温暖化対策に挑むSPACECOOL株式会社。地球を守る仕事の魅力に迫る

ミライのお仕事『注目企業へのインタビュー』企画。今回は、SPACECOOL(スペースクール)株式会社にインタビューしました。この記事では、転職を検討されている方に向けて、同社で働く魅力をご紹介します。

SPACECOOL株式会社は「世界に木陰の涼しさを」をビジョンに掲げ、日中でもゼロエネルギーで冷却効果を生み出す独自素材の研究開発・販売を行っています。大阪ガスからのカーブアウト型ベンチャーとして誕生し、その革新的な放射冷却素材は2025年大阪・関西万博のパビリオンに採用されたほか、数々の受賞歴を誇ります。

また、グローバル展開を積極的に推進する同社では、中東やアジアへの導入も進めるなど、高い技術力と環境への貢献を両立させながら、カーボンニュートラル社会の実現という地球規模の課題に挑戦しています。

今回は、社会課題の解決に情熱を持って取り組む同社の魅力や海外営業ポジションの特徴について、コーポレート本部長の井口さんにお話を伺いました。

本日お話を伺った方
SPACECOOL株式会社のCFO兼コーポレート本部長を務める井口晃一さん

SPACECOOL株式会社
CFO兼コーポレート本部長

井口 晃一さん

革新的な放射冷却素材を開発したSPACECOOL株式会社

SPACECOOL株式会社の研究所における実証実験エリア

編集部

まず、御社のビジョンである「世界に木陰の涼しさを」に込められた思いについて教えてください。

井口さん

当社の開発した放射冷却素材「SPACECOOL」は、感覚的に表現すると「木陰に入ったときの涼しさ」を実現する製品です。冷蔵庫のように強力な冷却効果があるわけではありませんが、炎天下でも体感的な涼しさを提供することができます。

具体的な特徴としては、日中でもゼロエネルギーで冷えるという点が挙げられます。この特徴を兼ね備えた素材はこれまで世界になかったもので、地球温暖化対策という地球規模で取り組む課題のゲームチェンジャーになる可能性も秘めていると信じています。

この素材は、地球に差し込む宇宙からの熱エネルギーを大気圏外へ放出することができるため、世界中のあらゆる地域における暑熱対策や、ひいてはカーボンニュートラル社会の実現に大きく貢献できると考えています。この思いを「世界に木陰の涼しさを」という言葉に込めました。

編集部

事業モデルの特徴についてお聞かせください。

井口さん

私たちの特徴の一つは、ファブレス型のビジネスモデルです。自社の製造設備は持たず、競争力のある知財やノウハウを持った上で、実際の製造は外部パートナーに委託しています。これにより、製造コストを抑えながら高い収益性を実現できます。

また一方で、プラットフォームビジネスを目指しています。例えばGORE-TEX®は、ノース・フェイスの服や靴など、様々な製品に使用される素材ブランドとして確立されています。私たちも同様に、自社で最終製品を販売するのではなく、2次加工、3次加工のパートナー企業と組んで、彼らの商品として世の中に展開していく戦略を取っています。

大阪・関西万博のパビリオンにSPACECOOLの素材が採用

編集部

これまでの主な導入実績をご紹介いただけますか。

井口さん

一つの象徴的な実績としては、2025年の大阪・関西万博のパビリオンに当社の技術・素材が採用されました。

現在は施工が進められている段階ですが、作業現場からは「このパビリオンの下は特に涼しく、作業がしやすい」という声をいただくなど、既にSPACECOOLの効果を感じていただいています。来年の初夏から開催される万博で世界中から訪れる方々に同様の効果を体験していただくことで、放射冷却素材の市場がさらに盛り上がることを期待しています。

また、当社は創業4年目という若い企業ながら、着実に実績を重ねています。当社は『すごいベンチャー100』(東洋経済)に選出されたほか、グッドデザイン賞金賞、東京都ベンチャー技術大賞も受賞しました。

■SPACECOOL株式会社の実績やソリューション事例についてはこちらから
https://spacecool.jp/#about

中東・アジアを中心に新素材のグローバル展開を進める

COP28に参加するSPACECOOL株式会社の社員たち
▲COP28など、環境問題に関する国際会議へ出席する機会も多い

編集部

グローバル展開の現状についてお聞かせください。

井口さん

創業以来、海外での導入実績を重ねながら、グローバル展開を積極的に推進しています。例えばサウジアラビアでは、現地の戦略的パートナー企業と共に現地のニーズを開拓し、建屋屋上面などの大面積での実証を進めています。タイでは、数百台の空調室外機に当社の製品を導入していただき、大幅な電力削減効果が確認されています。

空調の使用頻度が高い国や地域では、SPACECOOLが大きなコスト削減とCO2削減に貢献できることが実証されつつあります。

編集部

海外営業として働く場合、出張の頻度はどの程度でしょうか?

井口さん

現状では、サウジアラビアなど中東方面には四半期に1回程度、約1週間かけて現地パートナーやエンドユーザーを訪問しています。また、タイやベトナムなどのアジア圏には1~2泊の短期出張が頻繁にあります。

SPACECOOL株式会社が求める人材像:新市場を創造する意欲と能力を持つ人

SPACECOOL株式会社の全社会議の様子
▲半期に一度の全社会議の様子

編集部

現在のチームメンバーは、どのようなバックグラウンドをお持ちの方が多いのでしょうか?

井口さん

当社には素材業界で研究開発や技術営業を経験してきたメンバーもいれば、製造流通系や電機メーカーの大手上場会社、さらに旅行代理店や製薬会社など、様々な業界からの転職者が在籍しています。皆、新しい市場を創造していくという共通の志を持って集まっています

編集部

井口さんご自身の転職の決め手は何だったのでしょうか?

井口さん

私自身、前職は投資銀行業界で主にM&Aに携わっていましたが、社会課題に直接的に関われる環境を求めて転職を決意しました。当社には一流企業での経験を持つメンバーが多数在籍していますが、皆、より直接的な社会貢献と自己成長の機会を求めて参画しています。

大手企業では組織としての社会的インパクトは大きいものの、個人が与えられる影響力には限界があります。一方で当社のようなスタートアップでは、社会課題に対して手触り感を持って挑戦できる環境があります。そういったチャレンジングな環境で活躍したい方や、環境問題など社会課題の解決に強い使命感を持つ方がマッチすると思います。

高度な英語力と理系的思考力を兼ね備えた「海外営業ポジション」を募集

編集部

現在はどのようなポジションを募集しておられますか?

井口さん

現在は特に海外営業ポジションを募集しています(2024年11月時点)。まだ創業から4年目ということもあり、成熟した製品やユースケースが多いわけでもないため、お客様のどういった課題にどういう形で刺さるかという提案型の案件営業がメインとなります。

例えばサウジアラビアでは、建物や安全基準の考え方、求められる効果、気象条件など、日本と異なる点が多々あります。そういった多種多様な環境への理解を深めつつ、フロントで自ら案件化して受注し、数字にするという高い能力が求められます。

編集部

海外営業ポジションにおいて、具体的に求められるスキルや経験について教えてください。

井口さん

海外営業として重要なスキルが2つあります。それは高度な英語力と理系的思考力です。

英語力に関しては非常に高いレベルを求めています。というのも、現地での商談や交渉、代理店契約の締結など、その場で重要な判断を求められる場面が多いためです。メール対応だけでなく、実践的なビジネス英会話の力が必要です。

もう1つは、数字を扱うことに長けた理系的思考力を求めています。お客様は定量的な判断を重視されるため、データを分析し、説得力のある提案ができる技術営業としての能力が求められます。

編集部

その他にも御社で生かせる経験や能力があればご紹介ください。

井口さん

生産でも営業販売でも、新しい市場を創造していくためには、パートナー企業のリソースをいかに活用して、効率的に放射冷却素材を世の中に浸透させていけるかが重要です。

例えば、素材系の研究開発経験はもちろん、海外を含めた生産パートナーの開拓経験や代理店営業の経験をお持ちの方は歓迎します。

リモートワークを併用し、自主性を持って働く社風

SPACECOOL株式会社の社員たちが親睦を深める様子

編集部

SPACECOOL株式会社の社風や働き方について教えていただけますか?

井口さん

当社の特徴的な社風として、メンバーの誠実さと真面目さが挙げられます。もちろん堅苦しいという意味ではなく、協調性が高く、自主性を持って業務に取り組む社風です。

働き方は、コロナ禍の2021年に創業したこともあり、リモートワークを併用しています。オンラインとオフラインをうまく使い分けながら、メンバーの一人ひとりが高いコスト意識を持ち日々の業務に取り組んでいます。

編集部

リモートワークも併用しているとのことですが、社内のコミュニケーションはどのように図られているのでしょうか?

井口さん

コミュニケーションについては、週次で役員・社員全員参加のオンラインミーティングを実施しています。また、半期に1回は全社会議を対面で実施し、全メンバーが一堂に会して交流を図っています。営業メンバーについては、東京・大阪間や地方への出張も多いため、各地で対面のコミュニケーションの機会も自然と生まれています。

編集部

社員のモチベーション向上に向けた取り組みはありますか?

井口さん

スタートアップらしい報酬設計として、役員だけではなく社員も対象としたストックオプション制度(※)を導入しました。これにより、会社の成長と個人のリターンが連動する仕組みを整えています。
(※)ストックオプション制度:将来、自社株式を購入できる権利。業績次第で収入をあげる効果が期待でき、社員のインセンティブになる。

転職希望者へのメッセージ:地球の暑熱環境を変えたい方を募集

SPACECOOL株式会社のCFO兼コーポレート本部長を務める井口晃一さん
▲今回のインタビューに対応してくださった井口さん

編集部

最後に、SPACECOOL株式会社への転職に興味を持った方へのメッセージをお願いします。

井口さん

当社は若い企業ながら、カーボンニュートラル社会の実現という地球規模の課題に挑戦し、着実に実績を重ねています。すでに独自素材の開発に成功しており、この技術を世界中に広げる段階です。私たちの仕事は、地球の暑熱環境を劇的に変えられる可能性を秘めています。

私たちが目指しているのは、現代を生きる私たちだけでなく、子供たち、そしてその先の世代が生きる地球を守ることです。このような大きなチャレンジに共感し、一緒に取り組んでいただける方をお待ちしています。大手企業では得られない直接的な社会貢献への実感と、スタートアップならではの挑戦的な環境で、共に成長していきましょう。

編集部

グローバル展開を目指すスタートアップならではの熱い思いと、確かな実績について聞かせていただきました。本日はありがとうございました。

この記事のまとめ

事業の特徴 ・ファブレス型のビジネスモデルを採用
・GORE-TEX®のような素材ブランドを目指すプラットフォームビジネス
・2025年大阪・関西万博のパビリオンに採用される等、多数の受賞実績あり
グローバル展開 ・中東・アジアを中心に展開
・サウジアラビアでは建屋屋上面の大面積導入、タイでは空調室外機に導入するなど、着実にユースケースを開拓
・四半期に1回程度の中東出張、アジアへは頻繁な短期出張あり
求める人材像 ・海外営業ポジションを重点的に募集中
・高度な英語力と理系的思考力が必須
・新市場創造への意欲と社会課題解決への使命感を重視
働き方・社風 ・リモートワークを併用
・週次オンラインミーティングと半期に1回の全社会議を実施
・ストックオプション制度を導入
・社員の自主性と高いコスト意識が特徴

SPACECOOL株式会社の基本情報

住所 【本社】
東京都港区虎ノ門1-17-1 虎ノ門ヒルズビジネスタワー 4階 ARCH内

【研究所】
大阪市此花区酉島6-19-9 大阪ガスエネルギー技術研究所内
事業内容 ・放射冷却技術の研究開発
・放射冷却素材の販売
設立 2021年4月1日
働き方 リモートワーク併用
公式ページ https://spacecool.jp/
採用ページ https://jp.indeed.com/cmp/
Spacecool%E6%A0%AA%E5%BC
%8F%E4%BC%9A%E7%A4%BE/jobs?
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募集職種 海外営業ポジション
・3〜5年以上の海外営業の経験が望ましい