管理職の8割が女性。マルゴト株式会社が実践する「理想のサービスと理想の働き方を両立する」環境とは

働き方について理念を持ち、女性が活躍できる職場環境を整えて成長を続けている企業にインタビューする本企画。今回は、採用支援事業・バックオフィス代行事業を展開するマルゴト株式会社にお話を伺いました。

採用代行サービスを展開するマルゴト株式会社

マルゴト株式会社のサービスイメージ画像
▲採用やバックオフィス業務など人事や総務に関する業務の代行サービスを展開している(公式ページより)

マルゴト株式会社が手掛けているのは、ベンチャーや成長企業向けの月額制採用代行サービス「まるごと人事」や、経理・総務・人事労務などのバックオフィス業務を代行する「まるごと管理部」などです。

企業の成長に欠かせない人材採用について、最適なソリューションを提供しています。

会社名 マルゴト株式会社
住所 北海道札幌市中央区南一条西十六丁目1番地323 春野ビル3F
事業内容 採用支援事業・バックオフィス代行事業
設立 2015年10月20日
公式ページ https://marugotoinc.co.jp/

マルゴト株式会社の特徴の一つ、約85%の社員が女性であるという点です。出社なしのフルリモート勤務を導入しており、ライフステージの変化があっても働きやすい職場を作っています。

同社の理念や働く環境について、代表取締役の今啓亮さんにお話を伺いました。

本日お話を伺った方
マルゴト株式会社 代表取締役の今 啓亮さん

マルゴト株式会社
代表取締役

今 啓亮さん

370社以上の実績、ベンチャーの成長を人事の面から支える

マルゴト株式会社のサービス「まるごと人事」の説明画像
▲ベンチャーなどの成長企業に向けて採用代行サービス「まるごと人事」を展開している

編集部

初めに、マルゴトさんの事業内容について伺わせてください。

今さん

マルゴトは、企業の採用代行サービス「まるごと人事」や、バックオフィス代行サービス「まるごと管理部」を展開しています。いずれも月額制のサービスとなっておりまして、「まるごと人事」は月額45万円から、「まるごと管理部」は月額35万円からご利用いただけます。

「まるごと人事」で目指しているゴールは、クライアントの企業様が面接で合否を判断するだけで採用が終わってしまうという状態です。そもそもどういった人材を採用したいのかという要件設定から応募者への対応、採用実施後の振り返りまでトータルで支援させていただいております。

編集部

マルゴトさんのサービスを利用されるクライアントはどういった企業様が多いのでしょうか?

今さん

マルゴトのサービスを利用するのは、ベンチャーなどの成長著しい企業であるケースが多いです。「まるごと人事部」については、2023年11月現在で累計370社以上の企業様にご利用いただいております。

ただ、ベンチャーやスタートアップ企業も3年ほどすれば大きく成長して上場されているケースもあり、そういった成長を人事・採用という面からお手伝いさせていただいております。

編集部

マルゴトさんのサービスを利用したことで実際にどのような好影響がクライアントにあったのかいくつか事例をお教えください。

今さん

マルゴトの「まるごと人事」を利用されたことで採用目標に達したのはもちろん、内定承諾率が改善したり採用までに至る時間が短縮できたりといった効果が表れています。

また、採用目標人数が前年度の約4倍になった拡大期にあるクライアントのケースでは、弊社が伴走することで目標を達成することができました。

編集部

ベンチャーとなると採用業務に割ける人数も限られてくるケースも考えられます。そういった企業の強い味方になっていらっしゃるのですね。

代表も含めた全社員がフルリモートで勤務、顧客も社員も第一

マルゴト株式会社が「目的・存在意義」として掲げている「Team for ideals 企業の理想をまるごと叶えるオンラインチーム」
▲「サービスと理想の職場を同時に実現したい」という思いが込められたマルゴト株式会社の「目的・存在意義」(公式ページより)

編集部

マルゴトさんではリモートワークを導入されているそうですが、運用状況について伺わせてください。

今さん

マルゴトは社員全員がフルリモートワークをしています。社員だけでなく、経営陣も出社はしていません。郵便物などの事情でオフィスは設けていますが、私も出社して仕事をしたことはないですね。

編集部

そこまで徹底してリモートワークを実施されているとは驚きです。このような働き方は今さんの働き方に対する考え方が反映された結果なのでしょうか?

今さん

マルゴトは目的・存在意義として「Team for ideals 企業の理想をまるごと叶えるオンラインチーム」というものを掲げています。この言葉に私は「理想のサービスと理想の職場を同時実現したい」という思いを込めています。その結果がフルリモートという働き方だったのです。

社員誰しもライフイベントがあり、例えば出産や育児、介護などで生活の状況が一変します。場所を問わないリモートワークであれば、そんな変化に対応しながら働き続けられます。

リモートワークでも快適に働いてもらうために、パソコンの支給はもちろんですが、2つの画面を使って仕事をしたいという社員にはデュアルディスプレイも支給しています。環境の整備という部分は、力を入れて取り組んでいることですね。

編集部

顧客第一という言葉がありますが、マルゴトさんとしては顧客も社員も第一に考えて環境を整備していらっしゃるということですね。リモートワークには合う人、合わない人どちらも出てくると思うのですが、採用時にはリモートワークの適正というのも見極めていらっしゃるのでしょうか?

今さん

リモートワークは良い働き方だと考えていますが、やはり合わない方もいらっしゃるでしょう。ですので、採用時にはフルリモートでの勤務になることを伝えるのはもちろん、フルリモートの良い部分と悪い部分もしっかり伝えるようにしています。

ですので、出社して対面でワイワイしながら働きたいという方よりも、自宅で自立しながら効率的に働きたいという方のほうが弊社には合っていると思います。

5人1組のユニット制を採用、オンライン上でも気軽に仕事や趣味について共有可能

マルゴト株式会社の社内チャットで社員が自身の趣味について共有している様子
▲社内チャットには趣味について語るチャンネルも設けられている

編集部

社員さん同士のコミュニケーションはどのように取られているのでしょうか?

今さん

マルゴトの社員は、基本的にチャットやオンラインミーティングで連絡を取り合っています。午前9時から午後6時までの勤務時間内で、いつでもやり取りをしてもらっていますね。

出社していると、ほかの社員に話しかける際にタイミングを考えなければなりません。しかし、チャットであればとりあえず投げかけることができます。投げかけられた社員は自分の都合の良い時間に返せばいいので、効率的にやり取りができるのではないでしょうか。

編集部

マルゴトさんは社員さんが150名ほど在籍されていますが、人数が多くなるほどオンラインでのコミュニケーションは収集がつかなくなるケースも考えられます。その点、どのような工夫をされていらっしゃるでしょうか?

今さん

社員が150人ほどいると、全員でコミュニケーションを取り合うというのは難しい部分もあります。こういった背景から弊社で導入しているのが、社員5人ほどでチームを作るユニット制です。業務でわからないことがあれば同じユニットの社員に尋ねるという方法を取っています。

ユニット制になっていることで、新入社員は誰に業務のことを聞けば良いのかわかりやすいため、新しい人材が馴染みやすくなるという効果も生まれているのです。

編集部

勤務時間もしっかり定まっていて、いつ誰に相談すれば良いかわかりやすいというのはとても働きやすい環境だと感じました。雑談レベルの話もチャット上で行われているのでしょうか?

今さん

マルゴトの社内チャットでは、観光スポットやペットについて紹介するような、社員それぞれの趣味に沿ったチャンネルも設けられています。弊社には札幌から石垣島まで全国に社員が散らばっていますので、全国各地のおいしいごはん屋さんの情報などが集まってきます。

また、子育てチャンネルもありますので、育児に関する悩みごとも相談できますね。

編集部

社員が自分のパーソナルな部分を出せる場所がオンライン上であるということで、社員同士の理解も深まりそうですね。

オンラインミーティングは1対1での開催を推奨、出席するだけの会議をなくす

マルゴト株式会社の全体ミーティングの様子
▲3カ月に1度オンラインでの全体ミーティングがあるが、それ以外では1対1でのミーティングを推奨している

編集部

フルリモートワークを実施されるうえでマルゴトさんが大切にしている姿勢は何でしょうか?

今さん

マルゴトは出席するだけの無駄な会議をできるだけなくしたいと考えています。そのため、オンラインミーティングは基本的に1対1での開催を推奨していますね。もしミーティングの内容をほかの人にも聞いてほしいのであれば、録画して後で共有すれば良いでしょう。

全社会議は3カ月に1度ありますが、それも1時間の開催ですので年4時間ぐらいしか実施していません。

編集部

あくまでそれぞれが自立して自分の時間を有効活用することを大切にされていらっしゃるのですね。リモートワークを導入している企業のなかにはバーチャルオフィスを導入するケースもありますが、マルゴトさんはいかがでしょうか?

今さん

マルゴトはバーチャルオフィスを導入してはいますが、利用するかしないかは社員に任せています。一人で集中したい場合はバーチャルオフィスを使わなくても構いません。

バーチャルオフィスの使い方としては、リーダーや上司の立場にいる社員が何でも相談したい時間を設けてバーチャルオフィスに滞在して、相談がある社員がバーチャルオフィスに入室するというスタイルですね。

編集部

基本的には働くスタイルは社員さんに任されているのですね。

11名の管理職のうち8名が女性、ライフステージと両立して活躍

マルゴト株式会社の社員の平均年齢と男女比を表す画像
▲女性社員、女性管理職の割合はどちらとも80%を超えている

編集部

マルゴトさんの社員さんの男女の比率についてお教えください。

今さん

マルゴトの社員は85%が女性です。もちろん女性を優先的に採用しているということではなく、応募の段階で同じような男女比です。

やはりフルリモートで働けるという点が、特に女性の方に喜んでいただいているのかなと感じています。結婚や出産、育児、パートナーの転勤など、プライベートの変化で仕事の環境も変化させなければならないので、プライベートと仕事を両立させたいという方が弊社に応募されているのだと思います。

例えば、2年に1度は転勤が発生する仕事をする旦那様がいらっしゃる女性社員がいます。以前は、その社員は旦那様の転勤の度に仕事を辞めていたといいますが、弊社では継続して活躍してもらっています。

編集部

女性社員の多さと比例して女性管理職の割合も高いのでしょうか?

今さん

マルゴトは管理職の約8割が女性です。産休育休を経て管理職で活躍してくれる女性社員がたくさんいますので心強いですね。さまざまなライフイベントがありながらキャリアアップできる環境が弊社にはあります。

役職問わず産休・育休を取得できる環境、子育てしながらステップアップできる

編集部

社員さんに長く働いてもらうため、会社としてライフステージの変化を応援するという姿勢でいらっしゃるのでしょうか?

今さん

マルゴトの社員の平均年齢は32歳です。30代というのは、さまざまなライフイベントが重なる時期でもあります。ですので、役職に関係なく仕事とプライベートを両立できるような働き方ができるよう会社としても産休や育休などの諸制度を整えています。

現在育休を取得中のマネージャーもいますし、部長は来年から育休を取得する予定です。

例えば「メンバーは育休を取得しているものの管理職はそうではない」ということはなく、役職関係なく産休育休を取得できますし、もちろん子育てをしながら管理職としてステップアップしていくことも可能です。

編集部

上司が休暇を取るとメンバーも取りやすいということはあるかもしれませんね。

今さん

マルゴトには休暇が取りにくいという雰囲気はありません。弊社は有休はもちろん取れますし、午前・午後だけの半休の取得も可能です。また、有休・半休を取るときに理由をたずねることもしていません。

編集部

理由をいうことなく気兼ねなく休暇を取れるという雰囲気は社員さんからするととてもありがたいですね。

1年間で32人が昇格、チャンスは全社員に平等にある

マルゴト株式会社の第8期表彰式の様子

編集部

育児をしながらステップアップができるとのことでしたが、マルゴトさんでは毎年どれぐらいの方が昇格していらっしゃるのでしょうか?

今さん

マルゴトでは2022年9月から1年間で32人の社員が昇格しています。メンバーの約半数がここ1年で入社して、新しいポジションも次々生まれ、どんどん昇格していっているのです。

また、立ち上げ初期の社員も残ってくれていますので、ベテランと新入社員が合わさって会社としての層が厚くなっていると感じますね。

編集部

1年間で32人昇格されているとは驚きです。全社員がフラットな環境で成長できるということですね。

今さん

マルゴトは全社員がフルリモートをしていて、みんなが同じ環境下で働いています。例えば出社とリモートワークを合わせている会社だと、リモートワークの社員は単純な作業ばかりして、出社しているメンバーが意思決定をしていくというケースもあるかもしれません。

その点弊社は、みんながリモートワークで働いていて、年齢や性別、働いている場所に関係なくチャンスが平等にあります。私としては、社員一人ひとりがチャンスをつかんで、どんどんみんなで昇格していってほしいと考えていますね。

編集部

平等な環境で社員さんが切磋琢磨されているからこそ成長を続けられているのだと感じました。

長く経験を積める環境、歓迎するのはチームで働くのが好きな人

マルゴト株式会社の今さん
▲「マルゴトを長期間経験を積んでもらえるような会社にしたい」という思いを持っている今さん

編集部

今回のお話しから今さんが社員さんのライフステージをとても大切にされていると感じたのですが、ご自身の経験も大きいのでしょうか?

今さん

私はカンボジアで人材紹介会社を立ち上げ、登録者が1万5千人を達成し譲渡したという経験を持っています。カンボジアでの事業は「若いうちに何とか事業を成功させたい」という短期決戦のような思いでビジネスを展開していました。

ただ、マルゴトはもうすぐで自分の子どもが生まれるというタイミングで起業した会社になります。ですので、長期的視野に立った事業を展開していきたいと考えていたのです。

自分自身も家庭の事情で、地元である北海道に戻ってきたというタイミングでしたので、ライフステージの変化に対応しながら働けるような会社を作りたいというのが、マルゴトの原点です。

編集部

長く働き続けられる会社を作りたいという思いがあったのですね。

今さん

私はマルゴトを長期間経験を積んでもらえるような会社にしたいという思いを持っています。やはり長時間働くよりも長期間働く方が、成長のインパクトは大きいでしょう。「1日12時間がんばった」よりも「3年間続けた」という方が自分の成長にとっては良いです。

編集部

継続力というのが成長に大きく影響するということですね。最後に、マルゴトさんに興味を持っている方に向けてメッセージをお願いいたします。

今さん

マルゴトは人材採用の分野がおもしろいと感じ、その分野を極めたいという方を求めています。また、リモートワークで自立して働くというお話をさせていただきましたが、仕事はチームで動いていくものです。ですので、チームで仕事をするのが好きという方のほうが向いているでしょう。

ライフイベントを両立しながら活躍できる環境は用意しています。ですので、チームでノウハウを共有しながら、人材採用を極めていきたいという方の入社を歓迎します。

編集部

フルリモートではあるものの社員さん全員で一体感を持って働いていらっしゃる。だからこそクラインアントの人材採用における課題を解決できるのだと感じました。本日はありがとうございました。

■取材協力
マルゴト株式会社:https://marugotoinc.jp/
採用ページ:https://marugotoinc.co.jp/recruit/