老舗化学メーカー「日本化薬株式会社」のワークライフバランスが整う働き方に迫る!

ミライのお仕事『注目企業へのインタビュー』企画。今回は、総合化学メーカーである日本化薬株式会社にインタビューしました。この記事では、転職を検討されている方に向けて、同社で働く魅力をご紹介します。

1916年に日本初の産業用火薬メーカーとして誕生した日本化薬は、「世界的すきま発想。」をコーポレートスローガンに掲げ、自動車安全部品やドローンの安全装置、半導体向け樹脂素材、インクジェット用色素といった分野で独自の製品を開発し、グローバル市場でも存在感を示しています。

同社では、在宅勤務や時差勤務制度の導入、育児休業の取得推進、充実した福利厚生制度など、社員が働きやすいワークライフバランス実現のための環境づくりに注力しています。また、女性管理職比率の向上や障害者採用など、ダイバーシティの推進にも積極的に取り組んでいます。

今回は、日本化薬株式会社の働き方や職場環境について、人事部ワークイノベーション担当の熊沢典子さんと、人事部給与厚生担当の齋藤英明さんにお話を聞かせていただきました。

本日お話を伺った方
日本化薬株式会社人事部ワークイノベーション担当の熊沢さん

熊沢 典子さん

日本化薬株式会社の人事部ワークイノベーション担当。ダイバーシティ推進室長を兼務し、女性活躍や障害者雇用の推進も手がける。1993年入社。

日本化薬株式会社人事部給与厚生担当の齋藤さん

齋藤 英明さん

日本化薬株式会社の人事部給与厚生担当として、給与計算や人事システムの管理運営を担う。2019年に入社し高崎工場に配属後、2021年から本社勤務。

日本化薬のワークライフバランス施策:在宅勤務や時差勤務を導入

日本化薬株式会社人事部の熊沢さん
▲人事部ワークイノベーション担当の熊沢さん

編集部

日本化薬では、社員のワークライフバランス向上に力を入れているそうですね。具体的にはどのような制度を設けているのでしょうか?

熊沢さん

代表的なものとしては、現在(2025年2月時点)、適用範囲を限定したものですが、在宅勤務や時差勤務制度を試行導入しています。在宅勤務は週2日まで利用可能で、時差勤務との併用もできますので、特に小さなお子さんがいる社員から好評ですね。

時差勤務制度は、30分単位で最大2時間、始業時刻の繰上げや繰下げが可能です。例えば本社の通常の勤務時間は9時から17時半ですが、始業時刻の繰り上げをして7時〜15時半の勤務にすれば、お子さんのお迎えにも間に合う上、フルタイムの給料を受け取ることができるので、子育て中の社員はよく利用しています。

ちなみに、在宅勤務や時差勤務は子育て中の社員だけでなく、社員個人のライフスタイルに応じて柔軟に使えるようになっています。これから本格導入を検討していきますので、仕事と生活を自身でバランスをとる選択肢が広がります。

熊沢さん

また、育児短時間勤務制度があり、子どもが小学校を卒業するまで使うことができます。幼稚園から小学校への進学時期や、低学年から高学年になる時期など、状況に応じて柔軟に活用でき、「いったん時短で働いてみて、できそうだったらフルタイムに戻す」という調整も可能ですよ。

1年間の育児休業を取得する男性社員も。復帰後も温かく支え合う体制あり

日本化薬株式会社人事部の齋藤さん
▲人事部給与厚生担当の齋藤さん

編集部

仕事と子育ての両立に関連してですが、育児休業の取得状況はいかがですか?

齋藤さん

本社では、男性で1年間の育児休業を取る社員もいるなど取得期間が延びてきています。工場勤務の社員は、本社と比べると取得期間はまだそれほど長くありませんが、それでも3ヶ月以上休む方も出てきていますので、会社全体として育児休業取得への理解が深まってきている印象です。

実は私も2024年に子どもが産まれて、1ヶ月の育児休業を取得しました。部署内に3ヶ月の育児休業を取得した経験のある先輩がいて、上司をはじめ熊沢や部内のメンバーも取得を後押ししてくれたので、すごく休みを取りやすい雰囲気を感じました。仕事の引き継ぎもスムーズに行え、復職後も問題なく仕事を再開できました。

育児休業からの復帰後も、子どもや家族が急な体調不良に見舞われた際には、周囲から「家族を優先して休んでください」と声をかけていただき、とてもありがたいですね。

育児や旅行について、年間最大10万5千円分の福利厚生が受けられる

日本化薬株式会社人事部の齋藤さんと熊沢さん

編集部

福利厚生についてはどのような制度がありますか?

熊沢さん

会社から付与されたポイントを使い、育児や旅行等に関する福利厚生が受けられる「日本化薬カフェテリアプラン」という制度が好評です。年間7万円相当のポイントが付与され、資格所持や子育て状況に応じて最大10万5,000円分まで加算されるようになっています。ポイントは、例えば費用のかかるお子さんのオムツ代などに使っている社員の方もいます。

また、共済会制度もあり、結婚祝い金や弔慰金、病気の際の給付金などを受け取ることもできます。

齋藤さん

住居面のサポートも充実していて、私も利用している借り上げ社宅や社有社宅があるので家賃が安く済み、多くの社員が入居していますよ。食事面では、工場などにある社員食堂で、温かくおいしい昼食が500円程度で食べられることが好評です。

日本化薬のダイバーシティ推進:女性管理職10%増を目指す

日本化薬株式会社の「KAYAKU・Zenkatsu」のイベント風景
▲2024年8月に開催した「KAYAKU・Zenkatsu」のキックオフミーティングの様子

編集部

熊沢さんは日本化薬のダイバーシティ推進室長というお立場でもあります。推進室として取り組んでいることについてもお聞かせいただけますか?

熊沢さん

女性活躍推進を見据え、2024年3月末時点で8.8%だった女性管理職を10%に増やすべく、2024年11月から人事部長が旗振り役となり「100日プラン」と名付けた活動の中で、改革に取り組み始めました。

今後、女性管理職の候補者選定と、候補者への研修プログラムの実施を計画しています。候補者選定については、上司からの推薦だけでなく、人事部からの声かけもしていこうと考えています。研修プログラムは、出産などでキャリアが中断しがちな女性の後押しになるように継続的に取り組んでいく予定です。

また「100日プラン」に先立ちまして、2024年8月には女性活躍を推し進めるための全従業員の活躍推進「KAYAKU・Zenkatsu」のキックオフミーティングを開催しました。そこでは、社内の女性の管理職や執行役員による講演やパネルディスカッションが行われ、講演を聞いた女性社員からは「管理職の仕事を身近に感じられた」「自分がキャリアアップした時の姿が想像できた」といった声が上がっていましたね。

さらに、2023年度は1.93%だった障害者雇用率を高めていく計画も策定中です。これらと並行して人事・研修制度の見直しも行っており、適正な評価に基づく処遇を実現するため、評価者の研修も行うつもりです。

編集部

そのほかにも、ダイバーシティに関する取り組みがあれば教えてください。

熊沢さん

婚姻後も旧姓利用ができることを周知するために「ワーキングネーム」という制度を導入しました。

私のように、以前から職場で旧姓を使っていた社員もいたのですが、あらためて「ワーキングネーム」を制度化することで、社内外での呼び名が変わることがなく、キャリアが分断することを避けることができるなど、希望する人がより旧姓を使いやすい環境になることを会社として進めていこうという姿勢を表したつもりです。

日本化薬の職場の雰囲気:本社・工場ともにアットホーム!

日本化薬株式会社の研究棟や工場の外観
▲東京都北区の統合研究棟(左上)、姫路市のセイフティ本社工場(右上)、高崎工場(左下)、福山工場(右下)

編集部

日本化薬の職場の雰囲気は、どのような特徴がありますか?

齋藤さん

本社、工場ともに和やかで、親しみやすい社員が多い印象です。

特に工場は、多くの社員が工場周辺の社宅に住んでいることもあって社員同士の仲が良く、プライベートでもよく交流をしているようです。社員同士で昼休みにテニス等で息抜きをしていることもありますし、私が勤務していた高崎工場では冬の金曜日の終業後に、スノーボードやスキーに出かけている姿も頻繁に見かけました。

日本化薬株式会社の福山工場のテニスコート
▲福山工場にはテニスコートや野球場なども併設。社員が楽しんでいるほか、地域にも開放している

齋藤さん

ちなみに高崎工場では、管理部門のデスクワーク担当者も含め、毎朝8時に全員でラジオ体操をしていました。作業中のけがの防止策の一環でしたが、チームワークを醸成することにも役立っていた気がします。

日本化薬株式会社のオフィスに掲示された企業ビジョン
▲オフィスに掲示された企業ビジョン「KAYAKU spirit」

熊沢さん

社内では、新入社員や中途で入社、異動した社員の方がわからないことがあった際に、周囲の社員が快く教えていたり、担当者につないだりしている光景はよく目にしますね。

また、社内交流促進の一環として2024年に社内副業制度を試験的に導入し、工場の管理担当者に1ヶ月ほど本社の人事部で働いてもらいました。工場と本社では似た業務でも進め方が異なりますので、お互いの良いところを学び合える貴重な機会となったと思います。今後は本社の人間が工場に行くなど、さらに交流を進めていくことも考えています。

日本化薬から転職希望者への採用メッセージ

日本化薬株式会社のコーポレートスローガンを背景にして話す齋藤さんと熊沢さん

編集部

最後に、転職を検討している方々に向けて採用メッセージをいただけますか?

熊沢さん

私たちは、「世界的すきま発想。」というコーポレートスローガンを掲げ、他社があまり扱わない、または扱えない独自性の高い製品を製造、販売しています。

例えば、自動車安全部品や、そこから発展したドローンの安全装置、半導体向けの樹脂素材、インクジェット用の色素などです。抗がん薬の分野でも、他社に先駆けて新しい取り組みに挑戦してきました。これらは日本化薬だからこそできる仕事だと思いますし、社員の働きがいにもなっていると感じます。

日本化薬株式会社厚狭工場の100周年記念館と石碑
▲発祥の地である山口県・厚狭工場の100周年記念館と石碑

熊沢さん

加えて本日お話しした通り、研修や人事制度をはじめ、さまざまな制度の見直しを進めています。特に研修制度は、これまでの10年程度のスパンで実施してきた内容から、より長期的・継続的なスキルアップの機会を提供できるよう、改善に力を入れています。

これらの取り組みを通し、今後より働きやすく、成長しやすい環境を整えていきたいと思っていますので、ぜひ入社をご検討いただけますと幸いです。

編集部

本日はありがとうございました!

編集後記

取材は、オンリーワンの技術力で世界をリードする日本化薬の本社で実施させていただきました。本社がある丸の内のオフィスであっても、各地の工場や研究所であっても変わらない温かい雰囲気が浸透しているようで、設立110年に迫る長い歴史が積み上げてきたものだと感じました!

日本化薬株式会社の働き方のまとめ

働き方
  • 週2日まで在宅勤務可能
  • 時差勤務は最大2時間の調整可能
  • 育児短時間勤務は小学校卒業まで利用可
福利厚生
  • 年間最大10.5万円分のカフェテリアプラン
  • 社有社宅や借り上げ社宅など、手厚い住居サポート
  • 社員食堂は500円程度で利用可
  • 共済会制度あり
社風
  • 本社・工場ともアットホームな雰囲気
  • 育児休業取得に理解のある環境
  • 社員同士の交流が活発
特色
  • 独自性の高い製品開発
  • 女性管理職比率向上に注力
  • ワーキングネーム制度あり
人材育成
  • 長期的なスキルアップ機会を提供
  • 社内副業制度で部門間交流を促進

日本化薬株式会社の基本情報

日本化薬株式会社のオフィスに掲示されたコーポレートスローガン

企業名 日本化薬株式会社
住所 東京都千代田区丸の内二丁目1番1号 明治安田生命ビル
事業内容
  • モビリティ&イメージング事業
  • ファインケミカルズ事業
  • ライフサイエンス事業
設立 1916年6月
働き方
  • 在宅勤務(本社、研究所、医薬営業職で導入。週2日まで)
  • 時差出勤(30分単位で最大2時間、始業時刻を繰上げ、繰下げが可能)
公式ページ https://www.nipponkayaku.co.jp/
採用ページ https://www.nipponkayaku.co.jp/saiyou/
募集職種
  • 研究開発職
  • 技術職
取材・編集
大滝雄介のプロフィール写真

ミライのお仕事
編集部

大滝 雄介

企業の採用や働き方に関する取材を担当し、これまでに三井物産株式会社やヤマハ発動機株式会社、サイボウズ株式会社など、約650件の取材実績あり。編集歴は15年にわたり、出版社勤務時代には官公庁や健康保険組合の機関誌・パンフレットなどを企画段階から多数制作。