をつくっていくためには、ただ教えるだけでなく、新しいチャレンジや取り組みが不可欠です。本校では子どもの未来のため、学校の未来のために、創造性豊かに新しいことにチャレンジする意欲を持った人材を歓迎します。
創造性を発揮して新しい教育をつくり出すことは、通常の教員の業務を超えた自己実現や大きなやりがいにもつながります。科学やアートなど、どのような分野でも構いません。自身の専門分野、強みを活かして海外との交流など新たな教育を創造したいというチャレンジ精神旺盛な方々に、活躍の土壌を用意してお待ちしています。
編集部
山田先生、本日は貴重なお話をお聞かせいただきありがとうございました!
この記事のまとめ
学校の概要 |
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教育環境の特徴 |
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職場環境 |
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求める人材像 |
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京都先端科学大学附属中学校高等学校の基本情報
運営法人 | 学校法人永守学園 |
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住所 | 京都府京都市右京区花園寺ノ中町8番地 |
創立 | 1925年3月 |
公式ページ | https://www.js.kuas.ac.jp/ |
採用ページ | https://www.js.kuas.ac.jp/recruitment |
募集職種 |
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