ミライのお仕事『注目企業へのインタビュー』企画。今回は、清教学園中学校・高等学校にインタビューしました。この記事では、転職を検討されている方に向けて、同校で働く魅力をご紹介します。
「公平採用・公正採用」を掲げ民間企業からの教員採用も行う清教学園では、教員一人ひとりの裁量を重視しながら、生徒の成長をサポートできる環境づくりに注力しています。授業実施日を除く期間などでのフレックスタイム制の導入や年間労働時間の削減など、ワークライフバランスを重視した働き方改革を進めており、教育現場で働きながら自身のライフスタイルも大切にできる環境が特徴です。
今回は、民間企業・公務員を経て教員に転身した井上先生と、理事・法人事務局長の植野先生に、同校での働き方や教員としてのやりがいについてお話を伺いました。
民間企業・公務員を経て、教員未経験で清教学園に転職した体験談
▲民間企業・市役所を経て未経験で清教学園の教員となった井上先生
編集部
まずは井上先生のご経歴について教えてください。
井上先生
私は大学・大学院で建築学科を専攻し、民間のゼネコンに就職後1年で大阪市役所に転職し、そこで6年間技術系職員としてインフラ部局にて勤務しました。市役所で働いている際に清教学園の採用募集を知り、応募したところ採用していただきました。現在清教学園では3年目を迎えています。
編集部
技術職から教員を目指そうと考えられた理由をお聞かせください。
井上先生
高校生の頃から人に教えることに興味を持ち、学生時代には6年間塾講師のアルバイトをしていました。社会人になってからも人に何かを教えることの楽しさが心に残っており、社会人でも教員免許が取得できないか調べてみたのがきっかけです。
編集部
大学時代に教職課程を取られていたわけではなく、社会人としてお仕事と教員免許の勉強を両立されていたということですか?
井上先生
はい。大阪市役所での勤務と並行しながら苦労しつつも、何とか高校の教員免許を取得しました。
清教学園は中高一貫校のため中学校の教員免許も必要なのですが、実は採用に応募した時点では高校の教員免許しか取得していませんでした。念のため「高校の教員免許のみの状態で採用に参加させていただくことは可能でしょうか」と確認したところ許可いただけたのです。
その後、実務経験を条件とし、多く取得した単位を不足分の実習期間に振替できる制度を利用しました。1年間の実務経験を経て、現在は中学校の免許も取得しています。
サポート体制:1年間の常勤講師経験とメンター制度で教員としてのステップを踏む
▲理事・法人事務局長の植野先生
編集部
新たに教員としてジョインされた方に向けたサポート体制はありますか?
井上先生
比較的年齢の近い教員がマンツーマンでサポートしてくれる1年間のメンター制度があります。生徒たちの雰囲気や細かい職場ルールなど分からないことだらけの中で、このメンター制度があることで非常に助けられました。分からないことを質問させていただくと、教員という職業柄もあり、非常に丁寧にご指導いただけます。私のように未経験からのジョインでなくても必ずメンター制度があるため、新たに来た教員も安心して職場環境に馴染めるようになっています。
編集部
民間企業からの採用について、これまでの実績を教えていただけますか?
植野先生
民間企業経験者はいますが、教員職ではない未経験でのジョインは、私が知る限り井上先生が初めてです。未経験ということもあり、初年度は常勤講師からスタートし、その後昇格試験を受けるというステップを踏んだ上で2年目から専任教員となっていただきました。
編集部
1年間の常勤講師期間にはどのような意図があるのでしょうか。
植野先生
この期間中に教員としての経験を積んでいただくという意図もありますし、生徒との向き合い方などを学校側が確認する期間という意味合いもありました。それと同時に大切なのは、ご本人がこの学校で教員として長く勤められるかどうかを判断していただく期間でもあるということです。学校とご本人相互にとってのマッチングのために必要な期間だと考えています。
一番のやりがいは“生徒の成長”。生徒に向き合って工夫する裁量の大きさも魅力
▲毎朝行う教室での礼拝・ホームルームにも教員ごとの創意工夫が見られる
編集部
清教学園で働く魅力について、具体的にお聞かせください。
井上先生
一番の喜びは、生徒の成長を実感できることです。例えば元々クラスで自発的に動くタイプではなかった生徒がふとしたときに私の仕事をさっと手伝ってくれた、というような、10代という成長著しい時期特有のちょっとした変化を実感できる機会が多いのが嬉しいですね。
また前職が市役所だったこともあり、意思決定のスピードや裁量の大きさに違いを感じています。市役所では決裁フローが煩雑で意思決定に時間がかかっていました。それに比べて教員としての裁量は本当に大きく、授業の進め方も、授業計画(シラバス)の枠組みの中で自由に工夫できます。
教員の裁量が大きいからこそ、授業やホームルーム運営などに先生それぞれの工夫が見られるのも面白いポイントです。自分とは違うやり方を見て学ぶことも多いですね。
編集部
教員の裁量の大きさは、御校ならではの特徴なのでしょうか。
植野先生
そうですね。本校では教員が生徒たちに向き合い、それぞれの方法や進め方を考えられる環境を大切にしているため教員それぞれの考える余地、工夫の余地をつくれるように裁量を大きくしています。
一方で、教科としての一貫性も重要です。そのため教員同士で授業を見学し合ったり、教科での研修を行ったりしています。
編集部
学校側が提供する一律の研修機会などもあるのでしょうか?
植野先生
今お話したように教員一人ひとりの工夫の余地を大切にしているという点と、多様なキャリア、年齢の教員が在籍している点から、教育活動上で共通して必要な重要事項を学び合う年1~2回の全体研修と新任をおもな対象とした建学理念を理解するワークショップ的な研修を除き、一律の研修機会は設けていません。その代わりに専門性向上のサポートとして、年間5万円の自主研修費用を用意しています。これは教員が自身の必要に応じて講座受講などに活用できます。
例えばベテラン教員であれば、10年に1回の教育課程の変更にあわせて定期的に知見をアップデートするための研修費用として活用されることが多いですね。若手教員の場合は、教科指導についてのセミナー受講はもちろん、保護者対応のためのビジネスマナー研修など、いまの自分にとって必要だと思う、より実務的なスキルアップに使用することもあります。転職組の場合は、前職でのキャリアも活かしながら、必要な部分を補強していくような使い方をされています。
このように若手からベテランまで、それぞれのキャリアステージに応じた研修を選択できる点が特徴です。
働きやすい仕組みづくりが年々整う職場環境!
▲生徒がグループワークやプレゼンの練習に使えるラーニング・コモンズ。多様な学びに対応するのと同様に、働きやすい仕組みづくりにも注力している。
編集部
先生方の働きやすさを実現するために、具体的にどのような取り組みを行っていますか。
井上先生
3年目という勤務期間の中でも年々働きやすい仕組みが整っている変化を感じています。例えば残業抑制の工夫として、パソコンの自動シャットダウンを20時に設定されています。また、クラウドデスクトップを導入しており、外出先でも必要な資料の確認ができるようにすることで業務の効率化をはかっています。クラウドデスクトップは生徒情報の漏洩防止の観点からも有効です。
植野先生
働きやすい仕組みづくりとして、年間の勤務カレンダーを組んでいるのも特徴です。1年間の繁閑を加味した上で、早く帰りやすい時期や有給休暇を取りやすい時期を予め年間カレンダー上で設定しています。
井上先生
カレンダーがあることで、休みやすい時期などが教員の間で共通認識になって、休みを取りやすくなる効果を感じています。実際に先日も中間試験期間中で高校3年生が模試や午前授業だった週に、多くの先生方が有給休暇を取得されていました。
編集部
職場での両立支援について、具体的な制度や取り組みを教えていただけますか?
井上先生
産休育休といった制度はもちろん、フレックスタイムを活用して働けるなど、家庭環境に応じて働き方を選択できる仕組みが整っています。それに加えて周囲の理解があるのも大きいですね。私自身、清教学園で働き始めてから第一子が生まれたのですが、働きやすい仕組みと周囲の理解によって、特に困ることはありませんでした。何かあった際も、「気をつけてね」と送り出してくれる先生方が多く、理解のある環境だと感じています。
編集部
フレックスタイムの具体的なルールを教えていただけますか。
植野先生
授業との兼ね合いがあるため一般的にイメージされるような「自由な時間に勤務する」というフレックスタイムとはまた違うのですが、勤務時間を30分間後ろ倒しにしたり、お子さんの送り迎えの時間を配慮して時間割を組んだりと、教員個別の事情を勘案した働き方ができるようにしています。教務部で各先生の事情を考慮して時間割を組んでいるため4、5人の先生方の事情を調整するのは大変ですが、教職員一同で協力して実現しています。
また、授業実施のない長期休暇などの期間を中心にフレックスでの勤務が可能で、学校の行事暦を生かした柔軟な勤務フレームを図っています。
採用基準:教員としての経験よりも、生徒に向き合う姿勢を重視
▲全国学校図書館大賞にも輝いた図書館「リブラリア」。同校の教員たちにとっては「生徒の成長に寄り添う」ためのスキルをさらに磨く《探究型教育》の実践拠点ともなっている。
編集部
御校では教員採用においてどういった点を重要視されていますか?
植野先生
清教学園は、私学の中でも珍しいほど“公平な採用・公正な採用”にこだわって新たな先生の受け入れを行っている学校です。異業種だから、応募時点で基準に満たないからといった条件面のみで判断せず、本校の教員としての適性を見極めた上で採用を行っています。
特に重要視しているのは、本校の建学の理念「一人ひとりの賜物を生かす」に共感し、生徒たちの成長に寄り添う広い視野を持っているかどうかです。単に良い授業ができれば良いのではなく、生徒の成長段階に応じて幅広い関わりが求められるという本校の教育特性を理解し、より良い教育を実践していけることを重要視しています。
その分、業務範囲も幅広くなりハードな面もあります。しかしそれを受け止めながらも生徒の成長を喜べる方というのが本校の教員採用において譲れない基準です。
編集部
教育未経験の方が入職後、授業や学校業務に関してどのようにスキルを習得していけるのか、具体的に教えていただけますか。
植野先生
シラバスや学校オリジナル教材を活用することで、同僚教員とも協働しやすく、またメンター制度による丁寧なサポートもあるため、未経験の方でも段階的に授業スキルを身につけていける環境が整っています。
ただし本校では生徒一人ひとりの賜物を生かす教育を推進しているため、経験、未経験に関わらずただマニュアル通りに授業を行うのではなく、生徒に向き合って教育をブラッシュアップしていける姿勢があることが大前提です。
生徒と自身の成長を実感する教員としての“楽しさ”を体現したい人を歓迎
編集部
異業種から教員を目指す方々へ、実際の経験を踏まえたメッセージをお願いできますか?
井上先生
教員という仕事に対して、ハードな働き方というイメージを持つ方も多いと思います。しかし実際に清教学園で働いてみると、年々働きやすい仕組みが整ってきており、イメージのギャップを実感しました。転職を考えている方々には、イメージや先入観だけで判断するのはもったいないと伝えたいです。実際にホームページを見たり、問い合わせをしてみたりすると、想像と異なる職場環境に出会えるかもしれません。
何よりも、熱意を持って取り組んだ結果が目の前の生徒の成長という形で見られる“楽しさ”がこの仕事の最大の魅力です。勉強を教えるだけでなく生徒と真摯に向き合うことができる清教学園だからこそ、この楽しさを最大化できるのではないでしょうか。生徒と一緒に自身も成長していきたい方は、ぜひ清教学園での仕事に挑戦していただければと思います。
この記事のまとめ
教員の特徴と魅力 |
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ワークライフバランス |
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職場環境 |
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サポート体制 |
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採用方針 |
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清教学園中学校・高等学校の基本情報
運営法人 | 学校法人清教学園 |
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住所 | 大阪府河内長野市末広町623 |
設立 | 1951年 |
働き方 | 変形労働制度(年間勤務カレンダー)、フレックスタイム制度(授業実施のない期間などを中心に) |
公式ページ | https://www.seikyo.ed.jp/ |
採用ページ | https://www.seikyo.ed.jp/career/ |
募集職種 | 中学校・高等学校、常勤講師および非常勤講師(各教科) |