ミライのお仕事『注目企業へのインタビュー』企画。今回は、関市役所にインタビューしました。この記事では、関市役所への就職、転職を検討されている方に向けて、同市役所で働く魅力をご紹介します。
関市役所では、若手職員が高校生・大学生とともにまちづくりを進める「VSプロジェクト」や「せきららゼミ」などを主導し、従来の市役所の枠にとらわれない柔軟な発想で地域活性化に取り組んでいます。また、リモートワークやフレックスタイム制度の導入、男性育休取得率の向上など、働き方改革も着実に進めており、職員一人ひとりが活躍できる環境づくりに力を入れています。
今回は、関市役所の若手職員の活躍と働き方改革について、秘書課の渡辺さん、下田さん、市民協働課の古田さんにお話を聞かせていただきました。
若手職員の活躍事例:高校生・大学生との協働のまちづくりプロジェクト
▲若者によるまちづくりの事業の一つ「VSプロジェクト」のミーティングの様子
編集部
古田さんが現在担当されている具体的なプロジェクトについて教えていただけますか。
古田さん
主に3つのプロジェクトを担当しています。1つ目は「VSプロジェクト」という市内在住・在学の高校生によるまちづくりチームです。2つ目は「せきららゼミ」という主に大学生を対象としたプログラムで、地域への愛着形成や関係人口の増加を目指しています。3つ目は「関市若者まちづくり団体・まちづくりプレーヤー登録制度」で、若者のまちづくり活動を市がサポートする制度です。
若手職員を配置しているのは、高校生や大学生にとって話しやすい年齢層であることを考慮してのことです。月に1、2回程度ミーティングを開催し、準備を進めています。
編集部
印象に残っている具体的な取り組みを教えていただけますか。
古田さん
VSプロジェクトでは、高校生たちが「市内飲食店を応援し、より多くの人に関市の魅力を再発見してもらいたい」という想いから、「高校生が学校帰りに寄れるお店」をテーマにグルメマップを作成しました。このマップでは、高校生が実際にお店を取材し、試食レポートや手書きの地図を作っているんです。
また、プレーヤー制度では、地元の特産品のPRがしたいという想いを持った高校生たちが円空さといもを使ったドーナツの開発・販売に取り組み、その企画から支援させていただきました。
編集部
若者たちの活動をサポートする上で、どのような工夫をされていますか。
古田さん
ミーティングでは、自由な発想でアイデアを出し合える環境づくりを心がけています。高校生たちの活動なので、大人が制限をかけすぎると無難なものになってしまいます。
出てきたアイデアは「誰に対して」「どういう効果を期待して」「どうやったら実現できるか」といった点を、少しずつ掘り下げながら形にしていきます。出てきたアイデアは事務局で実現可能性を検討し、形にできそうな案をピックアップして、最終的には学生たち自身に決定権を委ねています。
▲「VSプロジェクト」で高校生と打ち合わせをする古田さん
編集部
実際に関市役所の職員として働いてみて、どのような印象をお持ちですか。
古田さん
インターンシップを経て入庁したのですが、最初は市役所の仕事というと窓口対応や事務作業がメインだと思っていました。実際には企画やイベントの運営など、想像以上に幅広い業務に携わることができています。これは良い意味でのギャップでした。市役所でもこういった創造的な仕事ができるということを実感しています。
高校生など若い世代と関わる中で、最初は「まちづくりは敷居が高い」と感じていた方々が、少しずつ参加して「楽しかった」「関市のことをもっと知れた」「もっとやってみたい」という声を聞かせてくれることがあります。そういったときに特にやりがいを感じています。
若手の成長支援:研修・資格支援・メンター制度が充実
編集部
職員の皆さんの成長を後押しするような制度はございますか。
渡辺さん
職員の自己啓発を支援する制度として、職員互助会から資格取得に対する補助があります。英検や簿記、宅建、情報処理に関する試験など、幅広い資格が対象となっています。受講料は自己負担ですが、合格した際に報奨金という形で交付される仕組みです。職員の自己成長をサポートする取り組みの一つとなっています。
編集部
若手職員の方にとって、職場の相談体制はいかがですか。
古田さん
私の所属部署では、上司に相談しやすい雰囲気があります。担当は分かれていますが、周囲の先輩にも「こういうことをやりたいのですが、どこに相談したらいいでしょうか」「ここでつまずいているのですが、アドバイスをいただけませんか」といった相談がしやすい環境です。
また、1年目のときにはメンター制度があり、別部署の先輩職員が相談役としてサポートしてくれました。
渡辺さん
メンターは意図的に別部署の職員を選んでいます。自分の部署とは違う視点からアドバイスをもらえたり、「自分の部署ではこの部分で困っているのですが、そちらの部署ではどうですか」といった相談ができたりします。先輩職員も責任感の向上や、マネジメントスキルの向上につながり、互いに成長できる機会となっています。
ワークライフバランス:リモート・フレックス導入や休暇取得を促進
▲関市役所7階にある「つなぐガーデン」のカフェオフィスエリア。休憩、昼食などの憩いの場としても活用されています
編集部
ワークライフバランス実現のために、どのような取り組みをされているか教えていただけますか。
渡辺さん
リモートワーク制度とフレックスタイム制度を取り入れています。どちらの制度も所属長の承認が必要ですが、業務に支障がない範囲で、本人の希望に沿って取得できる仕組みになっています。
他にも、水曜日をノー残業デーに設定しています。夕方6時になると自動的にパソコンがシャットダウンされるので、退勤して自分の時間を大切にしてもらう仕組みを導入しています。
編集部
リモートワークやフレックスタイムの活用状況について詳しく教えていただけますか。
渡辺さん
リモートワークは窓口業務や電話対応がある部署もあるため、年間の取得目標は設定していません。小さなお子さんがいる方を中心に、ご家庭の事情がある時や自宅で集中して業務に取り組みたい場合などに活用されています。
フレックスタイムについては、お子さんの送り迎えや家族の介護など、個々の事情に応じて柔軟に活用されており、定着してきています。
編集部
休暇の取得促進について、具体的な取り組みはありますか。
渡辺さん
「YASUMO」というスローガンを掲げて、休暇の取得を推進しています。例えば、有給休暇を年間12日以上取得することを目指したり、土日含めて連続休暇を取得することを推進したりといった取り組みを進めています。
下田さん: 特に夏季休暇については、7月から9月にかけて職場で休暇取得カレンダーを作成し、職員間で調整しながら計画的に取得できるようにしています。休暇の取得については定期的に職場で周知を行い、連続休暇を取得してリフレッシュできる環境づくりを推進しています。
編集部
休暇取得の促進について、実際の効果は感じられていますか。
渡辺さん
休暇については定期的に取得促進の周知を行っていることもあり、かなり浸透してきています。連続休暇を取ってリフレッシュし、その分戻ってきてから仕事に専念する意識が広がっています。周りの理解も必要になってきますが、お互いさまという雰囲気が定着してきています。
古田さん
所属している部署では、上司から朝礼などで「普段の仕事に集中できるように有給を積極的に活用しよう」と呼びかけられることが多く、有給を取得しやすい環境があります。こういったことがあるおかげで、仕事とプライベートのメリハリをつけやすく、しっかりと切り替えることができています。
子育て支援:男性職員の育休取得も進む!男女問わず取得しやすい職場作り
▲関市役所の外観
編集部
子育て支援や育休制度について、特徴的な取り組みや実績を教えていただけますか。
下田さん: 女性についてはどの部署でも育休取得率は100%で、男性職員についても子供の誕生が分かった時点で、所属長との育休取得計画面談を実施しています。令和5年度は対象となる男性職員6人中5人が育休を取得し、令和6年度も現時点で取得予定率が100%です。
編集部
高い取得率の要因は何だとお考えですか。
下田さん: まずは制度面での工夫です。社会保険料の免除など、収入面での不利益を最小限に抑える仕組みを整えており、所属長がその説明資料を用いて個別に相談に応じています。
ほかに育休取得の具体的な手続きや、利用可能な制度をまとめたガイドブックを作成しています。所属長との面談時にも活用し、スムーズな制度利用をサポートしています。
多くの職員が育休を取得する文化が定着してきており、自然と取得しやすい雰囲気が醸成されています。特別な推進活動をしなくても、自主的な取得が増えてきているのは喜ばしい変化です。
カルチャー:バーベキュー交流会や親睦会を定期開催
▲市長と若手職員によるバーベキュー交流会
編集部
職員さん同士のコミュニケーションを促す取り組みなどはありますか。
渡辺さん
特徴的な取り組みとして、市長と若手職員によるバーベキュー交流会を毎年開催しています。
入庁1~2年目の職員が参加し、買い出しから企画・運営を担当するなど、市長と気軽に会話できる機会を設けています。他にも各職場において親睦会を年に2、3回ほど開催していますし、旅行に行っている職場もあります。
職場で旅行や飲み会をする場合、職員互助会から補助が出る仕組みになっているので、職員同士のコミュニケーション促進になっています。
古田さん
バーベキュー交流会には私も幹事として参加しました。約30名ほどが集まり、市長や他部署の上司、後輩職員と交流する貴重な機会でした。入庁のきっかけや趣味の話など、プライベートな会話も交わせる和やかな雰囲気で、とても楽しい思い出になっています。
編集部
他にも特徴的な取り組みがあれば教えてください。
渡辺さん
職員の親睦を深める同好会・クラブ活動も盛んです。現在、野球、テニス、筋トレ、卓球、フットサル、軽音、バスケットボールなどがあり、職員互助会から活動費の補助も出ています。こうした活動を通して横と縦のつながりを作ることができ、職員同士の交流が仕事への活力や良好な職場の雰囲気づくりに貢献していると感じています。
編集部
職場の雰囲気はいかがでしょうか?
古田さん
業務中はもちろん仕事に関するアドバイスをいただくことが多いのですが、休憩時間や朝礼が始まる前にはプライベートな話をすることも多いです。そういった日常的なコミュニケーションが自然と生まれる雰囲気があります。
求める人材:市民ニーズに応える柔軟で積極的な行動ができる人
▲「世界三大刃物産地」「日本一の刃物のまち」として知られ、刃物産業の歴史を感じることができる施設も多い関市
編集部
就職、転職を考えている読者に向けて、関市が求める人材像やメッセージをお願いできますか。
渡辺さん
関市役所としては、市民の目線に立ち、市民のニーズに応えられるような人材を求めています。何事にも積極的に行動できることや、変化する社会情勢に臨機応変に対応できる力が重要です。
昔は市役所の職員というと堅いイメージがありましたが、今は市の独自のカラーを積極的に出しながら、時代に合わせて変化しています。特に若手職員には、どんどんアイデアを出してもらい、そのアイデアを仕事に反映させていくことを期待しています。
現在関市では、若年層や子育て世代をターゲットとした移住・定住促進に力を入れています。若い職員ならではの視点やアイデアを政策に活かし、より魅力的なまちづくりを進めていきたいと考えています。
関市を愛し、地域に貢献したいという気持ちを持っている方とともに、より良い関市を作っていければと思っています。
編集部
若者のアイデアや視点を政策に活かす姿勢は、地域貢献に対する熱い思いと自分のアイデアを形にしたい希望を持つ方にとって、魅力的ではないでしょうか。本日はありがとうございました。
編集後記
この記事のまとめ
若手の活躍機会 |
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働き方の特徴 |
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職場環境・カルチャー |
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育児・両立支援 |
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求める人物像 |
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岐阜県関市の基本情報
住所 | 岐阜県関市若草通3丁目1番地 |
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働き方 | ハイブリッド勤務(出勤+リモートワーク) フレックスタイム制度 |
公式ページ | https://www.city.seki.lg.jp/ |
採用ページ | https://www.city.seki.lg.jp/category/3-7-3-0-0-0-0-0-0-0.html |
募集職種 | ・一般事務職 ・専門職(保育士・保健師等) ・技術系 ・土木 |