企業の新しい働き方や、若手活躍を支えるカルチャーを紹介するこの企画。今回は、学習管理SNS『Penmark(ペンマーク)』を運営し、大学生活のDXを推進するITのスタートアップ「株式会社ペンマーク」を取材しました。
株式会社ペンマークの事業概要:学生生活DX化を推進するITスタートアップ
株式会社ペンマークは「学生の一生を豊かにする。」をミッションに掲げ、キャンパスライフの効率化をサポートするプロダクトの開発・運営を行うITスタートアップです。
学生マーケットにおけるプラットフォーマーとしての可能性を高く評価され、オンラインファッションモール「ZOZOTOWN」を手掛けた前澤友作氏による「前澤ファンド」から約10億円の資金調達を実施し、2018年の設立から急成長を遂げています。
会社名 | 株式会社ペンマーク |
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住所 | 東京都目黒区目黒1-6-17 Daiwa目黒スクエア3F |
事業内容 | 学習管理SNS『Penmark』の開発・運営 |
設立 | 2018年12月21日 |
公式ページ | https://corp.penmark.jp/ |
働き方 | ・フレックスタイム制(コアタイム10:00~15:00) ・リモートワーク ※ビジネス部門は原則出勤、開発部門は週2回出勤 |
株式会社ペンマークには、若手社員のキャリア実現をバックアップする人事評価制度があります。また、社員の自律性を促進し、情報の透明性を重視する組織文化が根付いています。
今回は、経営企画部門・人事担当の今井さん、コミュニケーションデザイン責任者の市川さん、部長の藤田さんの3名に、若手が活躍できる独自の組織文化や事業の急成長の理由についてお話を伺いました。
ペンマークが開発する学生生活向上サービス:効率性と豊かさの両立
▲ペンマークが掲げるミッション
編集部
はじめに、ペンマークさんの事業内容を教えていただけますでしょうか。
市川さん
ペンマークは「学生の一生を豊かにする」というミッションを掲げ、学習管理SNS『Penmark』(ペンマーク)の運営を主軸に学生向けのサービスを提供しているITのスタートアップです。
『Penmark』の他にも、シンプルな操作画面の時間割アプリ『大学生のための時間割』、早稲田大学生向け時間割アプリ『わせコマ』など、大学生活をより効率的に過ごすためのアプリを提供しています。
さらに、大学ごとに特化した情報を発信するメディア『Penmark ツイッターアカウント』(※)、キャンパスライフに必要な日用品やパソコン等をお得に購入できる『Penmark ストア』、現在地やキャンパス周辺の学割クーポンが獲得できる『Penmark 学割』など多様なサービスを展開し、学生生活に必要な情報を幅広く提供しています。
(※)2023年5月時点で、100大学に展開
編集部
学習管理アプリやその他のサービスなど、時間を有効に使いたい学生の方に向けてサービスを展開されているんですね。どれもとても便利そうで、「私が大学生の頃にあったらよかったのに」と感じました。
大学生向け学習管理SNS『Penmark』の機能と魅力
▲大学生向け学習管理SNS『Penmark』。豊富な機能でスケジュールを一括管理できる
編集部
ペンマークさんの代表的なアプリ『Penmark』(ペンマーク)の特長をお聞かせいただけますでしょうか。
市川さん
『Penmark』は、短期大学・専門学校を含む約4,000校(2023年5月時点)の大学に対応している履修管理アプリです。
シラバスのデータから自分に合う授業を登録するだけで、オリジナルの時間割が簡単に作成できます。また、課題の締切日・授業の出欠率・メモ帳などの機能が搭載されているので、アプリ1つでスケジュールを一元管理できます。
さらに、アルバイトやサークルなどのプライベートな予定もカレンダーで管理できるため、学生生活全般のスケジュール管理に役立ちます。
▲『Penmark』の時間割機能。大学公式シラバスの授業情報が内蔵されている
編集部
多くの学生さんが利用しているだけあり、アプリ内でのコミュニケーションが活性化しそうですね。『Penmark』ならではの魅力は何でしょうか。
市川さん
『Penmark』独自の特長と言えばSNS機能です。仮想キャンパスのように、オンラインでもクラスメイトとやり取りができるんです。
具体的には、他のユーザーと授業や学内に関する情報を共有できる授業ごとのトークルーム「授業トーク」や、自分の大学のローカルな情報を共有できる「学内掲示板」があります。これらの機能を通じて、リアルな仲間以外とも気軽にコミュニケーションが図れます。
同じ大学の学生同士しかわからないことを質問できたり、不要になった教科書の売買が行われるケースもあります。このように、『Penmark』はキャンパスライフの充実度と効率性の向上に貢献しています。
▲『Penmark』の授業内チャット画面。匿名で利用することも可能
『Penmark』が実現する学生間交流:オンライン授業時代の新たなコミュニケーション
編集部
『Penmark』を利用している学生さんからは、どのような声が届いていますか?
市川さん
私はもともとCS(カスタマーサクセス)でユーザー様のお問い合わせ対応をしていたのですが、Twitterのダイレクトメッセージや問い合わせフォームから、主にサービスに関するご要望をいただくケースが多かったですね。ご要望をいただく度に担当チームに共有して、社内で優先順位を考えながら反映するというフローを何度か実践しました。
また、社会情勢の変化により、大学自体がオンライン授業を導入するようになったので、オンライン授業の不便を解消する目的で利用しているという声も増えています。
例えば、オンライン授業中にビデオ会議システムの音声が途切れるトラブルが発生した際に、授業チャットでオフラインで参加する学生に連絡をして、音声の不具合を先生に伝えてもらったという学生の方がいらっしゃいました。このように、授業のサポートツールとして活用する学生さんも増えてきていますね。
編集部
さまざまなサービスを展開されていますが、すべてのサービスから"大学生活を快適なものにしたい"というペンマークさんの強い思いを感じます。
ペンマークの急成長戦略:大学生市場におけるシェア拡大の軌跡
▲『Penmark』アプリのユーザー推移。2021年前澤ファンドの出資決定以降、急速に上昇(採用ページの採用資料から引用)
編集部
ペンマークさんのプロダクトを利用する大学生の数が、年々増加傾向にあると伺いました。
市川さん
おっしゃるとおりです。特に特に大学版『Penmark』アプリのユーザー数は、2019年から2022年の4年間で1万人から38万人へと急速に増加しました。『Penmark』に対応する大学数が約4,000校まで拡大していることが、利用者数の増加に紐づいていると考えています。
なお、現時点での『Penmark』の累計ダウンロード数は約74万人にのぼります(2023年5月時点)。内訳としては創業時から提供している大学版の『Penmark』がメインですが、2023年から提供を開始した高校生版も約1万7,000人からダウンロードされています。
編集部
大学での利用を中心に、多くの学生がペンマークさんのプロダクトを支持していることがわかりますね。
市川さん
ありがたいことに、『Penmark』などの時間割アプリは6人に1人の大学生にご利用いただいている状況です。これにLINE公式やTwitterなどのフォロワー数なども加えると、2人に1人の学生がペンマークのサービスを利用している計算になりますね。
編集部
まさに「大学生の必須アプリ」と言えるほど定着しているんですね。大学版の認知度が高いことから派生して、高校版や専門学校版のアプリの利用も活発になりそうです。
前澤ファンド出資による成長加速:大規模キャンペーンで実現した認知度向上
編集部
ペンマークさんが急成長を遂げた大きな要因は、どこにあるとお考えですか?
市川さん
弊社は2020年~2021年に最も成長しましたが、その大きな要因は前澤ファンド様からの出資です。
ペンマークの株主構成は、「プレシード・シード」と「シリーズA・シリーズB」の2つのフェーズに分かれています。第1フェーズの「プレシード・シード」では、約10名の株主から約6,000万円の資金調達を行いました。
第2フェーズの「シリーズA」では、ZOZOの創業者である前澤友作さんの「10人の起業家」プロジェクトに応募し、参加者の中で最年少ながら約5億円の資金調達に成功しました。
この「シリーズA」の資金調達時には、前澤さんのSNSや公式アカウントを活用して大々的にキャンペーンの告知を行いました。最大100万円が当たる大規模な抽選キャンペーンを実施し、これが話題を呼んでユーザー数の増加につながりました。
市川さん
『Penmark』は慶應義塾大学の学生向けにβ版の提供を開始してわずか1ヶ月で、大学内での利用率が約4割に達するなど、高い支持を得ていました。こういった実績も投資家の方々から評価されたポイントだと考えています。
また、学生向け市場において、前澤ファンド様と共同で大規模な事業を展開しているのはペンマークだけであり、この独自性も高く評価されています。
ペンマークの組織文化:「Run Straight」を体現する若手社員の活躍
編集部
ペンマークさんでは若いメンバーも活躍されていますが、今井さんはどのようなきっかけでジョインされたのか伺いたいです。
今井さん
私がペンマークにジョインしたタイミングは、前澤ファンドの「シリーズA」の合同説明会ですね。まさに組織強化の真っ最中です。
2023年で社会人4年目になるのですが、前職では新卒で大手通信会社に勤めていました。1年半ほど働く中で、「果たして若いうちから安定を求めていいのか?」と疑問を抱きはじめたんですよね。大企業は事業領域が広くて社会への貢献度も高いですが、個人に裁量権があるかどうかは別の話です。
ある程度の裁量権があり、領域の専門性を磨ける環境で挑戦したいという思いが強くなっていたタイミングで、前澤ファンドの合同説明会に参加させていただきました。
編集部
ペンマークさんに入社後、実際に働いてみてどう感じますか?
今井さん
スピード感が違いますね。企業規模が大きいほど意思決定が遅く、意見が通らないことも珍しくありません。その反面、ペンマークは自分の提案や意見が通り、組織として実践するまでもテンポ良く、スピーディに進みます。
まさに、バリューの一つである「Run Straight」ですね。決めたことはフルスピードで走り切る。このスピード感が理想としていた環境に近いので、とても働きやすいですね。
人事評価制度:バリュー体現と目標達成を重視したOKRの導入
▲ペンマークが大事にしているバリューの一覧(採用ページの採用資料から引用)
編集部
ペンマークさんでは、若手メンバーの活躍を評価・促進するような仕組みは取り入れていらっしゃいますか?
藤田さん
現在のペンマークくらいの規模感だと、明確な人事制度を設けていない企業も多いと思います。しかし、私たちは組織の拡大を見据えて、今からOKR(※)を取り入れています。
(※)OKR:Objectives and Key Resultsの略称で「目標と主要な成果・結果」を意味する。目標の達成度を測る成果(Key Results)を設定して、チーム・個人の方向性を明確化し目標を管理するフレームワーク
OKRでは、3ヶ月ごとにチーム・個人の目標を上長とすり合わせ、期末に当社のバリューの体現度や目標の達成率を振り返り、評価を行います。
評価の際には、リアルタイムのフィードバックだけでなく、3ヶ月間の行動も細かくフィードバックし、次の期間の成長につなげるようにしています。
3ヶ月に1度、人事評価の満足度についてアンケートを実施しており、直近の結果が5点満点中4.5点と高い水準でした。この結果から、社員が自身の業績が評価される基準や、評価が事業成長にどう関連するかを理解してきたと実感しています。
若手社員の成長支援策:書籍購入補助と経営陣との定期面談
編集部
他にも若手が活躍できる環境作りで注力していることはありますか?
今井さん
未経験および経験の少ないメンバーもいるため、経験値を補う方法を常に考えています。
まず、インプットが欠かせません。新しい知識や情報を得ることで自身の見識が広がり、アウトプットの質やキャッチアップ力が向上すると考えています。そのため、効率よく学習できるよう、書籍購入の補助制度を用意しています。
また、組織力強化の取り組みとして、月1回、メンバーが経営層に対して疑問点や今後の方針を質問できる機会を設けています。これにより、現場のメンバーに経営目線を持つ意識が備わるほか、経営層は現場の課題を理解し、お互いのすれ違いを防ぐことができます。
ペンマークの組織文化:「自学自習」「情報の透明性」「熱狂」を軸とした共通価値観
▲組織全体の風土において共通認識となる3つの考え方(採用ページから引用)
編集部
現在働いていて、全員に浸透しているカルチャーだと感じていることはありますか?
今井さん
ペンマークでは、組織の基盤となる価値観(=ファウンデーション)が明文化されていて、「みずから学習する組織」「情報の透明性」「多様な原体験が生む"熱狂"」の3つは、組織全体の共通認識としてメンバーに浸透していると感じています。
採用の際にもこのファウンデーションを重視するので、入社後のミスマッチや大きなメンバー間の価値観の相違が起こりづらいのではないでしょうか。
編集部
そのカルチャーに基づいた具体的な取り組みはありますか?
藤田さん
はい、いくつかありますが、特徴的なのは社員による自発的な勉強会です。専門知識のインプットは、メンバーと話し合いながら学ぶほうが効率的なので、とても良い文化だと思います。
例えば、「心理的安全性が高く、メンバー同士で切磋琢磨できる職場の作り方」についてディスカッションしながら考えを深めています。
また、開発メンバーが自社のデータベース構造に関するソース勉強会を開催するなど、部門を超えた情報共有の機会にもなっています。この文化は根付いてきているので、今後も継続していきたいですね。
編集部
率先して勉強会を開く姿勢は、まさに「みずから学習する組織」「情報の透明性」のファウンデーションを体現していますね。
チームビルディング:ウィンセッションと卓球大会で醸成される一体感
▲社内でコミュニケーションを楽しむメンバー。部署の垣根がなく、和やかな雰囲気がある
編集部
リモートワークを取り入れている企業では、コミュニケーション面で工夫が必要になるケースも多いと思います。ペンマークさんはどのように対策されていますか?
市川さん
私たちの勤務形態は、開発部門が週に2〜3日リモートで残りは出社、ビジネス部門は基本的に毎日出社しています。そのため、オフィスで日常的に顔を合わせる機会が多く、一緒にランチに行くこともあります。
また、毎週金曜日の夕方から「ウィンセッション」というカジュアルな会議を開催しています。これは単なる進捗報告の場ではなく、お酒や軽食を楽しみながら、和やかな雰囲気の中でメンバー同士が互いの成果を称え合う場となっています。
ウィンセッションの後には卓球大会が開かれることもあり、みんなで盛り上がっています。「金曜日を締めて、土日はしっかり休んで、月曜日からまた頑張ろう!」という気持ちで、毎週新鮮な気持ちで仕事に取り組めていると思います。
▲ときには卓球大会が始まることも
ペンマークの採用戦略:規模拡大を見据えた柔軟な人材獲得アプローチ
編集部
最後に採用に関してお伺いします。ペンマークさんは組織拡大を目指し、今後も採用に注力されるとのことですが、そのあたりをお教えいただけますか?
今井さん
今後も人材確保に注力して、企業規模を拡大していきます。これまでの採用選考は、一般的な数回の面談・面接を行う選考フローがメインでしたが、今後は新しい方法を強化していきます。具体的には、副業メンバーとして一定期間「お試し入社」してもらい、その後お互いにマッチする場合は正式ジョインという流れの選考フローをより重視していきたいと考えています。
企業側が一方的に採用の可否を決めるのではなく、求職者と選び合うのがペンマークの採用に適していると考えています。双方が一緒に働きたいと感じた場合に、業務委託から正社員になっていただくという採用方法を積極的に導入していきます。
実際に、ここにいる藤田も元々は業務委託で事業を支えてくれていました。ペンマークのカルチャーや事業の成長率、将来性を考えた上で「ぜひ今後も一緒に働きたい」となり、2022年4月に正社員としてジョインしました。
藤田のような実例があるからこそ、業務委託も含めた柔軟な形での人材確保を今後も強化していきたいと考えています。
求める人材像:転換期を共に乗り越えるポジティブマインドの重要性
編集部
急成長中のペンマークさんでは、どのような方が活躍できるとお考えですか?
今井さん
収益性や成長戦略に興味がある方、またクリエイティブな問題解決力がある方が活躍できると思います。
2023年、ペンマークは転換期を迎えています。2018年の立ち上げからプロダクトの改善を続けてきた結果、アプリのUI・UXが磨き上げられ、一定のユーザー数を確保できました。また、安定したユーザー獲得の仕組みも整っています。
ペンマークが目指す次のフェーズは、会社をさらに成長させていくことです。近い将来の株式上場も視野に入れており、売上と利益の拡大に注力する必要があります。
そのため、新規事業に携わりたい方や、裁量を持って売上を作っていきたい志向性を持つ方に、ぜひ加わっていただきたいです。
編集部
人柄などの面では、どんな方がフィットするでしょうか。
今井さん
カルチャーフィットの面では、自分の得意分野だけでなく、組織の拡大や基盤の安定まで考えられる、全体に目配りできる方を求めています。スキルも重要ですが、協調性を持って問題解決に取り組める方がフィットします。
組織の成長という課題に直面したときに、ポジティブに乗り越えられるような方を歓迎したいです。今後もフェーズは変わり続けるので、柔軟に対応できる姿勢が重要です。
編集部
ペンマークさんが急成長を遂げる理由は、多方面から高い評価を受けているだけでなく、人事評価の導入や小まめなフィードバックを実施し、若い人材も働きやすい環境を整備しているからだとわかりました。
ペンマークさんに興味のある方は、ぜひ採用ページよりお問い合わせください。本日は取材にご協力いただきありがとうございました。
■取材協力
株式会社ペンマーク:https://corp.penmark.jp/
採用ページ:https://recruit.penmark.jp/6aab9043d0a24fbda19f9f0f308c1396