20代でWEBメディア責任者に。日本財団パラスポーツサポートセンターの若手躍動の理由

ミライのお仕事『注目企業へのインタビュー』企画。今回は、公益財団法人日本財団パラスポーツサポートセンター(以下、パラサポ)にインタビューしました。この記事では、転職を検討されている方に向けて、同財団で働く魅力をご紹介します。

「SOCIAL CHANGE with SPORTS」をスローガンに、パラスポーツを通じて、一人ひとりの違いを認め、誰もが活躍できるDE&I(※)社会の実現を目指すパラサポは、年間900回以上開催する「あすチャレ!」、学校の運動会を通じてインクルーシブ教育を推進する「パラサポ!インクルーシブ運動会」などのDE&Iプログラムを全国で展開しています。また、港区赤坂のオフィスは夏季・冬季のパラリンピック競技団体との共同オフィスとなっており、競技団体の持続可能な運営体制構築のための基盤強化も行っています。
(※)DE&I:ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン

職場環境としては、20代の若手職員をWEBメディア運営の責任者に抜擢するなど、チャレンジ歓迎の風土が根付いていることが大きな特徴です。

今回は、パラサポの若手活躍事例や魅力的な職場環境について、広報部の渡邉さん・松尾さん・後藤さんにお話を聞かせていただきました。

本日お話を伺った方
日本財団パラスポーツサポートセンターの渡邉さん

日本財団パラスポーツサポートセンター
広報部 ディレクター

渡邉 昭子さん

日本財団パラスポーツサポートセンターの松尾さん

日本財団パラスポーツサポートセンター
広報部 シニアオフィサー

松尾 桃子さん

日本財団パラスポーツサポートセンターの後藤さん

日本財団パラスポーツサポートセンター
広報部 プロジェクトリーダー

後藤 陸さん

若手活躍:新卒で入職後、20代で主要サイトの責任者へ

編集部

パラサポでは、若手の方も多く活躍されていると伺いました。若手活躍に関する具体的なエピソードをお聞かせいただけますか。

渡邉さん

若手活躍のロールモデルとして、本日参加している後藤を紹介させていただきます。入職7年目(取材当時)で、広報部では20代のうちからWEBメディア「パラサポWEB」の責任者をしています。

彼はイベント運営や教材普及などを行ってきたのですが、誰にでも丁寧に対応できる彼ならセンター内外との調整が必要になる広報部でも即戦力になれるのではと考えていました。そのため、1人欠員が出た際に「後藤さんに広報も経験してもらっては」ということでお願いして異動していただきました。

広報には、パラサポの活動を広く知ってもらうという大切な役割があることから、コミュニケーションスキルの有無は活躍できるかどうかという点で大事になってくると思いますね。

パラサポWEBの画面イメージ
▲パラリンピック・パラスポーツの魅力や、DE&Iについて考えるきっかけ、スポーツを通じて人々が生活をより豊かにできるような情報を発信している「パラサポWEB」

編集部

後藤さんは新卒で入職されたそうですね。パラサポを選ばれた理由を教えていただけますか。

後藤さん

大きな理由の一つは、働いている方々の雰囲気が自分に合っていると感じたことです。学生時代にインターンシップを経験させていただいた中で、年齢や性別に関係なく意見を出し合える風通しの良い職場であることを肌で感じたんです。

また、当組織は『SOCIAL CHANGE with SPORTS(スポーツでの社会変革)』というスローガンを掲げており、DE&I社会の実現に向けて職員同士が知恵を出し合い、様々な取り組みを展開している組織の姿勢にも大きく共感しました。

日本財団パラスポーツサポートセンターのビジョンイメージ
▲日本財団パラスポーツサポートセンターのビジョンイメージ

編集部

入職後、どのようなキャリアを積みましたか?

後藤さん

1年目はパラスポーツと音楽を融合させたライブイベント「ParaFes」や障がい者と健常者が一つのチームになって走る「パラ駅伝」などの運営に携わりました。その後、約2年半はパラリンピック教育の学校向け教材制作・普及を担当し、2021年半ばから広報部に異動して現在に至ります。

現在はご紹介いただいたように、主に「パラサポWEB」というメディアの運営とSNS運用を担当し、スポーツを通じて社会を変えることに繋がるコンテンツの制作・発信を行っています。

編集部

ちなみに、パラスポーツならではの魅力について後藤さんはどのようにお考えでしょうか。

後藤さん

私は自他ともに認めるパラスポーツの大ファンなのですが、視覚障がいのあるアスリートがガイドのパートナーと一緒にプレーして好記録を出したり、車いすバスケットボールでは障がいの程度が異なる選手が一緒になってプレーしたりと、様々な工夫や戦略が詰まっていることが魅力だと思います。観るたびに新しい発見や気づきがあり、非常に面白いです。

テレワーク&時差出勤OK!有休も取得しやすい職場環境

編集部

続いて、ワークライフバランスの充実に向けた取り組みについて教えてください。

渡邉さん

パラサポでは、テレワークや時差出勤を導入しています。テレワークに関しては、特に日数などの制限はなく、業務がスムーズに進む範囲で柔軟に活用できるんです。

また、時差出勤は育児や介護などのためでも利用が可能ですし、他のチームでは、朝早めに来て早めに帰るスタイルで勤務している方も実際にいます。お子さんのお迎えなど家庭の事情に合わせて、残業の少ない働き方を選んでいる方もいますね。また、最近は時間休の制度も始まりました。

ただ、パラサポ全体として一人ひとりの業務量は比較的多い方で、広報部についてはイベントや大会の取材、メディア対応などで休日出勤が必要な場合もあります。そんな中で、チーム内で調整し合って有給や振休を取得できるようにしています。

編集部

有給休暇の取得状況はいかがでしょうか。

後藤さん

有給休暇は取得しやすい環境だと感じています。例えば昨日も、午前中に有休を取得してリフレッシュする時間を作りました。業務の進行状況を見ながら、チーム内で上手くカバーし合う風土が根付いていますね。業務の状況を見ながら、必要なときに自然に取得できる環境が整っています。

松尾さん

実は私も、明日・明後日に有給休暇をいただいて旅行に行ってきます。お休みもしっかりと取ってリフレッシュしながら業務に携われているのは、パラサポの協力的な風土があってこそだと実感しています。

フレンドリーな雰囲気&チャレンジを応援する風土

日本財団パラスポーツサポートセンターのオフィスで歓談する職員たち
▲左は常務理事の小澤直さん、右は、DE&Iプログラム推進部ディレクターで現役のパラ・パワーリフティング選手でもある山本恵理さん

編集部

職場の雰囲気についてはいかがでしょうか。

渡邉さん

パラサポのオフィスはパラリンピック競技団体の皆さんとの共同オフィスで、壁のないワンフロアの開放的な空間です。シェアオフィスのような広々とした空間にデスクが並んでいるイメージですね。

チーム間の仕切りがないため、誰にでも声をかけやすい環境です。役員も個室を持っておらず、一般職員と並んで勤務しています。

後藤さん

私も、席が近い常務とは朝に「昨日の野球の試合観ました?」などと共通の話題で盛り上がってから業務を始めるなど、上長の方との距離がとても近いと感じますね。業務の相談もしやすく、良い雰囲気の中で仕事ができています。

また、パラリンピック競技団体の皆さんとの間にも壁がないので、いろいろな競技団体の方々との会話から新しいコンテンツのヒントやアイデアが生まれることも多く、オープンな空間だからこそのメリットだと感じています。

パラリンピック競技団体の皆さんと打ち合わせする日本財団パラスポーツサポートセンターの職員たち
▲右から2人目は、競技団体支援部ディレクターで、射撃でパラリンピックに3大会連続出場した田口亜希さん

松尾さん

あとは、提案すれば様々なことにチャレンジさせてもらえる職場環境だと思います。例えば、広報で新たに「ニュースレター」を制作したほうが良いと思うと提案した時も、「やってみたら?」と背中を押していただきました。

編集部

職員のなかには、パラリンピック出場選手もいらっしゃるそうですね。

渡邉さん

そうなんです。現在、約30名の職員のうち、パラスポーツの選手や車いすユーザーは3名ほどいます。まさにダイバーシティな職場環境であり、日々多くの学びがあります。

このような職場で働いていて特に感じることは、「障がい者だから」「アスリートだから」といったような枠はないということです。「健常者でも障がい者でも、好きなもの、できること、話すことなどすべて違うよね。健常者といわれるあなたたちのほうが、よほど個性的だよ(笑)」とよく言われます。仕事をしていくうえで障がいの有無は関係なく、一人ひとりが何かできるかが大事なんだなと感じますね。

このような職場環境で多くの気づきを得て、それを広く発信できることは、パラサポならではの魅力だと思います。

編集部

オフィス以外で、職員同士が交流できる機会はありますか?

渡邉さん

部単位で使えるレクリエーション費の補助が出るのですが、広報部ではみんなで会食をしています。全体の交流もあり、2024年の夏は総務部がバーベキューを企画して交流を深める機会を設けていました。

「ボッチャ東京カップ2023 本大会」にパラサポ代表として出場したパラサポチーム
▲後藤さんは「ボッチャ東京カップ2023本大会」にパラサポ代表として出場!

求める人材:幅広く情報収集し、広報に活かせる力

編集部

広報部で求められる人材像についてお聞かせください。

渡邉さん

例えば、後藤はもともと海外のMLBやNBAにも国内のスポーツにも、ものすごく詳しいですし、松尾はスポーツ以外の分野でも強い情報収集力を持っているのですが、二人に共通するのは業務内外で幅広い情報を収集し、「広報活動でこんなふうに活かせるのではないか」といった提案まで持っていける力です。興味関心だけでなく、実践的な提案ができることが広報として重要だと考えています。

編集部

例えば松尾さんは、どのような方法で情報収集されているのでしょうか。

松尾さん

職場以外でも様々な人とコミュニケーションを取るように意識しています。また、SNSをチェックして「今こういうものが流行っているから、うちでもこういう打ち出し方をしてみましょうか」など、トレンドは敏感にキャッチできるようにしています。

また、テレビなどの様々なメディアにも日常的に触れていますね。私自身、新しい情報を得ることがとにかく好きなんです。

編集部

広報部門で企画や発信をされる際に、大切にされていることはありますか?

渡邉さん

話題性だけを追求するのではなく、コンテンツを多様な視点から検討することでしょうか。

例えばSNSの投稿では、話題性を重視した面白い表現にしたい気持ちもありますが、私たちのポリシーとして、より丁寧な表現を心がけています。バズりやすさよりも誠実さを大切にしているため、そういった考え方で企画や発信を行うことが求められますね。

後藤さん

私は、パラスポーツを通じて「物事を様々な角度から見ることの大切さ」を日々実感しており、業務においても幅広い視点を持つことを心がけています。チーム内でも、そういった多様な視点での議論が活発に行われています。

編集部

最後に、転職希望者へのメッセージをお願いいたします。

渡邉さん

私たちの主要な事業の一つ「あすチャレ!」では、全国の小・中・高・特別支援学校や企業・団体・自治体・大学向けにDE&Iについて考えるきっかけを提供する出前授業や研修セミナーを実施しています。年間900本以上開催し、これまでに子どもから大人まで約50万人の方々に受講いただいています。これは「障がい」に関する理解を深め、みなさんにDE&I社会を作るのは「自分」の行動から、と考えていただくための地道な活動です。

DE&Iプログラム推進部のメンバーは、パラアスリート講師と一緒に「あすチャレ!」を実施し、広報部門は事業部門と連携しながら、その価値を全国に広げる役割を担っています。このような活動に興味や共感を持ち、「一人でも多くの方に届けたい」「社会を変えていきたい」という想いを持って一緒に働ける方を歓迎します

DE&I教育・研修プログラム「あすチャレ!」の様子

渡邉さん

また、チャレンジ精神のある方も大歓迎です。新しいことへの挑戦を組織全体で応援する文化があります。パラスポーツを通じた社会変革という大きな目標に向かって、共に成長していける方と出会えることを楽しみにしています。

編集部

本日はありがとうございました!

編集後記

パラスポーツへの熱い想いを持っている後藤さん、広報活動で様々な知見を広げている松尾さん、そんなメンバーを包括的にマネジメントする渡邉さん。それぞれの能力を発揮することで良いシナジーを生んでいる、バランスの取れたチームだと感じました。また、パラスポーツを盛り上げていく仕事への誇りが、皆様からひしひしと伝わってきました。

日本財団パラスポーツサポートセンターの働き方のまとめ

働き方の特徴
  • テレワークは日数制限なく柔軟に運用可能(部署による)
  • 育児や介護に応じた時差出勤制度あり(8時出社なども可能)
  • 有給休暇は理由を問わず取得しやすい環境
  • 休日出勤時は振替休暇制度で対応
オフィス環境・社風
  • 28のパラリンピック競技団体と同じフロアの開放的なオフィス
  • 役員も一般職員と同じスペースで働く距離感の近い環境
  • パラアスリートと共に働けるダイバーシティな職場
  • 部署間の壁がなく、自由なコミュニケーションが可能
キャリアと成長機会
  • 新規事業の立ち上げなど、新しい挑戦の機会が豊富
  • 年齢や性別に関係なく意見を出せる環境
  • 様々な部門を経験できるチャンスあり
組織の特徴
  • 年間900本以上のDE&I関連セミナーを全国で開催
  • 社会変革をミッションとした非営利組織
  • 約50万人への教育実績を持つ
求める人材像
  • パラスポーツを通じた社会変革に共感できる人
  • 業務内外で幅広い情報収集ができる人
  • 多様な視点を持ち、バランス感覚のある発信ができる人
  • 新しいことへのチャレンジ精神がある人

日本財団パラスポーツサポートセンターの基本情報

名称 公益財団法人 日本財団パラスポーツサポートセンター
住所 東京都港区赤坂1-2-2 日本財団ビル4階
事業内容 ・パラリンピック競技団体・パラアスリート支援
・パラスポーツの普及啓発
・DE&Iプログラムの運営
・「パラサポWEB」などのメディア運営
設立 2015年5月
働き方 業務に応じてテレワークも可
公式ページ https://www.parasapo.or.jp/
募集職種 広報部、DE&Iプログラム推進部のイベント企画・運営
※広報部:広報・PR業務経験者
※DE&Iプログラム推進部:事業やイベント等の企画立案の経験者
取材・編集
紫竹淳志のプロフィール写真

ミライのお仕事編集部

紫竹 淳志

元新聞記者として約10年間、地方行政や選挙、プロ・アマチュアスポーツなど幅広い分野の取材経験あり。ミライのお仕事では、ソフトバンク株式会社や東京商工会議所、株式会社オープンハウスグループなど、数多くの著名企業や教育機関への取材を担当。