アジアから世界へ、完全テレワークで挑む株式会社マルウェブ独自の越境EC戦略とは

グローバルな視点で事業を展開しつつ、働く人たちのワークライフバランスをも大切にしている企業にインタビューする本企画。今回は、株式会社マルウェブにお話を伺いました。

アジア拠点のWEB統合ソリューション企業、株式会社マルウェブ

WEB制作をはじめ、Magento・Shopifyなどを活用したEC構築や業務用WEBシステム構築、サブスクリプション会員制サイトの制作など、さまざまなWEB事業を展開している株式会社マルウェブ。日本国内においては完全テレワークを実現しており、日本人だけでなく、中国人・ベトナム人など多彩なバックボーンを持つ有能な人材が活躍しています。

会社名 株式会社マルウェブ
住所 東京都港区赤坂7-6-15赤坂ロイヤルビル3F
事業内容 ・インターネットのホームページの企画、制作及び保守に関する業務
・インターネットのホームページのコンサルティング
・インターネットコンテンツの企画、制作及び販売
・インターネットを利用した広告業
・インターネットを利用した各種情報提供サービス
・コンピュータシステムの企画、開発、販売、レンタル及び保守に関する業務
・有価証券の売買、有価証券指数等先物取引又は有価証券オプション取引並びにその他の投資事業ほか
設立 2010年5月27日
公式ページ https://www.maruweb.co.jp/ja/
働き方 完全リモートワーク
フレックスタイム制度(コアタイム10:00-18:00)

今回は、株式会社マルウェブの代表取締役の前山和範さんに、「アジアから世界へ」を掲げるグローバルな事業展開と、フレックスタイム制、完全リモートワークという労働環境を実現した方法についてお話を聞かせていただきました。

本日お話を伺った方
株式会社マルウェブの代表取締役の前山和範さん

株式会社マルウェブ
代表取締役

前山 和範さん

日本だけでなく、ベトナム、中国でもITエンジニアが活躍中

株式会社マルウェブの事業内容のイメージ

編集部

はじめに、マルウェブさんの事業内容について教えてください。

前山さん

マルウェブはWeb制作、Webシステム開発をメインに事業を行っており、日本の事業所では9人のスタッフがディレクター、サーバーエンジニア、デザインコーダとして働いています。それとプラスして、中国向けのマーケティング事業も行っています。

編集部

日本だけでなく、海外にも事業所もがあるのでしょうか。

前山さん

ベトナムのホーチミンで13、4人、中国で2人のスタッフが働いています。

編集部

ホーチミンのスタッフの皆さんは、どんな仕事をされているんですか。

前山さん

日本で受注した案件をベトナムで開発する、いわゆるオフショア開発です。要件定義や設計も行っています。値段を下げるためにベトナムで開発しているわけではなく、品質の良さ、エンジニアの確保のしやすさというメリットで選択しています。

編集部

どういった経緯でベトナムに事業所を持つことになったんですか。

前山さん

9年前、エンジニアを探していたら、紹介してくれた会社さんがたまたまベトナム人を紹介してくれた。、彼が祖国に帰ると言うので、「じゃあ、ベトナムでも一緒に働ける仕組みを作ろう」というきっかけで設立しました。

彼には他社からのオファーもあったらしいんですけど、会社を立ち上げる経験ができるのが魅力ということで、マルウェブを選択してくれました。。今も一緒に仕事をしています。

編集部

ご縁があったわけですね。中国にも事業所があるのでしょうか。

前山さん

中国向けのビジネスを強化したいので、今月中に関連会社を作る予定です。中国にも日本でいうヤフーショッピングや楽天市場のようなECのプラットフォームがあるのですが、それは中国の会社でないと使えないんです。なので、現地に関連会社を作るメリットは大きいと考えています。

編集部

中国に関連会社が設立された場合、日本のスタッフが転勤する予定はあるのでしょうか。

前山さん

ないです。僕はたまに行きますが、基本的には現地で会社を作って、現地の人に働いてもらうスタイルです。

成長市場である越境EC事業に強みアリ、今後は中国のマーケットにも注力

編集部

越境ECなど、マルウェブさんは事業をグローバルに展開していますが、顧客もやはりグローバルなのでしょうか。

前山さん

クライアントは基本的に日本国内です。日本国内で越境ECをやりたい企業、海外に向けて何かやりたい企業などですね。

編集部

中国の関係のECなど、日本のクライアントさんが中国向けに作るサービスをお手伝いしているということでしょうか。

前山さん

2つのパターンがあります。マーケティングを主体とした、中国向けの越境EC、インバウンド用の事業がひとつ。もうひとつは、MagentoというAdobe社のプラットフォームを主体にしたサービスです。Magentoは、日本で展開するECのプラットフォームの中では柔軟性が高くて、システム開発の観点で強いことが特徴です。Web制作やシステム開発に近いスタイルで、ECのシステムを作りやすいんですよ。

編集部

Magentoを扱えるところが、マルウェブさんの強みの1つなのですね。

前山さん

そうですね。日本国内でMagentoが使える企業は稀少なので。「こういうECサイトを作りたい」というクライアントに対して、Magentoを活用した提案をして、お仕事をいただくことは多いです。あとは、マルウェブにはホーチミンの人材がいるので、スケジュールなどを含めて、ある程度融通が利いた開発環境をご提供できることも強みですね。

編集部

仕事上、日本のスタッフと海外スタッフが連携することもあるんですか。

前山さん

連携していますよ。日本で受注した案件を日本でディレクションして、日本のスタッフとベトナムのスタッフで要件定義をして、設計以降はベトナムでやって、最終的な結合テストは再び日本で、みたいな仕組みでシステム開発を行っています。

編集部

そうなんですね。マルウェブさんの得意分野である越境ECについて、市場の将来性についてはどうお考えですか。

前山さん

越境ECはかなり成長路線にあると思います。日本の場合は流通がウィークポイントなので、今後は流通網が強くなることでもっと広がると思っています。日本は、国内物流はとても強いのですが、海外物流に対して弱いんですよね。大手商社だけでなく、小売の企業でも海外物流を活用できる仕組みを作れば、越境ECのマーケットはもっと広がると考えています。

編集部

越境EC以外にも、海外に向けてマルウェブさんが力を入れている分野はありますか。

前山さん

中国向けの事業は強化しています。もはや中国で日本製品がバンバン売れる時代ではないという意味では逆張りとも言えるのですが、やはり3億人の人口を抱える中国はマーケットとして魅力なので、攻めの姿勢で事業を展開したいと思っています。

編集部

海外、とくに中国のマーケットに注目しているということですね。

グローバルな職場環境、大手企業とのパートナーシップで、充実して働ける

編集部

日本のスタッフの皆さんは、どういう点に仕事のやりがいを感じてらっしゃるんですか。

前山さん

やりがいというよりも、居心地の良い会社だということがスタッフにとって魅力なのかなと私は思っています。コロナ禍以後は100%自宅勤務ですし、残業は許していませんし、有給休暇もきっちり消化していますし。

やりがいを強いて語るならば、外国人と一緒に働く環境があることが大きいかもしれないですね。これからどんどんグローバル化が進む中、外国の人と仕事をしてみたり、自分の英語を試してみたりできることは意義があると思います。

編集部

海外の知識や技術に触れられる触れる環境ですよね。

前山さん

そうですね。特にベトナムのスタッフは20代から30代前半と若いので、新しいことを取り込んでいく気概を感じます。彼らの勢い、新しい考え方に日本のスタッフが触発されている面はあると思います。

編集部

グローバルに事業を展開することが、スタッフにとっていい刺激になるということですね。

前山さん

拠点はベトナムと中国だけなのでグローバルと言うのは少しおこがましいのですが、事業のひとつである越境ECに関しては、今後のビジネスのキーワードになると考えています。マルウェブはまだ小さな会社ですが、取引企業は大手が増えているので、大手企業ならではの最先端のサービスに触れるチャンスもあります。

編集部

例えば、どのような企業と取引があるのでしょうか

前山さん

間に1社か入っている下請けの状況ではありますが日本の大手コンビニチェーンと連携している仕事で、ITシステム開発を担っています。あと、オラクルやAdobeもパートナーです。

編集部

大手企業のパートナー企業として、責任とやりがいのある案件を多く持っているんですね。

前山さん

大手企業はコンプライアンスがしっかりしているので、進行に無理がなく、開発もスムーズなケースが多い印象です。

編集部

大手企業との仕事は、やりがいも進めやすさも両方あると感じていらっしゃるんですね。

完全リモート、フレックス、残業ゼロという理想的なワーク環境

株式会社マルウェブのウェブ会議の様子

編集部

マルウェブさんのスタッフの皆さんの働き方について教えてください。勤務時間は決まっていますか?

前山さん

フレックスタイム制で、午前9時~10時に出社、午後6時~7時に退社が原則です。夕方5時に帰りたい場合は午前8時半ぐらいに出社するなど、その辺りは信頼して任せています。お昼休みは1時間、好きなタイミングで取れます。

編集部

残業はどの程度ありますか。

前山さん

残業は基本的にありません。

編集部

すごいですね。どのように管理しているのでしょうか。

前山さん

スケジュールで決めているだけです。仕事を受注するときに、「我々はこの期日までに完成してコミットできます」とお客様に理解をしていただいて、そのスケジュールに合わせてスタッフをアサインしていくだけなので、残業をする必要がないんです。

お客様の希望に合わせることはもちろん必要ですが、ただ合わせるだけじゃなくて、交渉はしますね。たまにお客様に都合があって、スタッフに少し多く働いてもらうよう私がお願いしたこともありましたが、最近1年ぐらいはそういったこともありません。

編集部

スタッフのキャパシティに対して、無理のないスケジュールを組むので、残業はゼロだということですね。

前山さん

もちろんです。もし不定期の業務外の作業があったときも、代休をしっかり取ってもらっています。例えば朝7時のリリースのために朝6時半から作業をした場合は、時間外手当を出します。

国内外すら問わない完全テレワークなので、ノマド的ライフスタイルも可能

株式会社マルウェブで貸し出しているセカンドモニター
▲株式会社マルウェブのリモート勤務でもセカンドモニターを活用し、効率よく仕事を進めている

編集部

テレワークは可能でしょうか。

前山さん

みんな在宅で働いています。地域もバラバラで、今は東京、千葉、川崎、福岡にスタッフがいます。「今度、中国で仕事していいですか」と言うスタッフもいますね。業務環境さえ整っていれば、もちろん自由です。

編集部

スタッフみんなが在宅勤務となると、チーム内ではどのようにコミュニケーションを取っているのでしょうか。

前山さん

Chatworkというチャットツールをベースにしています。Chatworkに全員が入るグループを設定していて、日本でもベトナムでも中国でも、そこで必ず出社と退社、昼休みは何時から取ります、と告知を英語で書くルールです。休暇のスケジュールもChatworkで連絡することで、スタッフ同士で共有してもらっています。

オンラインミーティングは大概Teamsで行っていますね。DropboxやGoogleドキュメントを活用してファイル共有もしています。プロジェクト管理はBacklogというツールを使っています。

編集部

オンラインミーティングは頻繁にあるのですか。

前山さん

開発案件ごとにリーダーたちがやっています。新しい案件が来た場合は、僕が開催します。

編集部

クライアントと社員さんとのやり取りも、オンラインなのでしょうか。

前山さん

ほぼオンラインですね。僕以外でクライアントに直接会うスタッフはたまにしかないです。僕自身も、もうお酒の場ぐらいでしか対面していないですね。コロナ禍を境にほぼ完全オンラインになりましたが、売り上げに影響はないので問題ありません。

編集部

かなり働きやすい環境だと思うのですが、マルウェブさんのスタッフの皆さんはどのような感想を持っていますか。

前山さん

先日、新入社員が入社したので久しぶりに「みんなでご飯食べよう」とスタッフみんなで集まったんですよ。そのときに自宅で仕事する状態はどう?と聞いたところ「もう二度と出社する時代には戻りたくない」と言っていました。

例えば通勤時間が往復2時間として、出社の準備に30~40分、帰宅後もいろいろやることがあると、これだけで1日3時間ぐらいロスします。これはやっぱりムダですよね。ちなみに、僕は1人だけ出社しています。

編集部

在宅勤務に関しての不安や悩みも、特にない状況でしょうか。

前山さん

あるとすれば、パソコンに関することでしょうか。オフィスで働いていれば、パソコンに不具合が出たら詳しい人間が対処してくれるじゃないですか。自宅勤務だと全部自力でやらなければいけないので、苦手な方は困るかもしれないですね。ちなみにパソコンは会社が貸与するのではなく、自分のものを使用して、そこに対して会社がお金を払う仕組みです。

編集部

自分のパソコンを使うにあたっての手当もあるんですね。

前山さん

あります。自分のパソコン、マイPC手当が月3000円。それと電気代などを考慮して自宅勤務手当が月5000円あります。

編集部

他には、テレワークに関する会社からのフォローはありますか。

前山さん

セカンドモニターを貸与しています。複数のモニターがあると作業効率が上がるので、家でも実現してもらおうと考えました。

仕事をする場所は、本当に自由です。何だったら、家じゃなくてもいい。「おばあちゃんの家でも、カフェでもいい。海外で旅行をしながら、ノマドみたいに働いてもいいよ」とスタッフに話しています。

アジアから世界に向けて、バイタリティを持って事業を展開

株式会社マルウェブで働くスタッフの様子

編集部

最後に、この記事を読んでマルウェブさんに興味を持った読者の方に向けて、採用に関するメッセージをお願いします。

前山さん

マルウェブのテーマは「アジアから世界に向けて」です。越境ECのシステム開発など、得意分野もさまざまにあります。グループ全体の日本人の割合は30%、あとの70%は中国人とベトナム人です。日本国籍を取得した中国出身の方や、福岡在住の中国籍の方など、多彩な人材が活躍しています。

世界を視野に向けて仕事をしたい方、フロムアジアに魅力を感じる方がジョインしてくれれば嬉しいです。一緒に、アジアから世界に対してサービスを提供していきましょう。

編集部

マルウェブさんにジョインするにあたって、必要な資質はありますか。

前山さん

好奇心が強い方が向いていると思います。「ある国に対してサービスを展開したい」とおっしゃるお客様がいた場合、その国のことを一から調べるのですが、日本語での情報があるとは限らないので、バイタリティや探求心が必要なんです。例えば海外に行ったとき、「この国では、こういった決済が人気あるんだな」と情報をキャッチできるタイプの方がいいですね。

編集部

海外に目が向いている方、オフィスに縛られずに働くバイタリティのある方なら、フロムアジアの一員としてマルウェブさんで存分に活躍できそうですね。本日は、ありがとうございました。

■取材協力
株式会社マルウェブ:https://www.maruweb.co.jp/ja/
採用ページ:https://www.maruweb.co.jp/ja/recruitment/