現在活躍されている企業の新しい働き方をお伝えしていくこの企画。今回は、クラウド型法人カード「paild」の開発および運営をおこなっているFintechスタートアップ、株式会社ペイルドさんを取材させていただきました。
株式会社ペイルドとは:クラウド型法人カード「paild」の開発企業
「株式会社ペイルド」は、法人カードをクラウド上で簡単に複数枚発行・管理できるウォレットサービス「paild(ペイルド)」を開発しています。このサービスは、企業の決済時の負担や不満を解消し、規模を問わずさまざまな企業から高い評価を得ています。
2022年8月には元プロ野球選手の斎藤佑樹さん出演のCMが放映され、知名度が急速に高まっています。
公式:斎藤佑樹さん出演のテレビCM概要
将来的には、企業の支出管理全体を統括し業務をスムーズにする「Spend Management(スペンドマネジメント)サービス」の実現を目指しています。今後は請求書支払いサービスなど、決済に関わる分野を包括的に対応する予定です。
参考:ペイルド中山勝貴さんによる参考note記事
会社名 | 株式会社ペイルド |
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住所 | 東京都中央区日本橋兜町5番1号 兜町第一平和ビルB1F |
事業内容 | クラウド型法人カードサービス「paild」の開発・運営 |
設立 | 2017年8月9日 |
公式ページ | https://www.paild.io/ |
「新しい金融を切り拓く」というミッションのもと、paildの急成長を皮切りに拡大を続けるペイルド。今回は、社内の雰囲気やオン・オフを切り替えやすい働き方などについて、広報の野間さんと人事の神戸さんにお話を伺いました。
「paild」の特徴:法人決済の課題を解決するクラウド型カード
編集部
paildの登録数はすでに3,000社を超えていると伺いました。急成長されているかと思うのですが、サービスの特徴はどんなところでしょうか。
野間さん
paildは、簡単に言うと「支出の管理がスムーズになる法人カードシステム」です。カードは何枚でも発行可能で、カードごとに利用上限も設定できます。利用金額もリアルタイムで把握でき、経費立替や購買の申請などの負担を大きく軽減できます。
paildの大きな特徴は3つあります。
1つ目は、「すべて無料でお使いいただけること」(2022年12月時点)です。入会時やカードの発行時に費用はかかりません。
paildには「バーチャルカード」と「リアルカード」の2種類があり、リアルカードは一般的なプラスチックのカードです。従業員全員分のリアルカードが必要な場合でも、無料で発行できます。このカードの発行費用や手数料が無料である点が、企業にとって大きなメリットです。
▲実店舗で使用できるpaildのリアルカード。無料で発行できるのが特徴。
2つ目は機能面における特徴です。企業は多くのSaaSを契約しており、毎月末にさまざまな支払いが発生します。ひとつの法人カードで管理している場合、「今月どのSaaSにいくら使ったのか」を膨大な利用明細から仕訳する必要があります。
paildでは領収書をカードごとにメールで受け取り、会計ソフトと連携できるため、仕訳作業の手間が省け、会計処理が効率化できます。
3つ目は、電子帳簿保存法の改正に対応する形で証憑(領収書やレシート)をカード明細と一体化して管理できる点です。このように時代の変化に対応できるのも、大きな特徴です。
▲複数枚カードを発行しても、paildならわかりやすく管理できる。
編集部
なるほど。2020年頃からリモートワークを導入する企業も増えましたが、実際にオフィスに行かなくてもカードが発行できるということで、コストやセキュリティ面で歓迎する声も多かったのでしょうか。
野間さん
そうですね。創業者の柳(柳志明代表取締役兼CEO)がpaildを作り始めたときには、リモートワークがここまで浸透することは想定していませんでした。しかし、結果的に社会情勢の大きな変化にしっかりと対応できたことは非常に重要だと考えています。
ペイルド流働き方:オン・オフの切り替えと予定共有の実践
編集部
現在はコアタイムなしのスーパーフレックス制度を採用されていますが、実際にはどのような時間帯で勤務されている方が多いのでしょうか?
神戸さん
所定の労働時間は10時から18時半ですが、比較的朝型の社員が多いですね。だいたい9時半から10時半の間には、ほとんどの人が出勤しています。
在宅勤務では、育児や家事などで仕事が中断されることがあります。そのため、子どもの送迎や習い事などで数時間抜けて、夕方から勤務を再開するメンバーも多いです。Slackのチャンネルで「抜けます」「戻りました」と報告し、勤怠システムに打刻するだけなので、みんな柔軟に利用しています。
共有しているGoogleカレンダーにも「家事」「送迎」など各自の予定を包み隠さず記入してくれるので、社員同士が自然に「いってらっしゃい」と声をかけ合い、協力し合う雰囲気ができています。
ハイブリッド勤務:自由な出社・リモート比率で効率アップ
編集部
そうなんですね。出社とリモートのハイブリッド型の勤務と伺いましたが、比率は決まっているんでしょうか?
神戸さん
メンバー各自が仕事がしやすい場所を自由に選択しながら働いてほしいので、比率は決めていません。出社メインのメンバーは2割くらいで、ほとんどのメンバーはリモート勤務がメインです。
出社しないとできない業務や、直接顔を合わせて議論した方が良い案件であれば柔軟に出社しています。一人ひとりの自律的な働き方に委ねているのです。最近では商談もほとんどリモートで行っています。セールスのメンバーは自宅でお客様と話した方が雑音が入らずに集中できるようです。エンジニアも家で作業した方が効率が上がるという人が多いですね。
月に1回エンゲージメントサーベイ(従業員アンケート)を実施していますが、働き方に関しては満足度がとても高いです。勤務形態の柔軟性は、メンバーが特に気に入っている部分だと思います。
テキストベースの情報共有:ペイルド流コミュニケーション術
編集部
なるほど。リモートワークが多い中で、社員間のコミュニケーションを維持するための工夫について教えていただけますか?
神戸さん
弊社はチャットなどのテキストコミュニケーションが得意な人が多いので、基本はSlack上でのやり取りで十分ですが、口頭での会話が必要な場合はSlackのハドルミーティング機能を使うなど、状況に応じてコミュニケーション方法を選んでいます。
野間さん
また、全社メンバーが自由に参加できるLT会(ライトニングトーク※)も開催しています。メンバー同士でチャットをしながら、新しい情報を共有したり、現在取り組んでいるプロダクトや注目のトピックについて知ることができます。非常に活発な意見交換が行われ、時には書き込みの速さについていくのが大変なほどです。
※ライトニングトーク:3〜5分の短時間でプレゼンして意見交換をすること。
さらに、Slackのtimes※も多くの社員が活用しています。社内SNSのような感覚で、日々の昼食の写真を投稿する人もいれば、興味深い情報を共有する人もいます。
※times:Slackの個人チャンネルにその日取り組んだ業務や自分が感じたこと、雑談などを投稿する文化。
▲神戸さんが、実際のtimesを投稿した様子。これがきっかけでコミュニケーションが生まれることも多い。
編集部
全社的なミーティングや、チーム内のミーティングの頻度や内容について教えていただけますか?
神戸さん
全社では、毎週月曜日に30分の「全社定例ミーティング」を開催し、全員が参加します。このミーティングではKPIの確認や数字の共有を行っています。各チームでは毎日「デイリーミーティング」を実施しており、少なくとも1日1回は顔を合わせる機会を設けています。
デイリーミーティングでは業務の進捗報告に加え、個人的な予定も共有するので、突然の不在によるトラブルを防ぐことができています。
ペイルドの社内カルチャー:社員同士の助け合いを重視
編集部
ペイルドさんは社員の方々のインタビューを拝見しても、楽しそうに働かれているという印象を強く持ちました。実際に働いているお二人から見た社内の雰囲気はどんなものでしょうか。
参考:ウォンテッドリー掲載のペイルドさんインタビュー一覧
神戸さん
確かに多くの社員が充実して楽しく勤務していると思いますが、一般的なスタートアップに見られる「ノリがよい、ワイワイしている」という雰囲気とは少し異なります。社員の大半が30代前半ですが、その他の年代の方もいるため、比較的落ち着いた雰囲気です。
ただし、落ち着きつつもコミュニケーションを積極的に取るという文化は根付いていると感じています。
編集部
採用資料には「メンバーを助けようというホスピタリティを持った方」と働きたいという記述がありました。社員間で、そのような「助け合う意識」は共通しているのでしょうか?
神戸さん
はい、その通りです。例えば、Slackに「Helpme」というチャンネルを設けており、日々の業務や社内制度などでわからないことや困りごとが発生した際には、すぐに誰かしらが回答をしてくれます。困っている人をすぐに助ける文化が根付いていると強く感じます。
当社は職種を問わず精神的に成熟したメンバーが多く、助け合いだけでなく、自分の意見を的確に伝えたり、建設的な議論をしたりできる人材が揃っています。
メンバーの経歴は多様で、IT関連出身者が多いものの、金融業界出身者も数名おり、代表と創業メンバーの森もその一人です。さらに、全く異なる業種から転職してきた社員もいます。私自身も前職はアパレル業界でした。
「ペイルドアワー」:多目的な社内イベントで絆を深める
編集部
その他に、社内カルチャーで特徴的なものはあるのでしょうか。
神戸さん
「ペイルドアワー」という社内イベントを定期的に開催しています。
元々はコミュニケーション活性化のために自然発生的に生まれたもので、ひとつのテーマをもとに1時間自由に話すというものでした。当初は雑談の延長線上でしたが、現在では参加者がテーマを持ち寄り、知識を共有する貴重な機会となっています。
野間さん
私も以前、「広報の仕事とは」というテーマについて話をしました。
神戸さん
さらに、新メンバーの歓迎会もペイルドアワーの時間を活用して開催したり、業務デモや持ち込み企画を発表する場としても利用したりしています。このように、ペイルドアワーは多様な目的を達成できる柔軟性の高いイベントに発展してきています。
ユニークな福利厚生:社員全員に「paild」月1万円分を提供
編集部
福利厚生では、何か特徴的な制度を設けていらっしゃいますか?
神戸さん
自社サービスであるpaildのリアルカードを2枚配布しています。1枚は経費精算用、もう1枚は毎月1万円まで自由に使えるカードです。社員が自社のサービスを実際に体験することで、paildの使いやすさを向上させ、また改善点を見つけるためのヒントとして活用しています。
カードの使用は任意ですが、多くの社員が積極的に利用しています。使用可能金額は月末にリセットされ、翌月に再び1万円がチャージされます。
編集部
ちなみに、お二人は何に使っているんですか?
神戸さん
私は半分をECサイトでの買い物に、残りはカフェや出社時のコンビニでの購入に使っています。
野間さん
私はコーヒーと雑誌の購入、そしてメンバーとのランチに使用しています。Visa加盟店であればどこでもタッチ決済ができますので、非常に便利です。
ペイルドが求める人材:自律性と社会的ミッションへの共感
編集部
「自由と責任」という言葉がよく使われますが、自由な働き方ができる分、結果へのコミットメントも求められると思います。評価制度はどのように設定されているのでしょうか。
神戸さん
評価は「グレード評価」と「アウトプット評価」の2つの軸で行っています。グレード評価は自分の役職や職責に応じたパフォーマンスができているかを評価します。アウトプット評価は、設定した目標に対して具体的なアクションを取り、どれだけ結果を残せたかを評価します。社員一人ひとりが自由と責任のバランスを考えながら、求められる成果を出せるよう責任感を持って仕事に取り組んでいます。
編集部
採用選考において、特に重視されるポイントはありますか?
野間さん
主体的に行動できることが絶対に必要だと考えています。当社は現在、新しいものを創造するフェーズにあるため、自分の意見をはっきり述べられることや、課題を明確にしながら周囲を巻き込んで施策を実行に移せる能力が非常に重要です。
また、自律性と結果へのコミットメントができる人材を求めています。働き方に自由度があるからこそ、自己管理能力が重要になります。
現在のチームメンバーが当社の制度のもとで成果を上げているのは、個々が高い自律心を持って働いているからです。そのため、当事者意識を持って働ける人ほど、当社の文化に適合すると言えます。
編集部
最後に、この記事を読んでペイルドに関心を持った方へのメッセージをお願いします。
神戸さん
ペイルドを含むスタートアップ企業全般に言えることですが、短期間で幅広い経験を積むことができます。日々スピード感を持ちながら、充実した時間を過ごせることは間違いありません。
また、当社のメンバーには過去に経費精算の煩わしさを経験した人が多くいます。面接では、「経理部門の仕事は大変だろう」と考えていた人が、実際に話を聞いて「便利な製品だ」と興味を持ち、入社を決めてくれるケースが多いです。
そのような経験をお持ちの方は、ぜひ気軽に面談にお越しください。
野間さん
補足すると、「単に金融業界の経験があるから応募した」とか、「社会課題の解決よりも自己成長だけを求めている」という方は、当社の文化に違和感を覚えるかもしれません。
paildは、企業規模を問わずあらゆる法人に利用していただきたいと考えています。そのため、様々な企業の決済に関する課題を解決し、事業成長に貢献したいという思いを持つ方は、当社の文化に共感いただけると思います。
編集部
本日は貴重なお時間をいただき、ありがとうございました!
■取材協力
株式会社ペイルド:https://www.paild.io/
採用ページ:https://open.talentio.com/r/1/c/handii/homes/2724