注目企業の新しい働き方や、社員のワークライフバランスにも力を入れている企業を紹介する本企画。eラーニングシステムをはじめとした教育に関するITサービスを開発・提供するIT企業「Mogic株式会社」にインタビューしました。
ITの力で教育をサポートする「Mogic株式会社」
▲Mogic株式会社が提供するクラウドeラーニングシステム「LearnO」
Mogicは、eラーニングシステムをはじめとした、教育をITで支援するシステムを開発するIT企業です。
メインサービスであるクラウドeラーニングシステム「LearnO(ラーノ)」は、法人で3,800社・月間60万人以上が利用しています。
その他、大学や資格団体向けのオンライン授業支援システム「Pholly(フォリー)」など、業界や規模を問わず、教育に関わるITサービスを提供。
ビジョンとして「知恵を分かちあい、魔法のように成し遂げる」を掲げています。利用者により豊かな暮らしや学びが提供できるように、デザインも含めて充実した体験になるようなサービス作りを心がけている会社です。
会社名 | Mogic(モジック)株式会社 |
---|---|
住所 | 東京都練馬区石神井町3-3-31 モノデコール石神井公園1F-4F |
事業内容 | ・IT教育サービスの企画、制作、開発、運用 ・インターネットサービスのコンサルティング業務 ・メディアサービス運営 |
設立 | 2009年12月16日 |
公式ページ | https://www.mogic.jp/ |
今回はMogic株式会社の内部さんに、インターン生を含めた若手が活躍する理由や社内教育、そのほか自社開発・受託開発を行うエンジニアの仕事についてお話を伺いました。
育てる意識が高い環境だから、若手活躍の場が自然にできる
編集部
Mogicさんでは若手の方が活躍されているとお伺いしていますが、全体で若手社員さんの割合はどれほどでしょうか?
内部さん
現在の従業員数は30名ほどで、20代から30代の若手社員が半数くらいまで増えてきています。大学生のインターンも多いですね。
編集部
社員さんの半数が若手の方となると、自然と活躍する場ができそうですね。
内部さん
そうですね、経験を得られるよう挑戦を後押しする環境を意識して作っていますので、必然的に若手が活躍する場ができています。
まず前提として、弊社は教育に携わっていることもあり、社内文化として育てる意識が高いです。そのため、経験を得て成長できる機会を若手にきちんと提供しています。
時には、本人の実力以上の機会を与えることもあります。実力以上の課題に頑張って挑戦したり、失敗したりした経験を糧にすることで、成長していけると考えています。
フィードバックを重視した社内教育を実施
編集部
「育てる意識が高い」とのことですが、社内教育や研修制度はどうされているのでしょうか?
内部さん
Mogicでは、勉強会などのインプット型の教育は行っていません。社員一人ひとりの素質に合わせた課題が与えられて、先輩社員などからマンツーマンで指導してもらったり、課題に対してフィードバックをもらったりする形です。
「フィードバックを得ることで大きく成長できる」という考え方のもと、こうした教育体制をとっています。
編集部
若手社員のみなさんに共通する課題などはありますでしょうか?
内部さん
若手社員を中心に定例(会議)を毎週行っており、主に社内全体の共有をしながら、チームを横断してコミュニケーションを図っています。自分が感じたことをアウトプットするトレーニングと、社内全体を見るトレーニングを兼ねています。
話すテーマについては完全に自由ということではなく、チームの状況と各プロジェクトの状況を、それぞれ参加しているメンバーが担当者になって、情報を共有してくれています。そのため、定性的なデータが蓄積されているように思います。
なお、よく定例中の声が耳に入ってくるのですが、笑い声が聞こえたりとカジュアルな雰囲気が伝わってきます。決してお堅い定例ではないのですが、アジェンダはありますね。
このような機会をつくっているのは、一緒に働いている社員や社内全体がどう動いているか、また自分が会社の1人としてどう動いているのかを早い段階からキャッチできるようにすることが目的です。
若手社員に任される社内イベントの企画・演出を通した学びとは
▲実際の社内イベントの様子
編集部
若手社員の方が活躍する場として、具体例があれば教えてください。
内部さん
若手社員で構成されている「イベント管理部」という組織があります。Mogicは社内で季節ごとのイベントを開催したり、記念ごとでお祝いしたりすることが多いんですね。そのイベントの企画や演出を考えて実行する組織です。
イベントを切り盛りする中で、誰かに楽しんでもらったり、満足してもらったりする空間作りを学んでもらいます。こうした学びはITを含めたサービス作りにも繋がると思っています。また同時に、プロジェクト管理能力やメンバーマネジメント力も身につけていくことができます。
こうしたトレーニングや企画を通して、自分のできることが広がって、ステップアップしやすくなっている環境だと思います。
編集部
勉強会などの座学ではなく、社内イベントの企画など実地でのトレーニングだから実践的なスキルを身につけることができ、それが後々の成長にも大きく繋がるのだろうと感じました。
長期インターンが中心なのは「長い目で育てていく方針」だから
編集部
大学生のインターン生もいらっしゃるとのことでしたが、インターン生はどういった方が多いのでしょうか?
内部さん
内定者インターンではなく学生の長期インターンが中心で、大学2〜3年生が多いですね。
Mogicでは、トレーニングの時間をかける風土があります。特にデザイナーとエンジニアは、成長曲線が人によってばらつく傾向があるので、長期的に育てていこう、というカルチャーが根付いています。それもあって長期インターンが主です。
編集部
インターン生のトレーニングはどのようなことをされているのでしょうか?
内部さん
トレーニングの流れとしては、長期的な成長を見据えて課題を設ける、インターンがメインとなって進めるプロジェクトを通して教えていくという方法をとっています。
Mogicは少数精鋭で業務を行っているので、インターンでも実務と近い経験をすることができます。インターンから経験を積み、多様な視点を持つことで、できることが自然と増えていきます。
そのため、どのメンバーもインターンの後半には即戦力と言えるほどの力を備えていることがほとんどです。
3ヶ月に1度、インターンが中心になってプロダクトを作る
編集部
インターンではどのようなお仕事を任されるのでしょうか?
内部さん
基本的には、全部署にインターンが在籍しており、社員の仕事をサポートしてもらいます。その方のスキルや素質によっては、案件を担当してもらうこともあります。
あとは、インターンが中心になって進める、MicroTech(マイクロテック)というプロジェクトがあります。年賀状の代わりになるウェブサービスなど、季節のイベントにちなんだプロダクトを企画から開発・リリースまでを、3ヶ月で行うものです。
このプロジェクトは、ときにはつまづきながらも学べる場所として、そしてフィードバックをもらえる機会として用意しています。実際に物を作る体験をすると、社内外から多くのフィードバックをもらえます。
優しい言葉もあれば、なかにはハッキリとした厳しい指摘もあります。でも、自分が携わったものに対するフィードバックを得ることは、学生のうちは貴重な体験であり、大きく成長する機会であると思っています。
編集部
インターン生だけでプロダクト作りを全てやり切るのは難しいのではと思うのですが、社員さんはサポートされるのでしょうか?
内部さん
おっしゃる通りです。なので、若手のエンジニアとデザイナーがサポートで入ります。このプロジェクトは、若手社員のプロジェクトマネジメントのトレーニングにもなっています。
インターン出身は社員全体の7割
編集部
インターンから正社員になられる方はどれくらいいらっしゃるのでしょうか?
内部さん
2023年4月時点で、全社員のうち約7割がインターン出身です。エンジニアやデザイナーは、インターンから正社員になるケースがほとんどですね。
中には、弊社インターンを終えた後に他社さんを経験されて、また社員として戻ってきた社員もいます。
編集部
実際にインターンから社員として活躍されている方の事例を教えてください。
内部さん
インターンから新卒で入社して、エンジニアとして活躍しているメンバーがいます。現在、エンジニアチ-ムに所属しながら、社内教育のチ-フとして活躍してくれています。
このメンバーは、大学生のときに入社して、エンジニアインターンとしていくつか担当の案件を任されていました。チームの先輩エンジニアや上司のエンジニアのサポートを受けつつ、1人で案件を担当してスキルを身に付けました。
編集部
一人ひとりに合わせたトレーニングがあったり、インターンの方と若手社員の方が組んでプロジェクトを動かす経験ができたりという会社はなかなかないと思います。
こうした御社ならでは魅力的なトレーニングや社風があるからこそ、インターンからそのまま正社員の道を選択される方が多いのだと思いました。
エンジニアリングの専門は決まっていない。広い領域を担当
▲Mogic株式会社が提供するオンライン授業支援システム「Pholly」
編集部
Mogicさんに在籍されているエンジニアの方は、どんな働き方をされているのでしょうか?
内部さん
弊社で提供している自社サービスは、外注することなく自分たちの手で作りあげています。
またシステム開発の受託もしており、数ある案件を一度に動かしていくので、1週間の中でも全く異なるプロジェクトに携わります。少数精鋭の体制で、受託案件も自社開発も実施しているというのは、弊社の特徴のひとつだと思います。
編集部
自社サービスの開発だけではなく受託開発もしているとなると、お一人あたりの仕事量が多くなると思うのですが、分業などはされているのですか?
内部さん
弊社の特徴として、本当に幅広い業務が任せられるという文化があります。ですので、エンジニアチームでも専門は特に決まっておらず、サーバサイドもフロントエンドも担当するので、みんな基本的に一通りの言語を書けるようです。
もちろんメンバーそれぞれに個性があって、得意分野が異なります。得意なものを多く任せるように振り分けはしていますが、業務領域は本当に広いと思います。
ゲームを通した交流で、マニュアルなしでも連携できる体制ができている
編集部
御社のエンジニアチームの強みや特徴をお聞かせください。
内部さん
弊社のエンジニアは設計力が強みです。サービスを要件通りに作っていくというよりは、エンドユーザーに対してどんな体験になるかを踏まえて全体で設計することが求められます。
設計力を高めるためには、必要なものは何かを自分なりに探りながら、挑戦し続けなければなりません。その過程ではもちろんうまくいかないこともありますが、社内全体でリスク管理をしているので、個人の挑戦を妨げるようなことはありません。
組織としてリスクヘッジが取られているからこそ、チャレンジングな案件を任されたときに思い切り取り組むことができています。チーム内、そして会社全体で効果的なチームワークが構築できていると感じていますね。
編集部
御社のエンジニアチームは、どういった雰囲気でしょうか?
内部さん
自分で考えて自発的に動ける人が多いと感じています。案件はチームワークで進めることも多いので、メンバー同士コミュニケーションをとって仲を深めているようです。
創業当初から、お昼休みになるとエンジニアチームではみんなでゲームをしていることも多いですね。ゲームを通してお互いの個性を知ることによって、各々が自分の判断で仕事を進めていても、何となく他のメンバーのことも把握できるんです。
編集部
黙々と自分の仕事だけに集中するというわけではないのですね。
内部さん
そうですね。雑談から案件の相談まで、日々のコミュニケーションが活発なのがチームの特徴です。意見交換や開発設計に対するアドバイスもよく聞こえてきますし、その内容も率直かつレスポンスが早く、スピーディーに判断していると感じます。
ゲーム内でチームプレイをして楽しむようなラフなコミュニケーションが基盤にあるため、自立的な動きに対するサポートも自然とおこなわれる環境なんです。だからこそ自分で考える力が身につき、高い設計力につながっているのかなと思います。
編集部
業務内・業務外でコミュニケーションをとっていること、挑戦を促した上でフォローするような体制が整っていることで、チーム内の信頼関係を築くことができていると感じました。それが、高い設計力にもつながっているのですね。
職種も超えた業務にチャレンジできるから自然とスキルアップ
編集部
エンジニアリングの専門が決まっていなかったり、他の職種と兼務したり、本当に業務の幅が広いですが、これは一部の職種や特定の方に限ってのことなのでしょうか?
内部さん
少し特殊だと思うのですが、弊社では役職や部門がそのときのニーズに合わせて変化することがあります。先ほどお話ししたように、エンジニアの仕事をしながら社内教育を任されている社員もいれば、ディレクターとイベント管理部を兼任している社員など様々です。
自分が担当する仕事以外にも、徐々に業務の幅を広げていろんなことを覚えていき、別の職種にもチャレンジできます。社内からは「業務として幅広くやることができるので、どんどん新しいスキルを身につけられる」という声が聞こえています。
1日の大半の時間が仕事に占められて、余った時間で知識やスキルの幅を広げようとするのは非常にハードです。仕事の中でバリエーション豊かに、たくさんの業務に触れる環境だから、自然とスキルアップできていると感じています。
やりたいことが実現できる環境の背景には代表の存在がある
▲社内で開催されたイベントの様子
編集部
Mogicさんには本当にユニークなカルチャー、社風があると感じます。ほかにも、特徴的な社風はあるのでしょうか?
内部さん
弊社には「やりたいことがあれば実現できる」と言う社風があります。それは代表の山根(代表取締役:山根陽一さん)が、それぞれのメンバーの目標や話した内容を覚えているからこそなんですね。
たとえば、エンジニアチームのエースとして開発していた方が、入社時に「将来的に起業したい」と話していました。エンジニアだけに収まらない素質を持っていたこともあり、当初は起業志望だったことを覚えていた代表が、グループ会社の立ち上げに携わることを提案したんです。
その会社はもう閉じてしまったのですが、実際にスタートアップに参加したことは、貴重な経験になったようです。現在はまたMogicでプロデューサーとして活躍しています。
編集部
会社のトップである方が自分の話していたことを覚えてくれていて、さらに希望していたことを実現できるように取り計らってくれると言うのは、非常に嬉しいものですし、信頼感が高まるのではと思います。
余白を持って、仕事もプライベートも楽しめる人が向いている
編集部
それでは最後に、御社にフィットする人物像や読者に向けたメッセージをお聞かせください。
内部さん
弊社は、やりたいことやいろんなことに挑戦する場所がたくさんあります。その反面、マルチタスクを求められたり、タスクやスケジュールが詰まってしまったりということがあります。
特にシステム開発の際には、エンジニアもデザイナーも営業も、職種関わらずシビアな現場になる場合がほとんどです。
少数精鋭でぎゅっと詰まった中で様々なチャレンジをしている環境ではありますが、みんなプライベートも大事にしながら自分のペースで仕事ができています。それは、余白を作る文化があるからです。
残業や休日出勤を原則禁止としたり、フレックス制を導入したりと、会社としても制度を整えていますが、それに加えて、社員みんなが余白を設計しようとしながら仕事に取り組んでいるように思います。
仕事だけにかかりきりにならず、子育てや資格の勉強、ゲームをはじめとした趣味と両立している社員ばかりです。社内でも、エンジニアはお昼休みにはゲームをしていたり、デザイナーは美味しい食べ物の話で盛り上がったりしていますね。
「チャレンジをたくさんしたい」という思いがあっても、自分を削ってまで挑む人よりは、余白を持って自分の好きなことも仕事も楽しみたい人が向いていると思います。
やる気がある人にとっては、本当にチャンスがたくさんあって、潰れずに成長していくことができる会社だと思います。少しでも弊社に興味がある方は、ぜひお気軽にお話をしにきていただければ嬉しいです。
編集部
多数の案件を同時に手がけ、幅広い業務をこなしながらも、社内でゲームをしたり、同じ趣味の会話をしたり、楽しむことを忘れずに両立されているのは御社の特長だと思います。
仕事やキャリアに対するチャレンジ精神と、自分のプライベートを大事にしたい気持ちのどちらも諦めたくない、という方にとっては非常に魅力的に映るのではないでしょうか。興味がある方は一度ホームページをご覧になってみてはいかがでしょうか。
本日はありがとうございました!
■取材協力
Mogic株式会社:https://www.mogic.jp/
採用ページ:https://www.mogic.jp/recruit/