ミライのお仕事『注目企業へのインタビュー』企画。今回は、株式会社MOYAIにインタビューしました。この記事では、転職を検討されている方に向けて、同社で働く魅力をご紹介します。
株式会社MOYAIは「安心・安全・快適(A2K1:エーツーケーワン)」の実現を理念として掲げ、社会課題の解決に取り組むスタートアップ企業です。現代社会において当たり前でなくてはならないA2K1の状況を作り出すため、主力製品であるエッジAIカメラソリューション「IoTube(アイ・オー・チューブ)」の開発、販売を手がけています。
リテールDX、リテールメディア、スマートシティという100兆円規模の市場で、2027年頃のIPOを目指して成長を続ける同社は、少数精鋭のチームで、大手企業では実現できない新しい価値創造にチャレンジし続けています。
今回は、代表の渡邊さんをはじめ、人事から広報にも領域を広げた大岡さん、フリーマガジンの編集長から転身した永井さんにお話を伺い、同社ならではの働き方や成長機会について詳しく語っていただきました。
IoTで「安心・安全・快適」な社会の実現を目指すMOYAIの理念
▲IoTマルチセンシング&エッジAIデバイスである「IoTube」
編集部
はじめに、MOYAIが掲げるミッションについて、お聞かせいただけますでしょうか。
渡邊さん
我々のミッションは「人が安心して学び成長し生活できる心地よいサスティナビリティーな世界を作る。」というものですが、よりわかりやすくすると「A2K1カンパニー」という言葉に集約されます。MOYAIは安心(A)・安全(A)・快適(K)を確保する会社だということです。
そのために展開している主力プロダクト「IoTube」は、蛍光灯がある場所なら簡単に設置することができるエッジAIカメラを搭載したIoTセンシングデバイスです。さまざまなセンサーを搭載しており、GPSやビーコンによる位置情報の把握やスマートフォンとの連携、さらには人数等のカウントにより混雑状況を可視化することもできます。
現時点では鉄道事業会社様に採用いただくケースが多く、首都圏を中心にすでに3万台以上の導入実績があります。リアルタイムストリーミングと双方向通話が可能なだけでなく、エッジAIに加え、GPSやビーコン、温湿度、煙感知、CO2、サーモセンサー、3D加速度の各センサーを搭載。車内状況のさまざまなデータをAIが解析し、異常事態を検知すると自動的に指令所に通報することが可能なので、安全性の向上に大きく寄与しているんです。
▲IoTubeを電車内に設置した様子
渡邊さん
事例としては、2020年に設置したお客様から設置翌月に、「導入車両だけ痴漢がゼロになりました」との報告を受けました。これにより、「IoTube」が強烈な抑止力になったことを証明することができたと考えています。
編集部
今後の展開についてもお聞かせください。
渡邊さん
まず「IoTube」は、さらに複数の鉄道事業会社様への導入も決定しています。加えて海外からもお問い合わせをいただいている状況です。
今後、次のステージとして、ウェアラブルデバイスから運転手の状態をモニタリングする連携システムの開発を進めていきます。運転中の健康状態や疲労度をリアルタイムに把握することで、事故発生リスクの低減を目指します。
また、AI、IoT、クラウド技術を駆使し、リテール、運輸、文教など、多様な業界においても、ユーザーのニーズに合わせたサービスを提供できる製品の開発を進めていきます。
私たちが参入しているリテールDX、リテールメディア、スマートシティの市場は、グローバルで約100兆円規模です。順調に推移すれば2027年頃のIPOを目指すというロードマップで、日々組織構築と営業活動に励んでいます。パートナーや株主様とともに、“明日が待ち遠しい”と感じられる未来を作っていきたいと考えています。
プロジェクトマネジメントができるエンジニアが活躍するMOYAI
編集部
事業内容を伺うと、ソフトウェア・ハードウェアのどちらにも携わる機会があると思うのですが、御社が求めるエンジニアとはどのようなスキルを持った方なのでしょうか。
渡邊さん
一般的にエンジニアというとスペシャリストのイメージが強く、特定分野に特化した技術や知識、経験を持つ方が多いと思います。しかし、これからの時代は、それだけでは十分ではないと当社は考えています。
さまざまなものごとが急速に変化し、組み合うなかで、今まで必要とされていた技術がある日突然、必要ではなくなることもあります。例えば、プログラミングなども今後はAIの進化により従来ほど必要とされなくなっていく可能性があります。
これらを踏まえ、当社ではエンジニアリングやマーケティングについて、広範囲に物事を理解し、プロジェクトマネジメントもできるエンジニアを採用ポリシーに掲げています。IT技術やAIなど、多岐にわたる知識を持ちながら、自分で手を動かすだけでなく、さまざまなパートナーと協業できるコミュニケーション能力を重視しています。
編集部
プロジェクトマネジメントを担うエンジニアに求められるのはどのような要素でしょうか。
渡邊さん
MOYAIのエンジニアは、細かい機能にこだわって限定した用途でのプロダクトの完成を目指すというより、より大きな目的を意識してプロジェクトに取り組むのが特徴ですし、そういう意識は持っていてほしいですね。
例えば現在進行中の新規デバイス開発プロジェクトは、単にハードウェアを開発して終わりというわけではありません。リリース後にどのように使用され、どのような成果を出せるのか、その価値は何かまで考える必要があります。
さらに具体的にいうと、例えば音声認識を実現するにあたり、最新のマイクデバイスやスピーカー、AIアクセラレータなどの構成を検討する際も、目的の達成を第一に考えます。「周辺音声を集めるマイクと、ビームフォーミングで遠距離の音を集める指向性マイクを組み合わせよう」といった具合です。
それらを「ソフトウェアでどう補完し、他の機能と連動させていくか」「開発したハードウェアで実現できるソリューションは何か」「効率的な結果を出すためにはどのAIモデルを採用しチューニングすべきか」さらにはマーケット規模や成長性まで検討していく事が期待されます。
エンジニアが働く魅力:自由に提案できるのがスタートアップの良さ
編集部
現在在籍しているエンジニアの方々からはどのような声が聞かれますか?
渡邊さん
現在CTOを務めているエンジニアは、大手メーカーでエンジニアリングマネージャーを担っていました。大企業では社会のために必要なことでも、収益性が低ければ実行できないことが多いそうです。自分が温めてきたアイデアや「こうすればもっと良くなるのに」という思いを実現できないことがジレンマになったと聞いています。
当社のような規模の会社では、鉄道事業会社様などからご支援いただきながら、常にユーザー視点で「もっとこうしたい」という提案が自由にできる環境があります。もちろん、規模が小さいため、資金面や時間、人材面で苦労することもありますが、それも含めて楽しみながら、大企業では実現できないことにチャレンジできるのが魅力です。
編集部
ここまでのお話を伺っていると、経験がありスキルのあるエンジニアでないとマッチしないような気がしました。
渡邊さん
いえ、必ずしもそういうわけではありません。ひらめきや思いついたアイデアを大事にして、それを「やってみよう!」と進められる好奇心・実行力があれば、ほとんどの人が短期間でMOYAIが定義するエンジニアになれると思います。
私自身も、エンジニアリングの背景が全くありませんでした。しかし、様々な技術を組み合わせたり、世の中にあるものを掛け合わせて「どうなるだろう?」と妄想したりすることから始め、実際に試して挑戦を重ねる中で、失敗と成功を重ねながら学んできたんです。
そうしているうちに、エンジニアリングのパートナー企業と「もっとこうしよう」「ああしよう」とやり取りをする中で、気がついたらプロジェクトマネージャーの役割を担っていました。技術に対して好奇心を持って楽しめる人なら大丈夫だと考えています。
MOYAIの組織:多様なバックグラウンドを持つメンバーが揃う
編集部
MOYAIの組織の特徴を教えてください。
渡邊さん
大手携帯通信キャリアやメガベンチャー、日本を代表する家電メーカーなど、さまざまな経歴を持つメンバーがジョインしており、共通して豊かな経験とそこで培った信念を持ちあわせているのが、当社の特徴であり強みですね。
我々ベンチャーやスタートアップに必要なのは、決まったことを決められたようにやっていくことではなく、変化に対して臨機応変に対応できることなんですよね。
そのため現在は即戦力を重視しており、いまお伝えしたようなキャリア層を中心に採用をしています。それぞれ違う経験をしてきているので、管理部門は大変な面もありますが、それを面白さや魅力に変えていけるような組織体にしていこうと考えています。
▲ドアを開けて歓迎してくれている大岡さん
編集部
大岡さんはどのようなきっかけで入社されたのでしょうか。
大岡さん
私はもともと保険代理店の人事をしていました。MOYAIを選んだ理由としては、この会社なら「わくわくしながら仕事ができるのではないか」と考えたことと、それに加えて「確実に社会貢献につながる」事業内容も大きな魅力でした。
あとは、これまで上場企業で働いた経験はあるものの、上場を目指す企業の一員になった経験はありません。共に上場を目指せることにもやりがいを感じています。
また、社長である渡邊が、いかに社員や社会を大切に思い、行動しているかが伝わってきたことも、ジョインの大きな理由です。
▲スタイリッシュなオフィスでスタイリッシュなポーズを取る永井さん
編集部
永井さんはどのような経緯で入社されたのでしょうか?
永井さん
私は以前フリーマガジンの編集長をしていました。全く異なる業界でしたが、たまたま求人媒体でMOYAIの募集を見かけたんです。募集内で特に印象的だったのが、社内で楽しそうに働いている様子を社長がドローン風に撮影した動画でした。
他の企業では見ないエンタメ要素のある採用ブランディングに強く惹かれ、自分のスキルを活かせると感じて応募を決意しました。
クレド「ザ・モヤイ人」を策定。挑戦のカルチャーが浸透している
編集部
経歴など多種多様なメンバーが揃っていることをお聞かせいただきましたが、働きやすい組織にするための取り組みをお教えいただけますか?
渡邊さん
メンバーがお互いに関心を持ち、会社として成長していける土台として、当社ではいくつかのキーワードをまとめています。それがクレド「ザ・モヤイ人」で、「挑戦できるって最高!」「早く。たくさん。もっと良く。」「みんなをわくわくさせちゃおう!」「そして走りながら考えよう!」の4つに凝縮されています。
この「ザ・モヤイ人」を一人ひとりが理解し実践できることを組織運営の前提条件としており、現在見直している評価制度でも、この「ザ・モヤイ人」の要素は評価基準の一つとなっています。
現時点では共に仕事をしていて気持ちが良い、一緒に仕事をしたいと思える人が集まってくれているので大きな問題はないんです。ただ、これから規模が大きくなると、部署間の意思疎通が取れないような状況が発生するかもしれないですよね。そんなときはこの「ザ・モヤイ人」に立ち返ることが重要だと考えています。
編集部
クレドを見ると、スピード感と共に「わくわく」「挑戦」というキーワードが目立ちますね。
渡邊さん
そこは当社が重視している点です。人間は現状が一番心地よく感じるもので、一歩踏み出してチャレンジすることは、独力では難しいケースもあります。しかし、周りの人も同じ意識を持って挑戦している環境があれば、足を踏み出しやすいですよね。だからこそ、会社としてもチャレンジする人の背中を押せるような体制を作っていきたいと考えています。
編集部
大岡さんは、実際にチャレンジできた経験などはありますか?
大岡さん
私の現状がすでにチャレンジの実例ですね。これまで人事や秘書、総務の経験はあったのですが、広報の仕事は未経験でした。それでも「とりあえずやってみよう」という感じで任せていただき、大きな一歩となりました。一歩踏み出してチャレンジできるこの環境がとても恵まれていると感じています。
東京タワーを望むMOYAIのオフィス。飲食コーナーも充実!
編集部
お話を伺っていて、背景の素敵なオフィスが気になりました。どんな場所で働くかというのも転職を検討している方には大きな要素になるかと思いますので、ぜひ詳しく伺いたいです。
大岡さん
2024年6月にこのオフィス(虎ノ門ヒルズステーションタワー)に移転したのですが、魅力はたくさんありすぎてどこから話せばいいかわからないくらいです。まず、いろいろな種類の椅子があり、気分によって席を選んでいます。窓から見える東京タワーの眺めも最高です。
お菓子コーナーやカップラーメン・スープの食べ放題コーナー、ソフトクリームマシンなどの飲食の他、休憩時にはパンチングマシン、パターゴルフ、ダーツや卓球、ハンモックを使うこともできます。
渡邊さん
冷蔵庫には常にお酒も用意しています(笑)。
大岡さん
あと、オフィスには駄菓子が集まっているコーナーがあるのですが、ここを管轄する「駄菓子部長」は渡邊の小学生のお子さんが担当しています。ちなみに、先日のハロウィンではオフィスをかわいく装飾してくれました。
編集部
そのエピソードだけでもどんな職場なのかわかりますね。社内の雰囲気はいかがですか?
永井さん
ワイワイガヤガヤというわけではないのですが、話しかけやすい雰囲気があります。おしゃれなオフィスというと少し話しかけにくい雰囲気になりがちですが、ここは違います。静かな時間帯でもだれも不機嫌そうではないですし、必要以上に緊張感があるわけでもありません。
みんなが周りの様子を自然と把握しながら、一緒に働いているという感覚が強くあります。そういう温かい雰囲気が常に流れているのが特徴だと思います。
▲「MOYAI buzz wall」にはさまざまな決意が記されている
編集部
オフィスには「MOYAI buzz wall」という壁があると伺っております。こちらはどのようなものなのでしょう。
渡邊さん
「MOYAI buzz wall」はMOYAIとしての決意を示す壁です。オフィスで一番大きな壁をどうするか考えたときに、モカ色の壁にゴールドで文字を書くことにしました。
この壁はまだ完成していません。社員や株主様、ビジネスパートナーなど、当社の思いに共感してくださった方々に金のマーカーでメッセージやサインを継続して書いていただいています。いずれは壁全体が金色に輝くような、象徴的な場所にしたいと考えています。
永井さん
私は「MOYAI buzz wall」に何を書こうか迷っています。みんなが遠慮がちに小さく書いているので、思い切って大きく書いて、このスペースを埋めていくきっかけを作りたいですね(笑)。
MOYAIから転職希望者へのメッセージ
▲インタビューを通して熱く語ってくれた代表取締役の渡邊さん
編集部
最後に、この記事をご覧になっている転職活動中の方々へ、メッセージをいただけますでしょうか。
渡邊さん
私たちが常に向き合っている「安心・安全・快適(A2K1)」に関わる社会課題は、なくなることはないと考えています。むしろ、コミュニケーションの複雑化などに伴い、今後さらに増加し、変化していくでしょう。
このような変化に対応していくなかで最も重要な強みは何かと考えた時、それは特定の職種の専門性だけではなく、さまざまな課題に対応できる適応力だと思います。当社では、そういった対応力を身につけられる環境を提供できると考えています。
例えば、大岡は未経験だった広報の仕事に今チャレンジしていますが、時には悩みながらも基本的には楽しみながら取り組んでくれています。こうした経験の積み重ねが新しいスキルとなり、それが自信につながっていくのだと思います。
編集部
なるほど。楽しむことに加え、結果を出すためにはどのように仕事に向き合えばよいとお考えですか?
渡邊さん
当社では「この人はこの仕事」という固定概念にとらわれず、自由な発想でピボット(方向転換)していただいても構いません。ただし、「これをやりたい」という思いは大切です。なぜなら、企業である以上、しっかりと結果を出していく必要があるからです。やりたくないことやマンネリ化した業務を押しつけることは望ましくないと考えています。
本当に力を発揮でき、集中できる、そして楽しめることを見つけられる会社でありたいと思っています。これは私一人では作れないものです。みんながそういう会社を作りたいと思って取り組んでいる途上にあります。同じような思いを持った方々に、どんどん来ていただきたいと考えています。
編集部
インタビューを通し、MOYAIでは社員一人ひとりが仕事を楽しみ、ビジョンを共有していることがよくわかりました。そして、一つひとつの事業が融合・結合した先にはスマートシティーが広がり、誰もがA2K1(安心・安全・快適)を享受できる未来があると確信しました。
本日はありがとうございました。
(編集後記)
2024年6月、スタイリッシュな虎ノ門ヒルズに移転したMOYAI。窓の外の東京タワーも見せていただき、とてもフランクな雰囲気でお話を伺いました。取材時では入社してまだ数週間という広報の永井さんも積極的に発言されるなど、少数精鋭ながら和やかな会社の風土が印象に残っています。
この記事のまとめ
株式会社MOYAIの理念と事業展開 |
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組織文化 |
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職場環境 |
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採用方針(エンジニア) |
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株式会社MOYAIの基本情報
住所 | 東京都港区虎ノ門二丁目6番1号 虎ノ門ヒルズステーションタワー16F |
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事業内容 |
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設立 | 2018年11月 |
公式ページ | https://moyai-net.com/ |
採用ページ | https://www.wantedly.com/companies/company_9366381 |
募集職種 | AIを使えるエンジニア |