自治体で初任給が日本一高い「和泉市役所」の働きやすさとやりがいが叶う先進的な環境

ミライのお仕事『注目企業へのインタビュー』企画。今回は、大阪府和泉市役所にインタビューしました。この記事では、転職を検討されている方に向けて、和泉市役所で働く魅力をご紹介します。

和泉市役所は、初任給を自治体の中でもっとも高く設定したり(※)や、年功序列的な給料制度から職位に応じたメリハリのある給料制度への転換といった、人事給与制度改革を実現。また、DX推進による業務効率化、テレワーク・時差出勤制度の導入など働き方改革にも積極的で、若手職員の方も多く活躍する自治体です。
(※)参考:NHK関西NEWS WEB

さらに、令和3年に完成した新庁舎は、市民に親しまれるとともに職員の働きやすさにも配慮した、開放的で快適な空間となっています。

そんな和泉市役所で働くやりがいや魅力について、人事課の阿南さんと、政策企画室 IT活用推進担当の松代さんにお話を伺いました。

本日お話を伺った方
和泉市職員の松代さん

松代さん

和泉市役所へ入庁して半年。和泉市政策企画室 IT活用推進担当として勤務。

和泉市職員の阿南さん

阿南さん

和泉市役所へ入庁して4年目。1年前に「市長公室 人事課」に異動し、採用・人材育成などを担う。

働き方改革:実績にあった人事評価と高い給与が"働きやすさ"と"やりがい"に

タブレットを見ながら打ち合わせをする、和泉市職員の2人

編集部

和泉市役所は、初任給を全国の自治体の中でもっとも高く設定されているそうですね。その画期的な給与制度について、詳しく教えていただけますでしょうか。

阿南さん

当市では職員の働きやすさとやりがいのために、人事給与制度の改革に力を入れており、その一環として初任給額の引き上げを行いました。

NHKのニュースで取り上げられるなど反響は大きく、令和6年4月の制度改革以降、採用試験には大阪府外、関西圏外からも応募を頂いています。

また、年下の上司と年上の部下で逆転しない給料表を導入し、職員のモチベーション向上につなげています。給与制度に併せて人事評価制度も改革しており、能力と実績を重視する制度として、職員のやる気を引き出す環境づくりを進めています。

ワークライフバランス:地域貢献活動なら副業OK!柔軟な働き方を実現

PCに向かって仕事中の、和泉市職員の方々

編集部

ワークライフバランスの面で、職員の方の働きやすさのために行われている取り組みはありますか?

阿南さん

育児や介護との両立支援としてテレワーク制度を導入しています。

市役所というと窓口業務などがメインでテレワークがしづらいイメージがあるかもしれませんが、直接個人情報を扱わない書類の作成業務であれば、テレワークでも十分に対応可能です。

そのほか、保育園の送迎などに対応できるよう時差出勤制度も設け、職員一人ひとりがプライベートも大切にしながら、柔軟な働き方ができる環境づくりを進めています。

編集部

従来の市役所のスタイルにとらわれない、先進的な取り組みをされているんですね。

阿南さん

他にも、当市では地域貢献活動に関連する副業を許可しています。例えば、地域のスポーツクラブでのコーチ活動や講演活動、市の関連施設でのスタッフ業務などが認められています。

職員が趣味や得意なことを活かせる、市役所での業務とは別で収入を得ることができるという意味では、これらもワークバランスに関する取り組みの1つですね。

快適な新庁舎で、理想的な働き方を実現

和泉市新庁舎の庁内1階(左上)、和泉市新庁舎にあるカフェの外観(左下)、屋上庭園(右)
▲屋上緑化による業務フロアの空調負荷低減など、省エネルギーにも配慮されている

編集部

令和3年には、市庁舎も新しくなったそうですね。新庁舎の環境はいかがでしょうか。

阿南さん

市民のために新たに建設されたものですが、業務環境としても、とても快適です。1階は天井が高く開放感があり、物理的にも風通しの良い職場になっています。また、部署間の壁がなくなったことで他部署との連携がスムーズになり、お互いの業務の様子も把握しやすくなりました。

松代さん

会議室などの設備も充実しています。打ち合わせなどで外部業者の方がいらっしゃることもあるのですが、「綺麗な庁舎ですね」「会議室のレイアウトが使いやすいですね」という声を頂くことも多く、職員としても嬉しく感じています。きれいで働きやすい職場なので、働く意欲が自然と湧いてきます。

阿南さん

新庁舎は「市民の安全安心を支える庁舎」「市民にやさしい、利便性の高い庁舎」「環境にやさしい、ライフサイクルコストに配慮した庁舎」の3つの基本コンセプトのもとに建設されました。屋上庭園や、お子様連れの方のためにキッズスペースも設置され、より市民の方に親しまれる空間に生まれ変わっています。館内にはカフェレストランやコンビニもあるので、職員も昼食などに利用していますよ。

 

和泉市の新庁舎外観
▲広場にある、インパクト抜群の赤いモニュメントは、フォトスポットとしても人気

ライトアップされた、和泉市の新庁舎

若手職員の活躍:充実の研修制度で、1年目から安心してスキルアップ

PCを見ながら打ち合わせをする、和泉市職員の方々

編集部

その初任給日本一の効果もあり若手職員の方も多く入庁されているようですが、成長をサポートする制度や取り組みについてお聞かせください。

阿南さん

当市では、覚えることも多く、何かと大変な1年目職員へのサポートに特に力を入れており、三本柱で支援を行っています。1つ目はOJT制度、2つ目は部署外の先輩職員によるメンター制度、3つ目は人事課からのフォローです。

編集部

メンター制度について、部署外の方をメンターとして配置する狙いはどこにあるのでしょうか。

阿南さん

上司や課内の先輩とは別の相談相手ができることで、気軽に相談できる環境を作ることと、部署外との交流を通じて様々な視点を養ってもらうことです。

メンター制度自体、1年目職員の不安や悩みを先輩職員に相談することで、職場や業務になじんでもらうことを目的としています。メンターは基本的に、新入職員と年齢が近く、職種もなるべく似た方を選んでいます。相談する方にとっても、される方にとってもやりやすいようにという配慮ですね。

編集部

人事課からのフォローについても、具体的な内容を教えて頂けますか?

阿南さん

公務員の基礎知識や接遇などに関する、新入職員向けの研修を実施しています。職員同士の交流も兼ね、高石市や泉大津市など近隣自治体との合同研修を行うこともあります。また、年数回の面談を実施し、新入職員の状況を把握し、働きやすい環境を整備しています。

松代さん

私は、サイバー攻撃を受けた際の一連の対応を学ぶ研修に参加させてもらっています。また、技術系の資格やTOEIC、ITパスポートなどの資格を取得した場合には、受験費用プラス5,000円や10,000円の助成金を受け取ることができます。

基幹系システムの標準化対応や書かない窓口システムの準備などさまざまなプロジェクトを進めたりといった業務を進めるなかで、最新情報の収集やスキルの向上は不可欠です。そのため、成長や自己研鑽を強く後押ししてもらえることはありがたいです。

働くやりがい:若手でもチャレンジする機会が得られる

OJTの様子、新入職員向けの研修のようす

編集部

業務の中でやりがいを感じるのはどういったところでしょうか。

松代さん

若手でも積極的にチャレンジする機会があり、市の業務改善に携わることができるところに、やりがいを感じています。

例えば私の場合、以前に職員向けのAIチャットボットツールの試験導入に携わりました。ベンダとの打ち合わせやセミナーに参加し、AIの製品について調査を行うことは大変な部分もありましたが、「業務時間の減少につながった。」等の利用者の声を聞いた時にはやりがいを感じました。

阿南さん

当市の事務職では「10年で3部署を経験する」という方針で人事異動が行われます。私は入庁4年目なので、昨年までは固定資産税の部門で市民の方と直接関わっていましたが、3年目を終えるにあたり「人事企画に携わりたい」という希望を出して異動しました。現在は、採用や職員に対する研修、人材育成などを行っています。

業務内容が大きく変わったので、新しいことを覚える苦労もありますが、さまざまな経験を積み新しい知識をたくさん得られることは、やりがいになっています。

トカイナカの和泉市の前進のため、挑戦する仲間を募集

和泉市職員の松代さん(左)、阿南さん(右)

編集部

和泉市役所への入庁を考えている方へ、アドバイスを頂けますでしょうか。

松代さん

明確な目的意識を持って入職してほしいと思います。日々の業務に追われると初心を見失いがちですが、志を持ち続けながら一緒に働ける方と共に成長していきたいですね。

阿南さん

和泉市は都会の利便性と自然の豊かさを両立した、暮らしやすい「トカイナカ」です。そして一方で、市民の皆様の快適な生活のために、これからできることもまだまだ多いと思っています。

人事給与制度改革もそうですが、当市には、新しいことにチャレンジする文化があります。職員の『やりたい』という思いを実現できる環境があり、周りからのサポートも得られやすい職場です。

このような環境で、チャレンジ精神と自己成長意欲を持ち、改善・変革に意欲的な方と一緒に働きたいと考えています。

編集部

市民の方の暮らしと職員の方の働きやすさのため、多くの改革・挑戦をしている和泉市は、チャレンジ精神旺盛な方にとって、非常に魅力的な職場だと感じました。

本日はありがとうございました。

編集後記

日本一の初任給や、職員の頑張りが給与に直結する新制度の導入など、意欲的な人事改革に取り組んでいる和泉市役所。さらに、テレワークや時差出勤の導入により、介護や子育てをしている職員も働きやすい環境を整備しています。副業も今年度は30名以上の申請があるとのことで、職員一人ひとりの成長や働き方をサポートする姿勢が印象的でした。

この記事のまとめ

働き方・制度
  • 育児・介護に配慮した時差出勤制度を導入
  • テレワーク制度あり(セキュリティ対策済みPCを貸与)
  • 地域貢献に関連する副業(スポーツクラブコーチ、講演活動等)を許可
新人育成体制
  • OJT制度、部署外の先輩職員によるメンター制度、人事課からのフォローの三本柱でサポート
  • 年間計画書を作成し、毎月評価とフィードバックを実施
  • 近隣自治体との合同研修や公務員基礎知識、接遇研修などを実施
職場環境・施設
  • 新庁舎は開放的で部署間の壁がなく、連携がスムーズな環境を実現
  • 屋上庭園やキッズスペース、カフェ、ヤマザキショップを完備
  • 各部署にDX推進員を配置し組織全体のデジタル化を推進
給与・福利厚生
  • 年功序列的な給料制度から職位に応じたメリハリのある給料制度への転換
  • 資格取得支援制度あり(技術系資格やTOEIC等の取得費用を補助)
  • 市内居住者には賃貸住宅手当を5年間1.5倍に増額
組織の特徴
  • 10年で3部署という異動方針で、多様な経験を積める環境を整備
  • 新しいことへのチャレンジを推奨し、職員の提案を積極的に採用
  • 事務職の中に情報職という専門職種を設け、IT人材の活躍機会を創出

和泉市役所の基本情報

住所 大阪府和泉市府中町二丁目7番5号
働き方
  • ハイブリッド勤務(出社+リモートワーク)
  • 時差出勤
公式ページ https://www.city.osaka-izumi.lg.jp/
採用ページ https://www.city.osaka-izumi.lg.jp/siseizyouho/shokuinsaiyo/index.html
募集職種
  • 技術職
  • 事務職
  • 専門職
  • 消防職