ミライのお仕事『注目企業へのインタビュー』企画。今回は1902年の創業以来、調剤薬局やドラッグストア、化粧品専門店を展開し、福岡県を中心に地域の健康を支え続けてきた株式会社大賀(おおが)薬局にインタビューしました。
同社の特徴は、調剤部門で約9割、ドラッグストア部門で7割という高い女性比率です。社員・スタッフがお互いを尊重して支え合う温かい雰囲気があるほか、勤務時間を調整できる制度や育児支援があることで、産休・育休を安心して取得できる環境が構築されています。
今回は、そんな大賀薬局の女性が活躍できる風土や充実した教育体制について、ドラッグストア事業部の世良さん・山口さんと、調剤薬局事業部の眞鍋さんにお話を聞かせていただきました。
女性中心の職場|経験豊かなスタッフを中心に支え合う雰囲気
▲山口さんの勤務風景
編集部
大賀薬局では、たくさんの女性が活躍されていると伺っています。具体的な男女比率について教えていただけますか。
世良さん
ドラッグストア部門は7割が女性スタッフです。また、私が働いている化粧品専門店「木馬館」に限ると、現在女性のみで運営しています。眞鍋がいる調剤部門も約9割が女性スタッフですし、会社全体で見ても女性が多くを占めています。
編集部
女性が多い職場環境ですが、どんな特徴があると感じていますか?
世良さん
ドラッグストアには経験豊富なパートスタッフが多く、お母さんのように面倒見の良い方が揃っています。その文化は社員にも浸透しており、若手社員も自然と同じような姿勢が身についているように感じます。
例えば社員は異動があるため、新しい店舗ではわからないことも出てきます。その点、勤務年数の長いパートスタッフの方がいることで、店舗の土台をしっかりと支えてくれている部分もあり、非常に助かっています。
また、急な休暇が必要な際なども、スタッフ同士で温かくフォローし合える環境が整っています。
山口さん
地域密着型の企業ならではの特徴として、60代の女性パートスタッフなど、幅広い年代の方が活躍していることが挙げられます。業務のことはもちろん、育児などの面でも、経験豊富な先輩方からの理解が得られやすい環境です。
眞鍋さん
私も二人と同じ意見です。女性がほとんどを占める調剤部門にいて特に感じるのは、子育てなど女性特有の事情への理解があり、とても働きやすい環境だということですね。
勤務時間の調整で柔軟に働ける。産休・育休も当たり前に取得
▲世良さんの勤務風景
編集部
育児と仕事を両立されている社員の方も多いと思います。どんな働き方ができるのでしょうか。
山口さん
調剤部門もドラッグストア部門も共通して、1ヶ月単位の変形労働時間制を導入しています。これは総労働時間内を超えないように1日の勤務時間を調整するもので、1日9時間働く日もあれば1日6時間の日もあるなど、勤務日に合わせた柔軟な働き方が可能です。
また、ドラッグストアの店舗は土日も営業していますが、必要な休暇は確実に取得できるので、安心いただければと思います。
眞鍋さん
調剤薬局の場合は営業時間が19時までの店舗が多いので、家庭面への影響が比較的少ないと思います。中には24時間営業の店舗もありますが、希望に応じて早めに終業する店舗への配属も可能ですし、16時までの時短勤務も可能です。
編集部
出産や育児の支援制度についてはいかがでしょうか。
眞鍋さん
産休・育休が当たり前に取れる環境が整っていますね。休暇制度の取得率は100%で、常時40人以上のスタッフがお休みをいただいています。
また、店舗間の応援体制が充実しているため、急な休みにも柔軟に対応できています。これは特に子育て中の社員から好評をいただいている点です。多くのスタッフが産育休を取得していても、十分な人員配置により円滑な店舗運営ができています。
成長支援|「チーム活動」による専門的な知識習得の機会あり
編集部
社員の成長を支援する取り組みについて教えてください。
眞鍋さん
特徴的なのは「チーム活動」の充実です。大賀薬局は社内に複数のプロジェクトチームを作っていて、スタッフの教育や知識向上に力を入れています。例えば、事務サポートチーム、薬剤師サポートチーム、在宅医療サポートチームなどがあり、それぞれのチームで専門的な勉強や研修を行っています。
多店舗展開だと、どうしても店舗ごとに考え方が異なることがあるのですが、チーム活動により統一することで利益を上げ、評価を向上させることができると考えています。個々のチーム活動により、会社全体のチームワークを強化していくイメージですね。
編集部
チーム活動を通じた学びや成長について、具体的な事例を教えていただけますか。
眞鍋さん
例えば、2年に1回行われる調剤薬局の法改定に合わせて、研修やマニュアル作成を行っています。研修は主にZoomで実施し、各店舗で勤務中にオンラインで参加しています。
研修は基本的に1回のみの開催ですが、その後、目標を達成するといった形でキャンペーンを実施したり、店舗単位で店長が自主的に研修を行ったりすることもあります。こちらから「店長は研修をしなさい」とは言わず、店長が自主的に取り組んでくれているんです。
カウンセリングを実践的に学ぶなど、充実の研修制度でスキルアップ
▲実際に行われている研修の様子
編集部
チーム活動とは異なる通常の研修制度もあるのでしょうか。
山口さん
はい。ドラッグストア部門では、お客様の課題を解決に導く「商品知識」と「カウンセリング技術」が重要となるため、ヘルスケアや化粧品など、分野別で実践的な知識を身につけられる研修が充実しています。
世良さん
カウンセリングの研修では、ロールプレイングを行う機会が多く実施しています。店舗ごとに独自のロールプレイングを行っていて、よくある質問への対応方法や具体的な場面を想定した練習など、実践的な訓練を重視しています。
2年目・3年目の社員のスキルアップのみならず、13年目の私でもメーカー研修でロールプレイングをしています。入社時から継続的にスキルを磨いていく仕組みが整っているのが弊社の特徴です。
編集部
研修は、新卒入社の社員だけが対象というわけではないのですね。
山口さん
カウンセリングの研修は新卒・中途問わず行われています。新しく入った社員にとって、接客は特に緊張する部分ですので、入社時からしっかりと聞き取り方などの練習を行い、フォロー体制を整えています。
また、各メーカーによる商品研修も定期的に実施され、最新の情報を常にキャッチアップできます。例えば、月1回実施されるヘルスケア研修は、研修の中でさまざまなメーカーの方にご説明いただいております。回数は少ないものの、1日かけて行われるので非常に濃い内容です。
化粧品部門では社内資格制度あり。合格すると手当の支給も
編集部
その他の人材育成の取り組みについても教えていただけますか。
世良さん
弊社独自の制度として化粧品部門での資格制度があり、社内テストに合格すると手当が支給される仕組みがあります。「メイクで自分の美しさを引き出すことも心の健康に重要」という考えのもと、化粧品の専門知識も重視されています。
筆記試験としては公的資格の「日本化粧品検定」を受ける形ですが、それに加えてフルメイクやポイントメイクなどの実技試験を行います。更新試験もあり、スキルアップの機会が提供されています。まだ接客に慣れていないスタッフにとっては、この試験を通じてどのようにお客様への対応力を高めていけばよいのかを学ぶ良い機会にもなっています。
社員が語る大賀薬局の魅力|接客を通じて成長を感じられる
▲木馬館の内観。化粧品専門店だけあり数多くの化粧品が取り揃えられている
編集部
大賀薬局で働いていて、どんなところをオススメしたいと感じていますか。
世良さん
仕事の奥深さと、日々学んで成長できることはすごく伝えたいです。
私は化粧品専門店で働いていて、あまり接客を望まないお客様から詳しい説明を求めるお客様まで、求められる接客レベルが幅広いです。商品知識を常に高めながら、お客様一人ひとりに合わせた接客を提供する必要があるので、自然と成長していける環境があります。
他のドラッグストアではお客様が自分で商品を選び、購入するのが一般的だと思いますが、大賀薬局では、スタッフが「何かお困りごとはありませんか?」と声をかけ、必要であれば相談に乗るというスタイルです。カウンセリングの充実度が大賀薬局ならではの魅力だと思います。
山口さん
オススメできるのは、周囲に相談できる環境があるところですね。上司との距離が近いので、カウンセリングで困ったことや日常業務で迷うことがあれば、気軽に聞くことができています。
私自身、店長としてマネージャー職を務めていますが、教育に関する悩みや業務での迷いがあれば、上司に相談することができるので、とても助かっています。
眞鍋さん
薬の提供だけでなく、患者様の心の健康を守る大切な仕事だと実感できるところでしょうか。
もともと高校時代に店舗が近くにあったのが入社のきっかけで、高校生の私でも心地よく感じられる接客の距離感や、丁寧な対応に強く惹かれました。入社後は調剤店舗だったのでお客様と接する機会は少なかったのですが、身体だけでなく心の面を支えられることも大賀薬局の魅力のひとつだと思います。
新しいことに取り組む社風も特徴。調剤ロボット導入で業務負担を軽減
編集部
その他に、会社の姿勢・取り組みで魅力的だと感じるところはありますか?
眞鍋さん
1902年創業と120年以上の歴史を持つ会社ですが、先進的な姿勢があるのは素晴らしいと感じています。
例えば、調剤部門では、調剤ロボットの導入を進めています。まず最初に、九州医療センター前店に「ドラッグステーション」という機械を導入し、薬の取り揃えを自動化しています。従来は棚から薬を手作業で集めていましたが、ロボットが自動で行うことでスタッフは運ばれてきた薬を集めるだけで済むようになっています。
また、従来は薬剤師にしかできなかった粉薬を混ぜる作業を行えるロボットも導入しました。これにより、事務スタッフでも作業が可能になり、薬剤師はより専門的な業務に注力できるようになっています。
こうしたロボット技術を積極的に導入し、業務の効率化と人事の生産性向上を実現しており、業界でも先進的な取り組みを行っていると自負しています。現在はどの機械が大賀薬局に最適かを検証しながら、鹿児島県内、福岡市内に導入を進めています。
この他、最近では入力センター、物流センター、在宅センターという3つのセンターを立ち上げました。従来は各店舗の調剤事務が受付で処方せんを受け取り、そのままパソコンに入力していましたが、入力センターでの一括処理により、店舗スタッフは患者様との対話や接客により多くの時間を割くことができるようになりました。
現在、1日100~200件程度の処方せんをセンターで処理しており、この業務効率化により、調剤事務としてのスキルアップや、患者様一人ひとりに寄り添った丁寧な対応が可能になっています。特に未経験からスタートする方も、業務に集中して取り組める環境が整っているのが特徴です。
メッセージ|薬局・ドラッグストアで「心の健康」を守る仲間を募集!
編集部
最後に、転職を検討されている方へ、メッセージをお願いできますでしょうか。
眞鍋さん
調剤薬局の事務スタッフは、患者様が最初に接する受付の役割を担っています。ただ、患者様は具合が悪い状態で来局されるため、決して前向きな気持ちではありません。そのような中で、患者様の気持ちに寄り添いながら、少しでもポジティブな気持ちで帰っていただけるよう工夫することが大切だと思っています。
患者様の心の健康にも配慮できる方が、弊社では多く活躍されています。事務スタッフも受付での対応次第で患者様との信頼関係を築くことができ、活躍の場が広がります。実際、患者様から「○○さんに会いに来たよ」と名前を覚えていただくことも多いです。私たち事務スタッフの対応も患者様の心の健康を守るために必要なものだと感じ、日々の業務に取り組める方をお待ちしています。
山口さん
ドラッグストアは、日々お客様から感謝の言葉をいただける環境です。化粧品をご使用いただいた後の喜びの声や、市販薬での症状改善の報告など、小さな感謝の積み重ねがやりがいに繋がります。
また、接客時間が比較的長いため、お客様一人ひとりに合わせた接客方法を考えることはもちろん、売り場作りにおいても創意工夫が求められます。そういった観点で自由な発想を活かせる方が活躍できますし、楽しんでいただける環境だと思います。
世良さん
弊社は地域に根差した企業として、創業以来の信頼関係があり、代々のお客様が多くいらっしゃいます。「私はこれを昔から使っているのよ」とおっしゃる高齢のお客様も多く、長期的な関係構築ができる点が魅力です。地域との繋がりを大切にできる方にとって、とてもやりがいのある職場だと思います。
未経験の方も、充実した研修制度と先輩社員のサポートにより、安心してキャリアをスタートできます。特に女性が自分らしく輝ける職場づくりを心がけていますので、少しでも弊社に興味を持っていただいた方に、お問い合わせいただければ嬉しいです。
編集部
御社の女性の方が多く活躍できている柔軟な働き方やサポート体制、そして社員同士の支え合いの文化が魅力的だと感じました。本日はありがとうございました。
編集後記
この記事のまとめ
働き方の特徴 |
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教育・研修制度 |
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社風・カルチャー |
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求める人物像 |
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株式会社大賀薬局の基本情報
住所 | 福岡市博多区博多駅前3-9-1 大賀博多駅前ビル3F |
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事業内容 | ・医薬品、化粧品、化粧雑貨、生活雑貨小売 ・処方せん調剤 |
設立 | 1949年(創業は1902年) |
働き方 | フレックスタイム制度 |
公式ページ | https://www.ohga-ph.com/company/profile/ |
採用ページ | https://www.ohga-ph.com/recruit/ |
募集職種 | ・通年募集:薬剤師、調剤事務職(薬局で受付をしている人) ※補充や新部署設立でバック部門も募集あり |