ミライのお仕事『注目企業へのインタビュー』企画。今回は、リンデンホールスクール中高学部にインタビューしました。この記事では、転職を検討されている方に向けて、同校で働く魅力をご紹介します。
「リンデンホールスクール中高学部」は福岡県筑紫野市にある私立の中高一貫校です。22名の教職員のうち半数が外国人教員という国際色豊かな教育環境の中、特徴あるグローバル教育を実践しています。若手教員でも裁量が大きく、グローバルに活躍できる機会が多いのも同校ならではの魅力です。
今回は、30代前半の若手教員として活躍する国語科教員の濵田先生に、同校での若手教員の活躍エピソードや、異文化コミュニケーションが活発な職場環境の魅力についてお話を伺いました。
リンデンホールスクール中高学部の若手教員の活躍事例
編集部
最初に若手活躍のテーマについて伺います。リンデンホールスクール中高学部の若手教員の割合や、具体的な活躍事例についてお聞かせください。
濵田先生
リンデンホールスクール中高学部には現在常勤教員が22名在籍しており、そのうちの約3分の1にあたる7名が30代前半までの若手世代です。本校では「国際バカロレア(IB)コース」をはじめとするグローバル教育を特色としており、若手教員においても世界を舞台に活躍する人材が多くなっています。
例えば、近年本校で力を入れている「ワンヘルス(One Health)(※)」の取り組みを推進する中で、ハワイ州知事との連携プロジェクトで活躍した教員がいます。その教員は学生時代から環境分野を専門にしており、さらにバイリンガルであったことからプロジェクトに抜擢され、具体的には、学校側とハワイ州知事とのやり取りの通訳や翻訳など、コミュニケーションのサポートの場面で活躍しました。
(※)人の健康と動物の健康、環境の保全を包括的に捉え、関係者が協力して解決していくための取り組み。同校は福岡県ワンヘルス宣言事業者として登録されている。
▲お話に出た若手の先生は、ワンヘルスに関するイベントの司会や生徒の英語プレゼン指導も担当した
濵田先生
また、世界規模の私立学校連盟「ラウンドスクエア」において日本語講座を開催し、世界中から70名以上の生徒が参加する盛況な取り組みを実現した教員もいます。他にもインドネシア・バリで開催された『世界水フォーラム』への生徒引率など、国際的な活動の場で指導力を発揮している若手教員も数多くいます。
▲インドネシア・バリの『世界水フォーラム』参加時の様子
「英語歌舞伎」など、若手教員のアイディアを活かした新たな挑戦が生まれる
編集部
普段の授業や教育プログラムにおいても、若手教員の力が発揮された事例はありますか?
濵田先生
先ほど例に挙げたワンヘルスプロジェクトで活躍した若手教員は、環境教育の強みを活かし、校舎に隣接するイングリッシュガーデンを活用したフィールドワークを実施しています。
生徒たちは環境教育や中学校理科の授業の一環として、実際にガーデンで生態系や環境について学んでいます。このように、教員ならではの興味や専門性を活かした学びを提供できるのは、本校ならではの特徴だと思います。
また、私自身の事例もお話させていただきます。私は国語科を担当しているのですが、その中で「和魂のたね」という独自プロジェクトを考案して実施しています。これは、大和の心を守って世界に飛び出すことを意味する本校の教育方針『和魂英才』から取った言葉で、生徒たちにさまざまな日本の伝統文化を体験させる取り組みです。
「和魂のたね」では、中学1年生は太宰府天満宮周辺のフィールドワーク、2年生は歌舞伎鑑賞など学年に応じた体験を行います。今年度は開学20周年の節目でもあり、念願の「英語歌舞伎」に全学年で取り組みました。生徒は今年の1月から事前学習を開始し、演者や大道具、解説、プログラム作成などの役割に分かれ、歌舞伎俳優の方に指導を行ってもらい、アクロス福岡シンフォニーホールでの公演を実現しました。
▲「英語歌舞伎」について生徒に説明を行う濵田先生
編集部
どのような意図で英語歌舞伎の取り組みを実施されたのでしょうか。
濵田先生
本校の取り組みとして、世界で活躍する際に、海外の方々に対して自分の言葉で日本文化の良さを語れる人材を育みたいという意図があります。生徒はまず日本語で台詞の稽古をし、その後、英語で行いました。歌舞伎のリズムに合わせて英語で伝えるにはとても試行錯誤したようですが、歌舞伎を観劇するだけでなく、実際に英語で演じた方が歴史や文化など総合的な学びを得ることに繋がりました。
この取り組み自体、歌舞伎界でもほぼ前例のないことで、実現までには困難もありましたし、生徒たちのモチベーションや主体性をいかにあげていくかという点にも工夫が必要でした。しかし新しいプロジェクトに挑戦したことで、生徒だけでなく自分自身の学びや成長にもつながったと実感しています。
着任1年目から実質的に学年主任を務める。大きな裁量とチームワークが活躍の鍵
編集部
御校で若手教員の方々が活躍できる秘訣はどういった点にあると思われますか?
濵田先生
着任後にすぐに主力として働くことができるというのが大きいと思います。
本校は1学年1クラスという小規模校で、教員も少数精鋭です。着任1年目から担任や実質的な学年主任として、特別活動にも計画段階から関わることができるため、責任感とやりがいの中で自身をスキルアップさせていける環境があります。こういった環境があることが、教員としての成長を後押ししてくれていると実感しています。
また経験豊富な先生方をはじめ、周囲からのサポート体制があることも重要なポイントです。例えば先ほどお話しした英語歌舞伎のプロジェクトも、パンフレット制作や大道具制作では、日本人教員だけでなく外国人教員も協力、英語への翻訳にはネイティブの外国人教員といったように、教科の垣根を超えたさまざまな教員との連携があったからこそ実現できました。
良好な人間関係、チームワークの下支えがあるからこそ、若手教員でも新たなチャレンジができるのだと考えています。
教員の半数が外国籍!多様性を認め合うカルチャー
編集部
御校では、外国人の教員も活躍されていらっしゃるのでしょうか。
濵田先生
22名の教員のうち、半数の11名が外国人教員で、イギリス、アメリカ、メキシコ、シンガポール、フィリピン、ベトナム、韓国と多国籍で構成されています。日本語能力については、ネイティブレベルの方から初級レベルの方までおり、コミュニケーションは状況に応じて日本語と英語を使い分けています。
編集部
教員間で良好な人間関係を築けているというお話がありましたが、多様な文化的背景を持つ教員が多い中で、コミュニケーション面で工夫されていることはありますか?
濵田先生
普段から職員間の交流が活発で、パーティーやバーベキューなどの機会を通じて親睦を深めています。そういった交流に加えて重要な役割を果たしているのが、年度初めや新任教員の着任時に実施している「Cross-Cultural Communication(クロスカルチュラルコミュニケーション)ワークショップ」です。
このワークショップでは、各国の文化や慣習について相互理解を深めています。例えば、保護者面談での作法や座り方といった日本独特の文化から、各国のコミュニケーションスタイルの違いまで、幅広く学び合っています。
ワークショップを通じて文化やコミュニケーションスタイルの違いを互いに理解し、認め合う雰囲気を醸成することで、良い職場環境を築いています。
活発な異文化コミュニケーションが、授業スタイルや働き方への意識に変化をもたらす
編集部
多様性のある職場環境だからこそ感じるメリットはありますか?
濵田先生
本校ではほとんどの教科で日本語と英語の両方で授業を展開しているため、互いの授業方法を学べる点は大きな刺激になっています。例えば数学とMathematics、生物とBiologyなど、異なるアプローチを学び合い、授業の幅が広がるという相乗効果が生まれています。
授業以外でも、教員同士の日常的な対話を通じて、互いの文化や歴史観について学び合う機会が多くあるのも魅力です。各国の歴史認識や海外からみた日本のイメージ、それぞれの国の物価事情など、さまざまな話題について意見を交わすことで、教員自身の教養も深まっています。
さらに働き方の面でも異文化コミュニケーションが効果を生んでいます。外国人教員は「決められた時間内で効率的に働く」という考え方が主流のため、日本の職場でありがちな残業体質の改善、メリハリのある働き方の実現にも影響を与えています。
教員一人ひとりが文化的な違いを前向きに捉え、それを教育現場や職場環境の豊かさにつなげているのがリンデンホールスクールならではの魅力といえるでしょう。
一般企業からの転職も!挑戦意欲を持って生徒に向き合う方を歓迎
編集部
濵田先生は、リンデンホールスクールで教員として働く上でどういった点に特に魅力を感じますか?
濵田先生
本校は国際色豊かで特徴的な教育プログラムも多く、ユニークな学校です。それこそが本校の個性であり、日々刺激を受けて成長していける点が非常に魅力的だと感じます。また、私自身留学経験があるのですが、自身の英語力を活かして働きたいという方にとってもとても良い環境があるのではないでしょうか。
加えて、中学生と高校生の両方と関わることができる環境も特徴です。私自身も当初は高校生を教えたいという思いで着任しましたが、中学生を教えることの魅力にも気づかされました。異なる年代の生徒たちと関わることで、教員としての視野も広がりますし、それぞれの発達段階における個性の違いに触れられる点も魅力的です。
編集部
最後に、教員として新たなキャリアを検討する読者に向けてメッセージをお願いします。
濵田先生
本校では「個性の伸展による人生練磨」を建学の精神として掲げています。この教育方針に共感し、生徒たちの個性を伸ばしたいという思いを持つ方であれば、どのような分野からの転職でもきっと活躍できるはずです。
実際に、一般企業からの転職者も少なくありません。私自身も塾業界での勤務を経験した後に本校に転職しました。挑戦意欲を持って生徒の教育に向き合える方は、ぜひ、新しい挑戦の場として本校での教員という選択肢を検討していただければと思います。
編集部
濵田先生、本日は貴重なお話をお聞かせいただきありがとうございました!
この記事のまとめ
リンデンホールスクール中高学部の概要 | ・福岡県筑紫野市の私立中高一貫校(2010年4月開校) ・教職員22名中11名が外国人教員という国際色豊かな環境 ・1学年1クラスの小規模校 |
---|---|
組織の特徴 | ・30代前半までの若手が約3分の1を占める ・着任1年目から担任や実質的な学年主任として活躍可能 ・多国籍な教職員構成(イギリス、アメリカ、メキシコ等) |
若手教員の活躍事例 | ・ハワイ州知事との連携プロジェクトを推進 ・ラウンドスクエアでの日本語講座開催 ・世界水フォーラムへの生徒引率 ・「英語歌舞伎」などの新規プロジェクト実施 |
採用方針 | ・「個性の伸展による人生練磨」という建学の精神に共感する人 ・挑戦意欲を持って生徒の教育に向き合える人 ・一般企業からの転職者も歓迎 ・英語力を活かしたい人にも適した環境 |
リンデンホールスクール中高学部の基本情報
運営法人 | 学校法人都築育英学園 |
---|---|
住所 | 福岡県筑紫野市二日市北3丁目10-1 |
開校 | 2010年4月 |
公式ページ | https://lindenhall.ed.jp/ highschool/ |
採用ページ | https://lindenhall.ed.jp/ highschool/recruit/ |
募集職種 | 常勤講師・非常勤講師(詳細は採用ページ参照) |